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2017年5月29日月曜日

実践テスト サンキュッパの4Kアクションカムは果たして使い物になるか


 雪山やオートバイ、サイクリングを楽しんでいるときの感動シーンを残したくてGoProなどのアクションカメラを複数台活用しています。GoProの人気が出てくるとすぐに類似品が市場に出回り始めます。中でも中国のSJCAMなどは高いコストパフォーマンスで一定の評価を得ているようですが、それでも一万円前後で売られていますので、気軽に試せる価格ではありません。さらに安価なSJCAMのコピー品も度々見かけるようになっていました。


秋葉原で3,980円の4Kアクションカメラを発見


 用事もないのに時々秋葉原をぶらついては掘り出し物を探しています。いつものパーツ屋を覗いたら、4Kという文字が輝くアクションカメラのパッケージを発見。何と税別3,980円の価格で、4K・30FPSまで撮れるカメラが売られていました。今使っているGoPro HERO3+ Black Editionでも4Kは15FPSまでしかサポートしていませんので、それ以上の性能です。見た目はSJCAMにそっくりですが、メーカーの名前は書いてありません。一瞬「偽物?」との不安がよぎりましたが、試して見たいという興味が勝りました。

4Kの文字が光る3,980円のアクションカメラ

外箱から取り出すと、しっかりとした(でもありませんでした:2017年5月30日追記)ハウジングに収まったカメラが出てきました。ハウジングのデザインもSJCAMにそっくりです。

SJCAMにそっくりなカメラ本体とハウジング

カメラ本体をハウジングから取り出してみると、アルミ面に細かい傷が複数見えます。やっぱり中華品質だとの思いを抱きながら付属品を取り出します。

小さな傷がたくさんついているカメラ本体

落下防止用のワイヤーや固定のためのタイラップも含めた、豊富なアクセサリーが出てきました。基本的にGoPro用と互換ですから、仮にカメラ本体が使い物にならなくてもアクセサリーを購入したと思えば諦めもつきます。

すごい種類のアクセサリーが同梱されてる

GoProの場合は別売品になっているアクセサリーもあり、それだけでこのカメラ価格を超えてしまいそうです。

ロールバーマウントやカメラ三脚マウント、ネイキッドフレームなどGoProでは別売品のものも付属

背面には2インチのカラー液晶がついていて、設定や撮影中のモニター、撮影後の再生に利用できます。これもGoProの一部モデルではオプションです。

2インチのカラー液晶がついている

正面から見たサイズはGoProと同じで、若干奥行きがあります。特筆すべきはめちゃめちゃ軽いこと。バッテリー込みで58gと外箱に書いてありました。振動の多い場所で使うカメラですから軽い方がいいのですが、中身がスカスカなのではとの疑念が湧きます。

ほぼGoProと同サイズ、背面にカラー液晶がついていてもかなり軽い

バッテリーは900mAhのSJCAM用とそっくりなものがついていました。これで90分の録画ができると書いてあります。

SJCAM用にそっくりなバッテリー、これで90分の録画が可能(だそうです)

以上、同梱品を確認した限りでは3,980円の商品とは思えない内容です。あとは果たして動くかどうかですね(^ ^)


液晶パネルでの設定やモニターはやっぱり便利


 先ずは付属のACアダプターで充電を行ってから、いよいよ緊張の電源投入です。奇怪なビープ音とともに、背面の液晶が明るくなりました。言語の設定が可能で、日本語も表示できます。意味不明な表現が一部に見られたため、英語モードで使用することにしました。


動画の解像度指定画面では4K/1080p/720pの三種類が選択できますが、フレームレート (FPS)を指定する場所がありません。どうもFPSは固定?のようです。謎は残りますが、4Kにセットしてテストを進めました。


写真(静止画)の解像度指定もできるようになっています。外箱には16MピクセルのCMOSセンサー使用と書いてありますが、なぜか設定画面では20Mピクセルの指定も可能でした。よくわかりませんが、とりあえず16Mでテストです。


撮影時に映像がモニターできると、とっても楽です。今まではカメラのセット時にスマホとWi-Fi接続してから画角を調整していましたが、液晶モニターがついていれば本体のみで一発で画角を決められます。これは一度使ってしまったら手放せないですね。


決して画質のいい液晶ではありませんが、本体だけで簡単にカメラの設定を行えますし、映像がモニターできるのは便利です。バッテリーの残量や録画モードの確認も撮影中に行えるため、失敗も少なくなりそうです。


実際に撮影してみて感じる「本当に4K?」の疑問


 晴れた日を選んで、格安4Kカメラを自転車にマウントしてテストしてきました。比較のために、いつも使用しているGoPro HERO3+ Black Editionでも同時に録画します。

格安4KカメラとGoProを同時に使って比較

下が格安4Kカメラで撮影した映像です。ホワイトバランスはAUTO設定ですが、青かぶりしていて、編集時に色調整が必要です。空や道路の明るいところに色の縞(バンディング)が現れてしまっています。樹木の葉などの細かい部分がはっきりしません。とても4Kの解像度があるようには思えない映像です。

格安4Kカメラで撮った映像

HD(1080p)で撮影しているGoProの映像と比較しても解像度では劣ります。価格差を考えれば比較するのがかわいそうなほどですが、それでも4Kを謳っている割には見た目の解像度は720p程度しかありません。

HDモードのGoPro映像と比較しても低い解像度

本当に4Kなのかとの疑問が消えず、できあがったファイルの情報を読み取って見ました。4K設定で録画しているはずなのに、なんと出来上がったファイルは横1920、縦1088ピクセルのHD解像度ではありませんか!!! そもそも1088って一体どういうサイズなんでしょう。規格では1080のはずですが.... 8ピクセル分はサービスでしょうか?


音声はモノラルで、サンプリング周波数8KHzです。電話程度の音ですから、音については期待できませんが、もともとアクションカメラの音はよくないので、ここは諦めます。動画ファイルのサイズからビットレートを逆算してみると、GoProのHDモードと同じ約20Mbpsになっていました。これだけのデータを使いながら、あの程度の画質ですから、画像センサーや処理がいかに貧弱かがわかります。


写真(静止画)の解像度も怪しい


 動画がこれだと写真もかなり怪しくなります。16Mピクセル解像度の設定で撮影した写真がこれです。案の定、横1920 x 縦1088のHD解像度で写真ファイルも出来上がっていました。

16M設定で撮影した写真のサイズは2M

これは設定可能な写真解像度の中で最低の2Mピクセル時のサイズです。2Mを超えるどの設定で撮影しても、出来上がる写真はこのサイズで一定でした。外箱には「16Mega Pixels CMOS Sensor」と表記されていますが、どう考えても2Mega(HDサイズ)のセンサーしか使っていないように思えてなりません。この基幹部品をケチれば相当原価が抑えられますから、考えられないことではありません。

箱に記されているスペックは一体どこへ


この格安4Kカメラの使い道を考えなくちゃ


 税別3,980円の格安カメラですから画質が良くないのは諦めもつきますが、デカデカとパッケージに表記されている4K解像度が、実際は使えないというのはどう考えても納得できません。16MのCMOSセンサー搭載で、設定メニューには20M(笑)までの高解像度モードがあるのに、どれを指定しても最低の2Mでしか写真が撮れないというのも、単なる不具合とは思えません。明らかに人為的なものを感じます。クレームをつけたら「ソフトのバグで、現在パッチを作成中」とか言い訳されそうですが、連絡先もわかりません。

 では、これを返品しに買った店舗に持って行くかといえば、往復の交通費が千円以上かかりますので多分行きません。全く動かないのなら別として、なんらかの活用方法を考えることにしました。


USBケーブルでパソコンに繋ぐと、Mass Storage/PC Camera/REC_modeの三つから選べます。PC CameraモードにすればWebカメラなどの用途に使えます。VGA解像度程度の使用目的であれば、過不足はないと思います。REC_modeを選べば、USBから給電しながら録画が続けられますので、ドライブレコーダーなどの活用方法が考えられます。

 SJCAMの外箱に書かれているスペックを真似して、中身は安い模倣品というのが実情だと思いますが、わざわざ設定メニューを偽装?してまで売り上げを伸ばそうという根性がすごいですね。さすが何でもありの中華製品です。かかわっている人々のエネルギーを感じてしまいます。スペックを偽ることは今の日本ではあってはならない犯罪行為でしょうが、伸び盛りでイケイケの国では当たり前に行われているんでしょうね、きっと。いろいろ考えるきっかけとなった3,980円でした。

 走行中の実写映像を含めて格安4Kアクションカムの紹介ビデオを作りました。よろしければ参考にしてください。




よく見るとハウジングの作りもいい加減だった


 見た目はGoProやSJCAMの純正品にそっくりのハウジングですが、よくよく見るとかなりいい加減なことが分かりました。カメラのレンズをカバーする部分は、映像に歪みが出ないよう精度の高いアクリルやガラス板を別部品として取り付ける構造になっているのが普通です。この部分までハジング本体と一緒に成型してしまうと、どうしても歪みが残ってしまいます。格安4Kカメラのハウジングにもネジ止めされたレンズカバーが付いていますので、すっかりそうなっていると信じ込んでいましたが、よくよくレンズ部を見ると歪んでいるのが分かりました。

レンズ保護部が別パーツで取り付けられているようなハウジングだが....

裏側から覗くとレンズ部分も含めた一体成形になっています。ネジ止めされている表の黒いカバーは単なる飾りでした。無くてもハウジングとしての機能は全く変わりません。光学系の機器とは思えない、いい加減な作りになっています。厚さも薄く、本当にこれで水深30メートルまで耐えられるのか不安です。

裏から見るとレンズ部も一体成形されている


GoProにもないMotion Detection機能は面白い


 設定メニューをいじっていたら「Motion Detection」という項目を見つけました。読んで字のごとく、画像センサーで動きを検知した場合に自動的に撮影を開始する機能です。この機能、GoProにはありませんがSJCAMには以前から備わっていたようです。


里山に持ち出して野生動物の撮影にも活躍しそうな機能です。カメラの周りに餌をまいて、野鳥が集まってくるのを撮影して見るのも楽しそうです。暇さえあれば居眠りしている愛犬の前にカメラを置いてみました。

怪訝な顔の愛犬の前に動き検知をオンにしてカメラを置いてみた

動き始めを検知してから録画が始まるまでに若干の時間がかかるようで、起き上がった瞬間は撮れませんでした。カメラの向きや距離を工夫してやらないと狙ったシーンを撮るのは難しそうです。日付と時間を映像に入れることもできますので、防犯カメラ的に利用することもできそうです。

Motion Detection機能で自動撮影してみた

動きを検知し撮影を開始してから20秒経つと自動停止します。設定メニューを探してみましたが、撮影時間の指定はありませんでした。いろいろ制限はありますが、3,980円の格安アクションカムの使い道が少しずつ見えてきました。

(2017年5月30日追記)



SACのAC600と全く同じ外箱だった


 後日、家電量販店のアクションカメラコーナーを覗いていたら、見覚えのあるパッケージを見つけました。使われている写真などが微妙に異なりますが、書かれている文字やデザインは今回つかまされた「嘘っぱち4Kカメラ」と全く同じです。商品名はSAC社のAC600となっていて、9,800円で売られていました。ハウジングや付属オプション類も非常に似ています。秋葉原で手に入れたサンキュッパのなんちゃって4Kカメラは、どうもSAC社の製品をパクったようです。

(2017年7月21日追記)


2017年5月5日金曜日

快適自転車生活 野生動物との遭遇を撮るならGoProの高解像度モードで


 自然あふれる房総の谷津道を探検しながらサイクリングするようになってから五年ほど経ちました。滅多に車も通らず、農繁期以外は人通りも多くはない谷津の農道ですから、すぐ近くには色々な野生の生き物がいます。道の真ん中を横切っているアオダイショウや、草むらから飛び出してくるイタチ、道端で食べ物探しに夢中になっているタヌキなどを突然目にして驚くことがしばしばですが、相手は音もなく近づいてくる自転車にもっとびっくりしていることでしょう。ほとんどの野生動物はあっという間に逃げてしまいますので、デジカメやビデオカメラを取り出して撮影している時間はありません。何かが現れそうな場所を通る際には、ハンドルバーに取り付けたGoProで前方を撮影しながら走るようになりました。ドライブレコーダーのように動画で撮影を続けていれば、瞬間の出来事も記録に残せます。

ハンドルバー下にGoProを常備してサイクリング


超広角のアクションカメラで野生動物の撮影は難しい


 海や山でのスポーツシーンの撮影では、迫力のある映像が撮れるのがGoProをはじめとしたアクションカメラです。雄大な景色を背景にして、激しい動きのある被写体を追いかけることができるため、まるでその場にいるような臨場感あふれる映像が撮影可能ですが、風景の片隅に突然現れた小さな野生動物を撮るのは苦手です。固定焦点レンズでズームもできません。広い視野を実現するために広角レンズを採用しているため、実際に目にしているよりも被写体はかなり小さく撮影されます。

人間の視野に比べてカメラの画角はかなり限られる

以前、谷津道を走っている時に草むらからイタチが飛び出してきました。GoProで撮影しながら、かなり近くまで寄ることができたと思っていたのですが、帰宅後に映像を確認してみるとほとんど判別できないくらいの大きさで、がっかりしました。

かなりはっきり目視できたが、GoProの映像ではこんなに小さい

元々がHD解像度(1920 x 1080)の映像を無理やり拡大すると、ボケてしまいイタチかどうか判別もできません。これ以上近づけば逃げてしまうし、ズームが可能なビデオカメラやデジカメを取り出して撮影している時間はないし、サイクリング中に突然現れる野生動物の撮影は無理かなと、半ば諦めていました。


高解像度モードを利用すればトリミングが使える


 最近のカメラは画像センサーの性能が上がり、非常に高い解像度の映像を撮ることができます。容量の大きなメモリーカードの価格も下がり、高解像度の画像を心置き無く撮れるようになりました。デジカメ写真では高い解像度を生かして、撮影後に必要な部分だけをトリミングして利用することが当たり前になってきました。GoProの動画でもこれと同じ手法を使えば、広角で撮影された動画の一部を利用することができるのではないかと考えました。フレームレートはモデルによって異なりますが、最近のGoProは4K解像度までの動画が撮影できます。

HD編集でもGoProの高解像度を活用してみる

YouTube向けのビデオ編集ではHD解像度を使用していますので、それを超える高解像度モードを利用すれば、トリミングしてもHDの解像度を保つことが可能です。縦方向のみ解像度が高い1440pモードは上下方向にしかトリミングできませんが、2.7Kモードであれば上下左右にHDの40%相当分までトリミングできます。結果として1.4倍のズームを編集時に擬似的に行うことが可能になります。縦横二倍の解像度を持つ4Kで撮影すれば、二倍のズームに相当します。

高い解像度を利用して編集時に擬似的にパンやズームが可能

持っているGoProはHERO3+ Black Editionですので、残念ながら4K解像度では15fpsまでしかサポートしていません。走行中の動画撮影では30fps以上のフレームレートがないとかなり見にくくなるため、自転車で走行中に実質的に利用できる高解像度モードは2.7Kまでとなります。


長柄町の山道をサイクリング中にタヌキに遭遇


 先日、房総中央部にある長柄町の山道を2.7KモードにセットしたGoProで撮影しながら走っていたら野生のタヌキに遭遇しました。道路の曲がり角で食べ物でも探していたのでしょう。突然自転車が現れたものですから、タヌキもしばし呆然としていて、かなり接近できました。帰宅後に確かめてみると、肉眼で見たよりはかなり小さいのですが、しっかりタヌキとわかる映像が残っていました。動画を編集するにあたり、もう少しタヌキを大きく見せるために、HD解像度が保てるギリギリまでトリミングして見ました。結果として約1.4倍に拡大された映像が右側です。

2.7K解像度の映像からHDサイズにトリミングして擬似ズーム

わずか40%程度の拡大ですが、だいぶ印象が変わります。固定カメラで狙って撮影したものではありませんので、作品にできるような映像が毎回撮れるとは限りませんが、自然あふれる谷津道でたまたま出会うことができた動物たちの思い出は残すことができます。



高解像度での撮影ではバッテリーとメモリカードに注意


 貴重な動物たちとの遭遇を記録するのに最適な高解像度撮影ですが、考慮点があります。バッテリーの持続時間とメモリーカード容量です。GoProの場合、カタログスペックでは二時間程度のバッテリー持続時間になっていますが、これはHD解像度で30fpsの録画モードの場合です。撮影時の気温などにも左右され、実質的な録画可能時間は一時間ちょっとという場合が多いのですが、高解像度モードにするとさらにバッテリーの消耗が激しくなります。2.7K、30fpsで撮影した長柄町のケースでは、ちょうど一時間でバッテリーが切れました。
作成されるファイルサイズはかなり大きくなる

 さらに、HD解像度では20Mbpsのデータレートが、2.7Kでは45Mbps以上にもなります。二倍以上のメモリー使用量となるわけです。普段は価格がこなれてきている32GBのSDメモリーカードを使用していますが、約1.6時間で満杯となる計算です。途中でバッテリー交換をしたら、今度はメモリーが足りなくなることになります。決定的な瞬間が撮れたと思ったら、バッテリーやメモリーが足りなかったなんてことにならないよう注意が必要です。

 外部バッテリーから電気を供給し、Looping Videoモードで撮影すれば、まさにドライブレコーダーのように最新の映像を撮り続けることが可能ですが、そこまでやるのも大げさです。何度も同じ谷津道を走っていると、どの季節にどんな野生動物が現れるのかがだいたいわかってきます。そんな場所に差し掛かった時にGoProの撮影をスタートすればOKです。ハンドルバー直下に取り付けたGoProは、走りながら電源や録画ボタンを操作することが可能ですので、野生の勘を働かせて動物たちが現れそうな場所だけ撮影します。これからの季節は、何度も撮り逃がしている野ウサギの姿を動画に収めることが目標です。


2017年3月7日火曜日

快適動画編集 HD編集でもGoProの高解像度モードを活用してみる


 自転車やバイクにGoProを取り付けて、ツーリングの思い出を撮りためています。最終的にHD(1080p)で編集を行なっているため、GoProの設定も今までは1080pばかり使用してきました。撮れたままの画像をカット編集中心に仕上げているぶんには、特に不満になる解像度ではありません。問題は、一度アングルを決めたら撮影中に簡単には向きを変えられないことです。

バイクにしっかりと取り付けたGoPro、走行中カメラの向きは変えられない

振動の影響を避けるためにしっかりとしたマウントを用いてGoProを取り付けています。そもそも手の届く場所ではないため、走行中にはカメラの向きを変えることは不可能です。帰宅後に映像をチェックすると、肝心なシーンが画面の片隅に写っていたなんてこともしばしば。


GoProの高解像度画像をトリミングして使用


 写真撮影では高い解像度を活かして、写っている画像の一部を切り出して利用することが普通に行われています。今まであまり利用する機会がありませんでしたが、GoProはHD画質の1080pを超える高解像度撮影モードを持っています。

GoProはHDを超え4Kまでの高解像度撮影が可能

持っているGoProはHERO3+ Black EditionHERO4 Sessionの二台です。HERO4 Sessionは1440pまでですが、HERO3+ Black Editionは4Kまで撮影できます。ただしフレームレートは15fpsまでなので、動きの激しい被写体で4K撮影は無理。三脚に固定して風景などの撮影が限界です。最新モデルのHERO5が欲しいところですが、まだまだHERO3+も使いこなせていませんのでもう少し我慢。

 HDを超える解像度で撮影された動画の一部をトリミングして使用すれば、パンやチルト、ズームなどのフレーミング処理が編集時に可能になるのではないかと考えて実験してみました。トリミングで切り出す部分は、HDサイズを下回ることがないようにして画質の劣化を抑えます。


横幅が同じ1440pの場合は上下のチルトが可能


 1440pモードの場合は横幅がHDと同じ1920ピクセルですから、画質劣化をさせたくない場合は上下方向のみに360ピクセル動かすことができます。

1440pの場合は上下方向のチルトのみ

左右のパンができないのは少し辛いところですが、それでもアップダウンの続く山道などでは利用価値の大きな編集方法ではないでしょうか。何しろ今までは完全固定のアングルしか利用できなかったのですから。バイクのスピードメーターを見せたり、隠したりが撮影後に画質を落とさずにできます。


2.7K以上なら左右のパンやズームも可能


 HDサイズを超える縦横ピクセルを持つ2.7Kや4Kであれば上下チルト以外に左右のパンやズームイン・アウトを擬似的に作り出すことができます。

2.7K以上であればパンやズームが可能

桜並木を移動しながら満開の花の方にパンしたり、桜に近づくズームも実現できました。不要なシーンをある程度フレーム外に追い出すことも可能。アイディア次第です。

 HD解像度の画面が4個分もある4Kの場合は、さらに大きな動きを与えることができます。使っているGoProが4Kでは15fpsの低フレームレートまでしかサポートしていないため、動きのあるシーンには使えませんが、夕暮れの河川敷を撮影したシーンなどではゆっくりとパンさせたり、ズームさせれば、まるでカメラ自体を動かしているように仕上がります。

広い4K空間であれば大きなフレーミングが可能

どのケースでもHD解像度が要求するピクセル数は最低限確保していますので、大きな画質の劣化も無くフレーミング動作ができています。これは十分使えます。


FCPXでの編集も簡単(空間適合をなしに)


 ほとんどの編集ソフトがそうだと思いますが、解像度の異なるクリップをタイムラインに持ってくると自動的にサイズ調整を行なってくれるはずです。今回のように高解像度を活かしてトリミングする場合には、この自動サイズ調整は邪魔ですのでオフにします。Final Cut Pro X(FCPX)の場合は、インスペクタの下の方に出てくる空間適合のタイプを初期値の「フィット」から「なし」に変更します。

FCPX編集時には空間適合を「なし」に変更してから

するとプロジェクトで定義された解像度とは関係なく、クリップの持つ解像度でタイムラインに置かれます。あとは「変形」操作で位置や大きさを調整すれば、広い画像の一部を自由に利用できます。パンやチルト、ズームなどのフレーミングはキーフレームを使ったアニメーション処理で実現します。


活用には創造力と根気が必要...


 HD編集の際に、より高解像度の動画素材を用意すれば、編集時にフレーミングできることがわかりました。さて、これをどのように活用するか..... 創造力と根気が求められそうです。各解像度でフレーミング編集を行なった実験動画を作成しましたので、よろしければ参考にしてください。




2017年3月6日月曜日

快適動画編集 GoProのProtuneモードを初めて使ってみた


 アクションカメラもしくはウェアラブルカメラと呼ばれる分野を開拓したGoPro。三年前にHERO3+ Black Editionを手に入れてから、バイクや自転車、登山などでの撮影になくてはならないものになっています。カリフォルニアのベンチャー企業が生み出した製品のためか、スポーツシーンの撮影に多用されるためなのかわかりませんが、真っ青な青空が広がるシーンでの色合いには全く不満はありません。カメラの標準設定のままで、驚くような美しい映像が撮れます。

真夏の青空の下では標準設定のままで驚くような美しい映像が撮れるGoPro


河津桜の撮影で色の再現性に不満が


 ちょうど早咲きの河津桜が見事な時期です。バイクで鋸南町へ頼朝桜を見に行ったり、自転車で新川沿いの河津桜を見に行ったりしています。満開の桜をバイクや自転車で移動しながら撮影しましたが、どうも色の再現性に満足できません。河津桜特有の濃いピンク色が出ず、まるで普通のソメイヨシノのように見えます。使用している編集ソフト(Final Cut Pro X)で色調整できますが、無理やりピンクを強くすると全体が赤みがかってしまいとっても不自然です。

編集ソフトでピンクを強くすると全体の色合いが不自然に

この時期は春霞とか花曇りと呼ばれるような天候が多く、淡い光の中の桜のピンクが美しいのですが、GoProで撮られた映像ではそれを感じることができません。快晴の真夏に撮られた映像と比べると、全体的にボヤッとした感じです。GoProは解像度1080p、フレームレート30fpsを指定、他は標準設定のまま使用しています。河津桜の濃いピンクばかりではなく、江戸川沿いに咲き乱れる菜の花の明るい黄色にも不満を感じます。


GoPro購入後三年目にして初めてProtuneを使ってみた


 GoProには後処理することを前提とした撮影モードであるProtuneがあることは以前から知っていましたが、試してみたことはありません。今回のように編集時に色調整を行うのであれば、Protuneを試してみる価値がありそうです。前回と同じような天候の日を選び、自転車で改めて河津桜を撮影に行きました。

GoProのProtuneモードをオンに

GoProのProtuneモードをオンにすると、オプション項目が増えます。ColorはGoPro ColorとFLATが選べますので、FLATを選択。SharpnessはHIGH/MEDIUM/LOWの中からLOWを選びました。White BalanceはAUTOの他に色温度を選択する方法と画像センサーからのデータ処理をできるだけ減らしたCam RAWが選べますが、今回はAUTOで撮影しました。次回はCam RAWオプションも試してみようと思います。

Protuneモード利用時の考慮点


 GoProは新機種が出るたびにより高い解像度、より高速なフレームレートをサポートしています。持っているのはGoPro HERO3+ Black EditionとHERO4 Sessionですので、最新機種ではありませんが、現在の使用環境ではほぼ十分な性能です。使用する解像度とフレームレートは1080p・30fpsが中心です。ProtuneのOn/Offでビットレートがどうなっているのか調べて見ました。

 HERO3+ B.E.HERO4 Ses.
Protune Off20Mbps25Mbps
Protune On35Mbps25Mbps

GoPro HERO3+ Black EditionではProtuneを利用すると、圧縮率が低く抑えられているのかビットレートが上がっています。これは高画質化が期待できます。興味深いのはHERO4 Sessionで、もともとのビットレートはHERO3+ Black Editionよりも高いのですが、Protuneをオンにしても変化がないことです。追加されるオプション項目もISO LimitとSharpnessだけでしたので、HERO4 Sessionでは画質調整の自由度を上げるだけなのかもしれません。

 Protuneをオンにしてビットレートが上がる場合は、作成される動画ファイルも当然大きくなりますから、SDカードの容量には注意が必要です。ビットレートと同じ1.7倍程度のSDカードスペースを消費します。さらに電力消費も増えているようで、いつもよりバッテリー持続時間が短くなっていました。


Protuneモードで撮影した動画データは後処理が必要


 Protuneモードで撮影した動画を初めて見た時には驚きました。全体的にボヤッとして、見るに耐えられない映像です。色やシャープネスの後処理が必須な状態で記録されています。

Protuneモードで撮影したままの画像


GoPro Studioが簡単


 無料で使用できるGoPro Studioがあれば、Protuneモードで撮影した画像を簡単に利用できます。通常の操作を行なっていれば、ソフト側がProtuneであるかどうかを判断して勝手にProtune用の画像処理をしてくれます。このまま編集を行い作品に仕上げることが可能です。

GoPro Studioであれば自動でProtune用のプリセットが適用される

ボケボケだった画像も、後処理のおかげてシャープになり色も自然になりました。さすが専用ソフトという仕上がりです。ただし、細かな編集はできませんので、やっぱり使い慣れたFCPXが必要です。

後処理から作品の完成までFCPXで行いたい


 高機能で思い通りの編集が可能なFCPXを持っていますので、Protune動画データの後処理から作品の完成までFCPXを使いたいものです。FCPXが標準で持っている「色補正」や「シャープネス」エフェクトを使えば、GoPro Studioと同等の処理ができることがわかりました。ただし、毎回エフェクトを複数適用するのも面倒です。Motion5でProtune専用のFCPXエフェクトテンプレートを自作しました。

Motion5で作成したProtune用FCPXエフェクトを使えば一発

春霞の下の河津桜が綺麗に見えるように各パラメータを調整し、初期値として登録しました。合わなければパラメータを変えて好みに合わせます。試しにProtuneモードで撮影した菜の花の動画に適用して見ましたが、無調整で満足できる結果になりました。これでProtune動画の後処理から作品完成までFCPXだけで作業することができます。


奥が深いGoPro活用の道


 GoProの標準設定で撮影した映像を調整してみたり、Protuneで撮影したものをいくつかの方法で後処理した映像を比較する動画を用意しました。


 見たことのないアングルから撮影したスピード感のある映像を楽しむだけであれば、利用しなかったであろうProtuneを初めて使って見ました。固定焦点レンズであることを活用して、路傍の小さな花をマクロ撮影したりもしています。ポテンシャルの高さゆえに、アクションカメラの領域を超えて活用できそうなGoPro。コントラストやシャープネスが高めの標準設定以外も色々試して、活用の幅を広げていきたいと考えています。



Cam RAWも試してみた


 White Balance設定をAUTO以外にCam RAWも試してみました。GoProのマニュアルでは次のように説明されています。

『Cam RAWモードでは、画像センサーからの低処理データが直接得られ、後処理により正確な調整が可能になります。Cam RAWモードで収録すると、画像センサーの機能を十分活用することができます。』

AUTOよりも高画質が期待できそうな内容です。実際に撮られた画像そのままの状態で比較してみました。

White Balance設定が「AUTO」と「Cam RAW」の比較

AUTOに比べてさらに眠たい画質になります。菜の花の色がますますくすんで、色補正が大変でした。デジタル一眼レフカメラで撮影できるRAW画像とは違い、ホワイトバランスのオプションとしてのRAW設定ですので、どれだけ画質の向上に貢献できているのかは分かりません。移動しながらの撮影が多いGoProの場合は、明るさが頻繁に変わりますので、設定はAUTOの方が色補正もしやすいように感じました。

(2017年3月20日追記)



FCPX 10.4の新機能を使ってProtuneの色補正に再挑戦


 Cam RAW設定のProtune映像をFCPXだけで色補正しようとすると大変な手間がかかるため、結局GoPro Studioを使っていましたが、やはり編集時にはFCPXが使いたくなります。少し前にFCPXがアップデートされ、カスタムLUTと統合カラーホイールの機能が追加されました。FCPX 10.4の新機能を活用して、GoPro Studio無しでProtune映像の色補正に改めて挑戦してみました。結果は「これならいけそう」というものです。FCPXだけで色補正から編集まで作業が可能になり、大幅に効率がアップしそうです (^ ^)/

眠たい映像のProtune素材を最新のFCPXだけで色補正してみた

(2017年12月25日追記)



2015年11月7日土曜日

GoProを使った冬季の屋外撮影では予備バッテリーの持ち運びにも注意しよう


 一日で西沢渓谷と丹波渓谷の二カ所を巡る欲張りな紅葉バイクツーリングに行ってきました。バイクとヘルメットに取り付けた三台のアクションカメラで走行中の紅葉シーンを撮りまくろうという魂胆です。
  • Panasonic HX-A1Hヘルメット横に取り付け
  • GoPro HERO4 Sessionバイクのフロントフォークに取り付け
  • GoPro HERO3+ Black Editionバイクのグラブバーに取り付け
天気は快晴でしたが、標高があるため気温は10度前後、一番寒い場所では8度とかなり厳しい状況。スキー場や雪山登山ほどの厳しい条件ではありませんが、風に吹かれっぱなしのバイクでの連続撮影となりました。期せずしてそれぞれの機器の録画可能時間を評価するテストにもなりましたので、結果をまとめておきたいと思います。

使用したアクションカメラ

撮影モードは全てFull-HDモードの1080p 30fpsに設定。Wi-Fiはオフ。どのカメラも前日に満充電して持参しました。西沢渓谷と丹波渓谷の二カ所で実際に撮影できた総時間です。比較のためカタログなどに書いてあるメーカー発表の連続撮影可能時間を合わせて記載しました。
  • Panasonic HX-A1H (内蔵バッテリー)
     カタログ値: 約75分
     実撮影時間: 約50分
  • GoPro HERO4 Session (内蔵バッテリー)
     カタログ値: 約125分
     実撮影時間: 約114分
  • GoPro HERO3+ Black Edition
     カタログ値: 約120分 (バッテリー 一個あたり)
     実撮影時間: 約72分 (三個使用)
バッテリー交換のできない内蔵式のHX-A1HやGoPro HERO4 Sessionはカタログ値には届きませんが、かなり奮闘しています。電池が筐体内部に入っているため寒さの影響を受けにくいのかもしれません。
 それに比べてバッテリーが交換できるGoPro HERO3+は惨めな結果です。三個のバッテリーを使ってもわずか72分しか録画できていません。一個は本体購入時についてきたGoPro純正品、二個はAmazonで購入した格安のノーブランド品です。それぞれ一年以上使用していますが、サイクリングの時などは一個で一時間程度は録画できているものです。それぞれのバッテリーで今回録画できた時間を見てみました。
  • 一個目(初めから本体にセットしておいたノーブランド品)
     37分54秒
  • 二個目(ノーブランド品)
       26秒
  • 三個目(GoPro純正品)
     33分43秒
二個目のノーブランド品では録画をスタートさせて、バイクを走らせたらもう止まっていたという感じです。もう寿命かと思いましたが、帰宅後に室内でチェックするとちゃんと使えます。寒さによる能力低下が起こっていたようです。

 まだ使えると思っていたのですが、そろそろ交換時期かもしれません。AmazonでSmatreeの互換バッテリーを購入しました。充電器付きバッテリー二個セットで2,980円でした。実はWasabiを注文するつもりでしたが、誤って購入してしまったものです。

左からGoPro純正品、ノーブランド品、Smatreeの互換品

新旧三種類のバッテリーが揃いましたので、低温化における能力低下の実験をしてみました。バッテリーを満充電した後、冷蔵庫で二時間ほど冷却。GoProに装着して様子を見るといういい加減なテストです。冷蔵庫内の温度は摂氏5〜8度ですので、これからのツーリング時の温度に近いと思います。バッテリーの残量はGoPro Appの表示を参考にしました。

GoPro Appでバッテリーレベルをチェック

ただ、このバッテリーレベルはかなり大雑把な数値しか表示されないことに気づきました。100%、70%、40%、10%の値が表示されますが、それってGoPro本体のインジケーター3本、2本、1本、0本に対応しているみたいです。まあ、いい加減なテストですのでそのまま進めます。Wi-Fiはオンの状態です。
  • 一年以上使用しているGoPro純正品
     装着直後 : 70
     三分録画後: 40%
  • 一年以上使用しているノーブランド品
     装着直後 : 70
     三分録画後: 40%
  • 新品のSmatree互換品
     装着直後 : 100%
     三分録画後: 70%
冷たくなったバッテリーを装着して、Wi-Fiをオンにした後GoPro Appに接続します。その時点で一年以上使用した二つのバッテリーはすでにレベルが70%になっています。わずか三分間の録画後には40%まで下がりました。それに比べて新品の方は100%と70%です。実験するまでもありませんが、寒冷地では出来るだけ新しいバッテリーを使う方が安心なようです。

 またバッテリーやカメラ本体の持ち運び方も重要です。今回はタンデムシートに固定したバッグに入れてありました。何ら保温機能はなく、ほとんど外気温と同じ状態です。GoProには低温時にバッテリーを自動で温める機能があるらしい(本当かな)ですが、交換用に単独で持ち運ぶバッテリーは大変冷たくなります。いきなりこれに交換したら、今回の冷蔵庫テストと同じ状態です。冷え切ったバッテリーは能力が低下しています。しばらく使っていれば機器の発熱でバッテリーも温まりますが、それまで持たなければパワーロストで停止です。持ち運びの際は体温で暖まる場所に入れておけば温度低下を防ぐことができます。

 これからはバッテリーには辛い季節となりますが、ちょっとした愛情?を持って接してやればそれに応えてくれるのではと期待しています。


2015年10月18日日曜日

値下げされたGoPro HERO4 Sessionを衝動買い、三台目のアクションカメラ入手です


 発売から約三ヶ月経過後にいきなり一万円以上の値下げをしたGoPro HERO4 Session。発売当初はよりハイスペックなHERO4そのものを購入するかどうか迷ってしまう微妙な値段で、なおかつPanasonic HX-A1Hを購入した直後ということもあり購入は見送っていました。しかし値下げと聞いて物欲がむくむと沸き起こり、ついにAmazonでポチってしまいました。

いつものGoPro特有のパッケージ(ちょっと細めですが)

見慣れたGoPro様式のパッケージを開けると、幾つかの見慣れない付属品も含め色々入っています。これらの活用シーンを思い浮かべると胸が膨らみます。

製品に含まれる全ての内容物

 約一年前に現在のメイン機材であるGoPro HERO3+ Black Editionを購入し、バイクやサイクリングでの撮影に四苦八苦してきました。その後、より小型のパナソニックHX-A1Hを二台目のウェアラブルカメラとして購入し、マルチカム撮影に取り組んでいます。ビットレートの低いA1Hは激しい動きのある撮影時にはGoProに比べるとMPEG特有のノイズが目立ちます。マルチカム編集で画像を切り替える際も、GoProとA1Hの組み合わせではどうしても色の違いが目立ちました。価格さえ納得できればSessionは第一選択肢となるものでした。

 本体は一辺約4センチの立方体に近い形状で、重量は74グラム。ハウジングなしの本体のみで10メートル防水です。45グラムで1.5メートル防水のA1Hより応用範囲は広そうです。

しっかりとした作りのSession、正面から見ると完全な正方形

こんなに小さい筐体ですが、ステータス表示のための液晶(EL?)ディスプレイも完備しています。白い文字でくっきりと表示されるため他のGoProの液晶表示よりも見易いくらいです。

コントラストのはっきりした文字で必要な情報を教えてくれる

マイクロSDメモリカードのスロットと充電端子も兼ねたマイクロUSB端子が防水カバーの中に隠れています。SDメモリカードの差し込みは斜めに差し込むようになっていますので注意が必要です。

防止カバーの下にSDメモリカートスロットとマイクロUSB端子

バッテリーは内蔵式で取り外しや交換はできません。約二時間の録画が可能なようですので、他のGoProやA1Hと比べても遜色はありません。充電はマイクロUSBなので、他のGoProシリーズと一緒に持ち歩く場合はケーブルを別に用意する必要があります。

他のGoProはミニUSBですがSessionはマイクロUSBです

 Sessionの最大の特長である小型軽量を活かした装着性を向上させるためのハウジングが二つ付属してきます。一つは他のGoProと同じように本体下部でマウントするもの。もう一つが本体の後部でマウントできるようにするものです。他のGoProではスポーツマンマウントなどの高額なマウントを購入すると付属してきた、後部取り付け用蓋と同等のものが標準で付いてきます。

固定部が異なる二つのハウジングが標準で付属

本体は正面から見ると正方形ですので、このハウジングにはどの方向にも挿入することができます。これがミソです。今までのGoProは横方向のマウントに直接固定することはできませんでした。アームを複数使えば可能でしたが、その分振動の影響を受けやすくなり、バイクや自転車では実用的ではありません。Sessionは横方向の固定物にガッチリ装着することが可能です。パナソニックのA1Hは円筒形であるという特徴を活かし、横方向にも比較的自由に取り付けできました。GoProでは今まで散々バイクや自転車でのマウントに苦労してきましたので、この改善はうれしい限りです。

 さらに今回初めてリリースされたボールジョイントバックルが装着性の良さを強力に後押ししてくれます。今までの一般的なバックルの他に二つの新たなバックルが付属します。ボールジョイントバックルとロープロファイルバックルです。

ボールジョイントバックル(左)とロープロファイルバックル

ボールジョイントバックルは今までのGoPro製品の常識を覆す、角度や傾きを自由にセットできるものです。日本人の感覚としてはきつすぎるんじゃないかと思えるほどしっかりと止まりますので、ヘルメットマウントの角度調整などの用途では勝手に向きが変わってしまう心配はまず無用でしょう。もう一つのロープロファイルバックルは後部固定式のハウジングと組み合わせれば、高さがほとんど本体と同じくらいになるものです。目立たせずに装着するにはいいかもしれません。
 このどちらのバックルにも基部にゴムのキャップのようなものが付いています。よく見ると今まで別体式だったストッパーの機能を果たしているようです。バックル本体に上手に組み込まれていて、こんなところにも進歩の跡が見て取れる素晴らしいGoPro製品です。

 この自在部を持ったボールジョイントバックル、Sessionだけではなく他のアクションカメラにも使えそうです。Sessionより軽量なパナソニックHX-A1Hであれば問題なく活用できるでしょう。REC-MOUNTSの変換アダプターを使用すればGoPro用のオプションが全て共有できてますます便利です。

REC-MOUNTSの変換アダプターを使えばボールジョイントバックルもA1Hで使い放題

 GoPro HERO3+との使い分けも今後考えていくことになりますが、なんといっても横方向に固定できるハウジングを活かして、バイクの前方を狙うような場所に取り付けてみたいと思います。さて、三つのアクションカメラ(ウェアラブルカメラ)でどのようなマルチカム撮影をするか、ますます企画が重要になります。

GoPro Session、 HERO3+、Panasonic HX-A1Hのそろい踏み



GoPro HERO4 Sessionをバイクのフロントフォークに取付けてテスト


 早速Sessionをバイクのフロントフェンダー取付け部(フロントフォークのフェンダー取付けネジ穴)にセットしてテスト撮影を行いました。使用したマウントはREC-MOUNTSの金属製ボルトベースマウントです。長めのM6ネジでフェンダーと共締めして固定します。Sessionのハウジング固定部を横に出るようにセット。ベースマウントとの間には何も入れる必要がなく、直接固定できます。最も振動の影響を受けにくい取付け方法です。これがやりたくてSessionを購入したようなものです。

バイクのフロントフォークに取付けたGoPro HERO4 Session

 今まで撮影してきたバイク動画の中で、最も振動の影響が少ない綺麗な映像を撮ることができました。今までのマウント方法では、停車中の空ぶかしでローリングシャッター歪みが現れていましたが、今回は気になりません。画像の揺れや歪みが少なくなると、MPEG方式では画質が向上するということが理解できました。
 振動の影響が少ない状態で改めてパナソニックのHX-A1Hと画質を比較してみましたが、やはり平均ビットレートの高いGoProは綺麗です。改めてGoProの実力に感心しました。

 今回購入したSessionを始めHERO3+やHX-A1Hをバイクに取り付けて試行錯誤したレポートをまとめてあります。参考にしてください。

(2015年10月18日追記)



自転車(ロードバイク)でもGoPro HERO4 Sessionを使ってみました


 普段GoPro HERO3+をセットしているハンドルバー下(サイコンの下側)に新しいGoPro HERO4 Sessionを取付けて走行中に動画を撮影してみました。本体を上下逆さまにセットしますが、本体の設定をいじる必要はありません。自動で上下反転に切り替わっています。HERO3+では手動で設定変更が必要でしたので、少し賢くなっています。

REC-MOUNTSの金属製マウントでハンドル下にしっかりと固定したSession

 まずHERO3+より小型で、なおかつ黒一色のため目立ちません。一番感心したのは、ボタン一つで電源オンから撮影開始まで行えることです。上の写真の据え付け状態では筐体下側にボタンがありますが、走りながら簡単にアクセスできる場所です。そのボタンを短く一回押すだけで、電源が入り撮影が始まります。もう一回押すと撮影を停止し、電源も切れます。走りながら安全にSessionの録画操作ができました。
 同じ場所にセットしたHERO3+では、筐体前方の電源ボタンを押してから下部の録画開始ボタンを押す必要があります。それぞれのボタンはハウジングの可動部を介して動作しますので、しっかり押さないと反応しません。それぞれのボタン操作が正しく認識されたかどうかを確認しないと、何も映っていなかったということになりかねません。走行中にこれら一連の動作を行うにはかなり注意力を割かなければならず、危険を伴います。そのためステム上にセットしたWi-Fiリモコンで遠隔操作を行っていました。Sessionはリモコンなしで録画操作が可能でした。

 動画の画質はまさにGoPro画質です。色合いもHERO3+に近く、二つのカメラの画像を混在しても不自然さは感じません。録音のレベルは若干低めに記録されているようです。Sessionは前方と後方に二つのマイクを持っていて、自動で使い分けているそうです。ロジックは分かりませんが、風切り音が発生してもすぐに消えるのはこの機能のお陰かもしれません。新製品が出るたびに細かな進化を遂げているGoProです。

 アクションカメラを自転車(ロードバイク)に取り付ける方法とそれぞれの場所での考慮点をレポートにまとめてみました。参考にしてください。

(2015年10月19日)



Full-HDモードではGoPro HERO4 Sessionのビットレートが一番高い


 持っている3台のアクションカメラを同時に回して紅葉の撮影を行いました。YouTube投稿がメインですので、画質設定は3台全てFull-HD (1080p WIDE 30fps)を指定しています。編集時にそれぞれのカメラで作成された動画ファイルを操作していて気づいたことがあります。

 どのカメラも録画時間が長くなると、複数のファイルに分割して記録されます。それぞれのカメラで作成されたファイルの最大サイズとその時の録画時間、計算上の転送レートを比較してみました。

  • GoPro HERO3+ Black Edition
     ファイルサイズ 3.81GB、録画時間 約25分、転送レート 約20Mbps
  • GoPro HERO4 Session
     ファイルサイズ 2.26GB、録画時間 約12分、転送レート 約25Mbps
  • Panasonic HX-A1H
     ファイルサイズ 4.03GB、録画時間 約35分、転送レート 約15Mbps
予想外だったのはSessionの転送レートです。カタログでは最大25Mbpsとなっていましたので、1080p 60fpsや1440p 30fpsなどのもっと高画質モードの時に最大転送レートが使われるのかと思っていました。しかし実際には1080p 30fpsでもこの最大転送レートを使い切っています。HERO3+が20Mbps、A1Hが15Mbpsですのでスペック的には Sessionが一番高画質を期待できるわけです。そういえば収録してきた動画データを見比べた時に、Sessionって綺麗に撮れるなと感心したことを思い出しました。
 出来上がるファイルの最大サイズにも違いがあります。SDカードのファイルシステムの制限で4GBまでかと思っていたのですが、Sessionでは2.26GBのファイルに分割されていました。実用上は問題ありませんので深追いはしていませんが、何となく不思議なカメラごとの違いです。

(2015年10月30日追記)



本体のみで防水のSessionで水中撮影をしてみました


GoPro HERO4 Sessionはハウジングなしで水深10メートルまで使用できる防水性を持っています。那珂川に遡上してくる鮭の姿を水中に沈めたSessionで撮影してみました。川の外から覗き込むと水面の反射や水の揺らぎではっきり見えませんが、水中の映像は驚くほどクリアです。さらに川の流れる音まで録れています。やっぱりアクションカメラは面白い。活躍できる場所はどんどん広がりますね。


(2015年11月17日追記)



3,980円で売っていた中華製4Kアクションカムを試してみた


 秋葉原をぶらついていたら、外箱に4K・30fpsという文字が書かれたアクションカメラを見つけました。値札には驚きの税別3,980円の文字が! 現在使用しているGoPro HERO3+ Black Editionでも4Kは15fpsまでしかサポートしていないため、それを超えるスペックです。不安を抱きつつも即購入。そそくさと帰宅してサンキュッパの中華製格安4Kアクションカムを試してみたところ、やられました.... 完全な嘘っぱち4Kカメラでした。恐るべし中華商法です。

(2017年6月23日追記)