2017年6月30日金曜日

快適動画編集 VIRB Editで地図を使った現在地表示に挑戦


 GoProなどのアクションカム動画に、GPS機器が記録したデータをオーバーレイ表示する際に大活躍しているのが、ガーミンが無料で公開しているVIRB Editです。本来はガーミン製のVIRBユーザー向けのツールなのですが、GoProの動画データーと汎用のGPXファイルを読み込むことができます。オーバーレイ表示可能なゲージ類の種類も多く、Windows版ではオリジナルのゲージを作ることもできます。臨場感を追求した動画編集に、なくてはならないツールとなりました。本当にガーミン社には感謝してもしきれません。


線だけのVIRB Editルートに地図を表示したい


 各種のスポーツシーンで、GPS機器が収集できるデータのほとんどを、わかりやすく表示できるゲージが初めから用意されています。バイクや自転車ではスピードメーター以外に、走ったルート全体と現在の位置を表示するゲージもよく利用しています。

VIRB Editのルート(コース)表示は線だけの単純なもの

サーキット走行の時などは、このように単純な線だけでも十分利用価値があります。今どのコーナーを走っているのかなど、コースの概略を知っている人が見れば一目瞭然です。ただし、一般のツーリング動画に利用するには情報が明らかに不足しています。VIRB Editを使い始めた当初から、ここになんとか地図が表示できないか悩んでいました。


手間をかければVIRB Editで地図上に現在位置表示できそう


 VIRB Editを使い込んでいくうちに、ちょっと変わったオプションの存在や、特殊な活用方法に気づきました。普段の動画編集では、GPSデータを画面に合成する部分をVIRB Editで行い、その後の細かな編集作業はFinal Cut Pro X(FCPX)で行って作品に仕上げています。

VIRB EditからFCPXに受け渡す際に工夫すれば地図で現在位置表示ができそう

最終的にFCPXで仕上げますから、VIRB Editではゲージ類だけの映像が書き出せれば好都合なのですが、そんなオプションはありません。ちゃんと初めから用意された機能を利用して実現する方法から、裏技的なものまでいくつかの方法をチャレンジしてみました。


1. オーバーレイの透過PNGシーケンスファイルを使う


 VIRB Editでゲージを合成した動画を書き出す際に、エクスポートのオプションに「オーバーレイ用の透過PNGシーケンスをエクスポートする」というオプションがあることに気づきました。

VIRB Edit書き出し時のオプション

これを指定すると、ゲージ部分だけが記録された背景が透過色の画像ファイルが連番付きで生成されます。フレーム毎に一枚のPNG形式画像が生成されますので、毎秒30枚の画像になります。今回2分ちょっとの動画を作ってみましたが、四千枚以上の画像ファイルが出来上がりました。

膨大な枚数の透過PNGファイルが出来上がる

内容を確認してみると、指定したメーターとルートのゲージだけが含まれていて、背景は透過色になっているのがわかります。これを動画ファイルに組み立ててやれば、FCPXで地図画像の上に重ねて表示できます。ただし、動画に組み立てる際にはアルファチャンネルをサポートしたコーデックを指定する必要があり、Apple ProResでは4444以上となります。また、バラバラのPNG連番ファイルを動画に変換するツールも必要になります。色々なものが出回っていますので、複数のツールを試してみる価値はありそうですが、今回は使い慣れたFCPXで静止画を並べて動画にしました。四千枚以上の静止画を扱うと、MacBook Proでも結構時間がかかります。出来上がったゲージのみの動画を一番上にして、その下に縮尺を調整した地図画像を置けば完成します。


2. VIRB EditのGPS同期画面をキャプチャーして利用


 この方法はかなり裏技的な方法です。VIRB Editでは動画とGPSデータのタイミングを同期させるために、専用の調整画面を持っています。左に動画、右にGoogleマップが表示されていて、同時に動かして確認できます。QuickTimePlayerでこの画面を動画としてキャプチャーし、必要な部分をトリミングしてやれば、一挙に地図と現在位置表示が揃うことになります。

VIRB EditのGPS同期画面をQuickTimeで動画にキャプチャー

地図の動きなどをコントロールすることはできませんので、完全に固定した地図表示にするのは困難ですが、地図上で自分の位置を確認できる動画が作れます。必要な部分のみにトリミングして、FCPXで仕上げの編集をすれば完成です。


3. クロマキー用の映像をVIRB Editに作らせる


 動画を合成する際に、ブルーやグリーンを背景にした動画を作り、キーイング処理で前景だけにすることができます。もちろんVIRB Editにそんな機能はありませんが、一度普通の動画にGPSデータを合成してから、同じ長さで作成したグリーン一色の動画に置き換えてやったら、グリーン背景のゲージのみの動画が出来上がりました。

VIRB Editでグリーン背景のゲージのみの動画を生成

最初は長さを合わせた緑一色の静止画で試みましたが、動くゲージの動画にはなりませんでした。面倒ですが、緑一色の動画ファイルを一旦生成する必要があります。この緑色背景の動画に、FCPX側でクロマキーフィルターを適用して背景を透過にします。その下に大きさと位置を調整した地図画像を置けば、現在位置表示が実現します。

FCPX側でクロマキーを適用したVIRB Editゲージ動画

元々がGPSのリアルなデータで作られたルート線ですから、GoogleマップやAppleマップ、Google Earthなどの地図画像を重ねるとぴったりと一致します。これは使えますね。今回は東京ゲートブリッジ走行時のほぼ直線のルートですが、山間部のワインディング走行時などのデータでも試してみたいと思います。


VIRB Editの標準機能として取り込んで欲しいな〜


 VIRB EditではGPS同期画面でGoogleマップ上に現在位置を表示させていますので、動画のエキスポート時に地図をオーバーレイ表示し、そこにルートと現在位置を表示することはたやすいはずです。そのような表示方法もオプションで選べるようになったら言うことなしなんですが、地図データの権利関係で難しいのかもしれません。

 下はVIRB Editを騙してグリーン背景の動画を生成し、FCPXで仕上げてみた今回の習作です。GoogleマップとGoogle Earthの画像を貼り付けてありますが、自分で描いたイラストでもなんでも使用できます。ただの線でルートを表現するよりも、格段に見易くなっていると思います。まだまだ活用の方法がありそうな無料のVIRB Editに感謝です。




透過PNGシーケンスファイルを動画にするツールは?


 数千枚の連番付き静止画を並べて動画にするのは大変な作業です。連番付きファイルを入力に指定して、動画に変換してくれるツールを試してみました。最初はストップモーション動画が作成できるiStopMotionでやってみましたが、処理が重すぎてプログラムがほとんど応答しなくなってしまいました。荷が重すぎたようです。結局、上手くいったのはDavinciResolve(無償版)とMotion5です。DavinciResolveは一眼レフカメラで撮影した静止画から高画質動画が作れますので、今回のような数千枚(数分)の処理は何の問題もありませんでしたが、操作に慣れていません。Motion5を試して見ると、いつもとほとんど同じ操作で、簡単に動画が作成できました。使えますね、Motion5。

(2017年7月5日追記)


2017年6月27日火曜日

壊れたと思ったハンディGPS(Garmin eTrex SUMMIT HC)が復活!


 登山のために初めてハンディGPSを購入したのは2008年のことです。選んだのはガーミンのeTrex SUMMIT HC。等高線が表示できる純正の詳細地図がまだ高価で、サードパーティ製の英語表記の日本地図データを購入して使っていました。

最初に買ったガーミンeTrex SUMMIT HC


地図表示できるGPS機器はサイクリングの必需品


 登山は事前の準備や登山口までの移動に手間がかかり、そう頻繁には出かけられません。山に行けない時のトレーニングになるだろうと思い、ロードバイクに乗り始めました。自転車なら、天気さえ問題なければ、思い立った時にすぐに出かけられます。いつの間にか主従が逆転し、暇さえあれば自転車で遠出するようになっていました。ハンドルバーにハンディGPSを取り付けておけば、知らない場所でも現在位置を地図上で確認でき、一日の走行軌跡も記録できます。谷津道を探検しながらのサイクリングには、なくてはならない機器になっていました。

ハンドルバーにマウントしたハンディGPS

二年ほど経った頃、使用中に時々電源が落ちる症状が出始めました。知らないうちにハンディGPSの電源が切れていて、その後の走行軌跡が残っていないということが発生。最初は電池の接触不良を疑い、電極の裏にゴムを挟んで電池と電極を密着させてみたり、電池が動かないようテープを巻いてみたりしましたが効果がありません。

電源は単三電池二本、ぴったりと収まっている

そのうちにハンディGPSを軽く振ったりするだけで電源が切れるようになってしまいました。路面の段差で自転車が瞬間揺れただけで電源が落ちてしまうため、継続使用が不可能な状態に。電池とケース電極の接触の問題ではなさそうなので、機器内部の半田付け部分にひび割れでも生じてしまったのだろうと諦めました。高圧タイヤを履いているロードバイクのハンドル付近はすごい振動があります。登山で使用するハンディGPSですから、強い振動を継続して受けることを想定して設計していないのでしょう。二年間のロードバイクの振動に耐え切れなかったようです。やはり登山用や自転車用などの専用機器を使用するのが賢明なのかと反省しました。


利用目的に合わせた専用GPS機器に買い替え


 サイクリング時に手放せなくなったGPSを買い換えることにしました。選んだのはサイクルコンピュータ機能も内蔵した自転車用のEdge800Jです。さらに登山用にeTrex 30Jも入手しましたので、えらい出費です。

持っているハンディGPS

以前使っていた登山用GPSでは、自転車のケイデンスや心拍数などのデータは取れませんでしたが、サイクリング専用のEdge800JならGPS走行軌跡と共に記録されます。購入後すでに五年ほど使用していますが、振動によるトラブルも皆無です。やはり専用に設計された機器には安心感があります。登山用に使っているeTrex 30Jは準天頂衛星「みちびき」も受信可能ですので、上空が開けていない谷間などでもより少ない誤差で現在位置を特定できそうです。オートバイのツーリングや旅行などで軌跡ログだけを単純に残したい時には、安価で小型のGP-102を胸ポケットに放り込んで一日活動しています。価格も4千円程度で入手できるため、気軽にGPSデータを残すのに利用できます。


故障したeTrex SUMMIT HCを分解してみた


 普段使用するGPS機器が揃いましたので、故障したeTrex SUMMIT HCを分解してみることにしました。ユーザーが分解するとメーカー保証の対象外となってしまいますが、保証期間はとっくに切れています。ネットの情報を参照しながら、スクラップ覚悟でバラしてみました。

1. まず裏の電池ブタを外します


電池を入れる際に開け閉めする裏蓋を外します。ここにネジでもあるだろうと思ったのですが、何もありません。上部のUSB端子のカバーも兼ねている、ケース外周を覆っているゴムが怪しいと睨みました。USBカバーを少しめくると、粘着テープで貼り付けられているだけだとわかります。



2. ケースを一周しているゴムカバーを剥がす


両面テープでケース外周に貼り付けられているゴムカバーを剥がします。破らないように注意深く剥がしていきます。

 ゴムカバーの裏には突起が付いていて、これが本体横の操作ボタンを押します。元に戻す際にはボタンとこの突起の位置がずれないようにします。


3. 両面テープを剥がす


ゴムカバーの下には、両面テープが使われています。この両面テープも剥がしてしまいます。再利用は不可能ですので、途中で切れても気にせず剥がしてしまいましょう。出荷されてから時間が経っていますので、接着面がベトベトです。GPSの画面にベトベトがつかないように作業します。



4. 防水用のビニールテープも剥がす


両面テープの下にはさらにビニールテープが巻かれていました。これでケースの防水をしているものと考えられます。一般的な電工用のビニールテープに比べると幅が細く薄手です。これも再利用は難しいので、適当に剥がしてしまいます。




5. 上下のケースを止めている爪を押しながら分解する


ここまでくるとケースの上下を止めているのは、左右に2箇所ずつと下部に1箇所ある爪だけです。精密ドライバーなどで爪を押しながら、ケースの上下を分離していきます。爪を押し込みすぎると折れてしまいますので、軽く押しながら上下のケースを離すように開けていきます。意外に簡単に開きました。


6. 完全に上下二つに分解できる


爪を押しながら上下のケースを開くと完全に二つに分かれます。電池ケースと回路基板の間に電線はありません。組み上げると端子が接触して通電する仕組みだったんですね。これでは振動に弱いはずです。
 これで分解は完了です。静電気に弱い精密電子回路ですので、冬場にセーターなどを着ての作業はやめましょう。



さて、電池ボックスと回路基板の接続をどうするか


 ケース下部の電池ボックスと上部の電子回路基板との接続は、ケースを組み上げると端子が接触するようになっています。電池側はステンレス?のバネ、電子回路基板側は金メッキされた端子があり、通常の使用では問題はなさそうです。

電子回路基板と電池ボックスの接続は接触式だった

電子回路基板側の金メッキ端子を良く見ると、接触していた部分が凹んでいて、金メッキが剥がれてしまっています。自転車の振動を受け続けて、接触していた端子が金メッキ部分を削ってしまったものと思われます。

電子回路基板側の金メッキ端子が削れている

電池ボックス側のステンレスバネを曲げて、少し位置をずらしてやれば、金メッキが残っている部分に接触してくれそうですが、いつまた接触不良が起こるかわかりません。いっそのこと電線で直接接続してしまえば心配も減ります。壊れたものと一度は覚悟した機器ですので、失敗しても諦めもつきます。基板に直接半田付けするという荒療治を選びました。

できるだけハンダが盛り上がらないように電線を直接半田付け


やった〜 壊れたと思ったGPSが復活した!


 配線に使った電線を電子部品で挟み込まないよう注意しながら、ケースの上下を閉めます。電池より上側に、銀色のGPSアンテナと思われる部分より下側に電線が収まるようにしました。端子部分にハンダと電線の厚みが加わりましたので、多少閉まりにくいですが、なんとか上下ケースの爪を止めることができました。

ケースを完全に占める前に通電テスト

テープで上下のケースを完全に閉じる前に、電池を入れて通電テストします。ボールペンなどで電源ボタンを押してやると、何事もなく電源が入りました。この確認が済めばOKですので、分解の時と逆の手順で組み立てます。一般に売っているビニールテープでは幅が広すぎるので、ハサミで1cm幅くらいにして一周隙間のないように巻きつけます。この時、ケースの上下に隙間ができないように上下をしっかりと押さえながら巻きましょう。さらに両面テープも同様に巻きつけ、その上にゴムカバーを巻いて出来上がりです。

 ゴムカバーについている操作ボタンを押してみます。ビニールテープが厚くなったせいか、操作感がだいぶ硬くなっていますが、仕方ありません。使用しているうちに馴染んでくるものと思います。電源投入後、叩いても、ケースを力任せにひねっても瞬断は起こりません。完治したようです(^ ^)


電源の瞬断はこの機種の持病だった


 ネットで検索して見ると以前のeTrexシリーズでは、電源の瞬断に関する記事が山のように出てきました。どうもこの機種の持病のようです。電子回路基板のある上部と電池ボックスのある下部を配線することなく組み立てられますので、効率の良い生産が可能だと思いますが、板バネの力で接触しているだけですから、振動や腐食に対してはどうしても弱くなります。自転車用のEdgeシリーズは振動に対しての対策が十分に取られているようで、瞬断トラブルは聞いたことがありません。やはりそれぞれのアクティビティ用に作られた専用機器が安心だということがよく理解できた今回の出来事でした。さあ、復活したハンディGPSは何に使おうかな(^ ^)/



自作マウントで好きな自転車に取り付け


 振動に対して一番デリケートな電池ボックスの接点を、ダイレクトに電線で接続してしまったので、耐振動性能は格段に向上したと思います。持っている三台の自転車のどれにでも好きなGPSが取り付けられるようにアダプターを3Dプリンターで自作してみました。せっかく修理できたeTrex SUMMIT HCを、TPOに応じて好きな自転車に取り付けられるようになり、ますます快適な自転車生活を送っています。

SUMMUIT HCのマウント取り付け部をEdgeシリーズと同じにするアダプターを自作

(2017年11月3日追記)



2017年6月20日火曜日

ラジオの世界も様変わり Volumioだけで楽しむNHKらじるらじる


 昔からのラジオ好きです。たまに好きなTV番組を観る時以外は、ほとんどラジオを聴いています。就寝時には枕元の小型ラジオ、車の運転中にもカーラジオ、トイレにもラジオが置いてあります。少し前まではサイクリング中にもヘルメットに取り付けた携帯ラジオを聴いていましたが、さすがに道路交通法改正でイヤホンの使用がうるさくなったため止めました。そんなラジオ漬けの毎日ですが、最近は家の中も電子化が進み、色々な家電が電磁波ノイズを出しているようです。よく聞くAM波のNHK第一放送も場所によってはノイズ混じりで聴きづらいことが増えてきました。電波を使わず、電磁波ノイズの心配のないネットラジオの出番が増えてきた今日この頃です。


安価にネットワークオーディオが設置できるVolumio


 ネットラジオが出てきたばかりの頃は、バックグラウンドでラジオを再生しながら、パソコン作業をしていました。しかし、小さなスピーカーのパソコンでは音が貧弱だったり、再起動が必要な時にラジオも止まってしまったりと、一台のパソコンでは使い勝手の悪いものでした。

 5,000円前後の価格で手に入れられるRaspberryPiに音楽再生に特化したVolumioというフリーソフトを導入すると、ネットワーク音楽プレイヤーが簡単に作れることを知りました。これに好みのDACやアンプ、スピーカーを組み合わせてやれば、望む音質のシステムが出来上がります。Wi-Fiで家庭内ネットワークに繋げば、家中どこにでも置けます。リビングや仕事部屋などに複数のRaspberryPiをネットワークオーディオシステムとして設置しました。ラジオを聴くには、iPhoneやパソコンからNHK「らじるらじる」の音声をAirPlayでこのネットワークオーディオシステムに飛ばします。

iPhoneからラジオの音声をAirPlay経由でネットワークオーディオに飛ばして聴いていた


ラジオ聴くのにVolumioの他にiPhoneって必要?


 しばらくこのやり方でラジオを楽しんでいましたが、Volumioだけでもネットラジオを再生する機能がついています。登録されているラジオ局にNHKはありません(海外向けのRadio Japanはありました)が、調べてみると好みのウェブラジオ局を追加できるようです。VolumioだけでNHKのラジオが聞ければ、いちいちiPhoneを取り出してアプリを起動する必要もありません。

マイウェブ放送局の登録ができるVolumio

登録するにはストリーム放送用のURLか、M3UあるいはPLSリモートファイルを指定しなければならないようです。仕組みについてはちんぷんかんぷんですが、とりあえずネットで調べたNHKのM3Uリモートファイル文字列を指定してみました。

意味もわからずNHKストリーム放送の情報をネットで調べてインプット

登録したウェブラジオを再生すると、指定したURLが開けないというようなエラーが出て音が出ません。ネットで散々調べましたが、どれも少しづつですが内容が異なっているようで、どれが正しいのかわかりません。諦めかけた頃に、いつも使っているSafariブラウザーの開発モードを思い出しました。これを使えば「らじるらじる」がネットワークとやりとりしている文字列を調べられるはずです。

ブラウザーの開発モードを使ってらじるらじるのストリーミングURLをチェック

m3uの文字列を探すと、ありました。やはりネット上で調べたものと少しだけ違いがあります。時々変えられているのかもしれません。ここで調べた文字列をVolumioのマイウェブ放送局に登録してみると、ちゃんと音が出ました。NHK第二やFMも同様に調べて登録。これでiPhoneから音声を飛ばさなくても、VolumioだけでNHKの三局が聴けるようになりました。

実際に調査したストリーム情報を登録してNHK三局が聴けるようになった

下が今回調べたNHK三局のストリーム情報です。千葉県からアクセスしていますので、他の地域からは違う文字列になるかもしれません。ストリーム情報に「akamai」の文字が含まれています。知られざるネット上の巨人であるAkamaiのサービスを使っているんですね。(2017年12月19日追記:いきなりNHKが聞けなくなりました。URLがオープンできないというエラーになります。前回同様にSafariの開発モードで調べてみたら、またm3uファイルの文字列が変えられていました。NHKから提供されるプレイヤー以外では聞けないようにするために時々変えられているみたいですね。なんか意地悪されているみたいです....)

NHK第一:
https://nhkradioakr1-i.akamaihd.net/hls/live/511633/1-r1/1-r1-01.m3u8
NHK第二:
https://nhkradioakr2-i.akamaihd.net/hls/live/511929/1-r2/1-r2-01.m3u8
NHK-FM:
https://nhkradioakfm-i.akamaihd.net/hls/live/512290/1-fm/1-fm-01.m3u8

2017年12月19日時点の調査結果

一番よく聴くNHK三局はこれでOKなのですが、平日深夜零時から放送される東京FMのジェットストリームも長年愛聴してきた番組です。できることなら東京FMも登録したいと思い、radikoで東京FMを再生した時のネット上のやり取りを調べてみましたが、m3uの文字列が見つかりません。radikoはどうもストリーミングの方法が異なるようです。ネットで調べてみてもVolumioそのものでradikoを聴いているという記事は見つかりませんでした。


「ホームラジオ」というシェアウェアなら録音も可能


 ネットで検索を重ねているうちに、RaspberryPiに「ホームラジオ」というシェアウェアを導入すると日本のラジオ局がプリセットされていて、聴くだけでなく録音もできることがわかりました。プロダクトキーの購入に1,500円かかりますが、各局の情報も全てセットされていますのでお手軽です。電源投入後8時間までは無料で使用できますので、試してみました。

「ホームラジオ」のライブ画面、多くの放送局が登録済み

システムが書き込まれているSDカードの余り部分や別のUSBメモリを使って、ラジオ番組をタイマー録音できます。これは便利ですね。予約もブラウザーに表示される番組表から一発でできます。録音したファイルが保存されているフォルダーはNASとして他のパソコンと共有できますので、ラジオサーバーとしてどんどん録音させ、他の部屋からその番組を再生することができます。CPU負荷やネットワークのキャパシティに依存しますが、複数の放送局を同時に録音できるそうで、まさにラジオの世界も様変わりといった感じです。以前、NHK第二の英会話番組を毎日決まった時間にカセットテープに録音して、通勤電車の中で聴いていたのを思い出します。このラジオサーバーがあったら本当に楽だったろうと思います。(まあ、録音で楽すると聞かなくなっちゃうもんですけどね〜 ^ ^;)


H/WボリュームのあるDACならプリアンプも不要


 リビングに設置したVolumioシステムはステレオセットのDACに接続してあります。大型のスピーカーをドライブするために、それなりの大きさと値段のプリメインアンプを使っています。音量調整はこのプリアンプ部で行います。対して、別の部屋に設置したVolumioシステムでは、2,000円で購入した秋月電子のキットをメインアンプにしています。これに同じく秋月で売っていた一個300円のスピーカーを繋いで音を出しています。

一個300円のスピーカーユニットを2,000円のアンプでドライブ

こんなアンプとスピーカーでもAMラジオ放送を聴くには過不足のない音を出してくれます。音量調整が目的でこのアンプの前に同じく秋月電子のキットで作ったヘッドホンアンプを入れていました。ケース付きで6,000円しましたので、システムの中で一番高価なコンポーネントです(^ ^)

秋月のヘッドホンアンプキット、いい音出ます

これにVolumioをインストールしたRaspberryPi 2BとUSB DACを繋いでいます。もちろんこのDACも秋月電子で1,700円で購入したものです。USB DACは裸のまま、購入時に入っていた静電気防止袋に入れてあります。全ての操作がリモートから行えるため、RaspberryPi本体も含めて、部屋の写真立ての後ろに隠してあります。ケースなどの見栄えを全く気にする必要はありません。一般のオーディオシステムと一番異なる部分かもしれませんね。

RaspberryPi 2BとUSB DACをこのままで使用中

このDAC、調べてみるとハードウェアによるボリュームコントロールができるようです。Volumioの設定メニューにあるMixer TypeHardwareにすると、音質の劣化なくVolumioからDAC出力の音量が調整できるようになります。

Volumioの音量オプションでハードウェア・ミクサーを選択

この機能を使えば、音量調整のために入れている一番高価なヘッドホンアンプがなくてもボリュームコントロールができます。いちいちアンプのところまでいかなくても、パソコンやiPhoneからリモートコントロールできるのでとっても便利になります。

Volumioのプレイバック画面右側がボリュームコントロール

先ほど試した「ホームラジオ」は簡単にラジオが聴けたり録音できますので、1,500円はリーズナブルな価格だと思いますが、音量の調整が素早くかつ細かくできませんでした。多分、普段の音量調整はアンプで行うという設計思想なんだろうと思います。

 今のところVolumioだけでは東京FMを聴くことはできませんが、一番よく聴くNHK第一とNHK FMがVoumioだけで聴けるようになりました。アンプも含めて消費電力が大変小さく、電源を入れっ放しにしても電気代もそれほどかかりません。パソコン仕事をしながら一日中ノイズのないラジオを聴き放題なんてこともできるようになりました。しかも、音量調整も放送局の切り替えも手元のパソコンから行えます。ラジオの世界も様変わりしていますね。



欲が出て音楽専門局も追加


 VolumioだけでNHKラジオ局が手軽に楽しめることがわかると、さらに欲が出てきました。高音質が期待できるデータレートの高いネットラジオ局の一つであるLINN Radioも追加してみました。

LINN-Radio:
http://radio.linnrecords.com/cast/tunein.php/linnradio/playlist.pls
LINN-Classical:
http://radio.linnrecords.com/cast/tunein.php/linnclassical/playlist.pls
LINN-Jazz:
http://radio.linnrecords.com/cast/tunein.php/linnjazz/playlist.pls
OTTAVA:
http://rakuten.streamguys1.com/ottava1_b?args=widget

日本のOTTAVAも加えてみましたが、よく見ると初めからVolumioに登録されていました。NHKが48Kbpsの帯域しかないのに比べて、LINNのストリーム放送は320Kbpsのデータレートがあるためかなり高音質です。AM放送用に使っているVolumioシステムではなく、リビングのステレオセットにつながっているVolumioで聴いてみたらBGMに最適な音が楽しめました。

(2017年6月21日追記)



音の途切れが発生するのはHLS方式のせい?


 320Kbpsの帯域を使うLINN Radioではほとんど音飛びはありませんが、それよりずっと低速回線向けの48Kbpsしか使っていないNHK三局ではかなり頻繁に音飛びが発生することがわかりました。真っ先にVolumioのプレイバックオプションにあるバッファーサイズや先読みするデータの割合を増やしてみましたが、状況はあまり変わりません。

Volumioの受信バッファーサイズや先読みの割合を増やしてみたものの....

NHKの再生のされ方を注意深くみていると、10秒の長さのTSファイルを順番に読み込みながら再生を続けています。これがHTTP Live Streaming(HTTPライブ・ストリーミング、HLS)方式と呼ばれる配信のプロトコルでした。受信バッファーのサイズを大きくしたり、先読みの量を多くしても、一つ一つのファイルが小さく、次以降のファイルを先読みしない限り音飛びの防止には役立たないのではないかと思い始めました。技術的なことはわかりませんが、VolumioのHLS配信の取り扱い方法に改善が必要なのかもしれません。
 NHKの「らじるらじる」ではバッファーサイズを大きくすると、最初に音が出てくるまでにかなりの時間を要しますが、Volumioではバッファーサイズを大きくしても音が出てくるまでの時間はほとんど変わらず、数秒以内には音が出てきます。Volumioでは複数個のTSファイルを先読みするようなバッファリングはしないのではないかと推測しています。瞬間の音飛びですので、会話の多いNHK第一ではあまり気になりませんが、FMで音楽を聴いている時にはがっかりします。対応が必要ですね。

(2017年6月26日追記)



結局ラジオサーバーで録音してVolumioで聴く方式に


 Volumioで聴くNHKラジオは、音飛びとURLが時々変えられてしまうことから快適ではありません。結局、シェアウェアの「ホームラジオ」を使ってラジオサーバーを設置しました。好きな番組を自動録音して共有ホルダーに溜め込んで行きます。無線LAN経由でVolumioからそれを聞いて楽しんでいます。こうすると音飛びは全く出なくなります。聞き逃しも避けられ、ますます快適なラジオ環境が出来上がりました(^ ^)

(2017年12月19日追記)



2017年6月19日月曜日

快適動画編集 動くマンガ線ジェネレータテンプレートをMotion5で作成


 先日秋葉原をぶらついていてまんまと摑まされた嘘っぱち中華4Kアクションカムのレビュー動画を作成中に、よく漫画で見る衝撃シーンの線(集中線)を使いたくなりました。調べて見ると、少し前のMotion5アップデートの際に「マンガ線」というジェネレータが追加されていることが判明。これを使えば簡単に実現できそうです。

漫画でよく見る「集中線」

ネットで「マンガ線」とか「集中線」のキーワードで検索すると、結構ニーズがあるのか有料のものも含めてかなりの件数がヒットします。大半はマンガやイラストで使用できる静止画像ですが、中にはアニメーションしてくれるものもありました。Final Cut Pro X(FCPX)で動画編集の際に使用する予定ですので、動きのある「マンガ線」ジェネレータテンプレートを目標に作製に取りかかりました。


Motion5で「マンガ線」テンプレートの作成は簡単だった


 Motion5に追加された標準のジェネレータが使えますので、基本的な部分は何もしなくても揃っています。作業が必要だったのは、マンガ線に動きをつける機能と映像の上に重ねた時に不要な部分を透過させる機能の追加です。

Motion5での作業はわずか4ステップ

先ず「マンガ線」ジェネレータを持ってきて、そこに「ルミナンスキーヤー」フィルタを適用して黒または白を透過色にしてやります。次に「反復」ビヘイビアを使って「マンガ線」ジェネレータのパラメータを周期的に変化させて動きをつけます。最後にFCPX側にパラメータを公開して完成です。

「反復」ビヘイビアのパラメータ指定がちょっと難しかった

「マンガ線」ジェネレータに動きをつけるために変化させたのは「ランダムシード」というパラメータです。たくさんの線をランダムに描画する際に、乱数発生の種にする数値です。これを時間とともに変化させてやると、マンガ線が不規則に動いてくれました。数値の変化のさせ方は正弦波よりもノコギリ波の方が自然なようです。速度(周期)も好みに合わせてFCPX側で変えられるように公開パラメータとします。

 たくさんある「マンガ線」のパラメータを変えると細かく表現が変わります。ここでは詳しい説明は省きますが、実際の使用時にパラメータを変えながら好みのポイントを探ることになります。


FCPX側での利用はいたって簡単


 FCPX用のテンプレートにしてしまえば利用はいたって簡単です。タイムラインにジェネレータテンプレートをドラッグして、必要な長さにします。その後、公開されているパラメータを調整して好みの見え方、動きに変えてやります。

作業効率が一気に上がるFCPXテンプレート

ここでは公開したパラメータを紹介します。実際に値を変えてみて、こんなこともできるんだと驚いた部分もありました。
  • 線のスタイル放射状と直線状の切り替え
  • 白黒反転白黒切り替え
  • 中心*放射状の中心点
  • 内径*線のない部分
  • 外径*線が消え始める部分
  • コントラスト 
  • 線の数 
  • 線の太さ 
  • 波状曲線を使用
  • 波の数 
  • 波のオフセット曲がり始める部分
  • マンガ線の動き動かすか固定か
  • 動き速度 
  • ルミナンス透過透過を適用
  • キー反転透過色変更
*のついている中心/内径/外径については線のスタイルが放射状の時に表示されます。直線状の場合はポイント1/2に切り替わります。説明を読むより実際にパラメータを動かしてみるのが一番ですので、このくらいにしておきます。


不穏な雰囲気を醸し出す波状の集中線も


 波状/波の数/波のオフセットをいじると、なんと真っ直ぐだったマンガ線がグニャグニャと曲がるではありませんか。これは面白いです。出来上がる画面も何やら不穏な雰囲気を漂わせます。

波状のマンガ線は不穏な空気が表現できそう


直線状にすると「スピード線」が出来上がり


 線のスタイルを直線状にすると「スピード線」になりました。高速で移動していることを表現するマンガ線の一種です。画面中央に表示されている丸いオンスクリーンコントロール(OSC)ハンドルを使って、画面を見ながらマンガ線の位置を変えたり角度を変えたりできます。

一挙に「スピード線」も実現できた


マンガ線の色を白に変えることも可能


 通常マンガ線は黒色で描かれることが多いと思いますが、重ねる画像に暗い部分が多い時などには白色も使うかもしれません。白黒の反転ができるようにしました。その際に、透過色にする部分も変えるか、そのままにするかが選択できます。

マンガ線を白色にすることも可能

さて、これだけ汎用性を持たせれば、色々な動画の編集で使えそうです。


作成したテンプレートはGoogleドライブで公開しています


 Motion5での細かな作業の説明は省きましたが、出来上がったFCPXテンプレートはGoogleドライブで公開中です。Motion5をお持ちの方は、直接内容を見ていただければ理解しやすいと思いますし、自由に改変してお使いください。Motion5をお持ちでない方も、ダウンロードしてFCPX用のテンプレートフォルダに解凍していただければ利用することができます。ご活用いただき、ぜひ改良のアイディアなどがありましたらお知らせください。


2017年6月12日月曜日

快適動画編集 ツーリング動画をいかに客観的な作品に仕上げるか?


 バイクや自転車でのツーリングシーンをGoProで撮影し、ビデオ作品作りに励んでいます。単独で出かけることが多いため、自分を撮ってくれる人はいません。撮影された映像を見ると、ほとんどがライダー(サイクリスト)視線の風景ばかりです。まさに主観的映像素材ばかりですが、できるだけ客観的に楽しめるよう編集作業にも工夫を重ねています。さらに、複数台のカメラを使ってみたりマウント方法にも試行錯誤を繰り返して、撮影の時点から客観的な素材が撮れるよう心がけてきました。


第三者や鳥の視線で撮影した映像が欲しい


 ツーリング中のカメラの設置場所はハンドル周りがほとんどです。状況によりヘルメットや体の胸部に取り付けることもありますが、全てのケースで進行方向の風景を狙った映像です。取り付け位置に多少の高低はありますが、まさにライダー(サイクリスト)目線の主観的映像を撮っています。

自分が見ている映像と他人や鳥が見ている映像は対局

映画などでは実験的に主観的映像を多用したものもありますが、基本は客観的な映像を中心に組み立てられています。ツーリング動画作品にももう少し客観的な映像素材を使いたいところです。理想はドローンから自分の走っているところを撮影した空撮映像なのですが、まだ高価で手が出ません。たとえ入手できたとしても、ソロ・ツーリングでドローンで撮影しながら走るのはかなりリスクがありそうです。自動で追尾してくれるドローンもあるそうですが、走行中では非常時の対応ができませんので、どう考えても危険です。第三者がドローンを操縦したり、カメラを構えて撮影してくれるのが一番なんでしょうが、ソロではそうもいきません。


写真やCG映像で客観性を補うことは可能


 第三者やドローンが撮影してくれたツーリングシーンの映像が皆無でも、走っている場所を撮影した写真やパンフレット、地図などの画像を実写映像に挟み込めばかなり客観性を補うことはできます。サイクリング中の速度やケイデンス(ペダル回転数)、標高や気温、心拍数などの実測データは走行中の貴重な客観的事実です。無料で使えるVIRB Editがあればサイクルコンピュータのデータを簡単に実写映像に重ねて表示できます

サイクルコンピュータのデータとGoogle Earth Proのツアー動画をGoPro映像に重ねた作品

さらにGPSの走行軌跡データをGoogle Earth Proに読み込ませれば、ドローンから撮影したようなツアー動画も作成できます。この二つをGoProの実写映像に重ねて表示すれば、大きく客観性を補うことが可能です。作品を観る際に、どんな場所を走っているのか、どの程度スピードが出ているのか、サイクリストはどの程度負荷を感じて走っているのかなどの実写映像だけではわからない部分まで表現できます。

実にリアルなGoogle Earth Proのツアー動画

縮尺によっては実写映像と見間違うほどの品質でCGの動画素材が準備できます。これなら補助的に使用するのではなく、Google Earth Proの映像を主として使用し、そこに実写映像を補助的に重ねるという使い方も考えられます。ただし、これらの方法ではライダー(サイクリスト)自身の映像を残すことはできません。


ライダー(サイクリスト)を撮るなら三脚固定カメラ


 移動しているライダー(サイクリスト)の全身を撮影するにはカメラを三脚に固定して、ある程度広い画角で撮影するしかありません。動く被写体を遠隔で認識し、雲台が回転してくれる製品もあるようですが、一般的ではありません。

ドローンが無理ならカメラを三脚に固定して撮るしかない

結局撮影できた映像は、固定した風景の中を通り過ぎるライダー(サイクリスト)の姿です。いかにも、一人でカメラを固定して撮ってますという印象で、少し寂しい映像に。こんな時に使えるテクニックが、トリミングです。写真撮影では当たり前のように使っている技法ですが、動画で試してみたのは初めてです。

画面を横切るバイクをトリミングして切り出す

バイクの動きに合わせて、切り取る場所を変えてやります。するとどうでしょう。まるで第三者が手持ちカメラで被写体を追いかけているように見えます。映像の一部を切り取って拡大しますから画質の劣化が心配ですが、元々の撮影を4K解像度で行えば大丈夫です。編集はHD解像度ですから画質の劣化は最小限に抑えられます。GoProの高解像度モードをテストしていてこのやり方に気づきました。

4K解像度で撮影し、HDサイズの画面にトリミング


体の一部と風景とバイク(自転車)が映る構図も使える


 ライダー(サイクリスト)が見ている風景だけよりも、自身の体とバイク(自転車)の一部を風景と一緒に写してしまえば、かなり客観性(臨場感)が増します。アクションカメラをオートバイにマウントする方法についてはかなり苦労してきました。求めている画角だけではなく、振動の影響をできるだけ排除する取り付け方法など、未だ満足できる結論は出ていません。

バイクやライダーにカメラを取り付けられる場所は多い

自転車の場合はバイクよりもアクションカメラの取り付け場所は限られますが、それでも類似の場所が選択できます。これらの取り付け場所の中で最近良く使っているのは、グラブバーとタンデムステップです。左右どちらかの後方からライダーの後ろ姿とバイクと斜め前方の景色が一緒に撮影可能です。一部とは言えライダーとバイクも一緒に写っているため、それなりに客観性のある映像になります。

グラブバーからの映像、景色もバイクもライダーもいっぺんに撮影できる

 ライダー自身と後方の景色が写せるハンドル周りもおすすめです。恥ずかしいのでYouTubeなどに顔出しはしませんが、風景と一緒に写っている自分の映像は記念撮影と同じで思い出には欠かせません。GoPro純正のサクションカップマウントがメータと同じサイズだったため、タコメータにくっつけてカメラを後ろ向きにしてみたら実に安定した自撮りが可能でした。メーター周りってグラグラしていて期待していなかったのですが、実は振動の影響が少なく、まるでTVのバイク番組を見ているようです。メーターは視線をしばしば落とす場所ですから、そこから撮影するのは理にかなっているのかもしれません。この構図などもまさに客観的な映像ですね。

タコメーターに貼り付けたサクションカップからはこんな映像が撮れる


普段目にしない変わった場所からの映像も役に立つ


 普段は滅多に目にすることのない画角の映像が撮れる固定場所もあります。バイクで言えばフレームの下部やステップの下、フロントフォークなど。これらの場所から撮影した映像をメインで楽しむことは少ないかもしれませんが、編集時にアクセントとして挿入することにより、路面の状況やシフト操作のタイミングなどを客観的に見せることが可能です。

ステップの下に取り付けたGoProの映像

回転する自転車の前輪ハブにGoProを取り付けて撮影した映像は、大型テレビで見ていたら気持ちが悪くなってしまいました。やり過ぎは良くありません。ほどほどにして楽しみましょう。

回転する自転車ハブ軸からの映像、気分が悪くなる

これらのちょっと変わった映像は、目的の作品には使われなくでも、その後別の作品で役に立つことがしばしばありました。撮っておいても決して無駄にはなりませんので、積極的に動画素材として撮りためています。


マルチカム撮影でさらに表現力をアップ


 実写映像に補助的な映像を追加して客観性を増す手法を見てきましたが、二つ以上の実写映像を組み合わせるのも効果的です。バイクの試乗会に出かけて憧れのマシンを記録する際に、バイク全体からメーター周りの詳細など、走り出す前にも記録に残したい部分は多くあります。そんな時には目線を忠実に追ってくれるヘルメットカメラが役に立ちます。

試乗前にマシンを眺めている時にはヘルメットカメラの映像が有効

試乗中は前を走るバイクやコースを映すヘルメットカメラとメータ周りが大きく映るチェストマウントカメラの二つがあれば、作品に仕上げる際に臨場感が増します。試乗の楽しさがより客観的に伝えられる作品になると思います。

試乗の様子とマシンのメーター周りが同時に表現できる


さらに試してみたい撮影技法もあるが勇気が必要


 GoProのプロモーションビデオではお馴染みの「ぐるぐるマウント」なども試してみたい撮影技法です。ライダーの周りを360度くるくると回転しながら、景色もバイクもライダーも写せる手法ですので、迫力ある映像が撮れそうですが、公道でこれを使っていたら絶対に職務質問されますよねσ(^_^;) それに比べるとエクステンションヘルメットマウント(チョウチンアンコウ型マウント)は羞恥心だけ押さえれば何とかなりそうです。バイクに適当な長さのロッド(棒)が固定できれば後ろ姿を高い場所から撮影するのも面白そうです。

迫力ある映像が撮れそうなマウント方法、ちょっと勇気がいる


 紹介してきた撮影・編集技法の一部を実際に使用した動画を作成しました。説明だけでは分かりにくい部分も映像をご覧いただければ明確になると思います。


 ライダー目線の風景ばかりではない、客観的な映像をできるだけ加えて楽しめる作品作りを心がけていますが、あまりテクニックに走り過ぎても興醒めのようです。要は、そのままでも十分に面白いと感じる実写映像を撮ることが肝要で、それを補う客観的映像は最小限にした方が良い作品だということがだんだんわかってきました。映像の世界、奥が深いです。