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2017年2月13日月曜日

房総酒蔵バイクツーリング 「かくし」ありますの看板に誘われて吉野酒造へ


 車道を走っていて看板が目につく酒蔵は千葉県内にはそれほど多くはありません。勝浦にある吉野酒造はその少ない酒蔵の中の一つです。県道82号を走っていると瓦屋根の大きな酒蔵、赤い煉瓦積みの煙突、そして入り口にある「腰古井」の大きな看板ですぐにわかります。一年ほど前に吉野酒造で新酒を手に入れてからは、季節限定酒を手に入れるために何度も訪れている酒蔵です。勝浦や御宿の海沿いの観光地にも近く、養老の滝などを観光しながら山道の走りを楽しめる場所のため、バイクで度々走り回っている地域です。

県道82号を走っていると目に飛び込む「腰古井」の大きな看板

「かくし」ありますの看板が出てる


 蔵から道路を隔てた駐車場側に「かくしあります」と書かれた看板が出ていました。「かくし」って何?との疑問が沸き起こり、すかさず看板の前にバイクを停めました。

「かくし」の文字で顔を描いてる可愛い看板に誘われた

「隠し味」を出すための発酵調味料の一種かな、なんて勝手な想像をしながら蔵の中にある事務所兼売店を目指します。

わかりやすい場所で入りやすい勝浦の吉野酒造

秋のひやおろしの季節に通りかかった時にも、「ひやおろしだよ」と書かれた可愛い看板につられて立ち寄りました。この看板戦略、なかなか酒好きには効果を発揮しているのではないかと感心しています。

ひやおろしの季節に出ている看板、これを見たら絶対立ち寄ってしまう


ずらりと並ぶ季節限定酒に生唾が


 売店内には通年商品と季節限定商品が分けて並べられています。一番目立つ場所にずらりと並べられた季節限定商品の数々。大吟醸で仕込んだ梅酒や、純米大吟醸の初しぼりなど個性的な限定酒がずらり。生唾が出ます。

店の中央に季節限定酒がずらりと並ぶ

蔵のご主人と思しき方に「かくし」ありますの看板を見て来たと告げると、申し訳なさそうに『ちょうど今売り切れちゃった』とのご返事。そもそも「かくし」って何と尋ねると、「蔵人の隠し酒」のことだよと教えてくれました。蔵人が自分でこっそりと楽しめるように、広く流通させない少量のとっておきの酒、という感じでしょうか。例年4月頃まではあるそうですが、今年はもう売り切れてしまったとのこと。少ない流通量が希少価値を高めて人気が出て来たのかもしれません。誠に残念です。『来年よろしく!』と励まされてしまいました。

 仕方がないので他のお勧め商品をお聞きして、初しぼり純米大吟醸無濾過生原酒と「どろりん子」という活性酒を購入しました。大吟醸の初しぼりを買ったのは初めてです。『普通なら一万円以上する酒だが、今はサンキュー価格で3,900円だよ』というバナナの叩き売り口上のような説明を聞き、何となく得した気分に。

売り切れた「かくし」の代わりに購入した酒

さらに、発泡が強いため瓶の半分くらいしか入れていないという「どろりん子」というどぶろく風の活性酒も。帰宅後に「どろりん子」からやって見ましたが、栓を開けた途端にシュワーっと泡が吹き上がり、コップに注いだ後もプチプチと泡が弾けています。甘みのある米の味がして、やっぱり活性酒は旨いですな〜

「どろりん子」からやってます

発泡がきついからと四合瓶の半分くらいまでしか入っていません。500mlで千円ちょっとですから結構な高級酒です。味わって楽しまないと....



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房総酒蔵マップ
千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。







2017年2月2日木曜日

個性的な日本酒に出会える房総の酒蔵巡り


 千葉県に居を構えてからだいぶ経ちます。近所の酒屋でたまたま見つけた千葉の地酒を飲んでみたら、これが結構旨い。全国的に有名な地酒と比べても負けていません。住んでいる地元の日本酒に俄然興味が湧き、探して買い求めるようになりました。


千葉県酒造組合のホームページで情報収集


 千葉県内において清酒、焼酎乙類及びみりんを製造する酒類製造業者の団体として千葉県酒造組合が設立され、千葉市中央区に事務所を置いています。組合のホームページを見ると、平成28年4月時点で40社が組合員として加盟しています。そのうちの4社は千葉県内に工場を持っている全国規模の大手酒造メーカーです。宝酒造、合同酒精、ニッカウヰスキー、流山キッコーマンの4社で、千葉の地酒と呼べる日本酒の蔵元は残りの36社ということになります。うち一社は二つの蔵元が合併したもので、酒蔵としては別々の場所にあります。つまり千葉県酒造組合に加盟している地酒の酒蔵は37軒あることになります。

千葉県の地酒の蔵元36社、37軒

 いい歳をして大型バイクにリターンしてからというもの、房総ツーリングのついでに酒蔵に立ち寄っては近所の酒屋では手に入らない千葉の地酒を買って帰るようになりました。どうしても見つからない二つの酒蔵を除く35軒は全てバイクで訪問済みです。


季節毎に違う味が楽しめる房総の地酒


 バイクで房総の蔵元を巡り始めて足掛け三年、蔵元を度々訪れるようになると、季節毎に違った酒が作られていることがわかりました。一年を通して入手可能な商品もあれば、年末から初春に出荷されるしぼりたて新酒や暑い夏にも楽しめる夏吟醸、食欲の秋にぴったりのひやおろしなど、その季節でなければ手に入らない酒もあります。知れば知るほど日本酒の奥深さに魅了されていきました。

酒米の収穫から始まる日本酒の四季

1. 年末から春はしぼりたて新酒の季節


 秋に収穫した酒米を使って、気温が低くなってから仕込みを開始します。その年の10月ごろに仕込みを始め、11月には新酒を出荷する早い蔵もありますが、ほとんどの蔵元ではお正月需要に間に合うように12月末の出荷を目指して仕込みを行なっています。中には気温が一番低くなる1〜2月を待って仕込みを始める蔵もあり、その場合は新酒が楽しめるのは3月以降です。とにかく年末から春までは各蔵から出荷されるしぼりたて新酒を次から次に飲みまくりです。

しぼり方にも気を遣っている各蔵のしぼりたて新酒

できたての味を届けようと、火入れや濾過・加水などの処理を省いて瓶詰めされた酒はまさに「しぼりたて」新酒です。酒槽しぼりや袋(吊るし)しぼりなどと呼ばれる手間と時間のかかる搾りかたをしたものもあり、それぞれの味の違いを楽しめるのもこの時期ならでは。槽口(ふなぐち)と呼ばれるしぼり器の口から流れ出た酒を、そのまま瓶詰めした直詰め生酒などは、醪(もろみ)に残っている微炭酸がそのまま含まれていて、口に含むとピチピチとした新酒の勢いまで感じられます。

2. 低温でゆっくり醸した夏吟醸


 もともと吟醸酒はゆっくり時間をかけて醸造される日本酒ですが、出荷時期が夏場になるように低温のタンクで作られたものが夏吟醸です。暑い時期でも飲みやすいように低めのアルコール度数で、冷蔵庫で冷やして楽しめる夏向きの日本酒です。

枝豆をつまみに冷やして楽しむ夏吟醸は暑い日でも旨い

夏吟醸を知ってからはビールの消費量が減りました。酒蔵巡りをするようになる前は、夏場に日本酒など考えもしませんでしたが、冷蔵庫で瓶ごと冷やした夏吟醸は今やなくてはならない夏の友です。

3. 食欲の秋にはひやおろし(秋あがり)


 春先にできた酒を火入れしてからタンクで一夏貯蔵し、熟成が進んだ秋口に二度目の火入れをしないでそのまま瓶詰めされたものがひやおろしです。一度目の火入れもせずに生のまま熟成して出荷するものなど蔵によって色々なバリエーションがあり、秋あがりと呼ばれることもある一夏熟成の酒です。千葉県酒造組合では9月に解禁日を設けて一斉に出荷を開始しているようで、飲む方も一気に忙しくなります。昨年は14の蔵元の15種のひやおろし(秋あがり)を立て続けに楽しむことができました。

房総の各蔵元から一気に出てくるひやおろし(秋あがり)

実りの秋の食材を肴に、旨味の増したひやおろしを愉しむのは日本酒好きにはたまりません。冷やから燗までいける酒ですので、色々な料理にマッチします。各蔵元から一斉に出てくるため、飲み比べてみるのも一興です。

4. 燗酒推奨の日本酒も旨い


 タンク貯蔵の前後に火入れを行う通年商品は貯蔵中に熟成が進み、新酒の荒々しさが取れて旨味が増しています。冷やから熱燗まで色々な楽しみ方ができる酒ですが、蔵元で燗酒に合うようにして出荷される日本酒もありました。

寒い時期の燗酒は格別

バイクツーリングで冷え切った体に熱燗を流し込む瞬間は至福の時です。「燗酒純米」と書かれたものや燗酒コンテスト金賞のラベルがつけられたものまで、寒い時期には酒瓶を見ただけでよだれが出そうです。


こちらから出向かなければ出会えなかった房総の酒


 今は休業中なのか、どうしても見つからない2軒の蔵元を除く34軒を巡って思うのは、そこで作られている日本酒のほとんどは、こちらから出向かなければ出会うことがなかっただろうということです。中には近所のスーパーでよく見かける銘柄もありましたし、デパ地下などにある酒専門店でも複数の千葉の酒が置いてあります。しかし、日持ちのしない季節限定酒などはめったに見かけません。「初しぼり」と名付けられたその年の最初のしぼりたて新酒や強い発泡の続いている活性酒などは、鮮度を保つのが難しいためかめったに置いてありません。ちょうど出荷が始まる頃を見計らって、こちらから蔵元に出向いて買い求めるしかありません。

酒蔵で偶然出会った個性的な房総の酒

デパートなどで時々開かれる試飲会は蔵元の人が直接製品を紹介してくれる絶好の機会ですが、ある程度人のいる規模の蔵でないと実施するのは難しいようです。出荷量の少ない蔵の酒は、大半が地元の飲食店に卸されて都市部の酒屋まで流通してくることは稀です。やはりこちらから出向くのが一番で、できたばかりの個性的な酒に出会えた時の喜びはひとしおです。


酒蔵の置かれた状況は厳しい


 訪問した34社の蔵元の中で、販売店を併設し目立つ看板を出しているところはそう多くはありません。ほとんどは蔵の一部か母屋で販売もしてくれますが、看板もなくたどり着くのに苦労します。煙突が途中から切られている蔵元にお邪魔した時には、蔵のご夫婦が『後継ぎがいないため、製造は大手に委託している』とおっしゃっていました。観光バスも停められる大きな駐車場を用意して観光客を呼び込んでいる蔵元もあれば、今の代で終わりと考えている小さな蔵元まで色々です。

 そもそも酒の消費量が落ち込んでいる中で、日本酒の比率はどんどん下がっています。さらに二十代の若者が酒を飲まなくなっていますので、今後も消費量の拡大は期待薄です。販売店を併設しているような大きい蔵元は、直販やインターネット通販に力を入れたり海外への販路開拓を狙っているようですが、小規模な蔵元は将来どうなってしまうのでしょう。

出典:国税庁「酒のしおり」平成28年3月版

 でも希望は持ちたいものです。訪問した酒蔵の中には若い杜氏が新しい酒作りにチャレンジしているところもありました。ワイン酵母を使った日本酒作りにチャレンジしていたり、酒米の栽培から取り組んでいるところもあり、販売量の確保のみではない生き残りへの模索を感じます。寒空の下、バイクで酒を買いにくる珍しい客のためか、蔵の方々との会話が弾みます。旨そうな日本酒を前にして交わした会話が帰宅後の何よりの酒の肴になっています。


房総の酒蔵35軒を巡った記録動画


 バイクツーリングで房総の各地を巡り、ついでに酒蔵まで訪問してきた足掛け三年を動画にまとめました。どんな場所にどんな酒蔵があるのかがわかると思います。房総へドライブにお出かけの際には是非お立ち寄りを。旨い地酒が待ってますよ〜




2017年1月28日土曜日

房総酒蔵バイクツーリング 二年ぶりの須藤本家でしぼりたて生を入手


 平成の名水百選に選ばれた久留里の名水を仕込み水としている須藤本家を約二年ぶりに訪ねました。前回は2014年のクリスマスの頃に、水仙を見に行った帰りに立ち寄ってみましたが、しぼりたて新酒はまだ出荷前で手に入れることができませんでした。年が明けた一月であれば間違いなく入手できると思い、バイクで房総中央部の久留里を目指しました。

国道410号(久留里街道)沿いにある須藤本家

国道410号(久留里街道)を南に向かって走っていくと、久留里市街に入る前に右手に「天乃原」の看板が出ています。

久留里街道沿いに蔵を構える須藤本家

瓦屋根の立派な母屋や酒蔵が街道沿いに建っていますので、すぐにわかります。まだ緑色が残っている杉玉がつるされていて、新酒が出てから日の浅いことを告げています。

いい雰囲気の須藤本家店舗入り口

敷地内には仕込み水に使用している久留里の名水が湧きだしていて、誰でも飲めるようになっていました。少し甘みを感じる柔らかい味がします。

仕込み水に使っている久留里の名水、寒さのため周りは凍っている

店舗の横に建っている蔵の方は誰でも自由に見学できるようになっていました。中に入ると自動的に照明が点灯するようになっていて、順路や解説が掲げられています。

蔵の中は自由に見学できるようになっている

年末のしぼりたて生酒の出荷が一段落した時期らしく、人の気配はありませんでしたが、次の仕込みのためにコメを蒸す大きな釜から蒸気が盛んに上がっていました。

大きな釜でコメを蒸していた

買い求めたのは「天乃原」本醸造原酒しぼりたて生酒。アルコール度数が19度以上もある原酒です。

「天乃原」本醸造原酒しぼりたて生酒

日本酒の出荷量は年々減少


 蔵のご主人と会話していると、日本酒が売れなくなったとぼやいていました。特に若者が酒を飲まなくなってしまったと。全く同感です。国税庁が毎年発行している「酒のしおり」にも衝撃的なグラフが載っています。平成8年のピーク時に比べ、13%以上も消費量が落ち込んでいます。

酒類販売(消費)数量の推移 出典:国税庁「酒のしおり」平成28年3月版

酒類全体の消費量が落ち込んでいる中で、日本酒(清酒)の比率は下がる一方です。確かにこれではたまらんですね。

各酒類の販売(消費)数量構成比率の推移 出典:国税庁「酒のしおり」平成28年3月版

房総の酒蔵をバイクで巡るようになって足掛け三年、私個人としては日本酒の消費量が格段に増えました。冷蔵庫に買い置きしているビールがなかなか減らないくらいです。夏場の風呂上がりでも、最近は冷えた吟醸酒を飲むことも多くなりました。地元の酒に興味津々のこんな暇人が増えてくれば、千葉の酒ももっと売れるようになるのでは、などと考えながら買ってきたしぼりたて生酒を冷で楽しみました。19度以上もあるためすぐに酔いが回りますが、やっぱり新酒は旨〜い!



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2017年1月13日金曜日

房総酒蔵バイクツーリング 九十九里浜で守屋酒造のどぶろくをゲット


 年末から初春にかけて房総の酒蔵からも次々に新酒が出荷されます。その中でも出来たてのもろみをほとんど絞らずに、生きたままの酵母と共に瓶詰めされるどぶろくは日本酒好きにはたまらない酒です。2015年12月末に九十九里浜にある守屋酒造を訪れた際に、出来たてのどぶろくを見つけましたが、発泡の続いている活性酒は瓶を横にして積載できないため泣く泣く購入を諦めたことがあります。その時は横積み可能な純米吟醸生酒「舞桜」だけを買って帰りました。

九十九里浜の近くにある守屋酒造

好天につられて九十九里浜をバイクツーリングしている途中、一年ぶりに守屋酒造に立ち寄ってみました。海岸から少し内陸に入った場所で、道の駅などにも近くわかりやすい場所にあります。毎年酒蔵でコンサートを開いたり、直販にも力を入れていてる活気溢れる蔵元で、店舗を覗くだけでも楽しめます。

夏場は賑わうが、この時期は閑散としている九十九里地区


今回はどぶろくと純米吟醸生酒の二升を購入


 年末から新酒の出荷を始めているとのことで、昨年同様出来たての生酒やどぶろく、にごり酒が並んでいます。前回訪れてから、バッグの取り付け方を工夫して一升瓶を立てたまま持ち帰れるようにしていました。前回のリベンジで、どぶろくを真っ先にチョイス。今の積載方法であれば一升瓶を四本まで安全に持ち帰れますが、生酒をそんなに買って帰ったら冷蔵庫がいっぱいになってしまいます。もう一本は前回同様、「舞桜」純米吟醸生酒にしました。

「舞桜」純米どぶろくと純米吟醸生酒

酒蔵の前でバイクに一升瓶を二本も積もうとしていると、後から来た客にジロジロみられて気恥ずかしいのですが、そんなことは気にしていられません。無事に持ち帰れるよう最新の注意を払って二本の一升瓶をバッグに詰めました。

一升瓶は頭がはみ出すが、しっかりと積載可能


この時期の酒粕は新鮮で美味しい貴重品


 この寒い時期にバイクでやってきて、活性酒を含めて一升瓶を二本も買って帰る客は珍しいのか、蔵の人といろいろ話をしていたら酒粕をおまけしてくれました。

おまけでもらった吟醸酒粕

以前は、酒粕といえば甘酒ぐらいしか思いつかず、酒蔵でもらっても持て余していました。しかし、新酒の時期の酒粕は本当の出来たてです。スーパーで一年中売っているものとは全く違います。度々頂戴するものですから、色々工夫してみました。そのままオーブンで焼いてわさび醤油で食べても旨いし、ピザ生地の代りに使っても左党にはいける味です。今回はスーパーで安売りしていたセロリの酒粕漬けを作ってみました。

セロリの酒粕漬け

何日も漬け込む本格的なものもありますが、すぐに食べたいため浅漬け風に作りました。塩もみした後、みりんで溶いた酒粕に数時間漬け込むだけです。

もろみの米粒が残っていて、甘みのあるどぶろく

米と水を原料にして麹と酵母で醸したどぶろくを、そのしぼり粕で漬け込んだセロリを肴にしながらグイグイ飲る。なんかとっても自然な感じです(^ ^) きっと体にもいいに違いありません。飲み過ぎなければ.......



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2017年1月3日火曜日

房総酒蔵バイクツーリング 走り初めは大原の木戸泉酒造へ


 年末に正月用の日本酒を三本も買い込んできましたが、心配していた通り年明け早々に飲み干してしまいました。我ながらよく飲むものだと呆れてしまいます。年末年始のテレビ番組を見ながらダラダラと飲んでいると、あっという間に酒瓶が空っぽに。仕方がないので、バイクの走り初めも兼ねて新酒を買いに出かけました。今年最初に訪問したのは外房の大原漁港近くにある木戸泉酒造です。

風もなく絶好のバイク日和に誘われて外房の大原漁港へ

ちょうど初売りの日で、次から次にお客さんがやってきます。こんなに人が来ている酒蔵を見たのは初めてです。新酒ばかりではなく酒粕も売れていました。

今年もまたバイクで訪ねた木戸泉酒造

入り口にある駐車場がいっぱいでしたが、身軽なバイクは売店の横のちょっとしたスペースにも停められます。

敷地の奥にある売店横にバイクを駐車

店内にずらっと並んだ新酒の中から純米にごり酒と特別純米無濾過生原酒の二本を購入しました。どちらも初めて飲む酒です。いつでも手に入る通年商品も旨いのですが、手に入る時期が限られる季節限定酒を積極的に味わうようにしています。

季節限定の新酒を購入

純米にごり酒の方は発泡が続いていて、瓶を横にして持ち帰れません。以前は購入を諦めていましたが、バッグの取り付け方を工夫して見たところ瓶を立てたまま持ち運べるようになりました。活性酒でも何でもバイクで持ち帰れるようになってからは、ますます酒蔵巡りが楽しくなりました。

立てたまま持ち帰る必要がある純米にごり酒


バイクで行くといいこともある


 この寒い時期にバイクでやって来て、活性酒も含めて一升瓶を二本も買う客はやっぱり珍しいのでしょう。蔵の人たちは必ず持ち帰り方を心配してくれるため、すぐに会話が弾みます。二度目の訪問からは覚えていてもらえるため、新酒の情報などを色々教えていただけます。この日は酒粕を頂戴してしまいました。ラッキー!

しぼりたて新酒と一緒にできる新鮮な酒粕

袋に「そのまま焼いて醤油をつけて食べても美味しい」と書いてあったのでやって見ました。オーブンにそのまま入れて表面が少し焦げるまで焼き、わさび醤油をつけて食べて見たら、結構いけます。

焼いただけでも新鮮な酒粕は旨い

ピリッとした炭酸の刺激が楽しめる純米にごり酒の方から飲んで見ました。刺激の後に米の旨味が口の中に広がります。できたての酒粕を肴にできたてのにごり酒を愉しむ。まさに至福のひとときです。


2016年12月27日火曜日

房総酒蔵バイクツーリング 年の瀬に正月用の新酒を求めて一走り


 年の瀬も押し迫った忙しい日に、年末年始用の日本酒を求めて房総の蔵元を訪ねました。房総の酒蔵巡りも足掛け三年目に入り、この時期にしぼりたて新酒が出る酒蔵にも見当がついています。寒空の下、防寒装備をばっちりしてバイクを走らせました。早い蔵では11月には新酒の出荷が始まりますが、中には年明けの3月からというのんびりした蔵もあり、当てずっぽうに出かけると無駄足になることもあります。多くの蔵では正月の祝い酒に間に合うように、12月の後半には新酒の出荷を始めるようです。

久留里と勝浦の酒蔵を訪問


久留里の藤平酒造と勝浦の東灘醸造を訪問


 先ず訪れたのは国道410号(久留里街道)沿いにある藤平酒造です。名水の里と呼ばれる久留里の街中にあり、店のすぐ前にも水が湧き出す井戸があって誰でも無料で利用できます。ここで「福祝」初搾り純米吟醸彗星無濾過生原酒と「福祝」純米のどぶの二本を購入。純米のどぶの方は強発泡性で、横倒しにして持ち帰れない酒です。先日見つけた積載方法で、発泡性の酒もバイクで持ち帰れるようになりました。

 二軒目に訪れたのは勝浦にある東灘醸造です。こちらは直詰め生原酒の「鳴海(なるか)」を今年の一月から6種類飲んですっかりファンになった蔵元です。シリーズで一番最初に出てくる「鳴海」特別純米直詰め生の「白」を購入しました。正月用の新酒出荷に忙しい時期だったようで、たくさんの人が事務所で働いていました。

年末年始用に買い求めた房総の新酒


房総中央の丘陵部から外房の海沿いまでの道は面白い


 日本酒の買い出しとはいえ、せっかくバイクで来ていますので、久留里から勝浦まで走って面白そうなルートを選んでみました。亀山湖で久留里街道から国道465号に分かれます。

師走の平日で誰もいない亀山ダム

この時期に亀山湖に来ている物好きは誰もいませんでした。国道465号をしばらく走ると山の中に入ります。途中まで道路の拡張工事が進んでいますが、山の中の一部は未だ車がすれちがえない曲がりくねった細い道のままです。

国道465号の一部はこんな感じの細い道

国道465号をそのまま進むと大多喜に行ってしまうため、途中で県道178号に右折します。この道は粟又の滝の横を通り抜けて興津・小湊方面に行ける山道です。よく知られた抜け道のようで、狭い道ですが結構車が走ってます。途中にある勝浦ダムは静かで、景色の良い場所で休憩には最適です。

灌漑用の勝浦ダム

海沿いの国道128号に出て、勝浦を目指していると鵜原理想郷という看板が目に入りました。勝浦海中公園と同じ方向です。海中公園は何度も行ったことがありますが、鵜原理想郷は訪れたことがありません。ちょっと寄り道してみました。

鵜原理想郷の漁港(勝場港)

鵜原理想郷は小規模ながら、リアス式の海岸が続いている風光明媚な場所でした。大正時代にここを別荘地にする計画があり、理想郷と呼ばれるようになったそうです。崖には波の浸食による穴がいたるところに空いていますが、幾つか大きな穴も見つかります。太平洋戦争末期に本土決戦の備えとして、この鵜原にも特攻艇「震洋」が配備されたそうで、崖の穴が特攻艇の保管庫として使われていたのかもしれません。いろいろ考えさせられる鵜原理想郷の見学でした。


新酒はやっぱり旨い


 しぼりたて新酒はどれも生酒ですので、保管は要冷蔵です。いつまでも冷蔵庫に入れておいたら怒られそうなので、帰宅後から精力的に飲み始めなければなりません(^_^)/
まずは強力発泡酒の「福祝」純米のどぶを開けてみました。

栓をひねった途端泡が噴き出す純米のどぶ

栓をひねると泡が噴き出してきて、瓶の口からあふれそうになります。その度に栓を閉めて泡が落ち着くのを待ち、また栓を少し緩めます。これを発泡が緩やかになるまで何度も繰り返して、やっとコップに注ぐことができました。瓶の下に溜まっていた澱は、発泡の勢いで自然に混じります。口に含むと炭酸の刺激が舌にピリピリときた後、酸味と米の甘みが口いっぱいに広がりました。出来立てのどぶ、うま〜い。

 年末年始のために一升瓶二本と四合瓶一本の新酒を手に入れてきましたが、さて正月三ヶ日まで持つかな〜(怪しい.....)


2016年12月12日月曜日

房総酒蔵バイクツーリング番外編 しぼりたて新酒の情報収集


 続々と新酒の初しぼり情報が寄せられる季節になりました。出荷日翌日に大原にある木戸泉酒造を訪ねて、しぼりたて新酒とにごり酒を手に入れたのは二週間ほど前のことです。期待を裏切らない出来立ての味で、しぼりたての荒々しさを感じながらも濃厚な風味が口の中に広がり、あっという間に飲み干してしまいました。


千葉県酒造組合の地酒ショップで情報収集


 この先、どの蔵元から訪問するか悩ましいところです。とりあえず千葉市中央区にある千葉県酒造組合の地酒ショップに情報収集に出かけました。駐車場がないため、大きめのウェストバッグを持って、ミニサイクルでの出撃です。

「千葉の酒情報館」の看板が出ている千葉県酒造組合

入り口には入荷したばかりの千葉のしぼりたて新酒が、手書きで紹介されています。否が応でも期待が膨らみます。

千葉の地酒ショップに入荷したばかりの新酒が紹介されている

読んでいるだけで喉が鳴りそうです。手書きのPOPを見ると、千葉の地酒に対する知識と愛情とユーモアを感じます。

楽しい手作りの看板

40軒以上もある千葉の蔵元で作られる酒は、季節酒も入れると軽く数百の銘柄になると思います。初めての酒を選ぶときに、ここの紹介文はとても参考になります。さらに入荷後にすぐに売り切れるという銘柄は要チェックです。

どれも飲みたくなってしまう素晴らしい紹介文

地酒ショップは客が来た時だけ、酒造組合の人が事務所から移動してきて応対してくれます。蔵元の情報を教えてもらったり、これから先の出荷情報を尋ねたりしてとても役立っています。


情報収集のついでに四本も新酒を購入してしまった


 ずらっと並んだしぼりたて新酒を目の前にして、手ぶらで帰るわけにはいきません。持参したウェストバッグのサイズから考えて四合瓶で四本が限界かと判断し、次の四銘柄を選びました。

購入した新酒四銘柄

右から順に....
  • 鍋店(なべだな) 「仁勇」純米生とろり酒
  • 東勲酒造「東勲」十富禄酒(どぶろくしゅ)
  • 梅一輪酒造「梅一輪」発泡にごり酒
  • 藤平酒造「福祝」しぼりたて生酒
最後の「福祝」しぼりたて生酒以外は発泡性の日本酒のため、持ち帰りや保管の際には吹きこぼれないよう注意が必要です。さらに全てが火入れしていない生酒のため要冷蔵です。この中で飲んだことがあるのは、東勲酒造の十富禄酒だけです。昨年3月の発酵の里こうざき酒蔵まつりで出会い、ぞっこんになった酒です。他は全て初めてですので、帰宅後のハッピーアワー?が待ちきれません。

 こんな素晴らしい房総の地酒ショップが自転車で行ける場所にあるのに、どうしてわざわざバイクで蔵元まで行くのか聞かれることがあります。実は、ショップに置いてある酒はほとんどが四合瓶なんです。大酒飲みの私は四合瓶だとほぼ一、二回で空にしてしまうため、お気に入りの銘柄はどうしても一升瓶が欲しい。さらに、入荷量が多くはないため、欲しい銘柄が売り切れという場合が結構あります。何より、作っている人から直接話しを聞いてみたいという思いで、寒空の中バイクで房総の蔵元を巡っているという次第です。さて、今宵のお供はどれにしよう......



それぞれ個性的なしぼりたて新酒たち


 手に入れた千葉のしぼりたて新酒を一通り味わってみました。それぞれが個性を持ち、楽しみ方もいろいろです。

「仁勇」純米生とろり酒

 もち米を原材料にした極甘口です。甘酒よりも甘口で、とろりとしていているためカクテルも良さそうです。まずはそのままでやってみましたが、食前酒にぴったりです。甘みが強いためソーダ割りにするとちょうどどぶろくのような味になり、牛乳で割ると大人のミルク酒という感じで楽しめました。


「梅一輪」発泡にごり酒

 千葉産米100%の特別本醸造酒です。微発泡性でさっぱりとした味は、ぐいぐいといけます。四合瓶で900円という高いコストパフォーマンスを誇るしぼりたて新酒です。




「福祝」しぼりたて生酒

 酒をしぼる槽(ふね)の口からそのまま瓶詰めしたふな口直詰めの新酒です。溶け込んだかすかな炭酸の刺激とともに、新酒のふくよかな味わいが広がります。




「東勲」十富禄酒(どぶろくしゅ)

 杯に注ぐとシュワシュワと泡が出る、酵母が生きているどぶろくです。アルコール度数が6度程度しかありませんから、甘い味を楽しみながら軽く一本飲んでしまえる新酒です。





コップに注いだ後もプクプクと泡が出て旨そ〜

(2016年12月14日追記)



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