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2017年12月14日木曜日

長い付き合いのThinkPadが生誕25周年だって


 仕事にも趣味にもパソコンとの付き合いは相当長くなりました。パソコンではなく、まだマイコンと呼ばれていた時代、8ビットのZ80 CPUが全盛だった頃からです。一部のマニアがパソコンの可能性に挑戦しながら、試行錯誤を重ねていました。まだインターネットが普及する前で、毎回モデムで電話回線につなぎ、料金を気にしながらパソコン通信に熱中したものです。1989年に東芝がDynaBookを発売した頃から、一部のマニアのものだったパソコンが一般の人にも普及し始め、その後ビジネスマンや学生が当たり前のようにノートパソコンを使いこなす時代がやってきました。


物置で見つけたThinkPad生誕10周年の記念品


 物置を整理していたら奥の方からこんなものが出てきました。だいぶ前にノートパソコンを買った時におまけでもらったものだと思います。外箱にはThinkPad 10周年記念701C(模型)と書かれています。

おまけでもらったThinkPad 701Cの模型

ノートパソコン設計の際に、運び易さを優先してできるだけ小さくしようとすると、問題になるのがディスプレイとキーボードの大きさです。このThinkPad 701Cは、ディスプレイを閉じる時にキーボードが2分割されて小さくなり、筐体に収まるという画期的な機構を持っていました。その動きを再現したプラモデルです。

組み立て前の701Cの模型がそのまま入っていた


1992年に登場したThinkPadは今年で25周年


 今年はThinkPad登場後25周年の記念の年だそうです。すると10周年記念の模型をもらったのは2002年頃のはずです。その頃手に入れたパソコンを思い返してみると、2001年の終わりにThinkPad X22を購入していました。その時のおまけがこの模型だったようです。

 少し前にWindows XPのサポートが切れ、趣味や仕事で使うパソコンを一新しましたが、その前まではノートパソコンを購入するときは必ずThinkPadを選んでいました。黒一色の筐体と、しっかりとしたキーボードタッチが、他のノートパソコンにはない魅力でした。現在、手元に残っているThinkPadは3台あります。この当時はパソコン中核部品の性能向上が著しく、1〜2年で性能が倍以上なんてこともざらでした。さらにOSのバージョンが上がる度に必要スペックが上がるため、2〜3年に一度の頻度でパソコンを購入していたような気がします。今では信じられないような時代でした。当時のパソコン事業が儲かったのも頷けますね。

現有している三台のThinkPad

どれも十数年の年月が経った古いパソコンですが、実はすべて完動品です。OSはWindows XPまでアップグレードして使い続けてきました。Windows XPのサポートが切れた2014年以降はネットに接続せず、一部のアプリケーションのみを動かす専用機として現役で使われています。

三台ともXPで今でもちゃんと動く

ThinkPadが登場する一年前の1991年に発売されたPS/55 noteを入手したことが、その後のThinkPadとの長い付き合いの始まりでした。同じ年に発売されたWindows 3.1の喧騒の中でも、当時はまだまだDOSがパソコンOSの主流の頃です。ノートパソコンでWindowsを動かせるスペックのものはまだ出ていない時期で、PS/55 noteはDOSを快適に動かせるスペックを持つノートパソコンとして生まれてきました。メインメモリー2MB、HDD容量40MBという、今から思えば桁違いの低スペックですが、作りの堅牢さやデザインの良さからすっかりファンになってしまいました。その後次々に発表されるThinkPadの元祖にふさわしい作りだったと記憶しています。故障して動かなくなったため廃棄してしまったのが悔やまれます。保存しておけばよかった〜


XPで動くアプリ専用機として未だ現役のThinkPad


 サポートのないWindows XPマシンをネットに接続して使用するのは危険なため、過去にインストールしたソフトのみを動かす専用機として、ネットから切り離して使用しています。Windows XPの時代が長く続いたため、このOSで稼働する優れたソフトが数多く存在しています。中でもefu氏作成のWaveGeneやWaveSpectraは、現在も多くの利用者がいる優れたソフトです。オーディオ信号を発生させるWaveGeneとオーディオ帯域の信号をFFT分析できるWaveSpectraは、オーディオ機器の調整に大変役立つソフトで、なくてはならないものになっています。10年以上も前の古いパソコンでも問題なく稼働しています。

オーディオ機器の調整に役立つWaveGeneやWaveSpectra専用機として現役のThinkPad X40

趣味のアマチュア無線では昔からRTTY(ラジオテレタイプ)などの無線データ通信がありました。以前は、一部マニアが中古のプロ用機器を手に入れて楽しんでいましたが、JE3HHT森氏が公開しているMMTTYやMMVARIを利用すると、パソコン一台で簡単に無線データ通信が楽しめるようになり、一気に広がりました。

パソコン一台で簡単に無線データ通信が始められるMMTTYやMMVARI

これらのソフトはWindows XP登場以前に作られたこともあり、古いノートパソコンでも快適に動作します。十数年も前の古いThinkPadが未だ現役で活躍できるのも、これらの優れたソフトがあるおかげです。


でも今はThinkPadは買わない


 日本の国内メーカーが次々にパソコン事業から撤退していますが、IBMも2005年に中国のLenovoにパソコン事業を売却しました。ThinkPadはLenovoの旗艦ブランドとして今でも発売されていますが、今ノートパソコンを買うとしたらThinkPadは選びません。理由はいくつかありますが、一番大きいのは「もうWindowsの世界からおさらばしたい」というものです。2013年に買い換えた仕事用のノートパソコンとして選んだのはMacBook Proでしたσ(^_^;) 生まれて初めてのMacです。

仕事用に購入したMacBook Pro

昔から抱いていたMacのイメージは「デザイナーなどの仕事用には向いているかもしれないが、システムエラーが多く、通常のビジネスではWindowsの方が使いやすい」というものでした。でも実際に使ってみると印象が一変です。想像力を掻き立てる豊富なアプリが揃っていることは以前のイメージどおりですが、安定していて作業中にフリーズするようなことも少なく、何よりも非常に美しいディスプレイのおかげで作業が格段にやりやすくなります。さすがRetina(網膜)と呼ばれる液晶ディスプレイです。システムのアップデートに対する方針にも大きな違いが見られます。Windowsのように勝手に更新を始めてしまうようなことはありません。今ではWindowsの世界にはもう戻れないと感じてしまうほどです。

 ただし、世の中の考え方、特にお役所の世界ではWindowsが標準OSという位置付けは変わらないようです。仕事で使う電子申告用のアプリケーションは、Macの最新OSのサポートが遅く、Windowsパソコンがどうしても必要になりました。仕方なく価格優先で購入したのがLenovoのコンシューマー向けG50というものです。ThinkPadは価格で選択肢から外れました。

どうしてもWindowsが必要なアプリのために安いノートパソコンを購入

購入後にWindows 8から10へのアップデートが必要になり、その作業のためにほぼ半日が潰れてしまったのが懐かしい思い出です。その後もWindows君は、頼んでもいないシステム更新を勝手に始めて、何十分も作業をさせてくれないという失態を度々やらかしています。誰のパソコンだと思ってるんだと文句が出てきます。やっぱりWindowsにはもう戻れないですね。



2017年12月8日金曜日

牛乳選びを見直す契機となった明治「おいしい牛乳」のパッケージ変更


 商品名に「おいしい」の文字を入れることの賛否はあると思いますが、家で飲む牛乳は何も考えずに明治の「おいしい牛乳」を買い続けていました。スーパーでも売れ筋商品のようで、商品棚にも大量に置かれているため、ついつい手に取ってしまいます。味にも不満はなく、家族の誰が主張するまでもなく、長年我が家の定番牛乳として定着していました。


容器の変更はCMで知っていたが....


 少し前からテレビで流れていたコマーシャルで、「おいしい牛乳」の容器がリニューアルされたことを知りました。紙パック独特の注ぎ口から、扱いやすいスクリューキャップに変わったそうです。家族と犬が毎日牛乳を飲むため、毎回一リットルパックを二本以上まとめ買いします。ある日、スーパーで牛乳を買おうとしたところ、「おいしい牛乳」が全て新パックになっていました。いつものように二本購入しようと手に取ると、容器に900mlと買いてあるのを発見。「えっ、内容量減ってる!?」と思わず声が漏れてしまいました。容器が変わったことは理解していましたが、内容量が減ったことは商品を手に取るまで知りませんでした。

我が家の定番牛乳である明治「おいしい牛乳」、内容量が900mlに減っている

メーカーから派遣されたらしい売り子さんが商品棚の前に立っていましたので、聞いてみました。

   「もう1リットルの商品は売ってないんですか?」
 売り子「ここに置いてあるのは900mlのみです」
    「1リットルだと飲み残しが多いそうで、900mlサイズになりました」
   「うちは毎回複数本購入するので、内容量は多い方がいいのですが...」
 売り子「すみません...」

売り子さんを困らせてもしょうがないので、900mlパックを二本購入して帰りました。帰宅後にレシートを見ると、以前買っていた1リットルの頃と同じ値段です。飲みきれずに捨ててしまうなどということは全くない家ですので、内容量が一割減って同じ値段ですから、実質的な値上げです。新容器のコストアップ分を内容量を減らして吸収したのかもしれません。では、新容器は消費者にとって値上げに見合うだけのメリットがあるのでしょうか?


新容器には実質値上げに見合うメリットがあるか?


 メーカーのテレビコマーシャルやホームページでは、今回の新容器のメリットを大々的に宣伝しています。光を通しにくい素材を使用した新容器は、蛍光灯などの光による風味劣化を抑制してくれるそうです。メーカーのテストでは48時間光を照射する前後の味の比較を示して新容器の効果を謳っています。これは消費者にとって大きなメリットに思えますが、買ってきた牛乳はほとんどの時間、真っ暗な冷蔵庫の中です。購入後、飲みきるまでに牛乳パックを光に当てている時間なんて1時間もないように思えます。むしろ、製造工程とスーパー店頭までの流通工程で浴びる光の方が問題になりそうです。開封するまで容器内いっぱいに牛乳が充填されていて、空気と触れないため新鮮さが長持ちするメリットもあるとのこと。新容器は製造4日後の比較で25%も牛乳の香りが強いそうですから、こちらの方が消費者にとっては大きなメリットかもしれません。

内蓋の下は牛乳で満たされていて空気と遮断されている

 紙パック独特の折り返しただけの注ぎ口から、スクリューキャップ式の注ぎ口に変わりましたので、開封してからでも横置きができるのは便利です。ただし、しっかりと閉めないで横置きしてしまうと牛乳が漏れ出します。一度冷蔵庫の中を漏れた牛乳でベトベトにしてしまいました(泣)。旧式の注ぎ口に慣れてしまったためか、それ以外ではメーカーが主張しているメリットは感じられません。今までの注ぎ口で入れにくいと感じたことはありません。むしろ先が細く、微妙な量を入れるのも簡単でした。

出典: 明治「おいしい牛乳」プレスリリース

プレスリリースではさらに、横幅が小さくなって子供にも持ちやすいとか、重さが減ったため筋肉への負担が一割軽減されたとのメリットを謳っていましたが、ちょっとこじつけ感が強すぎたのか、ネット上ではかなり批判的な意見が見受けられました。この点についてはホームページの商品説明からは現在省かれています。

出典: 明治「おいしい牛乳」プレスリリース


飲んだ後のリサイクルのしやすさも重要


 バージンパルプが使われている牛乳パックはリサイクルされることが前提の容器です。全体の40%程度しかリサイクルされていないそうですから、少しでもリサイクルしやすい構造であることも重要だと思います。飲み終わった後、簡単に広げられるか試してみました。底に指を突っ込んで穴を開け、横から上部に開いていけば簡単に広げられました。内側のビニールコーティングが厚くなったためか、以前より少し力が必要です。

資源ごみとして出す際は、きれいに洗って開いておく必要がある

むしろ、広げた後で乾燥させ、重ねてゴミとして出す時に問題がありました。ビニール製のキャップ部が出っ張ってしまい、重ねると以前の紙パックよりも厚みが出てしまいます。大量に溜めてからゴミ出しする家庭では多少扱いにくいかもしれません。

キャップ部が出っ張ってしまい、重ねる際に邪魔になる

メーカーではこのキャップ部がついた状態でも紙ゴミとしてリサイクル可能と言っていますが、最終的には住んでいる自治体の指示に従うようガイドしています。もし、この部分をハサミで切ってから出すように自治体から言われたら、面倒臭くて燃えるゴミに入れてしまいそうですσ(^_^;) さらに、開封時に取り除く内蓋と飲んだ後のキャップは、今までの紙パックでは出なかったビニールゴミです。鮮度維持のためとはいえ、今までなかったゴミを新たに発生させるのは考えものです。

今までの紙パックでは出なかった新しいゴミとなるビニールの内蓋


この際だから他の牛乳と比較してみる


 毎日口にする食品にはどうしても保守的になってしまいます。今までは他の牛乳に目もくれず、毎回明治の「おいしい牛乳」を買い物かごに入れてきましたが、実質一割の値上げと知った後は他の商品にも目を向けるようになりました。改めて商品棚に並んだ牛乳を見比べてみると、随分値段が違うんですね。内容量の違いまで考慮すると差はもっと大きくなります。

比較のため他の牛乳も買い求めてみた

商品によって実質90円近い価格差になるのは驚きです。ただし、年に100本分(100リットル)飲んで9千円の違いです。価格で選ぶか、味で選ぶかは悩ましいところです。値段もバラバラないくつかの牛乳を試していますが、慣れのせいかやっぱり明治の「おいしい牛乳」が美味いと感じます。まだまだたくさんの牛乳が売られていますので、今後しばらくの間、色々な銘柄の牛乳を試してみるつもりです。牛乳を一番楽しみにしている愛犬と家族の反応を確かめてから、我が家の新しい定番牛乳が決まることになりそうです。



飲んだ後の紙パックの開き方・洗い方も見直してみました


 バージンパルプを使った紙パックは、ちゃんとリサイクルしないと環境に優しくありません。そのためには飲んだ後に、キレイに洗い、ちゃんと広げて資源ごみとして出す必要があります。以前は、水洗いをしてからパッケージを開いていましたが、この方法だと内容量の2倍くらいの水を使ってしまいます。パッケージを開いてから、流水で洗うようにしたら、使用する水の量をかなり減らせました。その様子を動画にしてみたものです。


(2017年12月9日追記)



新パッケージは注ぎ残しが多いような...


 その後も他の牛乳を買ったり、明治の新パッケージ牛乳を買ったりしていますが、飲み終わった新パッケージを開くと、牛乳の注ぎ残しが多いような気がしています。以前の折り畳み式の注ぎ口の場合は、逆さにして少し時間をおけばほとんど残らずに注げました。新パッケージの場合、キャップ式の硬い注ぎ口の周りに牛乳が残ってしまうようです。

明治の新パッケージを開くと注ぎ残しが気になる

わずかな量ですので、毎回そのまま台所に流してしまうのですが、なんとなくもったいない気がします。我が家の消費の仕方では新パッケージ商品のメリットはほとんど感じられていない状況です。

(2018年1月18日追記)



2017年11月28日火曜日

ヤフオク初心者が出品を体験して感じたこと


 趣味の電子工作やアマチュア無線で使用する測定器を手に入れるために、ヤフオクで入札を初体験したのは10年も前のことです。オシロスコープやシグナルジェネレータなどの機器はとても高価で、新品の購入など考えられませんが、ヤフオクに出品されている中古品ならなんとか手が届きそうです。目星をつけた品物の入札状況を見ながら、予算を超えないように入札を繰り返して、落札できたときはゲームに勝利したときのような快感を覚えましたσ(^_^;) そんなわずかな入札の経験しかないヤフオク初心者が、ここ数ヶ月間出品を繰り返して感じたことをまとめてみました。


アマチュア無線機やオーディオ機器はいい値段で売れる


 十数年前に一戸建てに引っ越してから、屋根の上に大きなアンテナが乗せられるようになり、それまで我慢していた無線の虫がうずき始めました。家の中で使用する固定用無線機から、山登りにも持っていける移動用の無線機や車に取り付けるモービル機まで、少し余裕ができる度に手に入れていました。たまりにたまった無線機器が家の中にあふれてしまい、家族からは大ひんしゅくです。夢中になってから十数年、当初の熱は徐々に冷め、最近では使用する機会もだいぶ減ってしまいました。ただ置いてあるという状況の無線機も目立ち始めたため、ヤフオクに出品してみることにしました。アマチュア無線機器以外にも、昔から買い集めたオーディオ機器もかなりの台数になっていましたので、同時に出品。次の表は無事売れたものの一部を抜粋したものです。

10年前後使用したものも結構な値段で売れるヤフオク(一部の購入時価格は概算)

購入時の価格と落札価格を比べてみると、10年全後も使用した機器でも購入時の6〜7割くらいで売れています。中には購入時の価格とほぼ同じものや、超えているものまで。この結果には驚くばかりでした。

・メーカーが廃業し入手困難なものに高値がついた


 ちょうど10年使用したアンテナアナライザー(BR-510D)は購入時の価格に対して落札価格は98%の値がつきました。ほぼ10年間タダで使用したことになります(^ ^) メーカーは数年前に廃業したクラニシで、アマチュア無線家には測定器の他にアンテナチューナーなどでお馴染みでした。たまにしか使用していませんでしたので、外観はほぼ新品同様でしたが、それでも廃業したメーカーの10年も前の機械です。故障しても修理も期待できません。そんなものが購入時とほぼ同額で売れるのですから、ヤフオク恐るべしです。

廃業したクラニシのアンテナアナライザー、購入時とほぼ同額で売れた

 同様に廃業してしまった東京ハイパワー製のV/Uリニアアンプ(HL-724D)も高値がつきました。こちらは9年前に中古で購入したものです。購入先はオークションではなく、雑誌の売ります買います欄で見つけたもので、指値でした。外観も綺麗で程度も良く、ちゃんと機能していましたが、ほとんど利用していませんでしたので、こちらもヤフオクに出品すると、なんと購入時よりも高い値段に。入札数も他の出品物よりかなり多く、オークション締め切り間際に一気に値が上がっていくのには驚きました。アマチュア無線人口が減り続ける中で、売り上げの伸びが期待できないために廃業に追い込まれたのだと思いますが、代わりになる製品が少なく、確実にニーズはあるようです。もっと古くてボロボロの機械も結構な値段で売買されています。

こちらも廃業してしまった東京ハイパワーのリニアアンプ

 ヤフオクへの出品にあたり、アマチュア無線機やオーディオ機器の買取業者への売却も検討してみましたが、売却額ではヤフオクにはかなわないようです。買取業者がヤフオクに出品して転売することもあるようなので、業者の利潤を考えれば当たり前かもしれません。Accuphaseの高級FMチューナー(T-1100)を売却するときに、業者の買い取り価格を調べたら15万円が上限でしたが、ヤフオクではそれより8万円も高額で落札されました。オークション開催の時間と手間がかかるのは事実ですが、できるだけ高値で売却したいのならやはりヤフオクが有利ですね。

・捨てるつもりだった壊れた機器もいい値段がついた


 今まで壊れて修理もできなくなったような古い電気製品は捨てるしかないと思っていました。オーディオ機器で言えば、カセットデッキやDATデッキ、CDプレイヤー、レーザーディスクなど数え切れない壊れた製品を捨ててきました。そのうち直してみたいと思い、しばらくは取っておくのですが、スペースがなくなって結局捨てるということの繰り返しです。ベーリンガーのサンプリングレートコンバーター(SRC2496)も2012年に購入後、一年ちょっとで故障してしまった機器です。DACとしてもなかなかの音を出すことで知られ、デジタルオーディオのハブとして重宝していた機械です。保証期間が切れた途端に故障してしまいましたので、仕方なくもう一台購入して使っています。壊れた方は、いずれ分解して部品を取ろうと思って物置にずっとしまっていましたが、物置もいっぱいになってしまったためヤフオクに出品してみたものです。

ジャンクとして10円スタートのSRC2496

ジャンク品のため、クレームや返品はなしという条件での出品です。捨てるよりはいいだろうというくらいの出品ですので、オークション開始価格は10円にしました。終わってみるとなんと5千円以上の値がつきました。値上げされて、現在はAmazonでも3万円以上の新品価格になっていますが、5年前に購入した時の値段は1万3千円程度でした。捨てるつもりだったものが5千円以上で売れたのですから、やっぱりヤフオク恐るべしですね。


ヤフオクで少しでも高値をつけてもらうには


 今回の一連の出品では、ほとんどのものが想定以上の高値で落札されました。出品初心者ですので、事前にある程度ヤフオク出品のコツを勉強しました。例えば、上のSRC2496の画面で黄色で囲んである、「開始時の価格」、「終了日時」、「自動延長」などの設定は先人たちのアドバイスに従ったものです。

・入札が盛り上がるように設定


 「開始時の価格」は当然安いほうが気楽に入札してもらえます。入札者が多いほど、ヤフオク画面では目立ちますので、開始価格を低くして初めに多くの入札者を獲得してしまうという戦略です。ただし、あまりニーズのないものだと、その後に入札数が伸びることもなく、めちゃくちゃ安いままオークション終了なんてことにもなりかねません。同じような出品物の値段と入札状況を参考にして、人気がなさそうなものは初めから売れても後悔しない開始価格にしておく必要があります。入札者には知らされない「最低落札価格」を設定しておけば、想定外の安値で落札されることは防げますが、オークションの楽しみを奪ってしまうやり方だと思いますので、この方法は使っていません。

 「終了日時」は入札者が心置き無く最後の競りに参加できる日時を指定します。推奨されているのは日曜日の夜です。風呂に入って寝る前にじっくりと入札を楽しめる時間帯が高値を狙えるようです。

 「自動延長」はオークション終了間際の5分間に落札額が更新されると、自動的に5分間オークションが延長される機能です。これで決まりだと思って時間ギリギリに最高額を入れている入札者からしてみれば迷惑な機能なんですが、さらに5分間の時間ができるためより高値が狙えます。自動延長が何度も起こるような時には、アレヨアレヨという間に落札額が上がっていきます。見ていると興奮してしまいますね。

・良い評価と明確な商品説明があれば安心してもらえる


 ヤフオクに出品されているほとんどの中古品は「返品不可」で取引されています。限られた写真と説明文だけを頼りに入札に参加してもらうわけですから、出品者を信頼してもらった上に、商品の程度を十分理解してもらう必要があります。取引成立まではヤフーIDしかわかりませんから、お互いが信頼できるかどうかは「評価一覧」を見るしかありません。下の評価一覧は私のものですが、10年くらい前の落札4件と最近の出品26件全てで非常に良いをいただけました(^ ^)/ コメントの中には「ピカイチ」とか「信頼できる」、「丁寧な梱包」などの人となりを表す表現も入っていますので、件数情報だけでなくコメントの中身をのぞいてみることも重要です。

取引相手を見極める唯一の情報源が評価一覧

落札者との意思疎通トラブルや、商品の配送中の事故などが一度もなかった幸運もありますが、以下のポリシーに従ってヤフオクを利用していることが功を奏していると考えています。
  • 自分で使用していたものだけを出品する
  • 自分が受け取ったとしても安心できる梱包を心がける
商品の説明文を用意するにあたって、自分で使用していたものならば自分の言葉で率直に説明できます。問題ないところも、不具合のある部分についても、自分で使って感じたままを伝えればいいわけです。梱包についても、自分が今まで使用していた大切なものを自分宛に送るつもりで梱包しています。出っ張っているつまみの部分をラップの芯を切って保護するなどの手間を惜しまない姿勢が、相手の信頼を得る鍵だと考えています。

 評価一覧で相手を吟味する際に、注目すべきは「非常に悪い」の内容です。「非常に悪い」の件数が多い場合は完全に要注意参加者だと思いますが、件数が少なくてもその内容に悪質なものがあれば取引は避けたほうが無難です。多少の不安があるが、どうしてもその商品が欲しいような場合は、出品者に質問をしてその回答文から人となりを推し量るという手段もあります。


ヤフオクでこんなこともあった


 まだ30件ほどの取引しかありませんが、ヤフオクで「え〜っ」と思うようなことも経験しました。愛着のある自分のものが不要になったために売りに出している出品者や、自分が使うつもりで参加している入札者ばかりではないということを痛感した出来事です。

・取引成立後にも個人情報の開示を避ける相手


 オークション期間中は出品者も入札者もヤフーIDと評価以外はわからず、個人情報は開示されません。落札され取引が開始されると、先ずは出品者の個人情報が落札者に知らされます。その後、落札者が自分の個人情報とお届け先を知らせる手順になっています。お互いの信頼があって成り立つ取引ですから当然のことだと思うのですが、カタカナの氏名以外の情報を全く開示する気のない落札者に出会いました。

落札者から知らされた情報を見て驚いた

お届け先がヤマト運輸のセンター止めになっています。これはよくあるケースで、問題はなさそうですが、氏名はカタカナで表記されています。調べて見ると電話番号はセンター止めになっているヤマト運輸の番号でした。つまり、落札者はカタカナの氏名情報だけでセンターから商品を受け取ることになるんですね。落札額が20万円近い高額なものでしたので、かなり心配になりました。さらに、落札者はお届け情報の人とは別人です。どうも芸能人の名前をもじったような印象の氏名が書かれていました。電話番号欄は数字のゼロで埋められています。こうなると住所もあてになりません。落札者から知らされた情報の中で、正しいのはカタカナ表記の氏名だけのような気がしてきました。まあ、ちゃんと入金されたのを確認して、こちらは指定の場所に商品を送りましたが、どうにも気持ちの悪い取引となりました。その後しばらくして、同じ商品が今回の落札額よりも数万円高い値段で出品されているのを見た時にはひっくり返るほど驚きました。しかも、私が出品した時の写真をそのまま流用し、説明文もほとんどそのままです。「使うつもりで落札したが、不要になった」との文言が追加されていましたが、この取引だけはヤフオク初心者にとって釈然としないものが残りました。

・メッセージのやりとりが不要な「取引ナビ」の功罪


 オークション終了後のやりとりは手順が決まっていて、「取引ナビ」によりボタン一つで相手とやりとりできるようになっています。「取引情報」→「送料連絡」→「お支払い」→「発送連絡」→「受取連絡」→「相手の評価」と順を追って進めていけば一連の取引は完結します。その間、一度も自分の言葉で相手とやりとりする必要はありません。相手の評価ですら定型文から選択すればいいようになっています。これが良いか悪いかは微妙なところです。海外で転売する目的でヤフオクに参加している外国人も多いようで、日本語があまり分からなくても「取引ナビ」のおかげで取引ができます。商品の状態説明や取引時の注意事項が理解できず、トラブルになっている事例も多いようです。

「取引ナビ」を使えばメッセージ送信なしでも取引は完了する

それでなくても相手の顔が見えないネット上の取引です。任意のメッセージが送れる「取引メッセージ」を使って、落札のお礼や入金の確認、発送完了の連絡などを折々にするようにしています。無駄なことかもしれませんが、単にシステムが自動で送る各ステップの通知だけではないメッセージを送るよう心がけました。時々、この「取引メッセージ」でチャットのような状態になることもありますが、それもまた良しですね(^ ^)

・ヤフオクの魅力を半減する大量の転売品


 自分が出品する際に、他の人の出品を参考に開始価格を決めることはよくあります。他の人の出品を色々検索していたら、一人の出品者が三千件近い商品を出品しているのを見つけました。三千件は一つのIDで出品できる上限数です。出品されているものは種々雑多なものでしたが、どれも少ない写真と最低限の説明文しかありません。とても自分で一件一件準備して出品したものとは思えない画一的な内容です。ヤフオクでの出品価格の妥当性を調べるためにAmazonで新品の値段をよく調べています。この大量に出品されているものの価格をAmazonで調べてみると、なんとAmazonよりも高値が付けられていました。しかも、ヤフオクで使われている写真がAmazonのものと同じではないですか。調べてみると、ヤフオクとAmazonを利用した転売ビジネスとして一般的になっているそうです。

「こんなのあり」というヤフオク転売ビジネスがまかり通っている

Amazonで手に入る商品の写真や説明文を流用してヤフオクに出品。その際の価格は、ヤフオクの手数料も必要なためAmazonよりも高額、しかもAmazonでは無料な送料も取っています。何も知らない入札者がこの商品を落札すると、出品者はその情報を元にAmazonに発注。Amazonからギフト扱いで送料無料で商品が届けられるというカラクリです。ギフト扱いで届けられた商品には価格が記載されていないため、落札者は何も知らないまま。ただ、「ヤフオクで手に入れたのになんでAmazonから届くの?」という疑問だけが残ります。最初からAmazonで購入すれば、送料も不要で値段ももっと安く買えたはずです。まるで詐欺のようなビジネスですが、法律に触れることはないようで、探してみると出るわ出るわ。Amazonでも手に入るたくさんの商品が、より高額な値段でヤフオクに大量に出品されています。カラクリを知っている入札者から見れば、これはゴミ以外の何物でもありません。ヤフオクの魅力を落とすだけのような気がしてなりませんが、手数料が入るならヤフー側はそれでいいのかもしれませんねσ(^_^;)



2017年8月18日金曜日

マンガン乾電池が売ってない! 今までの常識は変わった?


 子供部屋の壁掛け時計は止まってしまい、リビングの時計も時刻が大幅にずれていました。どちらも電波で自動的に時刻合わせしてくれる電波時計ですので、電池切れの症状でしょう。交換しようと、まとめ買いしてあった乾電池を探すと、ちょうど単三電池の在庫がなくなっていました。他の買い物のついでに立ち寄ったホームセンターで、単三マンガン乾電池を探すところから物語は始まります。


マンガン電池が販売されていない!


 昔からリモコンや時計の電池といえばマンガン乾電池を使うものだと信じてきました。マンガンに比べると高価なアルカリ乾電池は、モーターなど大電流が必要な機器用で、リモコンや時計などの小電流を長時間流す機器にはマンガン乾電池が適していると教え込まれてきました。ホームセンターで乾電池をまとめ買いする際には、毎回アルカリとマンガンの両方を買い求めていたように記憶しています。ところが、近くのホームセンターに出かけてみるとマンガン乾電池が見当たりません。レジ近くに電池専用の大きな陳列棚があるのですが、並んでいるのは全てアルカリ乾電池です。有名メーカー製の高価なものから、ホームセンター独自ブランドの安価なものまで全てがアルカリ乾電池でした。

近所にはアルカリ乾電池しか売っていない!

時計やリモコンにアルカリ乾電池を使うのはもったいないという固定観念に囚われている、昭和のオヤジはマンガン乾電池を探して放浪の旅に出ることになりました(大げさ)。一番身近な近所のコンビニを何軒か回ってみましたが、やっぱりアルカリ乾電池しか置いてありません。最後の手段に、名の知れた家電量販店まで足を伸ばしました。大きな電池専用の棚に数え切れないくらいの種類の電池が並べられています。探し求めていた、黒いシマシマ模様の有名メーカー製マンガン乾電池の外装が目に入りましたが、置いてあったのは単一と単二サイズだけでした。探し求めてきた単三サイズのマンガン乾電池は家電量販店にもありません。単三サイズで置いてあるのは、ここでもアルカリ乾電池と充電池だけです。かなりのショックを受けました。帰宅してAmazonを調べてみると、販売されていましたが、結構なお値段です。量販店でアルカリ乾電池をまとめ買いするのと単価は変わりません。う〜ん、困った。


時計やリモコンにはマンガン乾電池というのはもう古い?


 止まっていた子供部屋の時計から電池を取り出してみたら、知らないメーカのアルカリ乾電池が出てきました。時計を買った時に付属してきた電池かも知れません。止まってからだいぶ時間が経ってしまったのでしょう、電池から液漏れしていました。

止まった時計に入れっ放しになっていたアルカリ乾電池(お漏らししている)

アルカリ乾電池の電解液は強アルカリ性で、過放電(電池が完全になくなった状態)のまま放置すると、内部で水素ガスが発生して圧力が上がり、電解液が漏れ出すことがあります。この強アルカリ性電解液が電子機器の電極や回路に付着すると、腐食し故障の原因となります。マンガン乾電池の電解液は弱酸性で、液漏れした際の悪影響はアルカリ乾電池よりも小さく、さらに電解液の改良でより液漏れしにくくなっていると聞かされています。そのため、小電流しか流れず、長期間機器の中に入れっ放しにする時計やリモコンの電源としてはマンガン乾電池の方が優れているというのが昭和生まれのオヤジの常識となっていました。

 しかし、これだけ身近なお店を探しても、マンガン乾電池が売られていないということは、その常識が通用しなくなっているのではないかと不安になってきました。リモコンや時計の電池交換は数年に一度で十分ですから、携帯ゲーム機やミニ四駆(古い?)などによく使われるアルカリ乾電池に比べればはるかに交換頻度が少なく、販売数量も大幅に少ないのかも知れません。あまり売れない商品が店頭から駆逐されるのはわかりますが、そうだとするとリモコンや時計にもアルカリ乾電池が普通に使われているということになります。乾電池メーカー大手のパナソニックのサイトで目的別の推奨電池を調べてみると、なんとリモコンや時計用にマンガン乾電池と並んで、アルカリ乾電池も推奨されていました。う〜ん、今までの常識は通用しなくなっているようです。


電池の使い分けにも見直しが必要


 乾電池で最もよく利用するサイズは単三と単四です。家の中で単一乾電池を必要としているのはガスコンロくらいしか思いつきません。単二乾電池を使用する機器は皆無です。昔は懐中電灯でよく利用していましたが、今はLEDライトとなり、電池も小型の単三か高性能なLi-Ion充電池になっています。家の中で単二サイズの電池は見ることがなくなりました。

 単三・単四乾電池として一番利用しているのがニッケル水素充電池のエネループです。今は亡き三洋電機が開発し、パナソニックが後を引き継いだベストセラー充電池を活用しています。単価がアルカリ乾電池などに比べて数倍もしますが、1,000回以上繰り返し使えますので、すぐに元を取れます。

繰り返し利用が可能なエネループは大変お得

使用するたびに新品電池を使う登山用ハンディGPSや毎月何度も電池交換する携帯ラジオ、携帯シェーバー、自転車用ライト、ワイヤレスマウスなどなどで大活躍しています。エネループのおかげで使い捨て乾電池の購入量が大幅に減ったと思います。

アップルのマジックマウスにもエネループが活躍

 電池を入れて非常時のために持参するような登山用のヘッドランプなどには、長期間の保管が可能なアルカリ乾電池を入れてあります。いざ使おうと思った時に放電していて使えないということがないように、ちゃんとしたメーカーの新しいものを備えておきます。

 今までは、これらの電池以外に、時計やリモコンなどのためにマンガン乾電池を常備していました。しかし、これだけ入手性が悪いと手軽に利用できません。マンガン乾電池に比べて液漏れしやすいとされるアルカリ乾電池ですが、液漏れ補償のついた製品も現れ、価格もこなれてきました。今までの常識は捨て去り、時計やリモコンなどにもアルカリ乾電池を使用していくことになりそうです。

時計などにもアルカリ乾電池を使うのが普通になった(?)

でも、万が一液漏れした時のダメージはマンガン乾電池よりも大きいはずなので、時計などの機器が止まってしまったら、すぐに電池を交換するよう心がけたいと思います。



時計メーカの指定電池がアルカリ乾電池になってる


 改めて家のシチズン製電波時計についてきた取扱説明書を読んでみたら、指定電池がアルカリ乾電池になっていました。もう一台のセイコー製の方はマンガン乾電池になっています。ラジオと同じような受信部を持つ電波時計ですので、以前の単純なクォーツ時計よりも消費電力が増えているためか、アルカリ乾電池が標準指定されていました。知らなかった.... 価格もこなれてきたアルカリ乾電池ですので、液漏れの心配さえなければマンガン乾電池の代わりにしてもいいのかもしれませんね。

(2017年8月19日追記)


2017年5月1日月曜日

春のサイクリングで楽しめる土手の菜の花ともお別れか?


 先日長柄ダムまでサイクリングに行った時に、市民農園と書かれた畑に小さな白い花がたくさん咲いているのを見つけました。花や茎の形はどう見ても菜の花なのですが、花が真っ白です。

形は菜の花そっくりだが白い花が咲いている


白い花の正体は大根の花でした


 自転車を降りて近づいてよく見ると、十字についた四枚の小さな花びらも菜の花そっくり。すぐ横の畑を見ると、見慣れた黄色い菜の花も咲いていて、ますます不思議になりました。

すぐ横には見慣れた黄色い菜の花が咲いている

帰宅後に調べて見ると、白い花の正体は何と大根でした。菜の花と同じアブラナ科の植物で、同じ形の花を咲かせるとのこと。野菜として根を食用にする場合は、花が咲く前に収穫してしまいます。そうしないとスが入って味が落ちるそうです。道理で普段の大根畑では見かけない花です。たまたま種を取るために花が咲いたままにしていた畑だったようです。そう言えば「だいこんの花」という古〜いテレビドラマのオープニングで、毎回『細かな白い花...』という朗読がされていたように記憶しています。菜の花と大根が同じ仲間だとすると、普段花や茎を食べている菜の花の地下にも大根の根のようなものができているのかと空想してしまいました。


菜の花のせいで堤防が危機?


 後日、日経新聞(2017年5月1日朝刊)の見出しを見て驚きました。「菜の花 堤防壊す?」と書いてあります。記事を読んで見ると、菜の花の根が大きく成長して腐った所にミミズが集まり、そのミミズを捕食するためにモグラが穴を開け、そのモグラを捉えるためにキツネがさらに穴を広げるという食物連鎖のきっかけを菜の花が作っているそうです。太い根では周長30センチ(直径9.5センチ)近くもあったということですから、まさに細めの大根くらいはあります。

大根のように太く成長した菜の花の根が食物連鎖を引き起こして堤防に穴があく(らしい)

奥行きが10メートル近くもある穴も見つかっているそうで、これでは大雨の際の堤防の強度にも影響します。菜の花を無くして芝生に植え替えている河川も出てきているようで、毎年春のサイクリングで楽しんでいる江戸川の菜の花のことが気掛かりになってきました。


今年も楽しませてくれた江戸川の菜の花


 江戸川以外でも大小の河川の土手には菜の花がいっぱいです。自然に生えているものもあれば、地元の人たちが種をまいて世話をしているものまであり、土手一面に見事に咲いている菜の花の中を走るサイクリングは最高の気分です。

江戸川右岸、常磐自動車道手前の土手の菜の花は本当に見事

これが全部芝生になってしまったら、さぞかし味気ない春のサイクリングになってしまうことでしょう。堤防の強度に影響を与えず、菜の花を残す術はないものか悩んでしまいます。さすがにキツネが生息しているのは河川の中流から上流の地域だと思いますので、常磐自動車道の南側は大丈夫なのかもしれませんが、肉食のイタチをたびたび目撃したことがあります。イタチもモグラを捕るために土手に穴を開けたりするのか気になります。

 下は今年の江戸川サイクリングロード沿いの菜の花の様子を収めた動画です。将来「かつて江戸川の堤防に咲き乱れていた菜の花」なんて紹介がされないよう、祈る気持ちで動画を見直しました。




2017年4月26日水曜日

耳障りな最近の政界流行り言葉


 意外に国会中継を視聴していることが多い今日この頃です。平日に休みが取れた時にはテレビで、外出の際には携帯ラジオで何となく見たり聴いたりしています。最近の政界では親分の使ったキーワードを子分たちが嬉しげに連呼している場面に度々遭遇します。時として流行語大賞にも選出されることがある政界の流行り言葉。政権が長期化すると耳障りな政界言葉が数多く生まれてきます。第二次安倍内閣やそれを取り巻く野党から発せられる、ちょっとイラっとくる最近の政界流行り言葉を列挙してみました。



『当たらない』


 数の力を背景にしてか、野党からの追及に対して十分な説明もなく、『それは全く当たりません』の一言でバッサリ切り捨てる。野党の追及方法にも問題はあるが、十分な議論を期待していた国民に肩透かしを食らわせる強者の答弁。実際の社会生活ではほとんど聞いたことがない言葉。
 これを実生活で言ったら嫌われそうで怖い。会社の上司からお小言をもらった直後に、『それは全く当たらない』と言い放ってみたいものである。

 そもそも火のないところに煙は立たないわけで、全く当たらないと強弁できる今の与党が羨ましくもある。さて、この言葉がいつまで聞かれるか楽しみでもある。



『緊張感を持って』


 閣僚たちが重要な任務に当たる際によく使う『引き続き緊張感を持って取り組む』という言葉。それって当たり前すぎて、聞いている方にはほとんど響かない。むしろ緊張感が完全に不足している政治家が今の内閣には多すぎる。閣僚の度重なる失言には国民もうんざり。
 ピカピカの新人がこの言葉を使うのは初々しくてよろしいが、老獪な政治家が使うべき言葉ではない(と信じる)。

 度重なる未曾有の自然災害やいつ核ミサイルが落ちてくるかわからない北朝鮮問題などの重要課題が山積しているなか、『緊張感を持って』などと新入社員のような事を言っている暇があったら、プロの政治家としてすぐに行動に移れと言いたい。



『粛々と』


 基地問題で政府がこの言葉を使い、沖縄県民から猛反発を受けた後はさすがに影を潜めているが、『粛々と前に進める』という言葉を政治家が使うと「もう国民の意見は聞かない」と言っているのに等しい。本来の「粛々」は「静かなさま」や「厳かなさま」の意であり、「周りの意見に拘らず」という意味ではない。それに気づいたのか、最近はこれを使う閣僚は激減したようだ。与党内で通達でも出されたのだろう。それこそ自分たちが「粛々と」国家・国民のための仕事に邁進してほしいものである。そうしないと「粛清」されるかもよ。



『常在戦場』


 故事成句や四字熟語として学校で教わるものではないので、一瞬考えてしまう言葉。長岡藩牧野家の家訓であり、長岡出身の山本五十六連合艦隊司令長官が座右の銘としていたため、経営者や政治家の間では有名な言葉らしい。
 「いつも戦場にいる心構えで事をなせ」という意味だが、電線の上で落ちないようにしている猿を想像してしまう。「猿は木から落ちても猿だが、政治家は落ちれば(落選すれば)ただの人」との名言を聞いたことがあるためであろう。

 ニヤつきながら『常在戦場』などと言っている与党陣営を見ると、次の選挙にも絶対の自信が見え隠れしてしまい、投票する意欲が一気に失せてしまう。都市部の投票率は上がりすぎない方が今の政権与党には好都合らしいので、そのための深謀遠慮かもしれない。



『是々非々』


 初めてこの言葉を聞いた時にはどんな姿形をしたヒヒかと想像してしまった。政権与党に近い野党が連発する言葉。『我が党は是々非々です』などと聞くと、「それがフツーだろ」と言い返したくなる。「何でも反対のどこかの野党とは違う」と言いたいのだろうが、是々非々ですと聞いただけでは支持していいのかどうか判断もできない。具体的な意見や考えを述べるべき。是非お願いしたい。




『倫理!倫理!』


 政治資金などの問題が表面化すると、しきりに大きな声で鳴き出す政界に住む鈴虫。リンリ・リンリの大合唱に耐えきれず、渦中の政治家は説明責任を果たすと約束するが、「秘書が、秘書が」の言い訳のみで、いつの間にか目立たぬところに雲隠れ。そのうち、次の選挙で再選されれば、禊(みそぎ)は済んだと涼しい顔で現れる。その後は鈴虫がいくら泣いても知らん顔で政治家稼業を続けてる。何をやっても役職を退くだけで、議員のバッチは外さない。選挙区の地盤さえしっかりしていれば、何があろうといつまででも続けられる美味しい仕事、それが議員様だ。凄惨なリストラに晒されている中高年サラリーマン憧れの職業である。



『一線を超えた?』


 もうここまでくると政治家にまつわる話なのか、芸能人のゴシップなのか訳が分からなくなってしまう。いい大人の男女が人前で手を繋いでいて、一線を超えるも何もあるまい。汗だくで『一線は超えてません』と言い張ること自体がナンセンスである。そもそも不倫をしていようが、男女の仲になろうが、個人とその関係者の問題である。本当の一線(レッドライン)を超えそうな、狂気の独裁国家の怪しい動きが激しくなる中で、こんなナンセンスな問題で政界もマスコミも時間を潰している場合ではあるまい。

 一線越え問題で週刊誌に叩かれれば、次から次にいくらでも出てくるホコリの方が大問題だ。国民の血税をいとも簡単にポケットに入れられる仕組みを放置し、ホテルでの逢引きを政策の勉強と言い張る議員ばかりのこの国に果たして未来はあるのだろうか。



やばい、不満が溜まってるのかな?


 国会中継を視聴しながら、これらの政界流行り言葉を聞くと、反論の言葉が自然と口から漏れてしまいます。イヤホンをして通勤電車の中にいるときなどは、周りから白い目で見られることも。これって今の社会や政治に不満が溜まっているのかもしれません。こんな形で憂さ晴らしさせてもらってもバチは当たりませんよね.....



また出た!『全く当たらない』


 今話題の文科省を取り巻く怪文書について前事務次官の記者会見を受けて、官房長官の口からまた出てきた「全く当たりません」のお言葉。予想通り理由や説明は無しで、一方的に言い切りました。天下り問題で官邸に詰め腹を切らされた前事務次官の意趣返しとの見方が大半ですが、それに対して前事務次官のスキャンダル情報がリークされ、事態は混迷を極めています。ドロドロですね、今の日本の政治は。森友問題も全然片付いていないし。結局最後まで国民にはわからないんだろうなと思うと、虚しさを感じます。

(2017年5月26日追記)


2017年3月27日月曜日

快適バイク生活 視力検査が怖い運転免許証の更新


 家族にメガネをしているものはおらず、子供の頃から視力だけは自信がありました。原付から始まり、自動二輪や普通自動車の免許を取るときには何の不安もなく視力検査を通過。それが当たり前だと思っていましたが、そんな自慢の視力もパソコンを使った仕事の影響か、40代に入ると遠くのものが見えにくくなり、近視用メガネの助けを借りることが多くなりました。運転免許証にも「眼鏡等」の条件がつき、メガネを忘れると違反を取られるリスクが発生。この頃から運転免許の更新がなんとなく憂鬱になってしまいました。

幕張にある運転免許センター入り口


老眼が気になってきたら遠くが見えるようになった


 50代に入ると今度は近くのものに焦点が合わなくなってきました。新聞の文字が見えにくいため、焦点が合うところまで離すと、今度は文字が小さくて読めません。完全に老眼の症状です。この頃受けた免許更新時の視力検査では、メガネなしでもなんとなく見えている感じ。後日申し出て「眼鏡等」の限定を解除してもらいました。

視力検査には長い待ち行列ができる免許センターの広いロビー

ただし、両眼で0.7、片眼で0.3の視力がいつも安定して維持できているかどうかは定かではありません。パソコンやスマホを凝視した後や、体調の悪い時、部屋の明るさが足りない時などは視力も落ちているように感じます。つい先日手続きしてきた免許更新の視力検査前には十分な準備で臨みました。
  • 数日前からパソコンやスマホの利用はできるだけ控える
  • 眉間のツボを刺激して血行を良くする
  • パソコンで印刷した視力検査表を使い自宅で練習
  • 目が疲れていない午前の早い時間に受付&検査
と、こんな感じで当日を迎えました。結構な緊張が続きましたが、実際の検査は数秒であっけなく通過。これでまた三年間は「眼鏡等」の条件なしで運転できます(残念ながら二年前にスピード違反で捕まり、五年の有効期限は夢に終わりました)。


更新時講習は有益(だと思う)


 残念ながら前歴ありのため、二時間の更新時講習(違反者講習)を受講。安全運転啓発のビデオや安全性自己診断テストはいつも通りの内容ですが、最近の交通事故の状況分析や道路交通法改正の内容紹介は有益だと感じます。高齢者が関係する事故の増加は他人事では済みません。道路を逆走してくる車に遭遇したこともありますし、青信号で横断歩道を渡っている時に信号を見落とした車がすぐ横を走り去って行ったこともあります。どちらも高齢運転者マークが付いていました。

 道路交通法の改正は頻繁に行われていますが、三〜五年に一度の免許更新の時に初めてその内容を知ることも少なくありません。今回も「へ〜そうだったんだ」というものが幾つかありました。その中の一つが環状交差点の通過方法です。交差点に進入する時にはウィンカーは不要だそうです。出るときだけでいいとは知りませんでした。

環状交差点の通過方法(出典:警視庁ホームページ)

右向きの矢印信号が出ている時に、今まではUターンできなかったものができるようになったことも今回初めて知りました。今までは知らずに違反していたかもしれません。

 免許を保持している車やバイクの運転者がこの程度ですから、自転車の交通法規となると知らないで乗っている人は山のようにいるんでしょうね。少し前に改正された「自転車は車道の左側を通行」ルールは未だに徹底されていないような気がします。ロードバイクでサイクリングを楽しんでいる時に、逆走してくる右側通行の自転車に思いっきりベルを鳴らされたことがあります。

自転車は道路の左側を通行するのがルール(出典:警視庁ホームページ)

更新時講習などの情報入手機会がない自転車の利用者向けに、マスコミや学校などを通した啓蒙活動がもっと必要な気がしました。


懐かしい二輪試験場にも寄ってみた


 二時間の更新時講習を終え、お昼前に新しい免許証を入手できましたので、懐かしい二輪試験場をのぞいて見ました。

幕張免許センターにある二輪試験棟(枠内は今乗っているバイク)

残念ながら実技試験の様子は見られませんでしたが、何度もイメージトレーニングを積んだ検定コースの各課題が懐かしく思い返されます。幾つになっても実技試験というものはドキドキするもので、この望楼から見られていると思うだけで緊張しました。

見られていると思うだけで緊張した二輪試験場の望楼

 ちなみに免許センターで実技試験を受けるのなら、各県の交通安全協会がやっている二輪車安全運転講習会が超おすすめです。1万6千円(少し前まで1万5千円でしたが、今見たら上がってました)の費用がかかりますが、実際の検定コースを使って試験のポイントを教えてもらいながら、一日たっぷりと走ることができます。これを経験するかしないかでは天と地ほどの差が出ます。費用対効果を考えれば、決して1万6千円は高くはないと思います。千葉県の安全運転協会はこちら。平成29年度の講習会日程も発表になっていました。この講習で指導員から直接教えてもらった内容を元に、幕張の大型自動二輪検定コースをアニメーションで解説した動画を作成してみました。これから検定を受ける際の事前確認にお使いいただければ幸いです。


免許センターでソースカツ丼食って安全運転で帰宅


 ちょうどお昼になったので、免許センター内の食堂で昼食にしました。デミグラスソースをかけたカツ丼を注文。官公庁の食堂ですから味は推して知るべし....でした。

免許センターで食べたソースカツ丼

 大型バイクに乗り始めて三年半。その車体の大きさと重量のため、少しでもバランスを崩すとリカバリーできません。おかげで運転がやたらに慎重になったような気がします。

一時停止やカーブミラーのある場所は慎重に運転

見通しの悪い交差点でいきなり自転車や歩行者に出くわしたら、慌ててしまい立ちゴケの恐れもあります。停止線をはみ出さずに一時停止し、カーブミラーを慎重に確認してから、不用意に車体を傾けないで交差点を通過するようになりました。バイク運転中ばかりでなく、車の運転でもその癖が出ています。いい歳をして大型バイクを楽しむのも悪いことではなさそうです。


2016年8月12日金曜日

えっ、著作権侵害? YouTubeからContent IDの申し立てメール受信


 YouTubeに動画を投稿するようになってから、まだ一年半の初心者です。先日も、ある動画の視聴回数が急増したと思ったら翌日からほぼゼロになって理解に苦しんでいるという投稿をしましたが、わからないことだらけのYouTubeです。


Content IDの申し立て?


 そんな中、今度はYouTubeから下のようなメールが届きました。どうも私の投稿した動画が「Content IDの申し立て」を受けたようです。使用されている曲「さやかに星はきらめき」が問題で、「elicense」から申し立てがされたとのこと。しかし、こんな曲を動画編集に使用した記憶はありません。

YouTubeからのメール

申し立てを受けた動画は2014年12月に生まれて初めてYouTubeに投稿した「いちはら市民の森イルミネーション点灯の瞬間」です。年末にバイクでたまたま立ち寄った、いちはら市民の森(現いちはらクオードの森)のクリスマスイルミネーションの様子をGoProで撮影したものです。屋外で収録したものをカット編集し、タイトルを入れただけですので、BGMは加えてはいません。投稿した動画にそのまま残っていた会場の音楽が問題になったようです。メールのリンクにあった詳細を見てみると、最後のカット20秒ほどに流れている曲についてのクレームでした。

 申し立てをしている「elicense」について調べてみると、だんだんと状況が飲み込めてきました。2001年に日本音楽著作権協会(JASRAC)と同様の音楽著作権管理業務に参入した株式会社イーライセンスのことのようです。現在は他社と合併して株式会社ネクストーン(NexTone)となっています。2014年6月からは「YouTubeコンテンツマネジメントサービス」としてYouTubeに投稿される動画の映像・楽曲を監視し、著作権者の利益を守る業務に参入しています。どうもこれに引っかかったようです。

 この段階では著作権侵害の警告を受けたわけではなく、自分の動画が再生されるときに著作権者にクレジットされる広告が表示されるか、動画の再生状況が著作権者に報告されるようです。これ以外に、申し立て人としては以下のようなオプションが選べるようになっています。
  • 動画を見られないようにブロック(国別も可能)
  • 動画の音声部分のみをミュート
  • コンテンツが表示されるアプリやデバイス、ウェブサイトなどを制限
申し立て人が法的手段に訴えた場合などに届くのが著作権侵害の警告のようですので、今回はそこまで大げさにはなっていないようです。


屋外撮影での写り込み(録り込み)と著作権


 このContent IDの申し立てで納得がいかないのは、問題となる楽曲はクリスマスイルミネーション主催者が屋外にBGMとして流していたもので、動画投稿者が狙って録音したものではないということです。イルミネーションが点灯する瞬間の人々のどよめきを狙って撮影したもので、勝手に流れているBGMを除いてどよめきだけ録音することは不可能です。このような場合の著作権法上の扱いを調べてみました。

著作物が偶然写り込み(録り込み)したとしても利用許諾が必要か?


 屋外で撮影していると偶然他人の著作物が画像に写ったり、楽曲が録音されてしまうことはそれこそ日常茶飯事です。このすべての場合に著作権者から許諾を得なければ映像や音が利用できないとすれば、怖くて屋外での撮影などできません。平成24年の著作権法改正でこの写り込み(録り込み)に関する「付随対象著作物の利用」という項目が整備されました。以下の三要件を満たしていれば、他人の著作物が写り込んだ(録り込んだ)ものを許諾なしに利用して創作できるとされました。
  1. 写り込んだ(録り込んだ)他人の著作物を分離することが困難
  2. 写り込んだ(録り込んだ)他人の著作物が自分の創作するものへの影響が軽微
  3. 写り込んだ(録り込んだ)他人の著作物の著作権者の利益を不当に害しない
クリスマスイルミネーションを撮影するときに、そこに流れているBGMだけ録音しないというテクニックはない(分離困難性)。自分の作品ではLEDイルミネーションの煌めきと、それが点灯された瞬間の観客の驚きが中心で、最後の20秒のBGMはどうでもいい(軽微な影響)。人々の声と共に聞こえてくるわずか20秒程度の曲が動画と共に公開されたとしても著作権者の利益を害するとは考えられない(利益不侵害)。と、今回のケースではこの三つの要件を満たしているように思えて仕方がありません。


申し立てに対してどんな対応が取れるか?


 YouTubeからのメールでは、問題なければ何のアクションも必要ないと書いてあります。しかし、放っておけば著作権者の広告が勝手に流れるか、動画の視聴情報が著作権者に通知されるそうなので、それも納得がいきません。どんな対応が可能なのかも調べてみました。
  • そのまま放置
  • 楽曲を削除
  • 楽曲を入れ替え
  • 収益を分配
  • 異議申し立て
申し立てのあった動画は、初めて投稿したYouTube動画で、お世辞にも出来が良いとは言えません。一年以上経っても未だ数十回の再生回数で、忘れられた存在と言っても過言ではない作品です。異議申し立ては面倒なので、楽曲の削除というものをやってみました。初めは動画の音声トラック全部をバッサリと入れ替えてしまおうかと思ったのですが、イルミネーション点灯の瞬間のどよめきまで消えてしまってはこの作品の存在価値もなくなってしまいます。問題になっている最後の20秒間の音だけ消せるのなら、それで十分です。

動画の管理で「音声」を選択

クリエーターツール>動画の管理>音声を開いてみると、ベータ版ですが「曲を削除」という機能があり、問題になっている曲が表示されています。試しに押してみると最後の20秒部分の曲が見事に消えていました。曲以外の声や環境音は一部が残っています。単純に該当部分をミュートしているわけではないようです。


 こんな忘れ去られたような作品にまでContent IDの申し立てを行ってくるのは、自動化されたクレーム処理のおかげで対象一つ一つの費用対効果を考える必要がないことと、ネット上での権利保護意識の高まりからなんでしょうね。これからは屋外での撮影に今まで以上に気を遣いそうです。



今度はApple Loopsで作った自作BGMが引っかかった


 動画編集で使用するBGMは、ソフト(Final Cut Pro X)に付属しているフリーの音楽素材かYouTubeのオーディオライブラリーから選べば問題はなさそうですが、使えるものが限定されてしまいます。せっかく購入したMacBookやiPhoneについてくるGaragebandを活用して動画のBGM作りに挑戦してみました。特に、6,000以上ものループ音源を自分の好みに合わせて並べるだけでできてしまうApple Loops機能は、音楽知識のない自分でもBGM風の楽曲が作れてとても便利です。著作権についても、ループ音源としてそのままの形で販売はできないが、組み合わせて出来上がった作品は商業利用可能であることが明記されています。YouTubeに投稿する動画のBGMとして使うのは何の問題もないはずです。

 編集した動画にApple Loops音源で作成した1分ほどの長さのオープニングBGMをつけてYouTubeに投稿したところ、公開ボタンを押したのとほぼ同時に、あの忌まわしいContent IDの申し立てが来ました。この早さは明らかにシステムで自動チェックしたものでしょう。クレームを受けたのはこちらの動画のBGM冒頭部分です。


今回はすかさず異議申し立てを行ってみました。色々と確認事項にチェックさせられるため、多少ビビります。日本人ってなかなか権利主張ができない民族なんだなと実感させられます。自民党の国会答弁よろしく『Apple Loops音源だけを使って作ったものだから似た曲があって当然、クレーム元の主張は当たらない』と書いて送信しました。

 するとどうでしょう。翌日の朝には次のようなメールが届きました。結果は当然こうなると思っていたのですが、『Good news!』ってのがちょっとカチンと来ました。

翌日YouTubeから届いたContent IDに関するメール

Apple Loopsのような音源を組み合わせて曲作りをしていれば、どの部分をチェックしても誰かの曲と同じ部分が出てくるはずです。システムで自動チェックしているのなら、Apple Loops音源かどうかも自動でわかるでしょう。動画を投稿するたびにいちいちこんな対応をするのは面倒でしょうがありません。とりあえず似たものは全てに警告を出しておいて、異議が来たものだけ再度確認すればいいやというクレーム元の考えが見えてきそうです。

(2016年12月6日追記)



また別の業者から警告が来た


 やれやれと思っていたら、また別の著作権管理業者からクレームが出ました。また異議申し立てをしなければなりません。はっきり言って面倒くさい! 誰かがApple Loopsを使って作った曲をオリジナルとして発表しているのでしょう。部分的に見ればApple Loopsの部分は同じになるに決まっていますから、システムが引っ掛けてしまうのでしょう。はっきり言ってえらい迷惑ですね。これではせっかくのApple Loopsも利用する気が失せてしまいます。

(2016年12月6日夜追記)