2017年10月29日日曜日

危うく引っかかるところだったApple IDのフィッシングメール


 最近のフリーメールは迷惑メールのフィルター機能が充実していて、有名なフィッシングメールなども引っ掛けてくれるようです。世間で騒がれているフィッシングメールの類は、大抵「迷惑メールホルダー」に入ってきますので、安心してインターネットメールを利用していました。つい最近、Appleから『注:[アカウントはロックされています]あなたの情報を更新する』というタイトルのメールが通常のメールボックスに届き、かなり焦りました。


メールアドレスがApple IDですから、他人が複数回ログインを試みてロックされるということはあり得ることです。文面もしっかりしたものでしたので、メールにある「解決センター」なるリンクを押しました。表示されたWeb画面も見慣れたAppleアカウントの管理画面です。



メールのリンク先にパスワードを入力するのは危険が一杯


 Apple IDとパスワードを入力しようとして、ふと我に帰りました。そもそもインターネットメールに記されたリンク先画面が正しいサイトとは限りません。一旦冷静になって考えてみると、まず初めにするべきなのは本当にApple IDがロックされているかどうかの確認です。思いつく方法としては、iTunesからApple IDを確認する方法です。iTuneの「マイアカウントを表示」を実行してみましたが、特に何のメッセージも現れず、サインアウトやサインインが問題なくできます。

iTunesの「マイアカウントを表示」でApple IDの状況を確認

念のため、MacOSのiCloud管理画面にある「アカウントの詳細」も確認してみましたが、特に問題はありません。

MacOSのiCloud管理画面でも「アカウントの詳細」で確認


メールのリンク先は短縮URLサービスだった


 メールにあるようなApple IDのロックが確認できませんでしたので、これは明らかにフィッシングメールです。Safariの標準設定ではマウスをリンク上に持っていってもURLの表示はされませんので、メニューバーの「表示」>「ステータスバーを表示」を選ぶか、command/キーを押してURLが表示されるようにします。改めてメールの「解決センター」と書かれたリンクの上にマウスを持っていくと、ur0.work/....という短縮URLサービスの文字列が表示されました。


Appleがこのようなメールを送る際に、短縮URLサービスを使うなど考えられません。しばらくして、この短縮URLに再度アクセスしたところ、削除されていました。誰かが不正URLとして報告したのでしょう。


何とも世知辛い世の中になったもんだ


 Apple製品の使いやすさから、今ではパソコンやネットの経験の少ないユーザーも増えています。最初のネットワーク設定やApple IDの入力などは、販売店や知り合いに頼んで使える状態になっていると思いますが、こんなメールが来たら絶対に見破れないのではないかと心配になってしまいます。そこに付け込んだ悪質なメールが後を絶たない、世知辛い世の中になったものです。



怪しいサイトの見分け方についてアドバイスいただきました


 当記事をGoogle+に共有したところ、今回のような不正サイトへ誘導する怪しいメールの見分け方についてアドバイスをいただきました。先ず、届いたメールが本当にAppleからのものかどうかを見極めるために、メールの詳細ヘッダーをチェックするというものです。通常のメールソフトでは、メールヘッダーは省略されて表示されます。今回も「From: Apple」としか表示されていません。これで信じ込まず、詳細ヘッダーを表示させてチェックします。この中のFrom項目を見ると以下のようになっていました。

 From: "Apple" <appleid.BDxUFfkc219321832103@apple.org>

apple.orgというドメインは正式なApple社からのメールではありえないものだし、その前の意味不明の文字列も怪しさ全開です。今回のケースでは、指定されたリンクを開く前にメールヘッダーを覗けば、不正サイトへの誘導メールであることは明らかでした。ただし、このFrom項目は簡単に詐称できますので、毎回判断に役立つわけではありません。

メールの詳細ヘッダーを表示してFrom項目をチェック

メールからリンクされたサイトに飛んだ際のチェック方法もアドバイスいただきました。正式なAppleのサイトはデジタル証明書により暗号化されています。ブラウザーのアドレスバーには必ず暗号化されたサイトであることを示すマークが表示されているはずなので、それを確認するというものです。偽サイトにはこれが出ないので、真偽の判断ができることになります。

正しいサイトにはAppleの証明書による暗号化マークが表示されている

普段利用するだけならコンピューターやネットの知識など不要なiPadやiPhoneですが、いざこんなメールが届いた時には、ある程度の知識を持っていないと、まんまと騙されてしまいそうですね。

(2017年10月30日追記)



2017年10月28日土曜日

快適自転車生活 8年間メンテしてないBB付近から異音が


 先日、5年間全く手入れをしないで使い続けてきた前後ハブのメンテナンスをして、走りが大幅に軽くなったことに気を良くしていました。慣性走行時の速度低下が少なく、今までと同じ距離を走っても疲労が減ったような気がしています。そんな中で、最近ペダリング中にボトムブラケット(BB)付近からバキバキという異音が出るようになりました。最初のうちは強くペダリングをした時だけでしたが、今では軽くペダルを回している時にも常時異音がしています。ロードバイクを購入してから8年、その間全く手入れをしていませんので、そろそろ寿命かもしれません。

購入後8年間全く手入れをしていないBB

最初はクランクアームの取り付けボルトの緩みなども疑い、増し締めして様子を見ましたが、改善されません。どのへんからどんな音が出ているのかを確かめるために、GoProをクランク付近に取り付けて、走りながら音を拾ってみました。シートチューブに固定したGoProのマイクがダイレクトに音を拾ってくれるため、走行中に耳で聞くよりもはっきりと異音が確認できました。ペダルを回した時だけ出るパキパキという音はやはりBB近辺から出ているようです。



BBは清掃&グリスアップよりも交換が正解(?)


 ネットでBBのメンテについて調べてみると、取り外したBBを清掃し、グリスをたっぷりと塗り込んで元に戻すというものと、新しいものに交換というものが見つかりました。現在装着されているBBはシマノのSM-FC5600という105グレードのものです。シマノのガイドにはBBの分解清掃についての記述はなく、交換することを前提としているようです。同じモデルのBBは在庫なしのため、後継品の値段をAmazonで調べてみると、二千円を切る価格になっていました。この値段であれば、チェーンなどと同様に、新品に交換してしまうのが正解だろうと考えて、必要な工具とともに注文しました。BBについてはDURA-ACEなどの高グレードコンポでも互換性のある構造のようで、かなり広い選択肢があります。選んだのは比較的安価なSM-BBR60です。それにBB用のレンチとクランクのキャップを回す特殊工具も一緒にオーダー。全部合わせても三千円もしませんでした(^ ^)

新しいBB(SM-BBR60)と持っていない工具を注文

 作業に先立って、必要な工具を取り揃えておきます。新たに購入したBB用のレンチとキャップ回しの他は、5mmのアーレンキー(6角レンチ)と細いマイナスドライバーだけです。新しいBBはサイズが一回り小さくなっていて、レンチのサイズを合わせるための樹脂製のアダプターが同梱されてきます。今後のために、これは無くさないよう注意します。

BB交換のために用意した工具一式

実は、5mmのアーレンキーは、もっと長い本格的なものが必要でした。さらに、規定のトルクを確認しながら締め付け作業できるようにトルクレンチも是非欲しい工具です。今後のためにも追加購入して、締め付けトルクを確認したいと思っています。


初めてのBB交換作業は簡単だった


 先日初めて経験したホイールハブの整備も、やってみたら結構簡単で、もっと早くやっておけばよかったと後悔しました。BBの交換作業も思っていたほど難易度は高くなく、スムーズに進みました。部品も安価なので、異音がしてきたらとりあえず替えてしまうというのもありかなと思います。

1. 左クランクアームを外す


 先ず外すのは左のクランクアームです。アーレンキーで二本のボルトを緩め、特殊工具でクランク軸のキャップを外し、外れ止めパーツを引き起こせばクランクアームが外れます。少し力を入れるとスポッと取れました。

左クランクアームの外し方

外したクランクアームには砂まみれの真っ黒なグリスがこびりついていましたので、丁寧に汚れを落としておきます。

8年間の汚れがこびりついたクランクアーム接合部

固定用のボルト(二本)やキャップ、外れ止めパーツは個別に清掃しておきます。シャフト軸とのかみ合わせ部分は砂などが残らないよう念入りに拭きました。

左クランクアーム固定用のパーツは個別に清掃しておく

2. 右クランクアームを引き抜く


 右側のクランクアームはBBに刺さっているだけですから、引き抜くことができます。事前の調査では、固くて抜けない場合はプラスチックハンマーなどで叩く必要があるとされていましたが、手で引っ張っただけで抜けました。

軽く引っ張ったらするりと抜けた右クランクアーム

抜いた後は、シャフトや結合部の汚れを落としておきます。普段の清掃では手の届かない、ギアリングの内側なども清掃しておけばスッキリします。

抜き取った右クランクアームとギアは綺麗にしておく

3. いよいよ古いBBの取り外し


 さて、これで古いBBを取り外すことができます。回す方向を確認してから、BB用のレンチをはめます。左側は正ネジ、右側は逆ネジになっています。TIGHTENと書かれた締め付け方向の反対側に回します。

締まる方向が矢印で示されているので、反対方向に回す

レンチの端を握って一気に力を入れますが、びくともしません。完全に固着しているようです。仕方がないので、レンチの端をハンマーで叩いて外しました。再利用する場合には絶対にやりたくない外し方です。

手で回してもピクリともしないBB、ハンマーで叩いてやっと外した

両側のBBを外した後は、BBハンガー内部やネジ切りされている部分を綺麗にしておきます。特にネジの部分に砂やゴミなどが噛み込まないよう念入りに作業しました。雨の日にはほとんど走らないため、思っていたほどひどい汚れではありませんでした。

BBを取り外したハンガー部分、意外に綺麗な状態

4. 新しいBBの取り付け


 これでやっと新しいBBを取り付けることができます。新旧のBBを並べてみると、新しいBBの外径が小さくなっていることがわかります。フリクションが半分になっているとのふれこみで売られていますので、期待が持てます。

新しいBB(右)は外径が小さくなっている

グリスがネジ部に初めから塗布されていましたので、そのままBBハンガーに取り付けできます。手で締め込んだ後、アダプターを取り付けたBBレンチで締め付けます。規定トルクが30〜50Nmと大きな値でしたので、思いっきり締め付けました。

アダプターを装着したBB用レンチ

この樹脂製アダプターのおかげで、BBに傷一つ付けずに締めることができました。このBB用レンチ、アダプターがなければ絶対にBBを傷つける構造です。シマノ純正にしてはちょっと情けない工具でした。新しいBBは外径が小さくなっていますので、BBハンガー部の方が大きく、余白が見えてしまいましたが、クランクが回転している時にはこの部分は目立ちませんので、これで良しとします。

無事取り付けられた新しいBB

5. 取り外した時と逆の順番でクランクアームを取り付け


 今度は右クランクアームから取り付けていきます。右クランク軸の根元部分にグリスを塗ってから、BBに差し込みます。

右クランクの軸の根元にグリスを塗布してはめ込む

左クランクをはめ、キャップを締めて、外れ止めパーツを所定の位置に押し込んでから、固定用ボルトを締め込んでいきます。片側を一度に締め込むのではなく、少しずつ交互に締め込んでいきます。使用したアーレンキーが短すぎたため、かなりの力が必要でした。それでも規定のトルクになっていないかもしれません。トルクレンチを購入して、再度締め直したいと思っています。

左クランクアームを取り付ける

これでBB交換作業は完了です。やってみると意外に簡単でした。長いアーレンキーやトルクレンチなどの工具があればもっとスムーズに作業できそうです。ついでにチェーンの清掃と注油も行い、準備万端です。早く具合を確かめにいきたくてウズウズしています。

真新しいBBに交換完了


まだまだあるロードバイク可動部のメンテナンス作業


 自転車でメンテナンスが必要な部分はたくさんありますが、軽い走りを楽しむためには高速で回転する駆動系が重要でしょう。この部分で今まで経験してきたのはチェーンの交換ホイールハブのメンテナンスくらいです。今回初めてBBの交換を経験しましたが、やってみるとそれほど難しくはありませんでした。ちゃんとした工具さえあれば、誰でもできるという印象です。

ロードバイクの可動部分のメンテナンスは重要

回り続ける部分ではありませんが、自転車をコントロールする制御系の可動部分もスムーズに走り続けるには重要な部分です。フロントやリアのディレイラーも清掃と調整だけはしていますが、一度も分解整備をしたことはありません。ブレーキやヘッドパーツもメンテしたことは一度もありません。まだまだ経験したことのないメンテナンス作業が残っていますが、焦らずにのんびりと自転車生活を楽しんでいきたいと思っています。



近所でBB交換の効果を確かめてきました


 雨続きで本格的に走りに行けませんが、BB交換の効果を確かめるために雨の合間に近所を走ってみました。結果はバッチリです。パキパキというBB付近からの異音も解消しました。GoProで撮影した動画を使って、BB交換前後の音を比較できるように編集してみました。クランク付近の異音で悩まれている方の参考になれば幸いです。


(2017年10月28日追記)



取り外したベアリングをチェックしてみました


 ペダルを回すとパキパキと異音が出っ放しだったBB内部のベアリング部を開けて内部の様子を見てみました。クランク軸が通るプラスチックのカバーをマイナスドライバーでこじ開けると、その下にシールが出てきます。これも同様にドライバーで剥がすと、リテイナーで固定されたベアリングボール部を観察することができます。工業用のベアリングが使われていて、多分一個数百円くらいのものではないでしょうか。内部にはグリースも残っていて、特におかしなところは見受けられません。異音の原因はベアリングを見ただけでは突き止められませんでした。

BBの中身は工業用のベアリング

ベアリングはBBケースに圧入されているため、これ以上の分解はできませんでした。日本の誇るコストパフォーマンスの高い工業用のベアリングでしょうから、BBは清掃・注油で使い続けるよりも交換してしまった方がはるかに安心で、高性能を享受できると思います。

(2017年11月10日追記)



2017年10月27日金曜日

こりゃ旨い アケビの次はサルナシ採りに夢中


 秋雨前線と台風の影響で雨の日が続いています。八日ぶりに朝から太陽が顔を出してくれた日に、前回のサイクリングで見つけたサルナシを採りに出かけました。少し前までは里山の谷津道でアケビ採りに夢中になっていましたが、もうそろそろ終わりの時期です。これからの季節は、ムカゴなどのフルーツとは呼べないものが中心になってきますので、もうしばらく楽しめるサルナシの自生地を見つけられたのは幸運でした(^ ^)

農道脇の藪の中で見つけたサルナシ


農道脇の藪では必ず何かが見つかる谷津道探検の愉しみ


 高台の間を流れる小川が作った谷津地形。水が豊富で、田んぼや畑としての利用価値が高いため、古くから農地として利用されています。農道がよく整備されている割に、農繁期以外はほとんど車は走っていません。こんな道を探しながらルートを広げていく谷津道探検サイクリングに夢中になっています。農道脇は手付かずの林や藪になっていることが多く、キイチゴやアケビなどの自然の恵みがいっぱい見つかる場所です。前回のサイクリングで、手賀沼付近の農道を初めて走った時に、道路脇の藪で見つけたのがサルナシでした。

こんな場所で見つけたサルナシ

その時は何の実だかわからなかったので、写真だけ撮って試食はしませんでした。帰宅後に調べてみたところサルやクマの大好物であるサルナシと判明。無性に食べてみたくなりましたが、降り続く雨で走れません。サルに先を越されたらどうしようと心配しながら、雨が止むのを待っていました。


高枝バサミを持って走りたい


 アケビもそうですが、サルナシも蔓性の植物です。他の木に巻きついて成長しますので、果実をつけているのは結構高い場所で、採るのに一苦労します。高枝バサミがあれば簡単なのですが、ロードバイクで走るのに持って行くわけにもいきません。

高い場所に生っている実を採るのは大変

台風で落ちた枯れ枝を手に持ち、精一杯体を伸ばしてサルナシの蔓に絡みつけます。派手なジャージを着たオヤジが何やら木の上のものを取ろうとしている姿を、通りすがりの人が見たら何とも怪しい光景でしょうσ(^_^;)


サルナシは毛のないミニミニキウイだった


 やっと採れたサルナシの実を眺めると、それはまさに小さなキウイです。周りに毛が生えてなく、ツルツルとしています。

形はキウイそっくりなサルナシの実

そのまま食べられるらしいので、皮をむかずにかじってみました。口の中に酸味が広がり、味はまさにキウイそのもの。まだ十分熟していないようで、かなりコリコリとした食感です。断面には黒い小さなタネが円状に並んでいて、ここもまさにキウイです。皮は薄く、毛がないのでそのまま口に入れて楽しむことができます。

かじってみたサルナシの実、断面はまさにキウイ

もう少し熟しているものも採ってみました。こちらはだいぶ柔らかくなっています。

だいぶ熟しているサルナシの実も採ってみた

かじってみると、柔らかな歯ごたえの後で、甘みのある果汁が口の中に広がりました。こりゃ旨い。まさに熟したキウイフルーツの味わいです。サルやクマの大好物というのも頷けます。

熟したサルナシはまさにキウイの味


サルナシはキウイフルーツのご先祖さま


 調べてみると、キウイフルーツは中国のシナサルナシを品種改良したものだそうです。サルナシはキウイのご先祖さまだったんですね。どうりで味や形がそっくりなわけです。さらに、シナサルナシの別名はオニマタタビ。マタタビの仲間ということは猫も好きなのか、気になるところです。

 実がついている蔓はアケビなどと比べるととても立派です。太くて丈夫な上に、腐りにくいことから、有名な祖谷のかずら橋にも使われているそうです。へ〜って感じですね。

サルナシの蔓はとても丈夫

キウイフルーツを美味しく食べるには、しばらく室温で追熟させるそうなので、採ってきたサルナシも追熟させてみようと思います。

少し硬めのサルナシの実、追熟させてみる

シナサルナシは中国では薬としても使われるそうで、サルナシの食品としての研究レポートを読んでみると、ビタミンCはキウイフルーツ同様に豊富な上に、糖度はキウイを超えているとのこと。こんなに素晴らしいものを放っておくのは勿体無いですね。11月上旬くらいまでは楽しめそうですので、これからのサイクリングではムカゴと同時にサルナシ探しにも熱中しそうです。



室温で追熟したサルナシは甘みたっぷり


 一週間ほどビニール袋に入れたまま室温に放置して追熟させてみました。少し黒ずんで見た目が悪くなっています。採った時にはコリコリとして硬かったのですが、かなり柔らかくなりました。包丁で切ってみると、さらにキウイフルーツの断面にそっくりになっています。丸ごと口に入れてみると「こりゃ旨い」と、思わず声が出ました。キウイフルーツほどの酸味がなく、甘さが際立ちます。サイクリングで見つけた自然の恵みを、こうして帰宅後にも楽しめるのはサイコーですね(^ ^)/

室温で一週間ほど追熟させたサルナシ、旨い!

(2017年11月2日追記)



2017年10月21日土曜日

快適動画編集 映像の一部を強調するライフルスコープジェネレータ


 動画編集の際に、映像の一部を強調したい時があります。色々なものが写っている映像の一部分を、何らかの方法で目立たせるテクニックです。動画編集を始めたばかりの頃は、Final Cut Pro X(FCPX)に付属しているシェイプジェネレータを使って丸で囲んだり、矢印を表示したりしていました。少し慣れてくると、そのシェイプを点滅させて、目立たせるようにもしましたが、映像表現という意味では今一つです。Motion5を購入して、自分でジェネレータテンプレートを作成できるようになると、動く矢印で一点を示したり、動くマンガ線で中央部を強調できるようになり、FCPXで作成する動画作品の表現が豊かになったような気がします(あくまでも”気がする”レベルです....σ(^_^;)

Motion5で作成した強調用ジェネレータテンプレート


サスペンス調の強調表示をしたい


 マンガ線や動く矢印などはちょっと軽いイメージがします。もう少しサスペンス調か、ミステリアスな場面でも利用できる強調表示の手法が欲しくなりました。スパイ映画のオープニングなどでしばしば使われる、ライフルのスコープ(照準器)から見た映像です。何かを探して動いているスコープの映像が、ターゲットを見つけた瞬間にピタッと止まるイメージです。スコープの止まった場所が、その後のストーリーの中心になることは誰の目にも明らかな演出になります。

スコープが動き、ターゲットを捕らえた瞬間に止まる


Motion5の「リグル」ビヘイビアで簡単にできそう


 Motion5の持つ豊富なビヘイビアを利用すれば、色々な動きを持つテンプレートが作成できます。獲物を探して上下左右に動くスコープを実現するには「リグル」が使えそうです。動きはランダムに生成させますが、最後は必ず指定した位置で止まってもらわないと困ります。そのため、「リグル」ビヘイビアで生成したパスを「反転」ビヘイビアで前後逆にします。これで、ランダムに動いた後に止まる場所は必ず、指定した位置になります。

Motion5で「リグル」と「反転」を使い、動くライフルスコープを実現

スコープの画像はイラスト作成ソフト(AutodeskのGraphic)で描きました。マスクを利用して、スコープの内側と外側の明度を別々に変えられるようにします。

 「リグル」のパラメーターはたくさんありますが、「量」を調整して画面からあまり飛び出さないようにして、「周波数」で速度(パスの長さ)を決め、「ノイズ量」で細かさを指定します。狙撃手が狙いをつけるような動きですから、あまり細かい動きにならないよう「ノイズ量」は少な目にします。

「リグル」ビヘイビアのパラメータは多いが、難しくはない

それぞれのパラメーターを変えると、キャンバスに表示されている「リグル」のパス(赤線)が変化しますので、それを頼りに最適なものを指定します。パラメータのうち「周波数」と「ノイズ量」はFCPXに公開して、利用時に変更できるようにしました。

キャンバスに表示されるパスを見ながらパラメータを調整

パスは乱数で決められますので、気に入らなければ「ランダムシード」にあるボタンを押して再生成できます。このランダムシードも公開します。


FCPXからの利用は他のジェネレータ同様簡単


 一度ジェネレータテンプレートにしてしまえば、FCPXからの利用は超簡単です。タイムライン上の必要な場所にドラッグして、必要な長さに調整し、公開されているパラメータを調整するだけです。

ジェネレータテンプレートをドラッグすれば即利用できる

パラメータ調整で一番重要なのは、スコープが最後に停止する位置(ターゲット)を指定することです。同時にスコープのサイズも調整します。ジェネレータをドラッグした直後は、「ターゲット設定完了」にチェックがありません。これは「リグル」が無効になっている状態です。この時には、スコープは最終位置となる場所に表示されています。「スコープサイズ」及び「最終位置」を変更して、強調したい部分に合わせます。その後、「ターゲット設定完了」にチェックを入れると、「リグル」が有効になり、ランダムに決められたパスの開始点に移動します。

テンプレート使用時に一番大切なスコープの最終位置とサイズの指定

「リグル」ビヘイビアの「周波数」は公開パラメータでは「サーチ移動量」に、「ノイズ量」は「サーチ複雑さ」という名前にしてFCPX側に公開してありますので、動きに変化をつけたい場合はこれらのパラメータも調整します。最初と最後は15フレーム長のフェードイン・アウトをするようになっていますが、不要な場合はチェックボックスを外します。これだけで、狙いを定めて動き回るライフルスコープ映像が追加できます。あとは適当な効果音を付けてやれば完璧です。実際の動画で使用しているサンプルはこちらです。テンプレートにすると本当に便利ですね(^ ^)/



詳細は公開しているテンプレートの中をご覧ください


 「快適動画編集」というカテゴリーのブログ記事で紹介している自作のFCPXテンプレートをグーグルドライブで公開しています。記事中では作り方の詳細までは説明していませんが、Motion5で中身を開けば、ご理解いただけると思います。Motion5をお持ちでないFCPXユーザーも、ファイルを解凍して所定の場所に置いていただければ、テンプレートの機能を利用できます。改善のアイディアなどがありましたら是非お知らせください。



2017年10月19日木曜日

里山サイクリングで見つけたアケビをもっと美味しく味わう


 サイクリングロードを離れ、谷津道探検サイクリングと称して、房総の里山を走り回っています。自然の中の適当な勾配の道を快適に走るばかりでなく、季節毎の自然の恵みを見つけて味わうという楽しみ方も知りました。サイクリング中に見つけやすい秋の味覚といえばキイチゴですが、経験を重ねるうちにアケビも度々発見できるようになりました。見つけた場所を覚えておけば、翌年はさらに簡単に採ることができます。

サイクリング中でもよく探せばたくさん見つかるアケビ、里山の秋の恵み


ちょうど良く熟したアケビを見つけるのは難しい


 9月初旬から10月末頃までが房総でアケビを見つけられる時期のようです。サイクリング中に初めてアケビを見つけたのは数年前の9月初旬でした。まだ口の開いていない、熟す前の実でしたので、しばらくおいてから食べようと自宅に持ち帰りました。数日間室内に放置していましたが、熟してくる様子は見られません。腐るのではないかと心配になり冷蔵庫に入れてしまいました。その後何日経っても色が変わらず、柔らかくもならないため、包丁で切ってみたのが下の写真です。とても食べられるような状態ではありませんでした(T . T) どうも採るのが早過ぎたようです。

採るのが早すぎたアケビの実

 10月に入ると、見つかるアケビの中には口を開けているものも混じり始めます。普通のアケビは色が紫がかってきて、熟してきたことがわかりますが、中には白アケビといって、熟しても紫にならないものもあるそうです。口が開いているものを見つける度に、自転車を停めてアケビ採りです。割れ目を広げて中身を頬張ると、上品な甘さが口の中に広がりました。

口を開くのは「そろそろ食べ頃ですよ」のサイン

種の周りに付いている果肉だけを食べますので、たくさん入っている黒いタネはプププと吐き出します。これがタネを撒き散らしてもらうアケビの戦略ですね(^ ^) 甘みが強いものもあれば、少し苦味が混じっているものもあり、初めて食べたら不味いと感じる人もいると思います。何より、果肉の部分が芋虫のような姿をしているので、ちょっとキモいです。初めて口にするには勇気がいります。

まるで大きな芋虫みたいなアケビの果肉


口が開いてしばらく経った実には、虫が入り込んだりゴミが付着したものもありますので、食べる時にはよく確認してから口に入れる必要があります。


見つけたら持ち帰りたいアケビの実


 その場で食べるのも美味しいですが、食べきれないほど見つかりますし、お土産にもしたいので持ち帰ることにします。その場合は、口が開く前のものが運びやすいので、熟して口が開く直前のものを探します。紫色に染まり裂け目となる筋が見えるようになった実が狙い目です。持ち帰ったら、アケビをポリエチレンの袋に入れて口をしっかりと閉じ、そのまま室内に放置します。数日経つと追熟が進んで紫色が濃くなります。割れ目がはっきりしてきて、自然に口を開けるものも出てきます。

ポリエチレンの袋の中で数日室内に放置すれば追熟する

ここまで室内で追熟したアケビは、自然のままで口を開いていた実と全く同じ食感、味がしました。9月初旬に採ってきたものが食べられなかったのは、採るのが早過ぎたこと以外に、袋に入れていなかったことや、冷蔵庫に入れてしまったことが原因のようです。


もっと追熟させたら果肉がとろとろになってさらに旨い!


 考えてみれば自然の果実ですから、室温で放置してもそう簡単に腐敗することはないはずです。思い切って、たっぷりと追熟させて見ました。十分に紫色になっていて、割れ目が現れ始めているものを持ち帰り、ポリエチレンの袋に入れて十日ほど室内に放置しました。触ってみると実が柔らかくなっています。手で実を割ってみると、中からとろとろになった果肉が現れました。

口を開ける直前のものを採取し、十分追熟させてみた

「げげっ、熟し過ぎたか?」と心配になりましたが、一口食べてみて杞憂だとわかりました。果肉がさらに柔らかくなり、甘い汁が垂れてきます。これは旨い! これが本当に熟したアケビの味でした(^ ^) 屋外で見つけたアケビの実で、ここまで熟したものは食べたことがありません。この状態になるとほとんどが落ちてしまうか、虫や鳥の餌食になっているからです。

とろとろになるまで追熟させたアケビの実、こりゃ旨い!

ここまで甘いアケビを食べたのは初めてです。これが本当の里山の恵みの味なんですね。山野でアケビを見つけて食べてみたけれど、ちっともうまくなかったという経験をお持ちの方は、ぜひ頃合いの実を持ち帰り、たっぷりと追熟させてから食べてみてください。きっと、アケビに対する評価が変わると思います。