2017年5月5日金曜日

快適自転車生活 野生動物との遭遇を撮るならGoProの高解像度モードで


 自然あふれる房総の谷津道を探検しながらサイクリングするようになってから五年ほど経ちました。滅多に車も通らず、農繁期以外は人通りも多くはない谷津の農道ですから、すぐ近くには色々な野生の生き物がいます。道の真ん中を横切っているアオダイショウや、草むらから飛び出してくるイタチ、道端で食べ物探しに夢中になっているタヌキなどを突然目にして驚くことがしばしばですが、相手は音もなく近づいてくる自転車にもっとびっくりしていることでしょう。ほとんどの野生動物はあっという間に逃げてしまいますので、デジカメやビデオカメラを取り出して撮影している時間はありません。何かが現れそうな場所を通る際には、ハンドルバーに取り付けたGoProで前方を撮影しながら走るようになりました。ドライブレコーダーのように動画で撮影を続けていれば、瞬間の出来事も記録に残せます。

ハンドルバー下にGoProを常備してサイクリング


超広角のアクションカメラで野生動物の撮影は難しい


 海や山でのスポーツシーンの撮影では、迫力のある映像が撮れるのがGoProをはじめとしたアクションカメラです。雄大な景色を背景にして、激しい動きのある被写体を追いかけることができるため、まるでその場にいるような臨場感あふれる映像が撮影可能ですが、風景の片隅に突然現れた小さな野生動物を撮るのは苦手です。固定焦点レンズでズームもできません。広い視野を実現するために広角レンズを採用しているため、実際に目にしているよりも被写体はかなり小さく撮影されます。

人間の視野に比べてカメラの画角はかなり限られる

以前、谷津道を走っている時に草むらからイタチが飛び出してきました。GoProで撮影しながら、かなり近くまで寄ることができたと思っていたのですが、帰宅後に映像を確認してみるとほとんど判別できないくらいの大きさで、がっかりしました。

かなりはっきり目視できたが、GoProの映像ではこんなに小さい

元々がHD解像度(1920 x 1080)の映像を無理やり拡大すると、ボケてしまいイタチかどうか判別もできません。これ以上近づけば逃げてしまうし、ズームが可能なビデオカメラやデジカメを取り出して撮影している時間はないし、サイクリング中に突然現れる野生動物の撮影は無理かなと、半ば諦めていました。


高解像度モードを利用すればトリミングが使える


 最近のカメラは画像センサーの性能が上がり、非常に高い解像度の映像を撮ることができます。容量の大きなメモリーカードの価格も下がり、高解像度の画像を心置き無く撮れるようになりました。デジカメ写真では高い解像度を生かして、撮影後に必要な部分だけをトリミングして利用することが当たり前になってきました。GoProの動画でもこれと同じ手法を使えば、広角で撮影された動画の一部を利用することができるのではないかと考えました。フレームレートはモデルによって異なりますが、最近のGoProは4K解像度までの動画が撮影できます。

HD編集でもGoProの高解像度を活用してみる

YouTube向けのビデオ編集ではHD解像度を使用していますので、それを超える高解像度モードを利用すれば、トリミングしてもHDの解像度を保つことが可能です。縦方向のみ解像度が高い1440pモードは上下方向にしかトリミングできませんが、2.7Kモードであれば上下左右にHDの40%相当分までトリミングできます。結果として1.4倍のズームを編集時に擬似的に行うことが可能になります。縦横二倍の解像度を持つ4Kで撮影すれば、二倍のズームに相当します。

高い解像度を利用して編集時に擬似的にパンやズームが可能

持っているGoProはHERO3+ Black Editionですので、残念ながら4K解像度では15fpsまでしかサポートしていません。走行中の動画撮影では30fps以上のフレームレートがないとかなり見にくくなるため、自転車で走行中に実質的に利用できる高解像度モードは2.7Kまでとなります。


長柄町の山道をサイクリング中にタヌキに遭遇


 先日、房総中央部にある長柄町の山道を2.7KモードにセットしたGoProで撮影しながら走っていたら野生のタヌキに遭遇しました。道路の曲がり角で食べ物でも探していたのでしょう。突然自転車が現れたものですから、タヌキもしばし呆然としていて、かなり接近できました。帰宅後に確かめてみると、肉眼で見たよりはかなり小さいのですが、しっかりタヌキとわかる映像が残っていました。動画を編集するにあたり、もう少しタヌキを大きく見せるために、HD解像度が保てるギリギリまでトリミングして見ました。結果として約1.4倍に拡大された映像が右側です。

2.7K解像度の映像からHDサイズにトリミングして擬似ズーム

わずか40%程度の拡大ですが、だいぶ印象が変わります。固定カメラで狙って撮影したものではありませんので、作品にできるような映像が毎回撮れるとは限りませんが、自然あふれる谷津道でたまたま出会うことができた動物たちの思い出は残すことができます。



高解像度での撮影ではバッテリーとメモリカードに注意


 貴重な動物たちとの遭遇を記録するのに最適な高解像度撮影ですが、考慮点があります。バッテリーの持続時間とメモリーカード容量です。GoProの場合、カタログスペックでは二時間程度のバッテリー持続時間になっていますが、これはHD解像度で30fpsの録画モードの場合です。撮影時の気温などにも左右され、実質的な録画可能時間は一時間ちょっとという場合が多いのですが、高解像度モードにするとさらにバッテリーの消耗が激しくなります。2.7K、30fpsで撮影した長柄町のケースでは、ちょうど一時間でバッテリーが切れました。
作成されるファイルサイズはかなり大きくなる

 さらに、HD解像度では20Mbpsのデータレートが、2.7Kでは45Mbps以上にもなります。二倍以上のメモリー使用量となるわけです。普段は価格がこなれてきている32GBのSDメモリーカードを使用していますが、約1.6時間で満杯となる計算です。途中でバッテリー交換をしたら、今度はメモリーが足りなくなることになります。決定的な瞬間が撮れたと思ったら、バッテリーやメモリーが足りなかったなんてことにならないよう注意が必要です。

 外部バッテリーから電気を供給し、Looping Videoモードで撮影すれば、まさにドライブレコーダーのように最新の映像を撮り続けることが可能ですが、そこまでやるのも大げさです。何度も同じ谷津道を走っていると、どの季節にどんな野生動物が現れるのかがだいたいわかってきます。そんな場所に差し掛かった時にGoProの撮影をスタートすればOKです。ハンドルバー直下に取り付けたGoProは、走りながら電源や録画ボタンを操作することが可能ですので、野生の勘を働かせて動物たちが現れそうな場所だけ撮影します。これからの季節は、何度も撮り逃がしている野ウサギの姿を動画に収めることが目標です。


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