2017年8月31日木曜日

快適動画編集 FCPXで4画面分割が簡単にできるテンプレート二種


 動画編集で複数のシーンを同時に見せるために、画面を分割表示することは良くあります。中でも4つのシーンを一度に見せる4画面分割は、バイクの運転操作を説明する動画などで活躍する編集テクニックです。編集ソフトとして高機能なFinal Cut Pro X(FCPX)を使用するようになって丸二年が経ちました。FCPXで分割画面を作るのは難しくはありません。クリップのサイズを小さくして、その位置をずらしてやれば、好きな数の分割画面が実現できます。


今までの4分割画面の作り方


 分割数が4個の場合、使用するクリップのサイズを先ず50%にします。次に、クリップの縦横サイズそれぞれの四分の一に相当するピクセルだけずらします。HDサイズ(1920 x 1080)のクリップを左上に配置したければ、半分に縮小したクリップをX方向に-480、Y方向に+270ピクセルずらせばOKです。これを残り3個のクリップでも行えば、4分割画面の完成です。

FCPX標準機能で4分割画面を作成する手順

それぞれの分割画面の間に黒い境界線を入れたい場合があります。その時にはそれぞれのクリップをずらす量を2〜4ピクセル余計にしてやれば、画面中央部に十字形の境界線が作成できます。

各クリップの間に境界線を入れる方法

このやり方で長らく4分割画面を使用した作品を作ってきましたが、使用頻度が多いとだんだん面倒に感じてきます。FCPXの後に購入したMotion5にもだいぶ慣れてきましたので、4画面分割を実現するFCPXテンプレート作りに挑戦してみました。


4分割画面をFCPジェネレータテンプレートで実現してみる


 FCPX用のテンプレートをMotion5で作成する際に、タイトル/トランジション/ジェネレータ/エフェクトの四つの種類から選ぶことができます。タイトルとトランジションは今回は関係ありませんので、使えそうなのはジェネレータとエフェクトの二種類が考えられます。ジェネレータは単独で使用して、指定された画像を生成させるものです。使用方法が簡単になりそうなジェネレータでテンプレートを作ってみました。

 使い方はいたって簡単です。タイムラインに「4画面分割」ジェネレータをドラッグします。インスペクタには4つのドロップゾーンが表示されています。上から左上・右上・左下・右下のクリップを指定すればそれで完了です。自動的にサイズ調整され、位置が移動します。

4画面分割ジェネレータの使用方法

さらに、「境界線」チェックボックスにチェックを入れると各画像の間に4ピクセルの隙間が開くようにしました。

画像の境界線表示もワンタッチ

「画像サイズ」のスライダーで4画面を同時に縮小表示することもできます。キーフレームを使ったアニメーションと併用すれば、オープニングで徐々に画面サイズが大きくなる4分割画面も実現できます。

4つの画面を同時にサイズ調整可能

画像を拡大して一部を表示させたい場合には、該当する画像をダブルクリックするとオンスクリーンコントロールのためのハンドルが現れます。外枠をドラッグして拡大・縮小したり、画像をドラッグしてパンしたりできます。主に写真の一部を拡大表示したい時に便利です。

写真の一部を拡大表示したい時に便利なオンスクリーンコントロールが利用可能

使用方法は簡単ですが、少しだけ考慮しなければならないところがあります。一つのジェネレータの中に4つのクリップがセットされていますので、個別に編集することはできません。例えば、一つだけにフィルタを適用するとか、スピードを変える、クリップ間の相対位置を変えるなどの編集には向かない方法になります。


4分割画面をFCPエフェクトテンプレートで実現してみる


 ジェネレータ以外にエフェクトとしても作成してみました。エフェクトはタイムラインに置かれたクリップに適用して使用するものです。4つのクリップをタイムラインに重ねて置いてから、それぞれのクリップにエフェクトを適用し、公開されたパラメータを調整して位置などを指定してやる必要があります。手間はジェネレータに比べるとかなりかかりますが、それぞれのクリップは独立した状態ですので、好きなように編集が可能です。

 使用する4つのクリップをタイムライン上に重ねて置くと、一番上のクリップしか見えません。そこにこのエフェクトを適用してやると、自動的に縦横が半分のサイズになり、左上に表示されます。小さくなりましたので、すぐ下のクリップの4分の3が見えるようになりました。公開されているパラメータの「画面位置」で必要な場所に動かします。

4画面分割エフェクトの使用方法

この作業を4つのクリップ全てに行えば、4分割画面の完成です。「画面位置」以外に画像を拡大・縮小できる「画像サイズ」や表示させる部分を上下左右に移動させる「パンX」・「パンY」、画像に好きな色と幅の外枠をつけることができる「基本枠線」を用意しました。強調したい画面に枠線をつけたり、画像を拡大して必要な部分をズーム表示させたりできます。

 このエフェクトを静止画(デジカメ写真)に適用していて気づきましたが、縦横比がHDサイズ動画ではないクリップを使用する場合注意が必要です。空間適合タイプが初期値の「フィット」のままだと、拡大したりパンしたりしても画面いっぱいに表示されません。タイプを「フィル」に変えてやれば画面全体に表示できるようになります。

写真を使う場合は適合空間タイプを「フィル」にする

 4画面分割用のテンプレートだからと言って、必ず4つのクリップを使わなければならないということはありません。主画面の片隅に副画面を小さく入れるピクチャー・イン・ピクチャー(P in P)の作成にも使えます。エフェクトを適用すれば一発で50%サイズに縮小され、上下左右の位置を指定できる上に、枠線までつけられますから、全てを手動で行うのに比べて時間の節約になります。もっと細かい位置調整やサイズ調整は、FCPXの「変形」で自由に行うことができます。

P in P用に50%サイズの子画面作成が一発でできる4画面分割エフェクト


FCPテンプレート作成手順の代わりにファイルを公開中


 Motion5購入からしばらくは、FCPX用のテンプレートが出来上がると、自分の勉強も兼ねて作成方法をブログ記事にまとめていました。Motion5に慣れてくるに従い、徐々に作るものも複雑になって、文章での記述も長文にならざるを得なくなってしまいました。よくよく考えてみれば、テンプレート作成方法の記事を読んでいただけるのはMotion5のユーザーでしょうから、テンプレートファイルそのものを見ていただいた方が良く分かる筈です。作成したFCPXテンプレートファイルをGoogleドライブで公開中ですので、必要に応じて内容を参照したり、気に入らない部分を改良してお使いください。Motion5を導入していなくても、ダウンロードしたテンプレートを所定のフォルダーに置けば、FCPXから機能を利用することができます。



2017年8月27日日曜日

快適自転車生活 水分補給をミスった猛暑日の下総台地サイクリング


 しばらく続いていた夏の長雨も終わり、久々に太陽が顔を出しました。千葉県内に37℃の猛暑予報が出された日に、二週間ぶりのサイクリングに出かけました。7月初旬の梅雨明け直後に熱中症厳重警戒が出されている中でも、サイクリングを楽しんできましたが、今回は最高気温37℃で熱中症危険の予報が出ています。覚悟を決めて走り始めました。気象予報士が激しい運動は避けるようにテレビで言っているにもかかわらず、ロードバイクで走り回るわけですから、何が起ころうと自己責任です。老体に鞭打って敢えて真夏に激しい運動をしていますので、熱中症には十分に気をつけて出発です。


7時間・120キロの行程を3,500mlの水分摂取で足りる?


 休憩時間も含めて120キロの行程を7時間かけて走ってきました。普段からそれほど速いペースでは走れない脚力ですので、いつもより格段に遅いわけではありませんが、後半軽い熱中症のような症状が現れ、かなり長時間の休憩を余儀なくされました。基本的に水分補給は自販機の500mlペットボトルを利用していますので、サイクリング中に何処でペットボトルを購入したか思い出しながら地図に記入してみました。

ルート上の何処でペットボトルを購入したかを時刻・気温とともに記載

この日は500ml入りのペットボトルを合計7本消費しました。うち2本はスポーツドリンク、残り5本はミネラルウォーターです。合計の水分摂取量は3,500mlになります。全行程7時間でペットボトル7本ですから、平均すると1時間あたり500mlの水分を摂取しながら走ったことになります。この摂取量は多いのか少ないのか?

 発汗量が多い場合には、1時間あたり1リットル(1,000ml)程度の水分摂取が必要との説を見たことがあります。休憩時間を1時間として、それを除いた6時間で計算しても500mlペットボトル12本分に相当する量です。一回のサイクリングで12本もペットボトルを買ったことはありませんので、ここまで水分摂取が必要な発汗はしていないと思われます。ただし、帰宅直後に喉の乾きがなくなるまで牛乳やアイスコーヒーなどを立て続けに飲んでいますが、その量が半端ではありません。2リットルくらいは毎回平気で飲んでしまいます。結局、真夏に一日走った時は合計では5〜6リットルの水分を摂取していることになります。一日にこれほどの水分を摂取できるとは驚きですね。大好きなビールや日本酒でもこんなに沢山は飲めませんσ(^_^;)


相対的に行程前半の水分摂取量が少なすぎ?


 自宅を出てからしばらくは国道14号などの幹線道路を走ることが多くなります。路側帯が広がって走りやすくなった千葉市街などでは、ついついオーバーペースになりがちです。時速40キロ以上で飛ばしていると、喉の渇きにも気づかずに走り続けてしまいます。

走りやすい車道ではついついオーバーペースに(千葉市街の国道14号)

9時頃に自宅を出ていますので、あまりの喉の渇きに気づいて最初に水分を補給したのが55分も後のことになります。ちょっと間が開きすぎていますね。その後、コンビニに立ち寄り、昼食購入のついでにガリガリ君を買って体を冷やしましたが、その後はその日の最高地点である長柄ダムまで一気に走ってしまいました。この間、2時間30分でペットボトル2本分(1,000ml)しか水分摂取していません。

長柄ダムへの最後の登り、ついつい水も飲まずに頑張ってしまう

まだ午前中ですので、当日の最高気温にはなっていませんが、それでも32〜34℃の暑さです。その上、車道でのオーバーペースや短いながらも勾配のきついダム湖への登り坂を走ってきましたので、それ相応の発汗量になっているはずです。長柄ダムの休憩所に到着した時点で、足の筋肉はパンパン。喉が異常に渇き、自販機で購入した冷たいミネラルウォーターをがぶ飲みです。この段階ですでに熱中症の入口だったかもしれません。


気温の高くなる午後は足が痙攣し吐き気・頭痛が


 長柄ダムを出発したのがちょうど12時頃ですので、その後はぐんぐんと気温が上がります。この先は長柄ダムよりも標高が低い場所ばかりですから、基本は下り基調で楽なはずですが、ちょっとした登り坂が現れると足が痙攣し始めました。いつもは何とかダンシングで登り切れる坂で足をついてしまいました(情けない)。気温が上がるお昼過ぎですが、ちょうど東金崖線付近の林の中を走りますので、炎天下に比べれば快適に走れるはずです。

東金崖線付近は見事な樹林が広がっていて涼しく走れる

ところが、足の筋肉がパンパンで、おまけに頭痛までしてきました。昭和の森の下にある小中池に到着した時には吐き気まで出てしまい、長時間の休憩を余儀なくされました。

小中池の東屋で長時間の休憩を余儀なくされた

足の筋肉が痙攣するのは汗とともに流れ出た塩分の補充が足りないためだと考えて、塩飴や梅干しでミネラル分の補給に勤めました。ただし、症状が現れてから塩分を補給してもすでに手遅れです。その後しばらくの間、足の痙攣は治りませんでした。

タネを取った干し梅は食べやすい

この日は、小中池から先、雄蛇ヶ池・東金ダム・丑ヶ池を巡って、山武市の方から帰宅する下総台地逆三角形ルートを走ろうと思っていたのですが、吐き気と頭痛までしてきたこの段階で予定変更です。この先、雄蛇ヶ池から国道126号に付かず離れず走れる快適ルートを使って無事に帰宅することを優先しました。雄蛇ヶ池に到着した時点で、この日最高の38℃を記録。水道を見つけ、頭から水浴びをしてクールダウンしました。ド派手で体に密着したサイクルウェアは今でもちょっと気恥ずかしいのですが、水を頭からかぶってもベタつかず、走行風で体の熱を発散してくれます。さすが夏のサイクリング専用ウェアです。


吐き気や頭痛の症状が出たら3〜4%の水分損失


 調べてみると発汗による水分損失が3〜4%程度になると吐き気や脱力感が現れ、さらに6%程度で頭痛や体温の上昇という脱水症状が現れるそうです。人の体は体重の60%程度が水だそうなので、体重が70キロであれば42キロ(42リットル)もの水が体内に含まれていることになります。3%の水分損失とは1.26リットルもの水分が失われた状態です。今回、軽い頭痛と吐き気を感じ始めた小中池に到着した時点で摂取していた水分はペットボトル2本分、合計1リットルでした。本来ならこの時点までで2リットル以上の水分を摂取しておくべきだったのかもしれません。ついつい水分補給なしで頑張ってしまうルート前半での水分摂取を心がける必要がありそうです。


スポーツドリンクはほどほどに


 ロードバイクに乗り始めた当初は、運動中の水分摂取といえばスポーツドリンクだと信じきっていました。冬場のサイクリングでは一日一本で済む場合もありますので、スポーツドリンクでも問題ないと思いますが、一日5〜7本も摂取する夏場は糖分過多になってしまいます。以前はサイクリングの後半、スポーツドリンクを飲めば飲むほど喉の渇きを覚えて、最後はがぶ飲み状態でした。一日の終わり頃には必ず腹痛を覚えたものです。今から思えば明らかに糖分の過剰摂取で、胃腸内の浸透圧が上がり体から水分を逆に吸い取っていたものと推測できます。砂糖ではなく低カロリーの果糖ブドウ糖液糖を使っているから問題ないという意見もありますが、体への影響について何かと話題にされている人工甘味料です。大量に摂取するサイクリング中の飲み物としては避けるようになりました。その代わりに、流れ出てしまったミネラル分の補充は塩飴などを利用しています。今回、行程前半にもう少しこまめに水分と塩分補給をしてやればよかったと反省しています。

 雄蛇ヶ池での休憩時にスポーツドリンクを一本飲みました。足の筋肉が痙攣してしまい、塩飴や干し梅よりも即効性があるだろうとの期待からです。帰路、千葉市スポーツセンターにて最後の休憩中にも飲みましたが、その際には気分が悪くなってしまいました。どうも甘みが強すぎたようです。行動中の水分摂取には水が最適だと感じます。


ペットボトルでも専用ボトルのように快適に


 自販機さえ見つければ冷えた飲料を好きなだけ入手できるペットボトルは夏場のサイクリングの強い味方です。保冷機能のついたサイクリング専用ボトル派も多いのですが、いつでも冷えた飲料が手に入る自販機の手軽さにはかないません。問題はペットボトルそのままだと、走行中に飲むのが難しいことと、保冷機能がないことです。毎回停車してキャップを外して飲まなければならないとなると、こまめな水分摂取ができません。そんな時のために、ペットボトルのキャップと交換できる栓が売られています。

ペットボトルのキャップを左のものに交換すれば、走りながら口で開けられる

自販機でペットボトルを購入したら、まず一口味わってからネオプレーンゴム製の保冷カバーをしています。こんなカバー一枚でも、あるのとないのとでは大違いです。裸でボトルケージに装着したまま走っていると、ほんの数十分で温かい飲み物になってしまいます。

ネオプレーンゴム製のペットボトル保冷カバー

専用ボトルと同等とまではいかないかもしれませんが、こんなものがあるとペットボトルの利用がより快適になります。


季節を感じながらぼちぼち走るのが一番


 敢えて猛暑日に少しきつめに走ってみましたが、体力の衰えたオヤジサイクリストに無理は禁物です。頭痛がしたり気分が悪くなるような走り方は厳に慎まなければなりません。今季の猛暑日があとどれくらいあるかわかりませんが、できるだけ季節を感じながらのんびりとサイクリングを楽しむようにしたいと思います。春先にカタクリが群生している支川村田川沿いの風呂ノ前里山では、今はキツネノカミソリがたくさん咲いています。

そろそろ終わりかけているキツネノカミソリ

まだ八月だというのに、千葉県では稲刈りが始まっていました。ところどころで大きなコンバインが作業していますので、走行時にも注意が必要です。あくまでも農道は農作業優先ということで。

千葉の早場米は稲刈りが始まっている

普通のススキはまだ穂が出揃っていませんが、大型のパンパスグラスは見事な花穂をつけていて目立ちます。

とても目立つパンパスグラスの花穂

国道126号北側の林間道路を走っていると、見事なハナトラノオの群生がありました。これからしばらくの間はサイクリストの目を楽しませてくれると思います。

たくさんの小さな花をつけるハナトラノオ

 自分の経験と体力に相応しい快適な自転車生活を長く楽しむためにも、無理のない安全なサイクリングを心がけたいと思っているオヤジサイクリストでした。



2017年8月20日日曜日

快適動画編集 バイク動画で役立ちそうなギアポジション表示ジェネレータ


 少しはMotion5にも慣れてきたのですが、最近は何に役立つのかわからないようなテンプレートばかり作成しています。先日作った雨雲レーダー・ジェネレータも、一度使用しただけで、その後は全く出番がありません。もう少し実践的で、役立つテンプレートを作りたいと思ってはいるのですが、またまた超マニアックなものを作ってしまいました。撮りためたバイクの映像を眺めていたら、運転中のシフトペダル操作を撮影した動画が見つかりました。「ここでは何速ギアで走ってたっけ」などと考えながら見ているうちに、動画にギア(シフト)ポジションが表示できるジェネレータ・テンプレートが欲しくなりました。乗っているバイクが旧型のCB1300なので、ギアポジション表示はありません。せめて動画の中くらい、ギアポジションの表示がしたいという思いもあり、早速Motion5でFinal Cut Pro X(FCPX)用のテンプレート作りに取りかかりました。


実際のバイクのインジケータと同じような表示方法


 最近のバイクにはほとんどの場合、液晶でシフトポジション(ギア数)が表示されます。慣れてしまえば不要な機能だとの意見もありますが、今でも高速道路などでは存在しないはずの6速ギアにシフトアップしようとして、無駄にクラッチを切ってしまうことがあります。付いているに越したことはない機能だと思います。実際によく見かける数字での表記とランプの位置でギア数を表す表記方法を選べるようにしました。

二種類のギアポジションインジケータを選べるようにした

本物のバイクでは7セグメントや14セグメントと呼ばれる表示部品が使われているため、独特な文字の形になります。パソコンにこのフォントがなかったので、ネットで探してみたところ、「DSEG」という名称の7セグ・14セグフォントをフリーで公開しているサイトを見つけました。イメージにもぴったりで、ありがたく利用させていただきました。

フリーのフォントをMacにインストール


リグ機能で不透明度をコントロールすれば簡単そう


 表示されている文字を変えたり、背景の色を変えたりするには、重ねた対象物の透明度(不透明度)を必要に応じて変えてやれば良さそうです。一回の操作で複数の対象物やパラメータをまとめて変更するにはMotion5のリグ機能が活用できます。基本的な動作は今まで経験してきた機能で十分実現できそうです。

1. 「位置表記方式」から作成開始


 先ず、入っているギアのバックが点灯する方式から作り始めました。後ほど表示方式を切り替えられるようにするため、最初に最上位のグループを作成して、名前を「位置表示方式」にしておきます。その配下に各ギアを表すグループを配置していきます。「1」グループを作成したら、点灯状態を表すオレンジ色の円を描き、その上にギア数を表す数字を置きます。



次に色を変える仕組みをセットしますが、いくつかの方法が考えられます。ここではオレンジ色の円に「カラー化」フィルタを適用してやります。「白のリマップ」で灰色にして消灯状態を表します。この状態で「ミックス」のスライダーを100%から0%に変化させると、灰色からオレンジ色に変化するのが分かります。この「ミックス」をリグで制御できるようにします。右端にある下向きマークをクリックし、リグに追加>新規リグを作成>新規ポップアップに追加を選ぶと新しいポップアップがリグ配下に出来上がりますので、「ギアポジション」にリネームしておきます。


これで1速のグループが出来上がりました。それ以外はこの1速をコピーしてから文字を変え、「ミックス」をリグに反映させる際に新規ではなく、先ほど作成した「ギアポジション」に追加するようにします。N/2/3/4/5/6のグループをコピーしてから編集して完成させます。今乗っているバイクに6速はありませんが、将来のために6まで用意して、後続の作業で5速・6速を切り替えられるようにします。

2. ニュートラル(N)表示は緑色背景に


 本物のバイクではほとんどがそうなっていますが、ニュートラル(N)だけ緑色にします。ここだけは円を描いたら、色を緑色にしておきます。あとは他のギアと全く同じ手順でOKです。



3. 「ギアポジション」リグの調整


 リグの「ギアポジション」を選択すると、ポップアップリストと操作対象パラメータが確認できます。先ず、リスト項目の名称変更と追加を行って選択肢が1/N/2/3/4/5/6の7つになるようにします。次に、それぞれのギアが選ばれた時に、そのギアの背景となる円の元の色が出るように該当する「ミックス」のスライダーのみを0%にします。他は100%のままです。


全部のギアについてスライダーの調整ができたら、ポップアップのギアを変えてみてください。対応するギアの背景が灰色からオレンジ色または緑色に変わると思います。

4. ギアの5速・6速切り替え


 ギア段数の切り替えの必要がなければここの作業は不要ですが、バイクを乗り換えるかもしれませんので、オプションを用意しておきます。グループ「6」を選び、その「情報」タブの中にある「不透明度」を新規リグの作成でポップアップとして登録します。名前は「ギア段数」にしました。


続いて、5速表示にした時に上部の空間が広くなりすぎるので、全体を上にずらすようにしました。最上位のグループ「位置表記方式」を選び、「情報」タブにある「位置」を先ほど作成した「ギア段数」リグに追加します。


出来上がった「ギア段数」リグを選択し、リスト項目を「5速」と「6速」の二つにします。5速を選んだ時に、6速グループの「不透明度」を0%にして見えなくします。さらに、「位置表記方式」グループの「位置」のYパラメータを大きくして、上部にシフトさせます。


これで5速と6速を切り替えて表示できるようになりました。バイクを最新モデルに乗り換えても安心です(^ ^)

5. 引き続き「数字表記方式」を作成


 ここまでで「位置表記方式」が出来上がりました。続いて「数字表記方式」の作成に入ります。こちらは単に数字の表示が変わるだけですから、今までよりさらに簡単です。ニュートラルの時だけ背景の色を変えるのも同じです。「位置表記方式」と同じレベルに「数字表記方式」のグループを作成します。そのグループ内に、最初にオレンジ色の矩形を描きます。作成時は白い矩形を描いてから「カラー化」フィルタでオレンジに変えていましたが、色を変化させる必要がないので矩形レイヤーだけで大丈夫です。背景となるオレンジ色の矩形レイヤーの上に、1/2/3/4/5/6の文字レイヤーを置いてきます。Nだけは別の方法で準備しますので、ここでは数字のみでOKです。さらに文字の上に縁取りを描画して見易くしました。


6. Nは緑色背景込みのグループとして作成


 先ほど作らなかったニュートラル(N)については、文字のレイヤーではなく、緑色矩形を含むグループとして作成します。オレンジ色矩形をコピーし、色を緑色にすればOKです。その上にNの文字を配置します。


7. 各ギアの「不透明度」を「ギアポジション」リグに追加


 各ギアの「不透明度」を制御して、必要なギア数のみ表示されるようにします。既に「位置表記方式」で作成済みの「ギアポジション」リグに、新たに各ギアの「不透明度」パラメータを追加してやります。


「ギアポジション」リグを開いて、新たに追加になったパラメータの動きをセットします。選ばれたギアの「不透明度」だけが100%となり、他は0%になるようにします。


「ギアポジション」のポップアップだけで、二つの表記方式で使用している14個のパラメータを一度にコントロールできてしまいます。リグならではの活用方法ですね。ここまでで「数字表記方式」についても完成しました。

8. 二つの表記方式を切り替えられるようにする


 最後に二つの表記方式を切り替えて表示できるようにします。「位置表記方式」と「数字表記方式」の二つのグループに分けてありますので、それぞれの不透明度を切り替えれば簡単に実現できます。それぞれの「不透明度」からリグのポップアップ「表記方式」を作成。選択リストとして「位置表記」と「数字表記」を設定し、それぞれの「不透明度」を制御して片側だけが見えるようにします。


9. 作成したリグを公開してFCPXで使えるようにする


 基本動作はここまでで完成ですが、最後に重要な作業が残っています。作成したリグの「表記方式」、「ギア段数」、「ギアポジション」がFCPX側からコントロールできるように公開の指定が必要です。各リグの右端に出てくる小さな下向き矢印をクリックすると、オプションが現れますので、そこから「公開」を選びます。


その後、レイヤーリストで「プロジェクト」を選択すると公開されているパラメータ(リグ)が確認できます。さらにこのパラメータを操作すれば、テンプレートの動作確認ができます。思い通りの動きになっているかどうか、ここで最終確認をします。さらに、ここで指定された各パラメータの値が、FCPX側で利用する際の初期値になりますので、よく利用する値をセットしておきます。最後に適当な名前をつけて保存してやれば全ての作成作業は完了です。お疲れ様でした。出来上がったFCPXテンプレートはGoogleドライブで公開しています。改良していいものができましたら是非教えてください。


FCPXからの利用方法はこんな感じ


 ジェネレータ・テンプレートですので、FCPXからの利用方法はいたって簡単です。必要な場所にドラッグし、必要な長さに調整するだけです。その後、公開されているパラメータを操作してやればOKです。


とは言っても、バイクのギアポジションを教えてくれるデータはどこにもありません。全てマニュアルで指定する必要があります。つまり、動画に写っているバイクのギアが変わる度に、このテンプレートの「ギアポジション」を手動で変更してやる必要があるのです。これがすごい面倒! VIRB Editのゲージオーバーレイなどのように、外部データから自動的にギア表示を変更なんて技は使えません。せめて、動画につけたマーカーを検知してシフトアップ・ダウンを自動判断し、ギア表示を変えるなんて芸当ができればカッコいいのですが、できるのかどうか全くわかりません。まだまだ、Motion5やFCPXについては研鑽が必要なようです。


ギアポジション表示テンプレートを使用した習作動画


 テンプレート作成のきっかけになったバイク動画にギア表示をしてみた習作はこちらです。走行中のギアポジションが画面に表示されているだけですが、自分がどんなシフト操作をしているのか反省教材にはなりそうです。さて、せっかく時間をかけて作成したテンプレートです。活用してどんな作品に仕上げるか、そこが一番の問題ですね。




2017年8月18日金曜日

マンガン乾電池が売ってない! 今までの常識は変わった?


 子供部屋の壁掛け時計は止まってしまい、リビングの時計も時刻が大幅にずれていました。どちらも電波で自動的に時刻合わせしてくれる電波時計ですので、電池切れの症状でしょう。交換しようと、まとめ買いしてあった乾電池を探すと、ちょうど単三電池の在庫がなくなっていました。他の買い物のついでに立ち寄ったホームセンターで、単三マンガン乾電池を探すところから物語は始まります。


マンガン電池が販売されていない!


 昔からリモコンや時計の電池といえばマンガン乾電池を使うものだと信じてきました。マンガンに比べると高価なアルカリ乾電池は、モーターなど大電流が必要な機器用で、リモコンや時計などの小電流を長時間流す機器にはマンガン乾電池が適していると教え込まれてきました。ホームセンターで乾電池をまとめ買いする際には、毎回アルカリとマンガンの両方を買い求めていたように記憶しています。ところが、近くのホームセンターに出かけてみるとマンガン乾電池が見当たりません。レジ近くに電池専用の大きな陳列棚があるのですが、並んでいるのは全てアルカリ乾電池です。有名メーカー製の高価なものから、ホームセンター独自ブランドの安価なものまで全てがアルカリ乾電池でした。

近所にはアルカリ乾電池しか売っていない!

時計やリモコンにアルカリ乾電池を使うのはもったいないという固定観念に囚われている、昭和のオヤジはマンガン乾電池を探して放浪の旅に出ることになりました(大げさ)。一番身近な近所のコンビニを何軒か回ってみましたが、やっぱりアルカリ乾電池しか置いてありません。最後の手段に、名の知れた家電量販店まで足を伸ばしました。大きな電池専用の棚に数え切れないくらいの種類の電池が並べられています。探し求めていた、黒いシマシマ模様の有名メーカー製マンガン乾電池の外装が目に入りましたが、置いてあったのは単一と単二サイズだけでした。探し求めてきた単三サイズのマンガン乾電池は家電量販店にもありません。単三サイズで置いてあるのは、ここでもアルカリ乾電池と充電池だけです。かなりのショックを受けました。帰宅してAmazonを調べてみると、販売されていましたが、結構なお値段です。量販店でアルカリ乾電池をまとめ買いするのと単価は変わりません。う〜ん、困った。


時計やリモコンにはマンガン乾電池というのはもう古い?


 止まっていた子供部屋の時計から電池を取り出してみたら、知らないメーカのアルカリ乾電池が出てきました。時計を買った時に付属してきた電池かも知れません。止まってからだいぶ時間が経ってしまったのでしょう、電池から液漏れしていました。

止まった時計に入れっ放しになっていたアルカリ乾電池(お漏らししている)

アルカリ乾電池の電解液は強アルカリ性で、過放電(電池が完全になくなった状態)のまま放置すると、内部で水素ガスが発生して圧力が上がり、電解液が漏れ出すことがあります。この強アルカリ性電解液が電子機器の電極や回路に付着すると、腐食し故障の原因となります。マンガン乾電池の電解液は弱酸性で、液漏れした際の悪影響はアルカリ乾電池よりも小さく、さらに電解液の改良でより液漏れしにくくなっていると聞かされています。そのため、小電流しか流れず、長期間機器の中に入れっ放しにする時計やリモコンの電源としてはマンガン乾電池の方が優れているというのが昭和生まれのオヤジの常識となっていました。

 しかし、これだけ身近なお店を探しても、マンガン乾電池が売られていないということは、その常識が通用しなくなっているのではないかと不安になってきました。リモコンや時計の電池交換は数年に一度で十分ですから、携帯ゲーム機やミニ四駆(古い?)などによく使われるアルカリ乾電池に比べればはるかに交換頻度が少なく、販売数量も大幅に少ないのかも知れません。あまり売れない商品が店頭から駆逐されるのはわかりますが、そうだとするとリモコンや時計にもアルカリ乾電池が普通に使われているということになります。乾電池メーカー大手のパナソニックのサイトで目的別の推奨電池を調べてみると、なんとリモコンや時計用にマンガン乾電池と並んで、アルカリ乾電池も推奨されていました。う〜ん、今までの常識は通用しなくなっているようです。


電池の使い分けにも見直しが必要


 乾電池で最もよく利用するサイズは単三と単四です。家の中で単一乾電池を必要としているのはガスコンロくらいしか思いつきません。単二乾電池を使用する機器は皆無です。昔は懐中電灯でよく利用していましたが、今はLEDライトとなり、電池も小型の単三か高性能なLi-Ion充電池になっています。家の中で単二サイズの電池は見ることがなくなりました。

 単三・単四乾電池として一番利用しているのがニッケル水素充電池のエネループです。今は亡き三洋電機が開発し、パナソニックが後を引き継いだベストセラー充電池を活用しています。単価がアルカリ乾電池などに比べて数倍もしますが、1,000回以上繰り返し使えますので、すぐに元を取れます。

繰り返し利用が可能なエネループは大変お得

使用するたびに新品電池を使う登山用ハンディGPSや毎月何度も電池交換する携帯ラジオ、携帯シェーバー、自転車用ライト、ワイヤレスマウスなどなどで大活躍しています。エネループのおかげで使い捨て乾電池の購入量が大幅に減ったと思います。

アップルのマジックマウスにもエネループが活躍

 電池を入れて非常時のために持参するような登山用のヘッドランプなどには、長期間の保管が可能なアルカリ乾電池を入れてあります。いざ使おうと思った時に放電していて使えないということがないように、ちゃんとしたメーカーの新しいものを備えておきます。

 今までは、これらの電池以外に、時計やリモコンなどのためにマンガン乾電池を常備していました。しかし、これだけ入手性が悪いと手軽に利用できません。マンガン乾電池に比べて液漏れしやすいとされるアルカリ乾電池ですが、液漏れ補償のついた製品も現れ、価格もこなれてきました。今までの常識は捨て去り、時計やリモコンなどにもアルカリ乾電池を使用していくことになりそうです。

時計などにもアルカリ乾電池を使うのが普通になった(?)

でも、万が一液漏れした時のダメージはマンガン乾電池よりも大きいはずなので、時計などの機器が止まってしまったら、すぐに電池を交換するよう心がけたいと思います。



時計メーカの指定電池がアルカリ乾電池になってる


 改めて家のシチズン製電波時計についてきた取扱説明書を読んでみたら、指定電池がアルカリ乾電池になっていました。もう一台のセイコー製の方はマンガン乾電池になっています。ラジオと同じような受信部を持つ電波時計ですので、以前の単純なクォーツ時計よりも消費電力が増えているためか、アルカリ乾電池が標準指定されていました。知らなかった.... 価格もこなれてきたアルカリ乾電池ですので、液漏れの心配さえなければマンガン乾電池の代わりにしてもいいのかもしれませんね。

(2017年8月19日追記)


2017年8月14日月曜日

快適動画編集 雨雲レーダーのような映像を生成できるジェネレータの作成


 趣味のオートバイや自転車を楽しむのに天候は大変重要な要素です。生身の体を晒して走り回りますから、雨の日はできるだけ避けたいものです。そのため、出かける前には天気予報を入念にチェックします。その中でも雨雲レーダーの情報は大変重宝しています。数時間先までの雨雲の発生を知ることができますので、最近多くなったゲリラ豪雨の発生も、ある程度は事前に知ることが可能になりました。

よく利用するYahooの雨雲レーダー(Yahoo Japanサイトより引用)


動画編集に使える「雨雲レーダー」が欲しい


 天候の情報収集にはYahooやウェザーニューズなどのサイトを利用させてもらえば十分なのですが、帰宅後にツーリングの様子をブログや動画にまとめる際に、この雨雲レーダーの画像を利用したい時があります。これらのネット上の情報は、大抵の場合改変して二次利用することは禁止されていますし、時間を遡って雨雲を表示させられるのも2時間程度までです。シナリオに沿って自在に配置できる雨雲レーダー画像が作成できれば便利です。早速、Motion5を使ってFinal Cut Pro X(FCPX)で利用できるテンプレートを作成してみることにしました。

1. 画素となる白い正方形を適当に描く


 何もないところからじわじわと湧き上がる雲の様子を再現するには、Motion5の持つパーティクルエミッタの機能を使えば良さそうです。10秒の長さを持つFinal Cutジェネレータテンプレートを指定して作成開始。まず、パーティクルセルとなる白い正方形を任意の大きさで描きます。


色や大きさは後ほど自由に変えられますので、ここでは適当な大きさの正方形でかまいません。

2. パーティクルを作成し、パラメータを調整


 レイヤーリストで白い正方形を選択した状態で、ツールバーにある「パーティクルを作成」を押します。すると「エミッタ」レイヤーが同じグループに作成されますので、インスペクタを表示させます。このパラメータを調整して、見慣れた雨雲レーダーのような外見・動きにしていきます。


まず、下の方にある「カラー」で色の調整です。一番最初は少ない降水量を表す水色の雲を作成します。正方形が大き過ぎるはずですので、「調整」でサイズを小さくします。この状態では小さな四角がバラバラに表示されていますので、中心部に集めて塗りつぶすようにします。セルコントロールの中にある「発生量」を大きくします。さらに「速度」を小さくしていくと、各セルが中心部に集まってきて塗りつぶしたようになります。タイムラインのカーソルを動かしてやるとアニメートされますので、確認しながら自分のイメージに合った外見と動きにします。
 グループかエミッタどちらかの情報タブの中にある不透明度を調整して、背景を少し透過させるとより本物の雨雲レーダーらしさが出ると思います。出来上がったらグループ名を「青色」などのわかりやすいものに変えておきます。

3. 他の色の雨雲もコピーして調整


 本物の雨雲レーダーはかなりの色を使って表示されますが、ジェネレータテンプレートではそこまでは不要だと思います。あまり色(レイヤー)を多くするとパフォーマンスが低下しますので、ここでは四色にしました。先ほどの「青色」グループをコピーして「緑色」、「黄色」、「赤色」の四つのグループを作成します。前ステップと同じように、各色グループ内にある「エミッタ」のパラメータを調整して、重なって表示された時にレーダー画像らしく見えるようにします。


「速度」で大きさを少し小さめにして、中心位置をずらしてやるとそれらしく見えるようです。さらにタイムライン上で開始位置を少し遅らせてやると、徐々に成長してくような雨雲になります。

4. 雲の形に変化をつけるオプションを用意


 今回使用しているパーティクルエミッタは点を発生源としているため、どの色の雲も同じような形になってしまいます。発生源をランダムに変形してやると面白いのですが、難しそうだったので次の機会にしましたσ(^_^;) その代わりに、多少の変形ができるようなオプションを作ります。一つの雨雲の横に小さな雨雲を発生させて、くっつけてしまいます。実際の雨雲レーダー画像でもよく現れる動きです。「水色」と「緑色」グループをコピーして、それぞれ「水色2」、「緑色2」としました。


今までと同じように「速度」でサイズを小さくして、位置をずらします。さらにタイムライン上の位置を遅らせ、本体の雲よりも少し遅れて発生するようにします。

 続いて、変形させるかどうかを指定するチェックボックスを、リグ機能を使って実現します。「水色2」グループのインスペクタを開き、情報の中にある「不透明度」から「リグの作成」を選んで、チェックボックスを作成します。同様に「緑色2」からも「不透明度」をリグに渡しますが、ここでは先に作成されたリグのチェックボックスに「追加」してやります。


リグのチェックボックスの名前を「変形」にリネームし、チェックボックスにチェックした時には「青色2」、「緑色2」両方の「不透明度」が100%になるようにします。チェックを外した時には両方が0%になるようにします。これで一つのチェックボックスで、二つのパラメータを同時に変更できるようになります。リグ機能は本当に便利ですね。最後に、出来上がった「変形」チェックボックスを公開するのを忘れずに行なってください。

5. 雨雲を動かす


本物の雨雲レーダーでも、雨雲が風に乗って動く様子が見られます。今回のジェネレータでも、雲が一定の方向に動くようにしたいと思います。まず、全ての色の雲を一つのグループ配下にまとめます。最上位の新規グループを作成し、その中に各色雨雲グループをドラッグします。


この最上位グループに「モーションパス」ビヘイビアを適用して動きをつけます。二つの「モーションパス」を組み合わせて八方向を選べるようにします。一つ目の「モーションパス」で南北になるようパスを設定し、二つ目で東西にします。そして、それぞれのモーションの有効無効を指定するチェックボックスと「方向」を指定するリストを公開します。


二つの「モーションパス」のオン・オフと「方向」の正方向・逆方向の組み合わせで、八方向を選ぶことが可能になりましたが、一番よく使う方向をデフォルトにしておきましょう。

 さて、ここで再生ボタンを押してみると困ったことが起こりました。エミッタの位置を動かすと、生成されたパーティクルが彗星のように尾を引いて表示されています。これはちょっと本物の雨雲レーダーには見られない形です。


マニュアルを読み漁ると、見つけました。「エミッタ」のパラメータの中に「エミッタに吸着」というものがあります。初期値はゼロになっていて、エミッタが移動しても生成されるパーティクルはついてこない設定になっています。この値を100%にすると、完全にエミッタと一緒に移動するようになります。100%より気持ち小さな値にしておくと、風で流されている雨雲のイメージに近づきました。

6. フェードアウトのオプションも用意


 パーティクルエミッタはじわじわと発生する雨雲を表現できますので、フェードインのような効果は不要です。しかし雨雲が徐々に消えていく動きがありませんでしたので、フェードアウトのオプションをつけておきました。「モーションパス」を適用したのと同じ最上位グループに、「フェードイン/フェードアウト」ビヘイビアを適用します。


フェードイン側は不要ですので、スライダーをゼロにしておきます。フェードアウトのスライダーは公開して、利用時に変えられるようにしておきます。これで完成です。適当な名前(ここでは「雨雲レーダー」にしました)とグループ名を指定して保存します。


FCPXからの利用は超簡単


 FCPXから利用するには、ジェネレータの中から「雨雲レーダー」を選んで、必要な場所にドラッグするだけです。対象のクリップに合わせて必要な長さにしたら、公開されたパラメータで動きをつけたり変形させたりします。


FCPX側の「変形」インスペクタを使えば縦横に歪めることもできますし、回転させることも可能ですので、雨雲の形のバリエーションを増やせます。キーフレームで複雑な動きをつけることも可能ですので、本物の雨雲レーダーでは表現できないコミカルな動きの雨雲を作ることも可能になります。


久しぶりの雨のサイクリングを表現した動画


 いきなり現れる雨雲に捕まり、久しぶりに雨の中での走行となった先日のサイクリングの様子を動画にして見ました。今回作成した雨雲レーダーのジェネレータテンプレートを利用した作品ですので、ご参考まで。



作成したFCPXテンプレートを公開中


 もっと色の数を多くしてリアルにしたいとか、乱数を用いて雲の形に変化をつけたいなどのカスタマイズを行っていただけるよう、作成したFCPXテンプレートをGoogleドライブで公開中です。いいものができましたら、ぜひ教えてください。Motion5をお持ちでないFCPXユーザーも、ファイルをダウンロードすれば機能が利用できます。