2016年10月26日水曜日

快適自転車生活 楽しいサイクリングの思い出を残すために持参する機器類を厳選


 サイクリングの愉しみ方は人それぞれ。ひたすら走ることに喜びを感じる人もいれば、寄り道ばかりで走ることは二の次という人もいます。谷津道探検サイクリングと称して普段愉しんでいる走り方はちょうど中間でしょうか。
  • 安全快適な走りを楽しみながら健康維持
  • 自らの力だけで知らない場所を訪問
  • 途中の自然や歴史との偶然の出会いをエンジョイ
と、こんな感じで毎回走りに出かけています。せっかくのサイクリングですので、楽しい思い出が残せるように各種の記録を残すようにしています。風景写真を撮ることはもちろんのこと、最近流行りのアクションカメラで動画を撮影したり、季節を感じる虫や鳥の鳴き声を生録して思い出作りに勤しんでいます。サイクリング中にデジタルデータとして記録しているものは以下のようなものです。
  • GPSデータ
  • 写真
  • 動画
  • 自然の音
 必要な撮影・録音機材を少しづつ集めているうちに、だんだんと台数が増えてしまい、三脚などの周辺機材も含めるとかなりの体積・重量となってしまいました。走っている最中に偶然目(耳)についたものを撮影(録音)するために持参していますので、必ず使うというものではありません。持っては行ったものの、一度も利用しないこともあります。全てをウェストバッグに入れていますが、最近はその重さが気になるようになってきました。目的や使用シーンを見直し、持参する機器類を厳選してみることにしました。


iPhone一台あれば全てOK...とはいかない


 最近のスマートホンの性能向上には目を見張ります。そのため、サイクリング中に記録している位置情報(GPS軌跡)、写真、動画、音などiPhone一台あれば事足りるではないかと言われそうですが、そうでもありません。例えば、動画などを走行中に撮ろうと思ったら、しっかりとしたマウントが必要になります。GPSの記録を残そうと思ったら、サイクリング中にバッテリーが切れないようにしなければなりません。綺麗な写真が写せますが、ズーム機能は貧弱です。生録もできますが、モノラルのため臨場感が出ません。ほんの少しづつ専用機材に及ばないのです。

GPS軌跡を記録できる機器は色々ある

GPS軌跡の記録ができる機器もいろいろ持っていますが、サイクリングで使用する場合には位置情報や速度などの基本情報以外に心拍数や気温、ケイデンスなどの情報が一緒に記録できれば活用の範囲がぐっと広がります。iPhoneでも別途ワイヤレスの測定機器を購入すれば同様のデータを測定できますが、手軽さでは専用のサイクルコンピューター(写真中央)にはかないません。

 オートバイでのツーリング時には、4千円程度で手に入る写真左のGPSロガー(CANMORE GP-102)を上着のポケットに入れっぱなしで一日走っています。位置情報の記録だけなら、ポケットに入れっぱなしのこんな安価な機器で十分なんですね。


写真や動画を撮る時のスタンドは重要


 風景写真を撮るだけであれば手持ちでもなんとかなりますが、動画撮影や自撮りの場合にはカメラをスタンドなどに固定してやる必要があります。いろいろなタイプの三脚を試してきました。自転車で持ち運ぶときにはできるだけ小型軽量であることが求められますが、いざ使うときには大きくてしっかりしたものの方が活用範囲は広がります。

ミニ三脚を使えば一応カメラの固定は可能

ミニ三脚を使えばカメラの向きを固定することはできますが、丁度良い置き場所がないと高さが足りません。結局使えるシーンが少なく、今は持ち出す機材のレギュラーから外れています。

ちゃんとした三脚は応用範囲が広い

カメラをある程度高い位置にセットしたい場合にはやはりちゃんとした三脚が必要です。足の長い三脚であれば、置く場所にもそれほど影響されずにセット可能になります。ただし、自転車乗車時に使用しているウェストバッグに入らなければなりませんので、それほど本格的なものは持っていけません。

Velbon CUBEが収納時のサイズ、重量でベストチョイスとなった

いろいろ調べてたどり着いたのがVelbon CUBEという三脚です。三脚の重量は390グラムで、400グラムまでのカメラに対応しています。伸ばせば94センチになりますが、収納時は24センチで、なんとかウェストバッグに収まります。この三脚は登山やバイクツーリングでも活躍していますが、他の荷物も含めるとサイクリング時にはやはり気になる大きさです。また、ミニ三脚に比べればはるかに高い位置にカメラをセットできますが、手すりやフェンスを越えて撮影できるほどの高さはありません。使えない場面もそれなりにありました。

GoPro用の大型クランプ(格安のコピー商品)

そんな時に役立ったのが、GoPro用に売られている大型クランプマウントです。自在に曲げられるグースネックが付属していますが、これは風でカメラが揺れるような代物でした。グースネックを使わず、GoPro Sessionに付属してきたボールジョイントバックルと組み合わせてみたところ、風で揺れることもなく、自在にカメラの角度を変えられることがわかりました。

手すりなどにカメラを固定できる大型クランプ、角度調整はボールジョイントで可能

観光地などには大抵手すりやフェンスが設置されていて、その上部を挟んで固定しますので、三脚のように高さが足りないということはありません。角度の調整も自在に曲がるボールジョイントバックルのお陰で簡単です。非常にしっかりと固定できるため、動画でも問題ありません。最近はこの大型クランプの出番が増えています。固定できるフェンスなどがなければ、自転車に固定してしまえばOKですので、三脚がなくてもなんとかなります。


走行時の動画撮影はやっぱり専用機


 iPhoneでもデジカメでも動画は撮れますが、しっかりとしたマウントがあり迫力のあるワイドな画角を売りにしているアクションカメラにはかないません。散々自転車走行時のマウントテストを繰り返して、現在はハンドル下部にGoProを常設して走っています。

ハンドルバーの下部にGoProを常設して走行

走りながらでも電源のオン・オフや録画のスタート・ストップが出来る場所ですので、気になる場所で撮影を開始しています。余計なものの写り込みも少なく、振動の影響もそれほど受けない場所ですので、撮影された動画から静止画を書き出してブログに貼ったりしています。サイクリングの行動記録用にはうってつけの撮影方法となっています。


音の思い出も大切にしたい


 残念ながらアクションカメラで録音された音は、後でじっくりと聴きたくなるような音ではありません。風切り音やロードノイズがほとんどで、サイクリング中に聞こえてくる鳥や虫の鳴き声を録るには不向きです。iPhoneも本体のみではモノラル録音のため、臨場感が出ません。ウグイスが鳴き始める頃に、十年近く前に買ったPCMレコーダーを持ち出してサイクリング中に久しぶりの生録をしてみました。

24bit 96KHzの高品質で録音できるPCMレコーダー

外部のバランスマイクなども接続できる高機能タイプのため嵩張るのですが、久しぶりに生録してみたサイクリング中の自然の音は感動的なものでした。動画を編集する際にも、貧弱なアクションカメラ本体の音だけではなく、PCMレコーダーで録った音を加えるとはるかに臨場感が増します。

 しかし、デジカメに三脚類、予備のバッテリーなどとともにこのPCMレコーダーをレギュラーメンバーにするとウェストバッグがパンパンになってしまいます。録りたいと思うような音に出会える機会はそれほど多くはありません。もう少し軽量コンパクトな機材はないかと探したところ、iPhoneの外付けマイクとして使用する機材を見つけました。

PCMレコーダーに比べるとはるかに軽量コンパクトなZOOM iQ7(左)

録音時だけiPhoneに接続するZOOM iQ7を、元々持っていたPCMレコーダーの代役として購入しました。16bit 48KHzまでのステレオPCM録音が可能です。この大きさであれば、仮に使わなかったとしても後悔するような荷物にはなりません。これでサイクリング時のレギュラー機材となりました。

録音時はiPhoneに取り付けて使うZOOM iQ7

16bitまでの分解能しかないため、繊細な虫の鳴き声などでは不安が残りますが、先日成田空港で録音した飛行機や電車の音は満足できる品質で録れました。


ウェストバッグの中身はこうなった


 撮影や録音の特別な目的がある日は別にして、通常のサイクリング時のウェストバッグの中身は下の写真のようになりました。この荷物以外に昼食や行動食が加わりますので、結構な荷物ですが、それぞれの大きさや重量を見直ししてきましたので、なんとか気にならない程度にダイエットできました。

通常のサイクリング時に持参する機器類やタオル・ウィンドブレーカー

GPSサイコン(Edge-800J)とアクションカメラ(GoPro  HERO3+)はハンドルバーの上下に常設して走っています。これらの機材で記録されたデータを、帰宅後シャワーを浴びてからゆっくり見直すことで、その日一日の楽しい思い出が蘇るとともに、次回以降の改善点も明らかになります。サイクリングを末長く楽しむための習慣として、今ではなくてはならないものとなりました。



写真と音で再現するサイクリングの思い出動画


 買ったばかりのZOOM iQ7のテストも兼ねて、生録しながらいつものルートを走ってきました。動画素材を使わず、写真(タイムラプス撮影も含む)と音だけで作成したものです。よろしければご覧ください。音も大切な思い出の一つだと改めて実感しました。


(2016年10月29日追記)



ZOOM iQ7使用時には必ず機内モードに

 録音された音に時々電子的なノイズが入っていることがありました。説明書を改めて読んでみると、使用時にはiPhoneを機内モードにするように書いてあります。機内モードにするのを忘れると、発信する電波でノイズが乗るようです。電話の着信時ばかりではなく、不定期にパケットを飛ばしているようで、かなりの頻度でノイズが混じります。これから使われる方はご注意を。

(2016年10月30日追記)


2016年10月22日土曜日

快適自転車生活 日本酒のアミノ酸はスポーツサプリと同様の効果があるのか?


 体力維持が目的で始めたロードバイクですが、慣れてくるとそれなりに距離を走ったり、タイムが気になったりします。しかしながら、週に一回程度の親父ライダーは少し無理をすると息が上がり、脚が売り切れてヘロヘロになって帰宅することもしばしばです。走行中に友人がスポーツサプリメントを飲んでいましたが、頑固親父ライダーはあまりこの類のサプリメントを信用していません。せいぜい帰宅後にコップ一杯の牛乳を飲む程度でした。


スポーツサプリのアミノ酸は自転車乗りに有効か?


 友人が飲んでいたのは味の素の「アミノバイタル」でした。メーカーの宣伝文句を見ると、BCAAと呼ばれる必須アミノ酸3種(バリン、ロイシン、イソロイシン)とグルタミン、アルギニンを含む計5種類のアミノ酸2200mgと8種類のビタミンが含まれていて、筋肉疲労の軽減や筋肉増強に寄与するそうです。

アミノ酸摂取が疲労回復や筋肉増強につながる?

昔、サプリメント好きの会社の友人からビタミン剤や松の実などの健康食品を勧められて試したことがありますが、健康そうにはとても見えない友人の顔色を見て止めました。サプリメントと聞くと何となく胡散臭さがつきまとう印象を持つ一人です。


久しぶりのルートを走ったら何となく調子がいい


 ここ何回か、早起きをして少し長めのルートを走ってみたら何となく調子がいい。いつもなら後半は疲労がたまり、少し近道をして帰ろうと思うくらいなんですが、この時はわざわざ遠回りしながら帰ったくらいです。その日の気温や風向きなど、いろいろな要因で疲労度は変わりますが、坂を登っていても明らかに疲労の蓄積度合いが違いました。

久しぶりに細かなアップダウンのある下総台地を120キロほど走行

以前は長柄ダムに到着しただけで満足して帰っていましたが、そこから東金崖線に沿って進むと溜め池やダム湖を次々に訪問できるため、徐々にルートを伸ばしていきました。今では下総台地上に大きな逆三角形を描くお気に入りのルートとなりました。週一回程度のサイクリングで体力・筋力がアップしたのなら嬉しい限りですが、最近の生活状況を考えてみると、日本酒ばかり飲んでいたような気がします。


房総の酒蔵巡りで手に入れた日本酒を飲みまくる毎日


 千葉県にある地酒の酒蔵をオートバイで巡る房総酒蔵バイクツーリングを始めて早二年。地酒を直接販売してくれる蔵元35軒は全て訪問しましたが、季節限定の商品はそれぞれの季節に訪れないと手に入らないため、春先の搾りたて新酒や夏吟醸などを手に入れるべく季節が変わる度に蔵元を巡っています。好きが高じて、勝手に千葉の地酒応援コマーシャル動画まで作ってしまいました。

米・水・発酵技術が揃う千葉は地酒が旨い

今は秋のひやおろしの出荷時期のため、解禁日である九月九日から立て続けに日本酒を飲み続けています。冷蔵庫のビールがなかなか減らないくらい。もちろん、飲み過ぎた翌日はサイクリングどころではありませんが、適量を適温で楽しんだ翌日は体の調子もいいように感じます。これだけ飲んでいると体への影響も気になり、日本酒独特の成分について調べてみました。


日本酒にはBCAAを含めたアミノ酸が豊富だった


 日本酒の成分から作られた基礎化粧品が売られていることを知って、驚いたことはありますが、あまり日本酒の成分そのものに興味を持ったことはありませんでした。アルコールの飲み過ぎは体に良くありませんが、日本酒には人間の体に含まれるアミノ酸類を多く含んでいて、健康や美容にいいそうです。必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンの他、アルギニンなどが含まれています。これって「アミノバイタル」と同じだと驚き、その含有量を調べてみました。

好んで飲んでる純米酒には一升で3.6g程度のアミノ酸が含有

料理酒が一番含有量が多いのには驚きましたが、好んで飲んでいる純米酒では一升瓶あたり約3.6gのアミノ酸が含まれているそうです。3.6g(3600mg)といえば「アミノバイタル」一回分で摂取するアミノ酸2200mgの1.6倍。多い時は一週間で一升瓶が空いてしまいますので、週末のサイクリング前に「アミノバイタル」を一つ半飲んだことになります。知らず知らずのうちにスポーツサプリを飲んでいたようです。

快調なサイクリングに日本酒が役立っている?

果たして、この日本酒が前回の好調なサイクリングに寄与したのかどうかはわかりませんが、そう思うことにしました。呑んべえ親父が、週末のサイクリングのために敢えて日本酒を飲むという言い訳ができました。毎週純米酒を一升も飲んでいないで、スポーツサプリメントを飲めと怒られそうですが、日本酒好きとしては、麹と酵母が生み出した完全自然由来のアミノ酸の方を選びます。さて、次のサイクリングに備えて今日は熱燗を.....


2016年10月16日日曜日

快適バイク生活 大型バイクをコンテナ保管する時の考慮点


 雨の日でも車やバイクを濡らさずに保管でき、屋根の下で自由にメンテナンス作業ができるガレージは昔からの憧れです。しかし、通勤に便利な東京近郊のベッドタウンに居を構えてしまってからは、高価な土地がそれを許してくれません。趣味性の高い大型バイクを購入してからは、盗難の心配やご近所の好奇の目を気にしながら屋外保管していました。

車と異なり完全に趣味の世界の大型バイク

 近所にバイクコンテナの空きを見つけ、一年半ほど利用して感じた点をまとめてみました。これからバイクガレージの利用を検討されるライダー諸氏の参考にしていただければ幸いです。


ガレージは無理でもバイクコンテナなら


 自宅のカースペースは道路に面していて、出し入れしやすいのですが、人目につきやすく、いたずらや盗難が心配な場所です。アンカーボルトをコンクリートに埋め込み、太いチェーンでバイクのホイールを固定して盗難対策をしていましたが、いたずらやパーツ盗難には効果はありません。駐輪中はカバーをしていましたが、雨が降るとバイクは濡れていましたし、舞い上がる埃からも守れませんでした。

 近所にバイクコンテナの空きがあることを知り、物は試しにバイクをコンテナ保管してみることにしました。一般的に思いつくコンテナ保管のメリット・デメリットは次のようなものでしょう。

コンテナ保管のメリット
  • 雨・埃・直射日光からバイクを守れる(樹脂やゴム製パーツは寿命が延びる?)
  • ヘルメットや手袋、ジャケットなどのバイク用具も一緒に保管可能
  • 屋外保管に比べて安心(但し、コンテナでも盗難の事例はあるようです)

コンテナ保管のデメリット
  • 費用がかかる(その地域の車の駐車場料金と同じくらい
  • コンテナのレイアウトによっては出し入れしづらい
  • 洗車場所を別途確保する必要あり
デメリットで一番問題になるのは費用かと思います。車に比べれば土地の利用効率は高いはずですが、コンテナ代金がかかるため毎月の料金は車と同じくらいになっています。コンテナ保管でリスクが下がると想定して盗難保険をやめたり、洗車回数が減らせたり、ゴムや樹脂製パーツの寿命が延びると仮定しても賃借料を上回る費用効果を期待するのは無理でしょう。やはり他人の目に触れず、いたずらを心配しないで保管できるという安心感が最大のメリットかと思います。


バイクコンテナを探して契約するまでの考慮点


 最近はネットで簡単にバイクコンテナの賃借物件を検索可能です。ただし絶対数が少ないため、なかなか空きは見つかりません。運良く空きを見つけたからといって、慌てて契約してはいけません。先ずは現地を丹念に見てきましょう。

現地に行ってみないとわからないことも多い

先ず、どのような場所にあるバイクガレージなのかを確かめましょう。人家が多く、便利な場所にある場合、車に比べて大きな音が出るバイクは夜間の入出庫制限がある場合があります。24時間自由に利用できるところは、夜間窃盗団が活躍しやすい場所かもしれません。コンテナ保管中のバイクが盗まれた事例は結構あるようですので、コンテナ周辺の環境も重要です。私の場合は契約後に、夜9時以降入出庫禁止であることを知りました。必ず契約前に利用可能時間帯を確認するようにしましょう。

 現地見学でもう一つ重要なのが、コンテナ前の広さや舗装状態、傾斜です。コンテナに向かってバイクを直進で出し入れできるスペースがあるのが理想的です。さらに舗装が綺麗にされていて、傾斜がなければ言うことはありません。都市部にあるコンテナガレージの多くはこの部分が一番問題になります。

コンテナ前のスペースが最重要

私がたまたま空きを見つけて喜んだコンテナは、一番奥でした。ハンドルを切りながらでなければ入出庫できず、さらにスロープがあるため、300キロ近い大型バイクは手押しではとても出し入れできませんでした。上の写真では左側手前の二つであれば、バイクの出し入れは簡単です。一番奥は一番人気のない場所だったようで、それで空きが出たのだと思います。

 バイクの大きさや取り回しの慣れ具合によっては、出し入れの難しいコンテナは避けたほうがいいでしょう。倒したりぶつけたりして、修理に何万円もかかったら目も当てられません。


バイクコンテナ利用中の考慮点


 コンテナを一年半ほど利用して気づいた点もあります。先ず、毎回出し入れには相当気を使います。直進で出し入れできれば問題ないのですが、ハンドルを切りながらの出し入れはかなり面倒です。入庫はまだいいのですが、出庫時には一発では出せません。2〜3回切り返しをして、バイクの向きを変えてやる必要があります。出し入れの際には、特に右側にあるマフラーをぶつけないよう気を使います。

扉の前のスペースが足りないと出し入れに苦労する

 入庫してしまえば、広さはそこそこあります。海外製の大型ツアラーなどにも対応した、もっと広いバイクコンテナもあるようです。サイドスタンドを立てて左に傾けますので、若干右寄りに停止させるのがポイントです。

内部はそこそこの広さあり

 コンテナ内部には棚があり、ヘルメットやグローブなどのバイク用具が置いておけます。ハンガーを持参すれば、バイク乗車中しか着ないメッシュジャケットなどを吊るしておけます。

バイク用具を置いておくスペースもあり

気をつけなければならないのは、そこそこの機密性があり換気システムなどがないため、雨に濡れたバイクをそのまま入庫した場合、内部の湿度が大変高くなります。革手袋などのカビやすいものには注意が必要です。入庫後晴れた日に、扉を開けて湿気を逃がしてやることも必要です。バイクを長いこと湿気にさらしておくのは良くありません。

 契約時にコンテナの扉に取り付ける鍵を貸してくれます。疑うわけではありませんが、使い回しの鍵でしょうから、誰が合鍵を持っているかわかりません。念のため自分の持っている鍵も使ってダブルロックとしています。

ダブルロックの方が安心

 新車で購入したCB1300SBは、最初の一年半はカバーだけで屋外保管でした。その後の一年半をコンテナ保管に切り替えです。洗車の回数は大幅に減りました。雨や埃が直接かからないため、だいぶ汚れにくくなりました。ただし自宅前ではありませんので、そこで水道を使った洗車は出来ません。自宅の水道を使いに行くか、フクピカなどを利用して水道なしのバイク洗車を行っています。


バイクコンテナへの入出庫シーンを動画で紹介


 ハンドルに取り付けたGoProで、バイクコンテナへの入出庫シーンを撮影してみました。とても手押しでは出し入れできないため、エンジンをかけて乗車した状態で出し入れしています。コンテナ前のスペースが足りないと、こうなるという状況がわかると思います。バイクのコンテナ保管を検討中の方々の参考になれば幸いです。


 バイクを使う前後にこのコンテナへの出し入れがあるせいか、走り出すまで毎回心臓バクバクです。先日、バイク運転中の心拍数の変化を計測してみたところ、見事に実証されました。やっぱりコンテナへの入出庫時には相当緊張しているようです。ボケ防止には良さそうですが、やはり出し入れのしやすい自宅ガレージが欲しいところです。


2016年10月7日金曜日

谷津道探検サイクリング 最近気になる大雨被害と谷津の開発


 最近は被害を伴う大雨が度々降ります。一つの地域を狙ったように降り続く雨は、土砂崩れを引き起こし、流域に浸水被害をもたらしています。そんな中で大きな被害の報道が繰り返されているのが、老人ホームのような高齢者向けの施設です。夜中に近くの川の堤防が決壊し、逃げる間もなく入居していたご老人が亡くなるという痛ましい報道もありました。


最近は谷津の平坦部にも開発が進んできた


 谷津道探検サイクリングと称して、小川が作った谷津地形を好んで走っています。高台に挟まれた田んぼの中を小川が流れていて、走りやすい農道が続いているサイクリングにはうってつけの地形です。大規模な宅地や交通量の多い車道は、高台の方に作られることが多く、低くなった川や田んぼの部分には自然もたくさん残っています。古くからの農家は田んぼより少し高くなっている高台と農道の間に建っていることがほとんどです。

谷津地形の断面はこんな感じ

こんな場所を探検しながらのサイクリングもすでに7年目です。以前は田んぼや雑木林だった場所が、開発されて新しい施設が建設されている光景を度々見かけるようになりました。高台の開発が一段落し、さらに土地を求めて一段低い谷津の平坦部にまで開発が広がってきたという感じです。


新しい地図記号が増える場所は谷津の小川のそば


 小学生の時に習った地図記号を覚えていますか。国土地理院では時代に合わせて地図記号を見直しているらしく、習ったことのない地図記号が増えています。この記号は平成18年に追加されたものです。さて何を表しているでしょうか?

平成18年に追加された地図記号

これは老人ホームを表しています。正式には『老人福祉法による老人福祉施設のうち、社会福祉法上の第1種社会福祉事業の養護老人ホーム、特別養護老人ホーム及び軽費老人ホーム』だそうですが、家の中に杖のマークがあるのでわかりやすいですね。

 サイクリング前後にネットで電子地図を眺めていますが、この記号を度々目にするようになりました。良く行く谷津道沿いにたくさん建てられていることがわかります。


地図を眺めただけでも、この老人ホームは谷津地形の中の小川のすぐそばに建てられていることがわかります。さらに周りに住宅は少なく、大きな道や住宅地から離れていることも見て取れます。実際に老人ホームが建っている場所の写真はこちら。

地図にある老人ホームが建っている場所の写真

小川は真っ直ぐに改修工事がされているようですが、川があふれた場合に緩衝地帯になりうる空間はありません。この老人ホームの西にはサービス付き高齢者向け住宅が建っていますが、地図記号の老人ホームには当たらないようで、地図上は普通の建物になっています。この高齢者向け住宅の敷地横にも堀のような小川がありました。

サービス付き高齢者向け住宅のすぐ横に堀のような小川

別の場所でも、広い田んぼの中にポツンと老人ホームが建っているのを目にしました。少し離れた場所に小川が流れていますが、周りに民家は見当たりません。車道を挟んでほんの少し高くなった場所に、たくさんの大きな家が建っていました。

田んぼの中に老人ホームと鉄塔しかない場所

すぐ近くを流れる小川の安全性については不明ですが、ひとたび川が氾濫した時のことを考えると不安でなりません。周辺の民家の人たちが危険に気づいた頃には、他人の手を借りないと逃げられない老人ホームの入居者の方がより危険な状況になっているということが起こりそうです。


古くからの農家は小川のそばに家は建てない


 小川と田んぼしかない谷津地形の平坦部には古くから人は住んでいませんでした。田んぼで稲作している農家でさえ、小川から離れた場所にある高台の縁に家を建てています。普段水量が少ない小川でも、ひとたび豪雨に見舞われればたちまち溢れ出して、すぐ横の田んぼを水没させます。高台近くの農家は田んぼが緩衝地帯となって、川の水があふれた事を知ることができ、さらに難を逃れるための時間を確保することができます。

谷津にある古くからの農家は田んぼを隔てて小川とは反対側の高台の縁に家を建てている

このような地形で、小川のすぐ横に家を建てている農家など見たことがありません。何かが建っていたとしても、大抵は農機具置き場などの小屋くらいです。この地形の中で比較的安心して暮らせる場所を知っているんですね。

 次々に建てられる高齢者向け施設ですので、ある程度の広さの土地をできるだけ安く確保する必要があるのでしょう。周りに住宅もないような谷津の平坦部に建てられているのを度々目にします。避難準備情報が出れば真っ先に安全な場所に避難しなければならないのに、住宅街中心から離れていて避難先が遠いなんてことも多そうな場所です。緊急避難をする際にも、職員だけでは人手が足りず、応援をもらおうにも街から遠いなんて心配も起こります。高齢者向け施設ほどもっと街中に建てる必要があると思うのですが、費用的に難しいのでしょうね。


里山の谷津でも埋め立てが進む


 とても宅地や高齢者施設などに利用できそうもないような里山でも、見事な谷津が埋め立てられているのをサイクリング中に見つけました。近くの工業団地の造成で掘り起こされた土砂を運んで、谷津に埋めているようです。

両側に見事な森が広がる谷津を埋め立てている

Google Earthで同じ場所の衛星写真を見ると、まだ埋め立て工事が始まっていない時のようで、本当に見事な谷津地形が広がっています。規模は小さいですが、探検すれば色々な動植物を発見できそうな谷津です。

Google Earthの写真は工事前の見事な谷津地形、探検してみたかった

畑や田んぼ、新しい宅地の間に切れ切れに残された小さな谷津。一つ一つに自然の植物と動物の生態系が出来上がっています。そこに地元の人しか通らないような道があれば、谷津道探検サイクリングが楽しめます。できるだけ多くの谷津道を探検して、一つ一つを目に焼き付けておきたいと思います。


2016年10月5日水曜日

快適バイク生活 大型バイク運転中の心拍数を計測してみた


 いい歳をして乗り始めた大型バイク。五感を働かせて状況を把握しつつ、両手・両足でコントロールしながら、全身でバランスを保って乗る必要があり、ボケ防止にこれほど役立つものはないと感じています。問題は300キロ近い重量があるため、それなりの体力が要求されること。今後いつまで大型バイクを楽しめるのか、そろそろ気になり始めました。


自転車用の心拍計でバイク運転中に測定


 もう一つの趣味である自転車(ロードバイク)で一回100キロ前後、月に500キロほどのサイクリングを楽しんでいますが、こちらも年齢に合った楽しみ方が必要です。そのため心拍数が計測できるサイクルコンピュータ(Edge800J)で運動強度を見ながら走っています。

心拍数が測定・記録できるサイクルコンピュータ(Edge800J)をバイクで使用

センサーをベルトで体に巻きつける必要がありますが、運動中の心拍数が測定・記録可能で、GPSデータと同時に分析するといろいろなことがわかります。

体に装着する心拍センサー

ある時ふと、大型バイクを運転している時の心拍数ってどのくらいなんだろう、と言う疑問が湧きました。普段サイクリング中に使用しているサイクルコンピュータと心拍センサーをバイク乗車中に初めて使用してみました。


低〜軽の運動強度に相当する心拍数


 車庫からバイクを引っ張り出して、千葉市街地を抜け、よく行く長柄ダムや東金の自然の中を走ってきました。その間の心拍数や速度、走行軌跡などのデータはサイクルコンピュータに記録されています。さらにバイクに取り付けたGoProで、どのような場所を走っているかがわかる動画を記録しました。

 心拍数の推移は下のグラフのようになりました。バイクを車庫に出し入れする時(グラフの両端)が一番心拍数が高くなっています。市街地走行時は郊外を走行している時よりも心拍数が高いのがわかります。

バイク運転中の心拍数推移

簡易計算式(207 - 年齢 x 0.7)を使って年齢から最大心拍数を割り出し、そこから五つの心拍ゾーンを求めました。その結果、バイク運転中は運動強度で言えば低〜軽に相当する心拍ゾーン1〜2であることがわかります。


発進時よりも減速・停止時に心拍数が上昇


 短い時間の中で心拍数が20%前後も変動していることがグラフから読み取れます。さらに郊外では変動の頻度が少なく、市街地では頻繁に上下しているようです。どんな場面で心拍数が上下しているのか気になります。

 GPSの軌跡ログを表示、分析するのにGoogle Earthは大変役に立ちます。最近ではGoogle Earth Proが持つツアー動画機能を使って、サイクリングルート紹介の動画作りなども行っていますが、読み込ませるGPX(KML)ファイルに心拍数やケイデンス(ペダル回転数)などのデータが含まれていれば、それらをグラフ表示させることができます。一度に表示できるデータは二つまでのようですが、グラフ上でカーソルを動かせば地図上の対応ポイントがマークされ、そこにデータ数値が表示されます。本当に役に立つ機能です。

Google EarthにGPXデータを読み込ませ、高度プロファイルを表示

心拍数(赤)と速度(青)の二つのデータをグラフ表示してみたところ、速度が低下している時に心拍数が上昇しているように見て取れます。


動画に心拍数を表示したら上昇の局面が判明


 自転車では発進や登坂で急に負荷が増し、それに合わせて心拍数が急上昇することは普通にあります。バイクで通常の運転をしている場合は、体を使うとは言っても手や足をほんの少し動かすだけで、筋肉に負荷がかかるような動作はしません。心拍数の急激な変動の要因は心理的なものではないかと考えました。グラフ表示だけを眺めていても、どんな場面で心拍数が上昇したのかはっきりしません。VIRBEditを使えば動画にサイクルコンピュータのデータを重ねて表示できます。運転中に撮影したGoProの動画に心拍数や速度を重ねてみました。走行場面と表示されている心拍数を何度も眺めると、減速・停止時に心拍数が上昇しているのは間違いないようです。さらに発進後は緩やかに心拍数が下降していることもわかりました。

右折車両とバイクを待って交差点内で停止中

車庫に入るため交差点の中で右折待ちの車と原付バイクに道を塞がれ、交差点内に停止した際に心拍数が上昇。その後原付バイクを追い越した際には、さらに心拍数は上昇しました。

バスが脇の道から出てきた場面

空いている道をゆっくり走っていると、信号のない脇の道からバスが合流してこようとしています。予備的なブレーキをかけ、注意をバスに向けると心拍数は上昇しました。その後、バスの陰に自転車がいたことに気づいた時にはさらに上昇です。

減速・停止時ばかりではなく幹線道路への合流時にも心拍数は上昇

信号待ちからの発進時には心拍数は下降することが多いようですが、幹線道路への合流局面では明らかに心拍数は上昇していました。

バイク運転中最も低い心拍数となったのはこんな場所

緑の多い郊外に入り、信号がほとんどない片側一車線の道を快調に走っている局面では心拍数は最低を記録しました。


敵を知り己を知れば百戦危うからず


 心拍数が表示された動画を見ていると、その時に感じていた危険や緊張が心拍数の上昇という結果に繋がっていることが良くわかります。次のような場面でも心拍数に変化が見られました。
  • 発進時よりも停止時の方が心拍数が高い
  • 右折よりも左折の方が心拍数が高い
  • 停車させてからサイドスタンドを出すまで心拍数が高い状態が続く
単に運転上危険を感じる場面に心拍数が上昇しているだけでなく、自分の苦手意識や大型バイク特有の取り回しの難しさなどを反映しているようです。特にバランスを崩すと支えきれない大型バイクの特徴が表れていると感じます。バランスを崩すのは停止時が多いこと、小さく鋭角に曲がる必要のある左折時はバランスを崩しやすいこと、サイドスタンドがしっかり効いていることを確認しないと惨めな結果になることなどが心理面に影響しているのでしょう。敵(バイク)を知り、己(苦手意識)を知れば百戦危うからずというのは間違いないようです。そのためにもバイク運転中の心拍数変動=緊張度合いを知るのは役立つのではないでしょうか。



心拍数が変化する場面を動画にまとめてみました


 心拍数が変化する場面を確認するためにVIRB Editで合成した素材を編集して、心拍数に大きな変化があった場面をまとめてみました。危険を感じた場所と苦手意識が出てくる場所で心拍数が上昇しています。測定値を動画と共に見ると、どのような局面で心拍数に変化を生じているのか一目瞭然です。


(2016年10月17日追記)


2016年10月1日土曜日

スーパーで見つけた「チョコビ」を食べて思い出す荒船山


 中学の頃に友人と雲取山に登ったのをきっかっけに、山登りが趣味になりました。高校の山岳部時代は、暇さえあれば山に行っていたように記憶しています。大学を卒業し、社会人になるといつの間にか登山の頻度は減ってしまいましたが、それでも思い出したように山に行きたくなる時があり、年に数回は登っています。


クレヨンしんちゃんに出てくるお菓子が売られてる


 先日、スーパーで買い物をしていたらクレヨンしんちゃんが描かれた「チョコビ」というお菓子を見つけました。漫画の中に出てくる架空のお菓子だと思っていましたので、本当に発売されていることに驚きました。

しんちゃんの大好物「チョコビ」、本当に売ってる

子供に見せたくないテレビ番組などと、いろいろ批判を受けながらも今も続いている長寿アニメ。子供と一緒に見て笑っていたのを思い出します。クレヨンしんちゃんで必ず思い起こすのが、作者である臼井儀人氏の登山中の転落事故です。


誰でも登れる荒船山だが艫岩の展望台はかなり怖い


 当時51歳の臼井氏が単独で荒船山に登りに行ったのは2009年9月でした。標高1423メートルで、登山口のある内山峠から2時間もあれば山頂にたどり着ける初心者向きの山です。この山の最大の魅力は、山頂の手前にある艫岩(ともいわ)と呼ばれる断崖絶壁です。150メートル以上の垂直の壁の上に展望台があり、そこから眺める信州の山々の眺望は迫力満点。

荒船山北側にある艫岩の断崖絶壁

展望台と呼ばれてはいますが、艫岩最上部の崖の縁に場所を示した柱が立っているだけです。柵などの転落防止施設は何もありません。

荒船山艫岩にある展望台からの眺め

崖の縁に近づいて下を見ると、艫岩の下を走る国道254号が山腹を曲がりくねって通っているのが見えます。150メートル以上の標高差のある斜面に、自分が立っている艫岩の影がくっきりと写り、急峻な崖の上部にいることがはっきりとわかります。真下を覗き込むには勇気が必要な場所です。

艫岩から見える国道254号、高度感で足がすくむ

臼井氏は艫岩展望台直下の斜面で遺体で発見されました。持っていたデジカメからは展望台から崖下を覗き込むようにして撮った画像が残っていたそうです。展望台から崖の下を撮影している最中に転落したものと推測されています。臼井氏より2年先に同じ場所に立って崖下を覗き込んだ経験がありましたので、臼井氏の転落事故のニュースを聞いた時は驚いたと同時に、あの場所での事故が不思議なこととは思えませんでした。


つい最近も起こってしまった艫岩からの転落事故


 つい先日、8歳の男の子を連れた母親が荒船山に登山に行き、艫岩の崖下から母親の遺体が見つかるという痛ましい事故がありました。一緒に登っていたはずの男の子は見つかっていないそうです。単なる事故なのかどうかも未だ不明ですが、せめて男の子が無事に見つかってくれることを祈るばかりです。

麓にある艫岩の解説看板

 転落防止柵の設置については賛否が分かれているようで、現在も展望台はそのままです。せめて展望台に立つ登山者全員が、この場所で転落事故が度々起こっている事実を知って欲しいと、スーパーで見つけた「チョコビ」を食べながら感じてしまいました。