めったに行う作業ではありませんが、今までやっていたロードバイクのブレーキシューの調整方法を改めて見直してみました。きっかけは菅生沼サイクリングの途中で、ブレーキシューがアルミのリムを削ってキリコが飛んでいるのを目の当たりにしたためです。帰宅後に確認してみると、トーインが大きく、かなり強くブレーキをかけないとシュー全面がリムに密着しません。さらにシューの上下方向にも傾きがあり、正しくリム面に接触していないようでした。少し前にトーインの再調整を行ったのですが、その時の作業が正しく行われていなかったようです。
今まではブレーキシューチューナーで調整
ロードバイクに乗り始めてから約七年。その間、ブレーキシューを交換したのは二回だけですから、作業についてはほとんど素人です。誰でも簡単に調整ができるというブレーキシューチューナーを使っていました。
シューの調整は市販のチューナーに頼って作業 |
使い方はいたって簡単で作業もあっという間に終わりますが、ネジを固定する際に力を入れると簡単にずれてしまうことがあります。またチューナー自身の厚みがありますから、リムとシューが離れた状態で位置決めをします。ブレーキをかけた時に正しくリム面と接触するのかが多少不安でした。
このブレーキシューチューナーを使った時にどの程度のトーインがつくのか、ノギスを使って各部の寸法を測定してみました。
前方(すぼみ側)の厚みは1.0mm |
後方(開いている側)の厚みは2.3mm |
すぼんでいる側の厚みが1.0mm、開いている側は2.3mmありました。この斜面にブレーキシューを沿わせてトーインをつけますので、計算してみると約1.0mmの隙間が出来ることになります。
実測値を使ってトーインの量を計算 |
シマノのガイドには『最適のブレーキレスポンスを得るためには、ブレーキシューに約0.5mmのトーインが必要です』とあります。トーインが大き過ぎるとどんな影響が出るのかわかりませんが、ブレーキシュー前方に大きな力が加わっていたのは間違い無いようです。菅生沼でのブレーキトラブルの後にシューをチェックしてみると、前方部分が金属色に変わり、かなり固くなっていました。この部分がリムを削ったものと思われます。削れたアルミのカスが丸まって、シューに食い込み、さらにアルミのリムを削るという悪循環に陥っていたようです。
0.5mm厚の紙を挟んで調整
ネットを検索してみると皆さん厚紙などを小さく切って、シューとリムの間に挟んで調整されているようです。真似して0.5mm厚の紙を探し、小さくカットしました。
0.5mm厚の紙を探して小さくカット |
最初はこの紙を使わず、ブレーキを軽くかけておいてシューの位置を決めてからネジを仮止めしておきます。リムの上端から1mm程度下がった場所が目安。その後、シューの後方に先ほどの紙を挟んでからブレーキをかけ、仮止めしておいたネジを軽く緩めると自然に0.5mmのトーインが付きますので、この状態でネジを締めます。最後に規定のトルクをかける際には、シューが動いてしまわないよう手で押さえながら行いました。
シューの後方に紙を挟んで調整 |
紙は二つ作っておけば両側を一度に調整できて便利です。このやり方であればシューの上下角度がリム面に合わないというトラブルも減らせそうです。
調整は左右同時に行った方が確実 |
ブレーキング時の音を頼りに整備
音もなくスーっと止まれるブレーキは実に気持ちの良いものですが、しばらく乗っているとシャーという音がし始めます。リムのアルミが削れてシューに食い込んだり、雨中走行後に砂がシューに噛み込んだりしている場合がほとんどです。この場合は、シューに食い込んだ異物をほじくり出すとともに、削れてデコボコになったリム面も研磨しておかないとまたすぐにアルミの削りかすが出てしまいます。
削れてデコボコになっているリム面 |
車やオートバイも同じですが、走っている時の音ってとっても大切なんですね。
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