年の瀬も押し迫った忙しい日に、年末年始用の日本酒を求めて房総の蔵元を訪ねました。房総の酒蔵巡りも足掛け三年目に入り、この時期にしぼりたて新酒が出る酒蔵にも見当がついています。寒空の下、防寒装備をばっちりしてバイクを走らせました。早い蔵では11月には新酒の出荷が始まりますが、中には年明けの3月からというのんびりした蔵もあり、当てずっぽうに出かけると無駄足になることもあります。多くの蔵では正月の祝い酒に間に合うように、12月の後半には新酒の出荷を始めるようです。
久留里と勝浦の酒蔵を訪問 |
久留里の藤平酒造と勝浦の東灘醸造を訪問
先ず訪れたのは国道410号(久留里街道)沿いにある藤平酒造です。名水の里と呼ばれる久留里の街中にあり、店のすぐ前にも水が湧き出す井戸があって誰でも無料で利用できます。ここで「福祝」初搾り純米吟醸彗星無濾過生原酒と「福祝」純米のどぶの二本を購入。純米のどぶの方は強発泡性で、横倒しにして持ち帰れない酒です。先日見つけた積載方法で、発泡性の酒もバイクで持ち帰れるようになりました。
二軒目に訪れたのは勝浦にある東灘醸造です。こちらは直詰め生原酒の「鳴海(なるか)」を今年の一月から6種類飲んですっかりファンになった蔵元です。シリーズで一番最初に出てくる「鳴海」特別純米直詰め生の「白」を購入しました。正月用の新酒出荷に忙しい時期だったようで、たくさんの人が事務所で働いていました。
年末年始用に買い求めた房総の新酒 |
房総中央の丘陵部から外房の海沿いまでの道は面白い
日本酒の買い出しとはいえ、せっかくバイクで来ていますので、久留里から勝浦まで走って面白そうなルートを選んでみました。亀山湖で久留里街道から国道465号に分かれます。
師走の平日で誰もいない亀山ダム |
この時期に亀山湖に来ている物好きは誰もいませんでした。国道465号をしばらく走ると山の中に入ります。途中まで道路の拡張工事が進んでいますが、山の中の一部は未だ車がすれちがえない曲がりくねった細い道のままです。
国道465号の一部はこんな感じの細い道 |
国道465号をそのまま進むと大多喜に行ってしまうため、途中で県道178号に右折します。この道は粟又の滝の横を通り抜けて興津・小湊方面に行ける山道です。よく知られた抜け道のようで、狭い道ですが結構車が走ってます。途中にある勝浦ダムは静かで、景色の良い場所で休憩には最適です。
灌漑用の勝浦ダム |
海沿いの国道128号に出て、勝浦を目指していると鵜原理想郷という看板が目に入りました。勝浦海中公園と同じ方向です。海中公園は何度も行ったことがありますが、鵜原理想郷は訪れたことがありません。ちょっと寄り道してみました。
鵜原理想郷の漁港(勝場港) |
鵜原理想郷は小規模ながら、リアス式の海岸が続いている風光明媚な場所でした。大正時代にここを別荘地にする計画があり、理想郷と呼ばれるようになったそうです。崖には波の浸食による穴がいたるところに空いていますが、幾つか大きな穴も見つかります。太平洋戦争末期に本土決戦の備えとして、この鵜原にも特攻艇「震洋」が配備されたそうで、崖の穴が特攻艇の保管庫として使われていたのかもしれません。いろいろ考えさせられる鵜原理想郷の見学でした。
新酒はやっぱり旨い
しぼりたて新酒はどれも生酒ですので、保管は要冷蔵です。いつまでも冷蔵庫に入れておいたら怒られそうなので、帰宅後から精力的に飲み始めなければなりません(^_^)/
まずは強力発泡酒の「福祝」純米のどぶを開けてみました。
栓をひねった途端泡が噴き出す純米のどぶ |
栓をひねると泡が噴き出してきて、瓶の口からあふれそうになります。その度に栓を閉めて泡が落ち着くのを待ち、また栓を少し緩めます。これを発泡が緩やかになるまで何度も繰り返して、やっとコップに注ぐことができました。瓶の下に溜まっていた澱は、発泡の勢いで自然に混じります。口に含むと炭酸の刺激が舌にピリピリときた後、酸味と米の甘みが口いっぱいに広がりました。出来立てのどぶ、うま〜い。
年末年始のために一升瓶二本と四合瓶一本の新酒を手に入れてきましたが、さて正月三ヶ日まで持つかな〜(怪しい.....)
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