2017年8月18日金曜日

マンガン乾電池が売ってない! 今までの常識は変わった?


 子供部屋の壁掛け時計は止まってしまい、リビングの時計も時刻が大幅にずれていました。どちらも電波で自動的に時刻合わせしてくれる電波時計ですので、電池切れの症状でしょう。交換しようと、まとめ買いしてあった乾電池を探すと、ちょうど単三電池の在庫がなくなっていました。他の買い物のついでに立ち寄ったホームセンターで、単三マンガン乾電池を探すところから物語は始まります。


マンガン電池が販売されていない!


 昔からリモコンや時計の電池といえばマンガン乾電池を使うものだと信じてきました。マンガンに比べると高価なアルカリ乾電池は、モーターなど大電流が必要な機器用で、リモコンや時計などの小電流を長時間流す機器にはマンガン乾電池が適していると教え込まれてきました。ホームセンターで乾電池をまとめ買いする際には、毎回アルカリとマンガンの両方を買い求めていたように記憶しています。ところが、近くのホームセンターに出かけてみるとマンガン乾電池が見当たりません。レジ近くに電池専用の大きな陳列棚があるのですが、並んでいるのは全てアルカリ乾電池です。有名メーカー製の高価なものから、ホームセンター独自ブランドの安価なものまで全てがアルカリ乾電池でした。

近所にはアルカリ乾電池しか売っていない!

時計やリモコンにアルカリ乾電池を使うのはもったいないという固定観念に囚われている、昭和のオヤジはマンガン乾電池を探して放浪の旅に出ることになりました(大げさ)。一番身近な近所のコンビニを何軒か回ってみましたが、やっぱりアルカリ乾電池しか置いてありません。最後の手段に、名の知れた家電量販店まで足を伸ばしました。大きな電池専用の棚に数え切れないくらいの種類の電池が並べられています。探し求めていた、黒いシマシマ模様の有名メーカー製マンガン乾電池の外装が目に入りましたが、置いてあったのは単一と単二サイズだけでした。探し求めてきた単三サイズのマンガン乾電池は家電量販店にもありません。単三サイズで置いてあるのは、ここでもアルカリ乾電池と充電池だけです。かなりのショックを受けました。帰宅してAmazonを調べてみると、販売されていましたが、結構なお値段です。量販店でアルカリ乾電池をまとめ買いするのと単価は変わりません。う〜ん、困った。


時計やリモコンにはマンガン乾電池というのはもう古い?


 止まっていた子供部屋の時計から電池を取り出してみたら、知らないメーカのアルカリ乾電池が出てきました。時計を買った時に付属してきた電池かも知れません。止まってからだいぶ時間が経ってしまったのでしょう、電池から液漏れしていました。

止まった時計に入れっ放しになっていたアルカリ乾電池(お漏らししている)

アルカリ乾電池の電解液は強アルカリ性で、過放電(電池が完全になくなった状態)のまま放置すると、内部で水素ガスが発生して圧力が上がり、電解液が漏れ出すことがあります。この強アルカリ性電解液が電子機器の電極や回路に付着すると、腐食し故障の原因となります。マンガン乾電池の電解液は弱酸性で、液漏れした際の悪影響はアルカリ乾電池よりも小さく、さらに電解液の改良でより液漏れしにくくなっていると聞かされています。そのため、小電流しか流れず、長期間機器の中に入れっ放しにする時計やリモコンの電源としてはマンガン乾電池の方が優れているというのが昭和生まれのオヤジの常識となっていました。

 しかし、これだけ身近なお店を探しても、マンガン乾電池が売られていないということは、その常識が通用しなくなっているのではないかと不安になってきました。リモコンや時計の電池交換は数年に一度で十分ですから、携帯ゲーム機やミニ四駆(古い?)などによく使われるアルカリ乾電池に比べればはるかに交換頻度が少なく、販売数量も大幅に少ないのかも知れません。あまり売れない商品が店頭から駆逐されるのはわかりますが、そうだとするとリモコンや時計にもアルカリ乾電池が普通に使われているということになります。乾電池メーカー大手のパナソニックのサイトで目的別の推奨電池を調べてみると、なんとリモコンや時計用にマンガン乾電池と並んで、アルカリ乾電池も推奨されていました。う〜ん、今までの常識は通用しなくなっているようです。


電池の使い分けにも見直しが必要


 乾電池で最もよく利用するサイズは単三と単四です。家の中で単一乾電池を必要としているのはガスコンロくらいしか思いつきません。単二乾電池を使用する機器は皆無です。昔は懐中電灯でよく利用していましたが、今はLEDライトとなり、電池も小型の単三か高性能なLi-Ion充電池になっています。家の中で単二サイズの電池は見ることがなくなりました。

 単三・単四乾電池として一番利用しているのがニッケル水素充電池のエネループです。今は亡き三洋電機が開発し、パナソニックが後を引き継いだベストセラー充電池を活用しています。単価がアルカリ乾電池などに比べて数倍もしますが、1,000回以上繰り返し使えますので、すぐに元を取れます。

繰り返し利用が可能なエネループは大変お得

使用するたびに新品電池を使う登山用ハンディGPSや毎月何度も電池交換する携帯ラジオ、携帯シェーバー、自転車用ライト、ワイヤレスマウスなどなどで大活躍しています。エネループのおかげで使い捨て乾電池の購入量が大幅に減ったと思います。

アップルのマジックマウスにもエネループが活躍

 電池を入れて非常時のために持参するような登山用のヘッドランプなどには、長期間の保管が可能なアルカリ乾電池を入れてあります。いざ使おうと思った時に放電していて使えないということがないように、ちゃんとしたメーカーの新しいものを備えておきます。

 今までは、これらの電池以外に、時計やリモコンなどのためにマンガン乾電池を常備していました。しかし、これだけ入手性が悪いと手軽に利用できません。マンガン乾電池に比べて液漏れしやすいとされるアルカリ乾電池ですが、液漏れ補償のついた製品も現れ、価格もこなれてきました。今までの常識は捨て去り、時計やリモコンなどにもアルカリ乾電池を使用していくことになりそうです。

時計などにもアルカリ乾電池を使うのが普通になった(?)

でも、万が一液漏れした時のダメージはマンガン乾電池よりも大きいはずなので、時計などの機器が止まってしまったら、すぐに電池を交換するよう心がけたいと思います。



時計メーカの指定電池がアルカリ乾電池になってる


 改めて家のシチズン製電波時計についてきた取扱説明書を読んでみたら、指定電池がアルカリ乾電池になっていました。もう一台のセイコー製の方はマンガン乾電池になっています。ラジオと同じような受信部を持つ電波時計ですので、以前の単純なクォーツ時計よりも消費電力が増えているためか、アルカリ乾電池が標準指定されていました。知らなかった.... 価格もこなれてきたアルカリ乾電池ですので、液漏れの心配さえなければマンガン乾電池の代わりにしてもいいのかもしれませんね。

(2017年8月19日追記)


0 件のコメント:

コメントを投稿