2016年1月29日金曜日

房総酒蔵バイクツーリング 大多喜の新酒は3月だったので勝浦の吉野酒造で中取り生をゲット


 年末から年始にかけて各地の酒蔵から新酒が続々と出荷されいています。この時期にしか飲めないから急がなくてはと自分に言い訳をしながら連日の晩酌。今回は古い城下町にある豊乃鶴酒造で新酒を手に入れようとバイクで大多喜を目指してみました。

「大多喜城」銘柄で有名な豊乃鶴酒造

大多喜の豊乃鶴酒造を訪れたのは昨年6月で、今回が二度目。前回は火入れされた本醸造酒を購入して帰りましたが、今回は搾りたての生酒を期待しての訪問です。昨年もいろいろ教えていただいた蔵のご主人から「うちは年明けから仕込みを始めるので、新酒は3月から」と教えていただきました。今あるのは前回仕込んだものだそうです。酒々井新酒祭りのように11月には新酒を出荷している蔵もある中で、ここはかなり遅い仕込みです。3月に改めて訪問の約束をして蔵を後にしました。

 大多喜は徳川家康の重臣、本田忠勝が居城を構えた大多喜城があった場所です。街のあちらこちらに「NHKの大河ドラマに本多忠勝を」というのぼりが立っていました。大多喜の新酒は手に入りませんでしたが、代わりに城の見学をしてきました。

大多喜の町を見下ろす大多喜城、博物館になっています

昭和50年に再建された天守が千葉県立中央博物館大多喜城分館として公開されています。大河ドラマでもたびたび目にする武将の名前がたくさん出てきます。もう少し歴史を勉強してから訪れればもっと感動するのでしょうが、歴史オンチでもそれなりに楽しめる内容でした。

昭和50年に再建された綺麗な大多喜城天守

 さて、大多喜城は見学しましたが、このまま手ぶらで帰るわけにはいきません。この時期に訪れたことのない酒蔵に思いを巡らしてみました。大多喜から30分くらい走れば勝浦です。昨年5月に訪問した吉野酒造に行ってみることにしました。国道297号を南下し、県道82号を小湊方面に走れば道沿いに大きな看板が見つかります。

県道82号沿いに「腰古井」の大きな看板が出ている吉野酒造

吉野酒造の代表銘柄は「腰古井」です。前回5月には吟醸辛口「腰古井」を買って帰り、辛口でさっぱりとした味を楽しみました。5月に訪れた時には蔵の敷地もひっそりとしていて、店舗にも蔵のご主人と思しき男性が一人しかいませんでした。今回は店舗だけでも女性が4〜5人ほど忙しそうに働いています。蔵の敷地内では男性達が何やら作業に勤しんでいる姿が目に入りました。やっぱり新酒の時期は蔵の雰囲気がガラリと変わります。

 新酒、搾りたて、生酒と銘打った酒が並んでいました。おいしそうなにごり酒が気になったのですが炭酸ガスが発生し続けている活性酒のため、バイクでの持ち帰りは危険です。代わりに中取り辛口「腰古井」無濾過生を購入しました。もろみを搾る段階の違いで「あらばしり」、「中取り(中汲み)」、「押切り(責め)」と分別できる新酒の中取りを使っているということで自然と期待が高まります。
 ケーキ屋さんと同じように持ち帰り時間に合わせて保冷剤を複数個入れ、断熱袋で丁寧に包装していただきました。ありがとうございます。

限定醸造の文字が眩しい「腰古井」無濾過生

 帰宅後、すでに冷えている生酒を軽くコップで飲んでみました。アルコール度数が18〜19度と高めで少しねっとりとした口当たりですが、口の中に米の味が広がります。やっぱり新酒は美味しいですね。要冷蔵の一升瓶が増えてくると冷蔵庫がすぐにいっぱいになってしまうのが悩みです。どんどん空けていかなければと気合を入れて飲んでいる今日この頃です。



勝手に「房総の地酒」を応援するTVコマーシャル風動画を作ってみました


個性ある房総の地酒の良さが少しでも伝われば幸いです。





房総酒蔵バイクツーリングのインデックスはこちら


千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。







2016年1月26日火曜日

快適動画編集 ザブトン付きタイトルのテンプレートがないのでMotion 5で自作


 動画にタイトル(字幕)を入れる際に、文字を目立たせるために背景に半透明の四角形を置く場合があります。置く場所や大きさにより「座布団を敷く」とか「板に載せる」などと呼ばれています。


 Final Cut Pro X (FCPX)を使用して動画編集していますが、このザブトン付きのタイトルテンプレートは用意されていないようです。仕方がないので毎回テキストのバックに単色のジェネレーターを置き、サイズを調整して実現していました。昨年末にMotion 5を衝動買いしていましたので、勉強も兼ねてFCPX用のザブトン付きタイトルテンプレート作成に挑戦。FCPX初心者、Motion 5初体験の我流動画編集者が試行錯誤した記録です。


Motion 5でFCPX用テキストテンプレートを作成


 タイトル(テキスト)の背景としてザブトンと呼ばれる矩形を置く場合、次のような機能が求められます。
  • 文字や動画の色調に応じて色や透明度を変えられる
  • 修飾される文字の大きさに応じて横幅・高さを変えられる
  • 修飾される文字に対して相対位置を変えられる
テンプレートの設計にあたり、できるだけ自動的にザブトンが用意できるようにして、必要に応じて微調整が出来ることを目標としました。

1. 作成開始(初期画面での指定)


 Motion 5を起動すると次のような画面が現れます。ここで「Final Cut タイトル」を選択し、テンプレートとしてのビデオフォーマットと初期の継続時間を指定します。


テンプレートがFCPXに適用されると継続時間はFCPX側で自由に変更できますが、よく使う長さを作成時の値として指定しておけば毎回変更しなくて済みます。今回は3秒を指定しました。「開く」を押して次の画面に進みます。

2. 作業するキャンバスのサイズを調整


 次の画面がタイトル作成時の初期画面です。まず編集作業を行う右上のキャンバスの表示を作成する画面サイズに合わせます。初期状態では100%表示になっていて画面の一部がはみ出しています。


「100%」になっている部分を「合わせる」に変更します。これで今回作成するテンプレート全体が表示されます。作業中に拡大・縮小したい場合もここで変更すれば作業しやすくなります。

3. 不要レイヤーを削除


 「Final Cut テンプレート」の新規作成を選ぶと「テキストをここに入力」と「タイトルの背景」という二つのレイヤーがはじめから出来ています。今回は使いませんので、この二つのレイヤーを削除します。


プロジェクトパネルにある対象レイヤーを右クリック。出てきたメニューから削除を選べば消すことができます。「テキストをここに入力」と「タイトルの背景」の二つとも削除します。

4. 新たにテキストレイヤーを作成


 テンプレートで使用するテキストレイヤーを新たに作成します。FCPXに適用した時に初期値として表示されるテキストですから長ったらしいものは不要です。


ツールバーでテキストを選択し、キャンバスの希望の場所にテキストを入力します。入力が終わり、位置を確認したらツールバーの左端にある選択ツール(矢印)に戻しておきます。

5. テキストの属性を調整


 続いてテキストの属性を調整します。テンプレートをFCPXに適用後にも自由にテキストの属性は変更できますが、大きさや色・フォントなどいつも使用しているものにしておけば実際の使用時に手間が省けます。


先ほど作成したテキストレイヤーを選択し、インスペクタ・テキスト・フォーマットと選択していくとテキストの基本フォーマットが表示されます。フォントの種類やサイズなどが変更できます。フォーマットからアピアランスに移動すれば、色やアウトライン・ドロップシャドウなどの修飾属性を変更できますので必要に応じて変えておきます。
 テキストレイヤーを作成した時の文字の配置は左詰めになっていますので、中央に変更しておいたほうが使いやすいと思います。

6. ザブトンになる矩形を作成


 次に文字の背景となる矩形レイヤーを作成します。色・透明度・大きさ・テキストとの相対位置などを自由に調整できるように仕上げていきますので、ここでは作業しやすい適当な属性で進めていきます。


先ずツールバーで矩形ツールを選択。キャンバスのテキストが隠れるくらいのサイズで矩形を描画します。あとで変更しますので色や透明度は作業しやすいものを適当に指定しておきます。

7. テキストレイヤーと矩形レイヤーの順序を入れ替え


 ここまでの作業でテキストとサブトンになる矩形が出来上がりましたが、テキストが矩形の下になっていて見えません。レイヤーの順序を変えてやります。


矩形レイヤーをドラッグしてテキストレイヤーの下に持っていきます。キャンバスの表示が矩形だけから矩形の上にテキストが乗った状態に変わります。

8. リンクビヘイビアを使ってテキストと矩形が連動するように設定


 実際にFCPXでタイトルテンプレートを使用する際には映像に合わせてテキストの位置を移動させることが多いと思います。テキストと一緒にザブトン(矩形)が同じ場所まで移動するようにします。使用するのはパラメーターのリンクビヘイビアです。ソースとなる対象物のパラメーターをターゲットの特定パラメータにリンクさせることができます。ここではテキストの位置(X、Y)を矩形の位置(X、Y)にリンクしてやれば矩形はテキストと連動して動きます。


まず位置Xのリンクを設定します。矩形レイヤーを選択し、インスペクタ・情報を開くと変形のパラメーターが見つかります。ここの位置Xの右端に現れる小さな三角形をクリックするとメニューが出ますので、「パラメータービヘイビアを適用」、「リンク」を選択します。

 すると、プロジェクトパネルの矩形レイヤーの下にリンクレイヤーが現れますので、これを選択。ソースになるものの指定作業に入ります。


インスペクタ・ビヘイビアを開き、先ほど作成したリンクのチェックボックスをチェックして有効にします。リンクビヘイビアは作成時には無効な状態になっていますので、必ずチェックを入れて有効にします。続いて「対象」、「グループ」、「テキスト」を選択しソースがテキストであることを指定します。これで位置Xについてのリンクは完了しました。

 同様に位置Yのリンクの設定作業を行います。作業完了後のキャンバスを見ると少し変化があることに気付くと思います。矩形の位置がテキストより少し下にずれています。


これは位置Yがリンクされて同じ値になったためです。実はテキストと矩形のアンカーポイント(位置の基準点)が異なっているのです。矩形は四角形の中心部に、テキストは文字ベースラインの中央にあります。テキストのアンカーポイントを矩形と同じ中心部に移動することも可能ですが、ベースライン中央にあったほうが使いやすいのでこのままにしておきます。

 このアンカーポイントの違いを吸収するために、リンクされるパラメーターにオフセットを設定します。先ほどの位置Yのリンクビヘイビア画面で下の方に「Yオフセット」というパラメーターがあります。この値を変更するとテキストと矩形の相対位置が変わりますので、ちょうど重なるように変更します。


 これで矩形はテキストの位置情報を基にして一緒に移動するようになりました。キャンバスのテキストをドラッグしてやると一緒に矩形もくっついてきます。面白いですね。

 このパラメータリンクビヘイビアを使った二つのオブジェクトの連動はMotion 5の面白い機能の一つです。さらに進めて、テキストの文字数が変動したりフォントサイズが変更された時に矩形のサイズが自動的に変更されるようにしても面白いと思ったのですが、やり方がわかりませんでした。

9. FCPXに公開するパラメーターを指定


 続いてFCPX側で変更可能とするパラメーターを指定します。Motion 5ではこれをパラメーターの公開と言います。テキストに関するパラメーターはほとんど全てが自動で公開になりますので、ここでは矩形に関するものを公開指定します。


矩形レイヤーを選び、インスペクタ・シェイプ・スタイルを開きます。矩形のスタイルに関するパラメーターが表示されていますので、先ずは「塗りつぶす」の右端の三角形をクリックしメニューを表示します。ここで「公開」を選べば完了です。同様に「塗りのカラー」、「塗りの不透明度」も公開します。続いてジオメトリを開くとサイズの中に幅(横幅)と身長(高さ)が見つかりますのでこの二つも公開します。

 最後に位置X、位置Yのオフセットを公開します。矩形レイヤーを選択し、インスペクタ・ビヘイビアを開きます。


Xオフセット、Yオフセットともに公開にして完了です。

10. 公開されたパラメーターの確認と初期値の設定


 必要なパラメーターが正しく公開されているか確認します。プロジェクトを選択し、インスペクタ・プロジェクト・公開を開きます。


公開したパラメーターが全て表示されています。ここで値を変えてみればキャンバス上の表示が変わりますので、必要な動作になっているか確認します。また、ここで指定された値でテンプレートが保存されると、FCPXに適用された際の初期値となりますのでよく使う状態に設定しておきます。例えばザブトンの色や不透明度などはよく使う値にしておきましょう。

 各パラメーターの名称部分をダブルクリックすると自由に変更できるようになります。FCPXで使用する際に分かりやすい名前に変更しておきます。また表示される順番も各パラメーターをドラッグして変更可能ですので実際に使用するシーンを考慮して変更しておきます。

 これでザブトン付きタイトルテンプレートとしての設定は完了です。実際にテンプレートを使っていくうちに各パラメーターの最大値・最小値を変更したい場合が出てくるかもしれません。そのような場合はMotion 5のリグ機能を活用すればもっと使いやすくなります。今回は使用しませんでしたが、早送りマークのアニメーション作成で触れていますので参考にしてください。

11. 最後にテンプレートを公開(保存)して終了


 メニューバーから「ファイル」、「保存」を選択し、作成したテンプレートをFCPXに公開します。テンプレート名・カテゴリを指定し、プレビュームービーを保存にチェックして「公開」を押して終了です。


 Motion 5 (バージョン5.2.2)ではこのファイル保存時にバグがあります。「公開」を押して保存してもこのポップアップ画面が消えないことがあります。その場合は「ファイル」から「閉じる」を押して終了させてやります。また、既存のプロジェクトを編集して上書き保存しようとしても「保存」では更新されないことがあります。「別名で保存」してやれば編集結果を残せますので、一度別名で保存してからリネームするようにしています。その際にはフォルダーと中のMotionファイルの両方をリネームする必要があるようです。

 高機能な割に安価なMotion 5ですが、かなりバグが残っています。ファイルの保存という基礎的な部分のバグにははっきり言って参ります。素晴らしい機能を持つソフトですので、もう少し品質を上げてもらえればいいのですが.....

作成したMotion5テンプレートをGoogleドライブで公開しました。必要に応じてダウンロードしてお使いください。



 先日バージョンが5.2.3にアップされ、このファイル保存時のバグが解決されていました。FCPXのテンプレート修正もスムーズにできるようになり一安心です。

(2016年2月8日追記)



ザブトンのサイズが自動で変わるように改良


 作成した「ザブトン付きタイトル」は動画編集時に最も頻繁に利用するテンプレートとなりましたが、文字入力後のザブトンの横幅調整は毎回手動でやっていました。作成当時やり方がわからなくて手動のままにしていたザブトンのサイズ調整を、自動でできるように改良に挑戦です。作業は至って簡単でした。文字と一緒にザブトンが動くようにしているリンクビヘイビアを、ザブトンのサイズにも適用してやっただけです。こんなことなら初めから用意しておけばよかったと後悔しています。


ザブトンになる矩形にリンクビヘイビアを二つ適用し、テキストの幅と高さをそれぞれ矩形の幅と高さにリンクしてやるだけです。自動調整された後でもサイズの微調整ができるように、それぞれのビヘイビアにある「調整」パラメータを公開してやります。

 改良前のテンプレートと同様にFCPX側で利用してみると、入力した文字の数に応じてザブトンの横幅が自動で広がっていきます。これは便利です。いままで手動で調整していたものが、勝手にサイズ調整されますので編集作業の効率が格段にアップします。


ただし、また一つ宿題が残ってしまいました。フォントサイズを大きくしたり、小さくしたりすると後ろのザブトンも拡大・縮小されるのですが、中心位置がずれてきます。それぞれの中心点(アンカーポイント)の違いだと思い、かなり調整をしてみましたが、どうしてもずれをなくすことができませんでした。多少ずれても、公開パラメータで上下左右に位置調整ができるようになっていますので対応可能ですが、ちょっとすっきりしない状態が残ってしまいました。改良版の自動サイズ調整ザブトン付きタイトルテンプレートもGoogleドライブで公開してありますので、ダウンロードしてご利用いただけます。Motion5をお持ちであれば、フォントを拡大・縮小しても位置がずれない方法を是非探して教えてください。

(2017年8月15日追記)


2016年1月24日日曜日

快適動画編集 早送りマークのアニメーションをMotion 5で作ってみた


 GoProやPanasonicのアクションカメラを使用してバイクや自転車から動画を撮影しています。YouTubeへ投稿するためにFinal Cut Pro X (FCPX)を使用するようになり、少しずつ慣れてきたところですが、まだまだ使いこなすには程遠いレベルです。既存のテンプレートでは満足できない部分が出てきたためMotion 5を導入しました。FCPX初心者、Motion 5は全く初めての我流動画編集者がテンプレート作りにチャレンジした記録です。

 今回チャレンジしたのが、早送りであることを示すアニメーションを表示するジェネレーターです。DVDなどで早送りした時に画面に表示されるこんなマーク(アニメーション)です。

早送り中であることを示すアニメーション

最初にこのアニメーションを作成した時は三つの静止画をFCPXのプロジェクトに順番に並べただけでした。必要な時間分静止画を繰り返し並べていけば、動画に早送りアニメーションを表示できますが、実にどんくさいやり方です。

三つの静止画を順番に、必要な長さだけならべてアニメーションにしたもの

対象となる動画の長さが変わったら並べている静止画の数を調整しなければなりません。もっとスマートな方法にするため、Motion 5で初めてジェネレーターを作成してみました。


Motion 5でFCPXジェネレーターテンプレートを作成


 Motion 5を使うのは初めてで、使い方を説明するような知識も技量もありません。アップルがiBooksで公開している日本語版「Motion ユーザーガイド」を参照しながら作業を進めました。初めての作業でハマってしまった箇所を自分なりにまとめてみました。

1. 作成開始(初期画面での指定)


 Motion 5を起動した時の初期画面で「Final Cutジェネレータ」を選択します。画面右上で対象とする動画のパラメーターとテンプレートの継続時間を指定します。


GoProなどでFull HDで記録した動画であればこのサンプルのままで大丈夫です。継続時間はFCPX側で適用時に自由に変更できますが、扱いやすくするために3秒間にしました。ここで「開く」を押せば、いよいよ作成画面に遷移します。

2. 図形ではなく文字(▶︎)を使って早送りマークを準備


 FCPXで最初にやったように三枚のイメージを並べてパラパラ漫画方式でも可能ですが、いろいろ調べてみるとテキストをアニメートした方が簡単で応用が効くようです。幸い早送りマークに使えそうな文字(▶︎)がありますので、これを入力します。


ツールバーでテキスト入力を選択してからキャンバスに直接入力します。三つの三角形を使用しました。

3. ビヘイビアを使ってテキストに動きを付ける


 Motion 5には豊富なビヘイビアが用意されています。ライブラリーで選択すると、小窓にその動きがアニメーション表示され、見ているだけで飽きません。ここで使えそうなものを見つけます。今回はテキストを順番に表示する「タイプオン」を使用しました。


使用するビヘイビアをライブラリーの中から見つけたら、適用したい文字レイヤーかキャンバスの文字の上にドラッグします。正しく適用されると文字レイヤーの下に一段落下がって表示されます。この状態で再生してみると、ゆっくりと(3秒かけて)早送りマークが左から右に流れるように表示されます。

4. テキストアニメーションの速度を調整


 ビヘイビアの中にはループ回数を指定してアニメーションの速度を調整できるものもありますが、今回使用した「タイプオン」にはないようです。右下のタイミングパネルで継続時間を調整して必要な速度にします。


タイミングパネルの「タイプオン」ビヘイビアの右端をドラッグして短くすると、結果としてアニメーションの速度が速くなります。元の長さが3秒ですから1秒に短縮したらちょうど良い速さになりました。短くなったビヘイビアをコピー&ペーストで追加して3秒間のテンプレート全体に適用できるように並べます。

5. ポスターフレームマーカーを設定して分かりやすいフレームを選択


 アニメーションされて動きのあるテンプレートですから、FCPXのテンプレート選択の際に分かりやすいサムネールを指定してやる必要があります。この機能を実現するのがポスターフレームマーカーです。


内容が分かりやすいフレームが出るまで再生ヘッドを移動し、そこでshift+Mを押して標準マーカーを設定します。このマーカーを右クリックするとメニューが現れますので、編集を選びます。マーカーのタイプを「ポスターフレーム」にしてやれば設定完了です。FCPXでテンプレートを探すときに表示されるフレームになります。

6. プロジェクトループマーカーでFCPXの指定に依存しないタイミング設定


 テンプレートはFCPXに適用されると、継続時間(速度)がMotion 5で作成された時のものからFCPXで指定されたものに置き換わります。スピードやタイミングコントロールなど微妙な指定をMotion 5で行っても、FCPXでの指定が優先されてしまいます。これにはまりました。ネットを検索してもなかなか解決策が見つかりません。Appleのユーザーガイドをじっくり読んで、「テンプレートマーカー」なるものを見つけました。FCPXに適用後も設計時のMotion 5で指定されたタイミング・速度(継続時間)を維持するためのマーカーです。今回はFCPX側でいくら継続時間を変更されてもアニメーション速度を不変にするために使用します。


プロジェクトの最終フレームに再生ヘッドを移動し、そこをマークします。マーカーを右クリックして編集を選択。マーカーのタイプを「プロジェクトループ終了」に変更すれば完了です。これでプロジェクトの最初からこのマーカーまで設計時の速度で繰り返されるようになりました。FCPX側で長さを変えても速度は変わりません。これが見つかるまで一週間かかりました。

7. 汎用的に使えるテンプレートを目指してリグを活用


 早送りアニメーションのテンプレートの基本形は完成しましたが、表示する位置や大きさなどはバックに流れる映像毎に変えてやる必要があります。テンプレートを汎用的に使うため、これらのパラメーターをFCPX側で変えられるようにします。この機能としてMotion 5には「パラメーターの公開」という機能を持っています。さらにより使いやすくするため「リグ」という機能を使って、一つまたは複数のパラメーターにスライダー、ポップアップ、チェックボックスを割り当ててコントロールすることができます。
 今回は、早送りマークの大きさと位置(X、Y)をスライダーで変更できるようにします。


グループレイヤーを選択し、インスペクタ・情報を開くと、「調整」というパラメーターが見つかります。これは文字の大きさを調整するパラメーターです。マウスを右端に持っていくと小さな三角形が表示されますのでクリックします。メニューに「リグに追加」、「新規リグを作成」、「新規スライダーに追加」を選択します。これで「調整」パラメーターがスライダーとしてリグに追加されました。

8. 追加したスライダーの最大値・最小値の調整


 必要なパラメーターをスライダーを動かすだけで変更できるリグですが、最大値と最小値を指定しておかなければいけません。


追加したスライダーを選択後にインスペクタ・ウィジットを選択するとスライダーの設定画面が現れます。スライダーが左端(最小値)と右端(最大値)で対応するパラメーター(ここでは「調整」)を決めてやります。左端で0、右端で1500くらいにすると全く見えない大きさから画面一杯まで変化できます。

  同様に「調整」の上にある「位置:X、Y」を個別にスライダーとして追加し、最大値・最小値を設定しておきます。最大・最小では画面からはみ出すくらいで丁度いいと思います。

9. 作成したリグ・スライダーに分かりやすい名前をつける


 FCPX側でテンプレートを使用する際に、変更可能なパラメーターとしてスライダーと名前が表示されますので分かりやすい名前にしておくことが大切です。


プロジェクトパネルに表示されているスライダーの名前の部分をクリックすれば直接変更できます。一目でパラメーターの意味が分かる名前をつけるようにします。今回はサイズ、X位置、Y位置としました。

10. FCPXへ公開するパラメーターを指定


 テンプレートとしてFCPX側に公開するパラメーターは明示しておかなければいけません。今回はリグのスラーダーで作成したサイズ、X位置、Y位置の三つを公開指定します。リグで作ったパラメーターだけではなく元々あるパラメーターも同じ手順で公開できます。


公開したいパラメーターを表示します。今回はリグで作成したものですので、リグを選択後インスペクタ・リグを開くと作成した三つのスライダーが表示されます。各パラメーターの右端にある小さな三角形をクリックするとメニューが表示されます。一番下にある「公開」を選択すれば完了です。必要な個数だけ繰り返します。

11. 公開されたパラメーターの確認方法


 必要なパラメーターが正しく公開されているかどうかを確認するには、プロジェクトを選択し、インスペクタ・プロジェクト・公開を開くと一覧できます。


不足している場合は公開の操作をやり直します。スライダーを動かして意図した通りの動作になっているか確認しておきます。

12. 作成したテンプレートをFCPXに公開する


 早送りアニメーションのジェネレーターテンプレートはこれで完成です。最後にMotion 5からFCPXに「公開」して全ての作業が終わりになります。「ファイル」メニューから「保存」または「別名で保存」を選定します。


テンプレート名とカテゴリーを指定、プレビュームービーを保存にチェックして「公開」します。

Motion 5(バージョン5.2.2)ファイル保存時のバグ


 高機能な割には安価と言われているMotion 5ですが、バグが多いことでも有名です。現在使用中の5.2.2でもファイル保存時のバグには悩まされています。
  • 既存ファイルを開き、変更後「保存」をしても更新されない、古いまま(別名で保存すれば正しく残る)
  • 保存(公開)ボタンを押しても保存画面が消えない(毎回「ファイル」の「閉じる」を押す必要がある)
さすがにFCPXはこんなにベーシックな部分にバグは見当たりませんが、Motion 5はかなり粗が目立ちます。機能は素晴らしいだけにとても残念な品質ですが、早く多くの機能を使いこなせるようになりたいものです。


(2016年2月8日追記)

 バージョン5.2.3がリリースされました。テストしてみた結果、このファイル保存時のバグも修正されているようです。これで快適に使えます。


他のMotion 5関連記事はこちら


2016年1月21日木曜日

房総酒蔵バイクツーリング 初しぼり!しぼりたて!この時期のお宝新酒を求めて木戸泉酒造へ


 去年秋に収穫した米を仕込んで出来上がった新酒が年末から年始にかけて続々と出荷されています。蔵で熟成させてから飲む酒も旨いですが、出来上がったばかりの新酒をそのままで味わうのも酒好きにはたまりません。近所のデパ地下や酒屋ではなかなか手に入らないしぼりたての新酒を求めて大原漁港近くの木戸泉酒造をバイクで訪問しました。

 今回で二度目の訪問になります。前回5月に訪問した時は酒造りや出荷が一段落していた頃だったと思います。蔵の敷地内も静まり返っていて、売店にも人はいませんでした。この一月は打って変わって、新酒が出来上がったことを知らせる新しい巨大な杉玉を門に吊るし、「初しぼり」の看板を掲げて酒好きを待ち構えていました。

大きな杉玉を吊るした木戸泉酒造の入り口、初しぼりの看板が眩しい

敷地内では蔵の人が忙しく働く姿が見えますし、売店からは「いらっしゃい」の声がかかり、新酒販売の賑わいが感じられます。水と米を原料に、麹菌・酵母菌や乳酸菌などの力を借りて醸される日本酒は典型的な季節依存商品です。訪れる季節によって蔵の姿は全く別なものに見えます。

 店舗で蔵の人に説明を聞きながら、二本(二升)を厳選するのが至福のひと時でした。この時期にしか味わえない「生原酒」、「しぼりたて」、「初しぼり」、「にごり」などの名前をつけた新酒がずらりと並んでいます。

新酒の時期だけの銘柄がずらりと並んでいて嬉しい悩みが.....

千葉県酒造組合がやっている地酒ショップで入荷早々売り切れになったという「初しぼり」を一本目に選びました。「純米にごり」も気になったのですが、発酵が止まっておらず横にしてバイクで持ち帰るのは危ないとのことで、「純米生原酒総の舞」を選びました。一升瓶をバイクで安全に持ち帰れる「ツーリングお土産トートバッグ」を自作してすでに一年以上経ちますが、活性酒を吹きこぼさずにバイクで持ち帰るための強化版を開発せねばなりません。

無事バイクで持ち帰った新酒二本はこれです。本醸造無濾過生原酒「初しぼり」と純米生原酒「総の舞」。どちらも封を開けるまでは常温保存できるそうです。見ているだけでヨダレが出てきますが、多分封を切ったらあっという間に無くなるんですよね。

木戸泉の新酒「初しぼり」と「総の舞」

 木戸泉酒造はJR外房線の大原駅から歩いて5分くらいの場所にあります。電車で訪問するには便利な場所にありますが、東京駅から特急で70分もかかりますのでおいそれとは行けません。電車が有利なのは試飲ができることと活性酒を持ち帰れることです。第四回蔵開きが4月17日(日)に開催されるので是非来てくださいと誘われました。9種類の日本酒が試飲でき、蔵開き限定酒が手に入るそうです。是非行ってみたいものですが電車かバイクかで悩みます。

 木戸泉酒造は外房黒潮ライン(国道128号)から少し内陸に入ったところにあります。海までバイクで5分ほどの場所です。一番近い大原漁港まで行ってみました。数日前から日本各地に大雪をもたらした大型低気圧の影響で風が強く、釣り人は一人もいませんでしたが、風のない日にはサビキ釣りが楽しめそうな港です。

広い大原漁港の防波堤、近いうちにサビキ釣りにでも来たい場所です

 外房の木戸泉酒造を訪れる途中、長南町にある笠森観音に寄り道してみました。急峻な崖や山の斜面に建てられた寺院建築を「懸造り(かけづくり)」といい、京都の清水寺が有名です。笠森観音も同じ懸造りの寺院なのですが、四方向全部が懸造り構造という日本で唯一の寺院建築です。つまり斜面に建っているのではなく、岩山のてっぺんに乗っかっている建物なのです。

岩山の上に乗っている笠森観音、日本唯一の「四方懸造」構造です

長元元年(西暦1028年)に建立されたそうですが、今から990年近く前によくこんなものを建てたなというのが第一印象です。

下から見上げるとかなりの迫力

土台部分を覗くと岩山の勾配に合わせて長さの異なるたくさんの柱が立っていますが、岩の上に乗っているだけにしか見えません。関東大震災を含めた多くの大地震にも耐えて、今ここにあることを考えると観音様のご加護というものを考えてしまいます。飲み過ぎて体を壊さないようにと願をかけておきました。

 帰宅後、まずは「初しぼり」の方から開けてみました。どぶろくの上澄みのような黄色味がかった色になっています。アルコール度数は19%もあり、飲み過ぎ注意です。氷で軽く冷やして飲んでみると、かすかに甘酒のような甘みとともに炭酸ガスが溶け込んだ味がします。まさしく上品などぶろくを飲んでいるような感じ。いけます。

味見のつもりが、やめられない止まらない

さっぱりとした新酒はグイグイいけてしまいます。バイクの疲れも手伝ってすっかり夢見心地です。これだから房総酒蔵バイクツーリングはやめられません。



 グイグイいける「初しぼり」が空になってしまいました。さて、純米生原酒「総の舞」の出番です。こちらも原酒の濃厚さとともに純米酒のキレの良さもあります。ラベルには『アルコール度数を16度台に設計しましたので原酒ですが食中酒としておすすめです。』と書いてありました。出汁の効いた鍋料理や焼き鳥が一緒に楽しむおすすめ料理だそうです。早速、白湯鶏鍋で一杯やってみました。やばいですね。新酒は旨い。

(2016年1月25日追記)



勝手に「房総の地酒」を応援するTVコマーシャル風動画を作ってみました


個性ある房総の地酒の良さが少しでも伝われば幸いです。





房総酒蔵バイクツーリングのインデックスはこちら


千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。