バイクツーリング中に突然息を呑むような風景に遭遇することがあります。バイクを止めてカメラを取り出してからその風景を写そうと思っても、なかなか思い通りになりません。ウェアラブルカメラをセットして、動画に収めてしまえば決定的な瞬間も残せると思い、GoProを一年ほど前に購入して試行錯誤を続けています。
振動が多いバイクで動画撮影を行う場合、カメラをどこに取り付けるかが大きな問題です。さらにバイクを写し込むか、風景だけを狙うかでも取り付け場所が制限されます。
- 出来るだけバイクが写り込まず、風景主体で撮りたい
- エンジンや路面からの振動の影響を避けたい
- グラグラ揺れない安定した画像にしたい
これらの条件を満たすため、ハンドル周りやカウル、フロントフォークなどにGoProを取り付けて試してきました。しかし、GoPro特有のあの形のためどうしても取り付けられない場所も多く、もっと小型のウェラブルカメラを探していたところパナソニックから直径26mmの円筒形、総重量45gというHX-A1Hが発売になり、即購入。現在GoPro HERO 3+と比較テストを行っています。
小型軽量という特長を活かして、サクションカップ(吸盤)でカウル下部に取り付けてみましたが、結果はブレブレ。バイクが全く写り込まないベストな位置なのですが、カウル自身が振動するため、いくら軽量なA1Hでもダメでした。
エンジンの振動を拾わず、出来るだけ前方向を広く写せる場所ということでフロントフォークへの取り付けを検討しました。大きなホースバンドでフォーク下部に取り付ける方法は以前試しましたが、タイヤがかなり写り込んでしまいます。これはこれで迫力があるのですが、もう少しバイクの写り込みを避けたいものです。今回試してみたのはフェンダー取り付け部のネジにGoProマウントを共締めする方法です。小型軽量という特長を活かして、サクションカップ(吸盤)でカウル下部に取り付けてみましたが、結果はブレブレ。バイクが全く写り込まないベストな位置なのですが、カウル自身が振動するため、いくら軽量なA1Hでもダメでした。
カウル下部(ヘッドライト下)にサクションカップで取り付け |
フェンダー取り付けネジを長いものに交換してマウントを共締め |
ここにREC-MOUNTSのGoPro変換アダプターでA1Hを固定します。A1Hは片側を引っ掛けているだけなので、バイクの振動でグラグラしたり外れたりしそうです。そのためホースバンドでがっちりと固定しました。
A1HをGoPro変換アダプターで取り付け、ぐらつき防止のためホースバンドで締め付け |
この状態で走行中の動画を撮影してみました。エンジンや路面からの振動の影響はかなり排除できています。比較のためGoProも同じ場所に取り付けましたが、A1Hより重量があり、アームを複数経由して取り付けが必要なため、振動の影響が相当出てしまいました。
GoProも同じ場所に取り付け、二本のアームで振動しやすくなります |
このGoProの取り付け位置、実は危ない場所です。フロントフォークが沈み込んだ時、カメラとカウル下部がぶつかります。通常使用はできません。A1Hはぎりぎりセーフでした。
走行中の画像・音声に全く手を加えず、そのまま編集しました。二つのカメラの画像を並べて比較できるようにしてあります。
動画の中で上下および左右に画像を並べて比較 |
動画データの平均転送レートはGoProが約20Mb/s、A1Hが約15Mb/sだそうです。結構差がありますが、実際の動画はA1Hもかなり健闘しています。GoProより黒つぶれが目立ちますが、色の再現性は高いように感じました。
音声はA1Hがモノラル、GoProがステレオ録音です。マイク部がハウジングの中に隠れているGoProの方が、走行時の風切音には強いようです。A1Hは少しスピードを上げると風切音でいっぱいになってしまいました。
気になるバッテリーの持ちですが、A1Hは断続録画で一時間程度使用できました(Wi-Fi未使用)。標準バッテリーで二時間程度の録画時間が目安のGoProに対して、これだけ小さなA1Hは健闘していると思います。最大の課題はA1Hのバッテリーが交換式ではないことです。内蔵バッテリーを使い終わったら、GoProは予備のバッテリーに交換して使い続けられますが、A1Hは数時間かけて充電しなければなりません。同じ太さの円筒状の拡張バッテリーをつければ倍の時間は使えるようですが、取り付けやすさは損なわれてしまいます。USBケーブルから給電しながら撮影できるようですが、その場合は防水機能はなくなります。
バッテリーの持ち時間にも影響しますが、運転中に電源のオン・オフや録画開始・停止の操作ができると使い勝手が格段に向上します。GoProはオプションのWi-Fiリモコンで実現しています。リモコンをハンドルに付けておけば、ここぞというところで電源を入れ録画をスタートさせられます。A1Hもスマホを使って同様の操作ができますが、バイク運転中にスマホは操作できないでしょうね。さらに電源をスマホから切ることはできますが、入れることはできません。つまり完全なリモートコントロールは不可です。体から離れた場所にセットする時は、録画しっぱなしということになります。この辺も課題ですね。
何れにしても、二台目のウェアラブルカメラとしては良い買い物をしたと思います。今後、サイクリングや登山などにも活用予定です。
追記(2015年7月19日)
実践比較レポート(サイクリング編)も同様に作成してみました。A1HとGoProのマルチカム収録を試しています。参考にしてください。
追記(2016年1月21日)
バイクへのアクションカメラの取り付け方法や使用器具、各取り付け場所での考慮点などをまとめました。参考にしてください。
HX-A1Hはホースバンドでの締め付け過ぎに注意
振動の影響をできるだけ少なくするためにHX-A1H使用時にホースバンドで締め付けるようにしていましたが、ある時「パキッ」という嫌な音が聞こえてきました。よく見ると後部のキャップ部にヒビが入ってしまいました。本体中央部は金属製で丈夫そうですが、後部のキャップはプラスチック(ABS?)のためホースバンドでの締め付け時は要注意です。
見事に割れてしまったHX-A1Hの後部キャップ |
Panasonicの付属品販売サイトを覗いてみたらSFC0318という品番で入手できるようですが、売値が税抜き4,000円もします。現在2万円を切る価格で新品が入手可能ですので、ちょっと悩ましい価格です。もう一つ付属していたケーブル穴が空いたキャップにゴムの栓をして使うことにしました。
(2016年5月24日追記)