2015年11月30日月曜日

房総酒蔵バイクツーリング 埴輪だらけの道を通って青柳酒造を発見


 房総の酒蔵巡りをする時にいつも参考にしている千葉県酒造組合のホームページにも青柳酒造については情報が少なく、蔵での販売もしていないようで、訪問が先延ばしになっていました。ここのところの寒さで熱燗が進み、買い置きしていた日本酒が底をついたため、まだ飲んだことのない青柳酒造の酒を求めてバイクを走らせました。

 目的の酒蔵は成田空港の南、横芝光町にあります。途中、芝山はにわ道と名付けられた県道62号を通りますが、道路沿いに埴輪が点々と立っています。古墳時代の遺跡と埴輪がたくさん見つかっている場所だそうです。芝山古墳・はにわ博物館という看板を見つけ立ち寄ってみましたが、残念ながら休館日でした。

芝山古墳・はにわ博物館、残念ながら定休日でした

この辺は古墳時代(3世紀末〜7世紀)には海岸線近くで、海産物の豊富な住みやすい場所だったようです。次回はじっくり博物館で勉強したいと思います。

埴輪だらけの芝山町界隈

 県道45号を匝瑳(そうさ)市方面に進んでいくと、典型的な谷津風景の中に小山を後ろにした煙突が目に入りました。小山と水田の間の狭い平坦部に立派な門構えの酒蔵を発見しました。目指す青柳酒造に到着。谷津地形の高台の端に位置していますので、豊富な地下水が得られそうな場所です。

青柳酒造、裏の小山から豊富な地下水が得られそうな地形です

 訪問前に電話でお酒が入手可能かどうか尋ねてみたところ、やはり蔵ではなく近所の直売所で入手して欲しいとのこと。蔵の場所はわかりましたので、次は教えてもらった「ひかり直売所」を目指しました。バイクで20分ほどの国道126号沿いにありました。

国道126号沿いにあるひかり直売所

新鮮な野菜もたくさん置いてあり、地元の人が大勢買い物に来ていました。ここで純米酒「篠緑(ささみどり)」の一升瓶を購入。いつもの「ツーリングお土産トートバッグ」で無事持ち帰りました。

純米酒「篠緑(ささみどり)」

 軽くコップ酒で試してみたら、すっきりとしてフルーティな味わいです。飲みやすい日本酒です。この後は鍋とともに燗して味わってみます。初めての地酒を賞味するこの瞬間、たまりませんな。



勝手に「房総の地酒」を応援するTVコマーシャル風動画を作ってみました


個性ある房総の地酒の良さが少しでも伝われば幸いです。





房総酒蔵バイクツーリングのインデックスはこちら


千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。







2015年11月28日土曜日

ファイル作成日「2068年1月19日3:14」って、どうしたOSX


 仕事でも個人でも長いことWindowsパソコンを使っていましたが、2年ほど前にMacBook Proを購入してからはMacの世界にはまり込んでいます。たまに必要に迫られてWindowsノートパソコンを開いていると「もう戻れないな〜」と痛感してしまいます。

 MacBook ProでYouTube投稿用の動画を作る際には、高速な内蔵フラッシュストレージを使って編集し、完成したファイルを大容量のリモートHDDで保管しています。先日、編集済みの動画ファイルをファインダーで探していたらファイル作成日に変なものがあることに気づきました。なんと2068年になっています。

幾つかのファイルの作成日が「2068年1月19日3:14」になっています

複数のファイルの作成日が全部「2068年1月19日3:14」になっています。なんじゃこりゃ〜と大慌ててでファイルが再生できるかチェックしましたが、全ファイルちゃんと再生できました。正しい作成日のファイルも存在していて全く気持ち悪い現象です。

 App Storeにバージョンアップのお知らせが出ると何も考えずにいつもアップデートボタンを押してしまうので、OSXのバージョンは最新のEl Capitanになっています。

OSXは最新の状態

リモートディスクはAirMac Time CapsuleのUSBポートにつないだ3TBのHDDです。

Time CapsuleのUSBポートに接続したHDDを使用

 MacBook Pro本体のフラッシュストレージ上に作成された動画ファイルの作成日は正しい日時になっていますが、リモートHDDに移すとおかしくなることがあります。どうしてだろうとかなり悩みましたが、いつ頃作られた動画ファイルかを考えてみたらヒントがありました。
 Macを使い始めた頃、ファイルを別のHDDに移動するためWindowsで良く使うカット&ペーストをやろうとしたらやり方が見つかりません。Windowsのカットに相当するショートカットがないのです。仕方がないのでcommand + cでコピーし、command + vで貼り付けた後にもともとのファイルを削除していました。この頃にリモートHDDに移したファイルの日付は正しいものでした。
 その後ネットで調べてみたら、カット&ペーストに相当する”移動”というものがOSXにも備わっていることを発見しました。command + cで対象ファイルをコピーするところまでは同じです。その後option + command + vというように通常のペーストコマンドにoptionキーを付け加えるだけです。これだけで元のファイルはコピーされた後に削除されます。どうもこの”移動”を行うようになってからおかしな作成日が発生しているようです。

 この”移動”オペレーションをローカルディスク(フラッシュストレージ)間で行ったみましたが作成日がおかしくなることはありませんでした。しかし、ローカルディスクからリモートディスクへ”移動”させると100%現象が発生しました。動画ファイルであろうがなかろうがローカルに作成されたファイルをoption + command + vでリモートのHDDに”移動”させると必ず作成日が「2068年1月19日3:14」になります。動画ファイルの編集日を辿ってみると、この現象はOSXをEl Capitanにアップデートする前から起こっていたことがわかりました。これってOSXの潜在的なバグ?



 その後OSXがアップデートされ現在バージョンは10.11.3になっていますが、この症状はまだ治っていません。AirMac側の問題かな?

(2016年2月8日追記)


2015年11月26日木曜日

快適バイク生活 疲れ知らずのクラッチ操作術


 教習所で教わったクラッチ操作方法のまま運転していた頃は、ツーリング後半になると疲労で腕がパンパンになっていました。シフト時の変速ショックも大きく、大切な人を後ろに乗せるのも憚られるような運転だったと記憶しています。
 さらに大型バイクに乗り換えてからは、その重いクラッチに四苦八苦。快適なバイク生活を目指して自分なりに試行錯誤を繰り返し、ある程度満足できるクラッチ操作ができるようになったと思います。同じような悩みを抱えている初心者に少しでも参考になればと、できるだけ疲れないクラッチ操作術の動画を作成してみました。ライテクを語るほどのバイク経験はありませんが、自分自身の試行錯誤から得られた経験をショートビデオにまとめました。


クラッチ・アクセル・シフト操作の撮影方法


 GoProを購入してからアクションカメラの面白さにはまり、その後も各社の新製品に惹かれて現在三台のアクションカメラを所持しています。三台あればクラッチ以外にアクセルとシフトペダルの操作が同時に記録できます。このテーマは以前からまとめてみたいと思っていましたが、アクションカメラをバイクに取り付ける方法も含めて準備が必要でした。なんとか三台のカメラをマウントする機材と経験が整いましたので撮影に踏み切りました。

 クラッチ操作の撮影はGoPro HERO4 SessionをRAMマウントのミラーフレームベースを使って取り付けました。RAMマウントの標準アームで斜め上方から撮っています。

クラッチを撮影するGoPro HERO4 Session

GoPro HERO4 Sessionから撮影したクラッチ操作

 アクセル操作の撮影にはPanasonic HX-A1Hを使用しました。クラッチ同様、RAMマウントのミラーフレームベースに標準アームを介してセットしてあります。カメラの固定にはHX-A1H用に3Dプリンターで自作したマウントアダプターを使用しました。

アクセルを撮影するPanasonic HX-A1H、自作のマウントアダプターを使用

Panasonic HX-A1Hが撮影したアクセル操作(色調がGoProと異なります)

 シフトペダル操作はバイクのフレーム下部にREC-MOUNTSのバーマウントタイプ4(ホースバンドによる固定式)を使用してGoPro HERO3+を取り付けました。

シフトペダルを狙うGoPro HERO3+

GoPro HERO3+で撮ったシフト操作

 この三台のカメラを同時に回して、クラッチ・アクセル・シフトペダルの同期操作を撮影しました。カメラの取付けさえできてしまえば撮影自体はなんら難しいことはありませんでしたが、撮れた動画ファイルの編集には苦労しました。プロ用機器ではありませんので、出来上がった動画ファイルのタイムコードはバラバラです。一秒もかからないシフト操作のシーンをコマ送りで再生するため、数フレームずれただけでも不自然です。Final Cut Pro Xでは音声で自動同期させる機能がありますが、風切り音などに邪魔されて正しく同期されません。結局全部手動で調整しました。マルチカム編集の大変さがよく分かる作業となりました。

編集はFCPXとの格闘でした


疲れ知らずでクラッチ操作するための基本


 前置きが長くなりました。快適なクラッチ操作を実現するためには以下の三点が重要だと考えています。
  1. できるだけ軽い力で操作する
  2. できるだけ操作時間を短くする
  3. できるだけ操作回数を少なくする
クラッチの重さはバイクごとに異なりますが、できるだけレバーの先端を握るようにしたり、注油を行うなどの整備を欠かさないことで軽い力での操作は実現できます。動画では操作時間を短くすることと操作回数を減らすことに焦点を当てています。


クラッチの有効操作範囲を身体で覚える


 まずしっかりと身につけおきたいのは半クラッチの範囲です。クラッチレバーの調整やクラッチ板の磨耗具合によっても変わってきます。スクールなどで借りたバイクに乗るときなども、最初にクラッチレバーの半クラ範囲を確認するようにしています。

バイクごとに異なる半クラの操作範囲

バイクが動き出す前の繋がり始めから、エンストしてしまう完全に繋がる直前が半クラの範囲です。この範囲を手の感覚で覚えてしまいましょう。短時間のクラッチ操作では頭で考えながら行うことは不可能です。
 クラッチ操作をしてみると、ベタ握りから繋がり始めまで余裕があることに気付くと思います。停車中にクラッチを完全に切りたいときもクラッチをベタっと最後まで握る必要はありません。繋がり始めから少しだけ握りこんでやればクラッチは切れています。これだけでもだいぶ手の負担は減るはずです。


教習所で教わる操作手順と違うポイント


 教習所で教えてもらうシフトチェンジの手順は大まかに次のような順序だったと記憶しています。
  1. クラッチを切る
  2. アクセルを戻す
  3. ギア操作を行う
  4. アクセルを調整しながらゆっくりクラッチを繋ぐ
これを一つ一つ考えながら行えばクラッチを握っている時間は一回のシフトで一秒以上かかると思います。ギアのシフト操作で必要なことは、歯車間にかかる力を一瞬抜くことです。教習所方式ではそれをクラッチを完全に切ることで実現しています。しかしそんなに長い時間歯車にかかる力を抜く必要はありません。
 快適なシフト操作のためには最初にシフトレバーの操作から始めます。クラッチを切る前にシフトレバーをアップまたはダウン側へ押し付けておきます。速度が出ている(歯車間に力が加わっている)間はシフトレバーを押し付けてもギアは容易には変わりません。この状態ですかさず半クラにしてやれば歯車間にかかる力が瞬間的に抜けてギアが変わります。これが瞬間半クラを使ったシフト操作です。同じことをアクセルの調整だけで行えばノークラッチ・シフト操作になります。シフトアップの際はアクセルを瞬間戻し、シフトダウンの際は瞬間的にエンジンを吹かします。これで二つの歯車の間にかかる力が抜けて、クラッチを握らなくてもスコンとギアが入ります。


クラッチの操作時間を短くするには

  • シフト時のクラッチ操作は半クラで素早く
  • 停車直前にニュートラルにしておく
  • 発進は右足着地から(状況による)
などが考えられます。一回一回のクラッチ操作時間を最小にすることで疲労を削減します。シフト中のクラッチが切れている時間が最短化されますので、より加速がスムーズになり、変速ショックが小さくなる副次的な効果も得られます。

シフトレバーを押し当てることが最初のアクション

レバーを深く握る「ベタ握り」をせず、信号待ちなどで長い時間クラッチを握ったままという状況をなくせば疲れも減ります。右足発進をうまく使えれば、ほとんどのクラッチ操作は一秒もかからずに完了すると思います。


クラッチの操作回数を減らすには

  • シフト操作をノークラッチで行う
これに尽きると思います。一日のバイクツーリングでは発進・停止・加速・減速に伴うシフト操作の回数は数え切れないほどです。このシフト操作の何割かをノークラッチで行えれば手にかかる負担は大幅に削減できます。

クラッチを使わないときも先ずはシフトペダル操作から

ただし、無理にノークラッチで行う必要はありません。クラッチの寸切り(瞬間半クラ)によるシフト操作をマスターすればほとんど力を入れなくてもシフトできます。シフトアップのノークラッチ操作は比較的簡単ですが、シフトダウンの方は状況によって難しい時があります。無理に行おうとせず、慣れた方法で短時間に行うようにするだけで疲労が大幅に少なくなります。実際の操作シーンは動画をご覧ください。


近所の駐車場でバイクに何やら色々と取り付けて、同じ場所を行ったり来たりしているところがどうも怪しかったようで、警察官に職務質問されました。確かに怪しい変なオヤジです。バイクに乗り始めてまだクラッチ操作がスムーズにできないとか、どうもクラッチ操作で疲労がたまるというライダーの皆さんの参考になれば幸いです。


2015年11月22日日曜日

今秋に仕込んだ新酒がもう飲める! 酒々井新酒祭りに行ってきました


 千葉県印旛郡酒々井(しすい)町、酒という字が連続することからきっと美味しい酒蔵があるに違いないと誰もが考える場所です。その期待を裏切らず、酒々井町には甲子(きのえね)で有名な飯沼本家があります。自転車やバイクで度々訪れている飯沼本家。今回はそこで開催される酒々井新酒祭りに電車で出かけてきました。

新酒まつりのポスター(一部)

しぼりたて新酒の振る舞いがあるためバイクでは行けません。JR総武本線で南酒々井駅を目指しました。考えてみれば総武本線に乗るのも初めて、南酒々井駅で降りるのも初めてですが何故だか周りは見慣れた風景です。

初めて乗るJR総武本線

最近のお気に入りサイクリングルート「下総台地周遊」でこの辺りは幾度となく走り回っています。普段サイクリングで見慣れた景色を電車から眺めるのもオツなものです。南酒々井駅の横も自転車で何度も通っている道でした。

初めての南酒々井駅、のどかです

 会場になっている飯沼本家の酒々井まがり屋に到着すると、すでにたくさんの人で溢れています。ちょうどオープニングセレモニーが始まったところでした。

9時30分から神事と開会式

普段は来客用の駐車場が即席のイベント広場になっています。すでに席は満杯で、どのテーブルも日本酒と屋台で手に入れたつまみで盛り上がっています。時間はまだ10時前。この時間から日本酒飲みまくりの素晴らしいイベントです。

各テーブルとも日本酒で盛り上がってます

とりあえず自分も腹ごしらえと駆け付け一杯です。しぼりたて原酒と焼きそばで気合いを入れることにしました。

しぼりたて原酒、旨かった〜

会場では消防音楽隊の生演奏が楽しめます。酒蔵の敷地内ではつきたて餅や手打ちそばまで楽しめるようになっていました。

臼で餅をついていました

手打ちそばはとっても美味しそうだったのですが、すごい行列ができていたのでパス。代わりに出来たての濁り酒をもう一杯。

手打ちそばの実演も

 1200本限定で販売される新酒を早々とゲットしました。蔵の人に尋ねると、10月に仕込んだ新酒だそうで、他の蔵よりも早くから仕込んでいるとのこと。一ヶ月ちょっとでもう飲めるんですね。

しぼりたて生原酒と活性にごり甲子

お昼過ぎにはすっかり出来上がって帰りの電車に乗っていました。真昼間から飲む酒はたまりませんね。帰宅後はたっぷり昼寝をして、目が覚めたらおでんを食べながら活性にごり甲子を楽しんでいます。酵母が発生させる二酸化炭素でシャンパンのような口当たり。これは旨い。止められません。飲みっぱなしの一日でした。


2015年11月21日土曜日

谷津道探検サイクリング 渋滞知らずで紅葉真っ盛りの泉自然公園へ


 紅葉前線も山からたいぶ下りてきました。勤労感謝の日を含めた三連休で、各地の紅葉スポットは大賑わいだそうです。千葉の泉自然公園の紅葉が見頃だと聞き、サイクリングを兼ねて出かけてきました。途中国道126号を何度か横断しましたが、かなりの車が走っています。こちらは国道から少し離れた快適ルートを秋空の下、快調に自転車を走らせました。

 泉自然公園の駐車場はほぼ満車状態。明日の紅葉祭りの混雑を避け、一日前に紅葉を楽しもうという人たちで賑わっていました。農道を走る自転車は全くの渋滞知らずで、以前車で訪れた時よりも短時間で到着しました。公園内は見事な紅葉です。池の周りのモミジが真っ赤に色づいていて、周りの緑と調和しています。

池にうつる紅葉も見事

自転車なのでつり橋の上には行きませんでした(残念)

紅葉を見ながらの散策は最高です

緑の葉が残っていてコントラストも見事です

この日は風がなく、気温も20度近くまで上昇しましたので、池のカメさんたちはひたすら甲羅干しを楽しんでいます。見ているだけでのんびりとした気持ちになりました。

冬を迎える前に甲羅干しを楽しむカメたち

帰りは泉自然公園のすぐ横を南北に流れる鹿島川に沿って北上しました。南下すれば昭和の森にたどり着きますが、今回はのんびり帰宅です。

南北に流れる鹿島川沿いは谷津地形が続き、絶好のサイクリングルート

車が滅多に通らない割に、程よく整備された農道が多い田園地帯の快適ルートを見つけながら楽しむ谷津道探検サイクリング。自分の体力に合わせて、自分が見つけたルートを走るのは快適そのものです。途中の渋滞や駐車場待ちの時間ロスまで考慮すれば、近郊の観光スポットへ行くには自転車の方が早くて快適です。ガソリン代も有料道路代も不要で、本日実際に財布から出て行ったお金はスポーツドリンク代130円のみでした。

こんな道を走ってきました(走りやすいですよ〜)

2015年11月17日火曜日

だから二輪旅 遡上してくる鮭に感動の那珂川大橋バイクツーリング


 「一人バイクで行くのに軽自動車と同じ高速料金を払っていくの?」とのいつもの問いに、「それだけの価値のある経験ができるからさ」と答えていざ出発。今回は茨城県の那珂川中流を目指します。

 鮭の遡上が見られると聞いて二年前に那珂川に行った時は、産卵を終えた多くの鮭が河原ですでに力尽きていました。生き残っている鮭も弱々しく川辺を漂っていて、あたりは腐敗臭が漂う状況。今回は少し早めに訪ねてみました。

 目指すは国道123号沿いの道の駅かつらです。ここは那珂川のすぐそばに大きな駐車場があり、カヌーやキャンプの人たちも利用しています。近くに那珂川大橋があり、その隣には御前山もある川と山の両方が楽しめる場所です。

道の駅かつらの大駐車場、奥の山は御前山です

駐車場に面した那珂川の河原に出ると、赤い那珂川大橋の下を悠々と川が流れています。よく見ると大きな魚が跳ねたり、浅瀬を泳ぐ水しぶきが上がっているのに気付きました。

那珂川の浅瀬に鮭の姿が見えます

役目を果たし、力尽きた鮭が河原に横たわっています。踏まないように気をつけながら河原を歩いてみると、あちらこちらで鮭のカップルが寄り添っているようです。残念ながら揺れ動く川面を通してでは、水中の姿はよく見えません。

産卵を終え、力尽きた鮭が横たわっています(お疲れ様)

先日購入したばかりのGoPro HERO4 Sessionをアームに取り付けて、カメラを水中に沈めてみました。ハウジングなしで10メートル防水という仕様を信じて、初めての挑戦です。

4Wayマウントのアームに取り付けたGoPro HERO4 Session

撮れた映像を初めて確認した時は驚きました。カメラが水中に入った次の瞬間、まるで水族館の水槽を覗いているようなクリアな映像が現れました。流れる水の音まで入っています。編集のために鮭達の映像を繰り返し見ていたら、なんだか感動してしまいました。ボロボロになった体で最後の力を振り絞り、自分の役割を果たそうとしている姿には気高さまで感じてしまうほどです。


 鮭の撮影後は紅葉の具合を見るため、御前山林道をバイクで走ってみました。艶やかさはありませんが、林道の周辺は色づいた落ち葉が積もり、静かな雰囲気が漂っています。山頂まで歩いてみたかったのですが、この季節に合わせたバイクウェアを着ているため登山には向いていません。汗だくになった後に高速道路を走って風邪をひくのが怖いため、登山は見送りました。目的地到着後のアクティビティまで考慮した理想的なバイクウェアがないものかと思案している日々です。

御前山西登山口の駐車スペース



2015年11月15日日曜日

房総酒蔵バイクツーリング番外編 吟醸辛口「ぎんから」の謎に迫る


 千葉に引っ越してから地元の地酒に魅せられ、趣味のバイクで房総の酒蔵巡りを続けています。まだ訪問していない酒蔵もあと二軒になりました。投稿の数が増えてきましたので、房総酒蔵バイクツーリングの投稿インデックスを用意しました。

 最初にその酒「ぎんから」を目にしたのは勝浦の東灘醸造を訪問した時でした。蔵の奥様からおすすめの銘柄を聞いている最中に「吟醸辛口」というラベルの文字が目に入ってきました。どうも昔から辛口という言葉に弱いようです。他にも美味しそうな銘柄が並んでいたものの、結局辛口につられて「ぎんから」を購入して帰りました。

左が東灘醸造で購入した「ぎんから」

飲んでみると吟醸辛口と銘打っているだけあってさっぱりとした口当たりの良い味です。冷から燗まで楽しめる、上質な味に満足しました。

 その後も房総の酒蔵巡りを続けていましたが、銚子地区は規模の小さな蔵が多く場所も見つけにくいため後回しになっていました。半年近く経って、銚子漁港近くの小林酒造場を訪問した際に、吟醸辛口のラベルに惹かれて購入した酒がまたしても「ぎんから」。その時は以前購入したものと同じ銘柄であることなどすっかり忘れていましたが、帰路バイクを走らせながらず〜っと気になっていました。見覚えのあるラベル、聞き覚えのある「ぎんから」という名前。

小林酒造場で購入した「ぎんから」

帰宅後にブログの写真と見比べてびっくり。同じ「ぎんから」という名前、ラベルも瓜ふたつで左右に書かれている蔵の銘と住所が異なっているだけです。工業製品に良くあるOEMなのかなと思いながら飲んでみましたが、半年近くも前に飲んだ東灘醸造の「ぎんから」と正確な味の比較はできませんでした。ただ、飲みやすいさっぱりとした辛口であることは同じです。

東灘醸造の「ぎんから」ラベル

小林酒造場の「ぎんから」ラベル、全く同じデザインです

 ネットで「ぎんから」をキーワードに検索してみると、千葉県以外の蔵からも出荷されていることがわかりました。奥多摩登山の帰りにたまに買って帰る「澤乃井」で知られた東京青梅の小澤酒造や「箱根山」を作っている神奈川の井上酒造など、東京・神奈川・千葉・山梨の一都三県の蔵元が出てきました。

「ぎんから」を持っている蔵元は一都三県に広がっていました

これって東京国税局管内?との疑問を頼りにさらにネットで検索すると、見つけました。1995年に出された『銘酒開発協同組合の歩み「ぎんから」から「清涼吟醸酔」まで』という論文に詳しく書かれていました。東京国税局管内の蔵元有志が集まって設立した銘酒開発協同組合が開発したのが統一(共同)銘柄酒「ぎんから」でした。
  • 組合の品質管理細則に定める統一された製造方法及び製品規格に基づいて製造
  • 組合の推奨審査に合格したものを各組合員の販売ルートで市場に供給
というルールに従って各蔵元が醸造した酒になりますので、どこかでまとめて作られるOEMではありません。昭和49年に「本格辛口」として開発・出荷され、当時の甘口傾向の日本酒業界に一石を投じたのが始まりだそうです。平成5年時点で千葉県内の12軒の蔵元が、一都三県全体で36軒の蔵元が吟醸辛口「ぎんから」を製造・出荷していました。

 「ぎんから」以外にも吟醸純米酒「吟の舞」や純米原酒「やわくち」、吟醸生貯蔵酒「清涼吟醸酔」という統一(共同)銘柄酒が出ているようです。この情報を得た後に訪問する酒蔵では度々この共同銘柄酒に気づくようになりました。先日訪れた蔵の売店でこのことを尋ねてみましたが、お店の人はご存知ではないようでした。日本酒好きを自認している私自身もこのような統一(共同)銘柄酒の存在は初耳です。まだまだ勉強不足、奥の深い日本酒の世界です。

 房総の酒蔵巡りもあと二軒で一巡しますが、どちらも蔵での販売はしていないようです。直汲みや生原酒、ひやおろしなど時期によってお勧めの酒も変わってきますので訪問時期を変えながらもう一巡、二巡と酒蔵巡りは続きそうですが、各蔵の統一(共同)銘柄酒飲み比べも面白そうなテーマです。末長く房総の地酒を楽しめるよう、肝臓をいたわりつつ安全運転で房総酒蔵バイクツーリングを続けていきたいと願っています。


2015年11月14日土曜日

房総酒蔵バイクツーリング 東洋のドーバーを抜けて飯田酒造場に再チャレンジ


 銚子の小林酒造場を訪れた日に、もう一軒まわろうとして場所が分からず断念したのが飯田酒造場でした。小規模な酒蔵ですので目立つ看板は期待していませんでしたが、住所以外全く手がかりがなく、付近はヒゲタ醤油の施設ばかりが目立ちました。結局その日は諦めてしまいましたが、今回は意地でも探すつもりでバイクを走らせました。

 せっかく銚子に行くのですから、この地区お決まりの観光スポットを巡ってから酒蔵に行くことにしました。旭市飯岡から延々と続く断崖絶壁「屏風ヶ浦」は東洋のドーバーと呼ばれています。本物のドーバーを見たことはありませんが、高さ60メートルにも及ぶ断崖が太平洋に面して10Kmも続いている景色は確かに壮観です。

銚子マリーナから見た屏風ヶ浦、壮観です

崖の上を走るドーバラインと名付けられた観光道路を東に進むと、銚子のシンボル犬吠埼燈台に到着します。海に目をやると地球が丸いことを実感。ここで初日の出を見たら最高でしょうね。

広大な太平洋に面した犬吠埼燈台

 銚子の市内に入り、再度住所を頼りに目指す飯田酒造場を探します。前回何度も通り過ぎた古い家の門の中を覗くと「徳明」と書かれたライトバンが停まっていました。「徳明」は飯田酒造場の代表銘柄です。入り口に看板は出ていませんが、ここが目的地であることが確認できました。

停まっている車に「徳明」と書いてあるのを発見、ここが飯田酒造場でした

前回探した時もここが怪しいと思ったのですが、同じ敷地内にヒゲタ醤油の施設があったため見過ごしていました。門を入るとバイクの音を聞きつけた蔵のご主人が出てきてくれました。

販売もしているということですが商売っ気はなし

一升瓶が欲しいと告げると、残っているのはこれだけと出してくれたのが「徳明」純米酒です。そろそろ新酒が出回り始める時期ですので、蔵の在庫も底をついているのでしょう。蔵の規模も考慮しながら訪問する時期を選んだほうが商品の選択肢も増えるようです。

「徳明」純米酒、手づくり感いっぱい

「手づくり」を明記してあるラベル。裏を見ると品質本意ということで細かい仕様が書かれています。「限定品 第5771番」と連番までふってありました。

酒造りの自信がうかがえる細かな品質表示

ツーリングお土産トートバッグ」を使って一升瓶をバイクに固定し、門から走り去るまで蔵のご主人にお見送りをしていただき大変恐縮しました。ありがとうございました。味わっていただきたいと思います。



勝手に「房総の地酒」を応援するTVコマーシャル風動画を作ってみました


個性ある房総の地酒の良さが少しでも伝われば幸いです。





房総酒蔵バイクツーリングのインデックスはこちら


千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。









「徳明」純米の酒飲んでみました


 よっぽど強いお薦めがない限りは地酒は先ずコップ酒(常温)で味わいます。「徳明」純米酒を常温で飲んでみました。コップに注ぐと淡い黄色味がかった酒で、手作りらしい雰囲気全開です。まろやかな口当たりの中に、芯の通った味がします。いけます。おでんとともに味わうにはうってつけでした。蔵ごと、季節ごとに味わいの変わる日本酒を飲める幸せをかみしめながら、また一杯。

(2015年11月17日追記)


ぬる燗もやってみました


 徳利の首の部分は胴に比べて細くなっているため、電子レンジで温めるとそこだけ熱くなり過ぎてしまいます。大切な純米酒ですので、均一なぬる燗にするためにヤカンを使って徳利を湯煎にしました。多少手間はかかりますが、一杯目からちょうど良いぬる燗で楽しめるのは酒好きにはたまりません。
 味はますます濃厚さを増し、寒い日には至福のひと時です。常温のコップ酒に、さらに深みが増したような口当たりです。一手間かけて大切に温められた「徳明」純米酒はそれに応えてくれているような気がしました。

(2015年11月19日追記)