2017年12月8日金曜日

牛乳選びを見直す契機となった明治「おいしい牛乳」のパッケージ変更


 商品名に「おいしい」の文字を入れることの賛否はあると思いますが、家で飲む牛乳は何も考えずに明治の「おいしい牛乳」を買い続けていました。スーパーでも売れ筋商品のようで、商品棚にも大量に置かれているため、ついつい手に取ってしまいます。味にも不満はなく、家族の誰が主張するまでもなく、長年我が家の定番牛乳として定着していました。


容器の変更はCMで知っていたが....


 少し前からテレビで流れていたコマーシャルで、「おいしい牛乳」の容器がリニューアルされたことを知りました。紙パック独特の注ぎ口から、扱いやすいスクリューキャップに変わったそうです。家族と犬が毎日牛乳を飲むため、毎回一リットルパックを二本以上まとめ買いします。ある日、スーパーで牛乳を買おうとしたところ、「おいしい牛乳」が全て新パックになっていました。いつものように二本購入しようと手に取ると、容器に900mlと買いてあるのを発見。「えっ、内容量減ってる!?」と思わず声が漏れてしまいました。容器が変わったことは理解していましたが、内容量が減ったことは商品を手に取るまで知りませんでした。

我が家の定番牛乳である明治「おいしい牛乳」、内容量が900mlに減っている

メーカーから派遣されたらしい売り子さんが商品棚の前に立っていましたので、聞いてみました。

   「もう1リットルの商品は売ってないんですか?」
 売り子「ここに置いてあるのは900mlのみです」
    「1リットルだと飲み残しが多いそうで、900mlサイズになりました」
   「うちは毎回複数本購入するので、内容量は多い方がいいのですが...」
 売り子「すみません...」

売り子さんを困らせてもしょうがないので、900mlパックを二本購入して帰りました。帰宅後にレシートを見ると、以前買っていた1リットルの頃と同じ値段です。飲みきれずに捨ててしまうなどということは全くない家ですので、内容量が一割減って同じ値段ですから、実質的な値上げです。新容器のコストアップ分を内容量を減らして吸収したのかもしれません。では、新容器は消費者にとって値上げに見合うだけのメリットがあるのでしょうか?


新容器には実質値上げに見合うメリットがあるか?


 メーカーのテレビコマーシャルやホームページでは、今回の新容器のメリットを大々的に宣伝しています。光を通しにくい素材を使用した新容器は、蛍光灯などの光による風味劣化を抑制してくれるそうです。メーカーのテストでは48時間光を照射する前後の味の比較を示して新容器の効果を謳っています。これは消費者にとって大きなメリットに思えますが、買ってきた牛乳はほとんどの時間、真っ暗な冷蔵庫の中です。購入後、飲みきるまでに牛乳パックを光に当てている時間なんて1時間もないように思えます。むしろ、製造工程とスーパー店頭までの流通工程で浴びる光の方が問題になりそうです。開封するまで容器内いっぱいに牛乳が充填されていて、空気と触れないため新鮮さが長持ちするメリットもあるとのこと。新容器は製造4日後の比較で25%も牛乳の香りが強いそうですから、こちらの方が消費者にとっては大きなメリットかもしれません。

内蓋の下は牛乳で満たされていて空気と遮断されている

 紙パック独特の折り返しただけの注ぎ口から、スクリューキャップ式の注ぎ口に変わりましたので、開封してからでも横置きができるのは便利です。ただし、しっかりと閉めないで横置きしてしまうと牛乳が漏れ出します。一度冷蔵庫の中を漏れた牛乳でベトベトにしてしまいました(泣)。旧式の注ぎ口に慣れてしまったためか、それ以外ではメーカーが主張しているメリットは感じられません。今までの注ぎ口で入れにくいと感じたことはありません。むしろ先が細く、微妙な量を入れるのも簡単でした。

出典: 明治「おいしい牛乳」プレスリリース

プレスリリースではさらに、横幅が小さくなって子供にも持ちやすいとか、重さが減ったため筋肉への負担が一割軽減されたとのメリットを謳っていましたが、ちょっとこじつけ感が強すぎたのか、ネット上ではかなり批判的な意見が見受けられました。この点についてはホームページの商品説明からは現在省かれています。

出典: 明治「おいしい牛乳」プレスリリース


飲んだ後のリサイクルのしやすさも重要


 バージンパルプが使われている牛乳パックはリサイクルされることが前提の容器です。全体の40%程度しかリサイクルされていないそうですから、少しでもリサイクルしやすい構造であることも重要だと思います。飲み終わった後、簡単に広げられるか試してみました。底に指を突っ込んで穴を開け、横から上部に開いていけば簡単に広げられました。内側のビニールコーティングが厚くなったためか、以前より少し力が必要です。

資源ごみとして出す際は、きれいに洗って開いておく必要がある

むしろ、広げた後で乾燥させ、重ねてゴミとして出す時に問題がありました。ビニール製のキャップ部が出っ張ってしまい、重ねると以前の紙パックよりも厚みが出てしまいます。大量に溜めてからゴミ出しする家庭では多少扱いにくいかもしれません。

キャップ部が出っ張ってしまい、重ねる際に邪魔になる

メーカーではこのキャップ部がついた状態でも紙ゴミとしてリサイクル可能と言っていますが、最終的には住んでいる自治体の指示に従うようガイドしています。もし、この部分をハサミで切ってから出すように自治体から言われたら、面倒臭くて燃えるゴミに入れてしまいそうですσ(^_^;) さらに、開封時に取り除く内蓋と飲んだ後のキャップは、今までの紙パックでは出なかったビニールゴミです。鮮度維持のためとはいえ、今までなかったゴミを新たに発生させるのは考えものです。

今までの紙パックでは出なかった新しいゴミとなるビニールの内蓋


この際だから他の牛乳と比較してみる


 毎日口にする食品にはどうしても保守的になってしまいます。今までは他の牛乳に目もくれず、毎回明治の「おいしい牛乳」を買い物かごに入れてきましたが、実質一割の値上げと知った後は他の商品にも目を向けるようになりました。改めて商品棚に並んだ牛乳を見比べてみると、随分値段が違うんですね。内容量の違いまで考慮すると差はもっと大きくなります。

比較のため他の牛乳も買い求めてみた

商品によって実質90円近い価格差になるのは驚きです。ただし、年に100本分(100リットル)飲んで9千円の違いです。価格で選ぶか、味で選ぶかは悩ましいところです。値段もバラバラないくつかの牛乳を試していますが、慣れのせいかやっぱり明治の「おいしい牛乳」が美味いと感じます。まだまだたくさんの牛乳が売られていますので、今後しばらくの間、色々な銘柄の牛乳を試してみるつもりです。牛乳を一番楽しみにしている愛犬と家族の反応を確かめてから、我が家の新しい定番牛乳が決まることになりそうです。



飲んだ後の紙パックの開き方・洗い方も見直してみました


 バージンパルプを使った紙パックは、ちゃんとリサイクルしないと環境に優しくありません。そのためには飲んだ後に、キレイに洗い、ちゃんと広げて資源ごみとして出す必要があります。以前は、水洗いをしてからパッケージを開いていましたが、この方法だと内容量の2倍くらいの水を使ってしまいます。パッケージを開いてから、流水で洗うようにしたら、使用する水の量をかなり減らせました。その様子を動画にしてみたものです。


(2017年12月9日追記)



新パッケージは注ぎ残しが多いような...


 その後も他の牛乳を買ったり、明治の新パッケージ牛乳を買ったりしていますが、飲み終わった新パッケージを開くと、牛乳の注ぎ残しが多いような気がしています。以前の折り畳み式の注ぎ口の場合は、逆さにして少し時間をおけばほとんど残らずに注げました。新パッケージの場合、キャップ式の硬い注ぎ口の周りに牛乳が残ってしまうようです。

明治の新パッケージを開くと注ぎ残しが気になる

わずかな量ですので、毎回そのまま台所に流してしまうのですが、なんとなくもったいない気がします。我が家の消費の仕方では新パッケージ商品のメリットはほとんど感じられていない状況です。

(2018年1月18日追記)



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