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2017年10月18日水曜日

ゴムバンド固定式のEdge標準マウントをタイラップ固定式に


 サイクリング時にメインで使っているEdge 800Jの内蔵バッテリーが、だいぶくたびれてきたことから始めた「全GPS・全自転車Edgeマウント化プロジェクト」が静かに進行中です(^ ^) ロードバイク・MTB・折り畳み自転車の三台にEdge用のマウントを装着し、持っている三台のGPS(Edge 800J/eTrex 30J/eTrex SUMMIT HC)のどれでも取り付けできるようにする一大?プロジェクトです。二台のeTrexの固定部を、Edge方式に変換するアダプターも自作しました。これで、自転車の方は着脱が容易で落下事故が一度もないEdge方式マウントだけを設置すれば事足ります。自転車で使用するには、このEdge方式は大変優れた構造だと思います。


Edgeに付属してくるマウントはちょっと心細い


 ガーミンのEdgeを買うとハンドルステムマウントが付属してきます。数万円もするサイクルコンピューターですが、付属のマウントはちょっとチープで、別のものを購入して使っている人も多いようです。ゴムバンドで固定する方式ですので、力を入れるとグラグラします。使用中に落下事故などの経験はありませんが、見た目や安心感は今一つです。

Edgeに付属してくるハンドル・ステム用マウント

一番利用頻度の高いロードバイクには、REC-MOUNTSのマウントをハンドルバーに装着しています。上にEdgeを、下にGoProやライト類が取り付けられる金属製のマウントです。かなり高価でしたが、重いものを取り付けても全くぐらつかず、非常に安心して利用できます。ハンドルバーよりも前方にGPSサイコンがセットされますので、視認性が向上するという利点もあります。

金属製のEdgeマウントは安心して利用できる

全てをEdge方式のマウントに統一するというプロジェクトですので、息子のお下がりのMTBにも、余っていたサードパーティ製のEdgeマウントを取り付けました。ハンドルバーから前方に突き出した形状はREC-MOUNTSのものと同じですが、樹脂製です。重いものはマウントできませんが、eTrexシリーズ程度であれば大丈夫でしょう。

MTBに取り付けた樹脂製Edgeマウント

もう一台は折り畳み自転車です。以前はこれで1日60キロ以上の距離を走り回っていました。ロードバイクを手に入れてからは、もっぱら近所の酒屋巡り専用自転車になっていますσ(^_^;) 自作した自転車用トートバッグが、ちょうどシートポストにぴったり固定できるため、これで旨い日本酒を探して走り回っています。もちろん遠距離の房総の酒蔵巡りはオートバイで行っていますが、近所の場合は渋滞が関係ない自転車の方が早くたどり着きます。

日本酒買い出し専用になってしまったσ(^_^;)折り畳み自転車

珍しい地酒を置いている酒屋を探しながら、裏道をウロウロするためにGPSは必須です。eTrex SUMMIT HC用のマウントを付けていましたが、三台のGPSのどれでも利用できるようにするため、Edge用マウントに交換します。


ゴムバンドではなくタイラップで固定したい


 Edge用のハンドルステムマウントにはサイズの異なるゴムバンドが何本か付いてきます。その中からちょうど良い長さのものを選んで固定しますが、強くひねったりするとマウントがぐらつきます。ゴムバンドの耐候性も気になるところです。ケイデンスセンサーなどの固定方法と同じように、タイラップで固定できれば安心感が増すはずです。

ゴムバンドでステムに固定したEdge付属マウント、ちょっと頼りない

色々なサードパーティ製Edgeマウントが発売されていますが、どれも結構な値段です。折り畳み自転車ではハンドルバーの真上でも特に問題ありませんので、高価なサードパーティ製Edgeマウントを購入せず、余っているEdge付属のハンドルステムマウントが有効利用できないか考えて見ました。

 この程度の大きさであれば、3Dプリントサービスでアタッチメントを自作しても安価にできます。ゴムバンド固定式のEdge付属ハンドルステムマウントをタイラップ固定式に変換できるアタッチメントを設計してみました。

Autodesk Fusion 360で設計中のタイラップ固定式アタッチメント

シンプルな構造の方が使いやすいので、Edge付属のハンドルステムマウントの上からかぶせるだけにしました。ゴムバンドを留めるための出っ張りを、リングで押さえるだけの構造です。

小型でシンプルな構造にできたタイラップ式アタッチメント

Edge付属マウントにはめてみるとぴったりです。ゴムバンドで留めたままでも、ゴムバンドなしでも、そのまま上からアタッチメントをはめ込めば、タイラップで固定することができます。

Edge付属マウントの上からかぶせてタイラップで固定


三台の自転車全てにEdgeマウントが取り付け完了


 折り畳み自転車のハンドル中央に、このアタッチメントを利用してEdgeマウントをタイラップで固定しました。強くひねってもゴムバンドのようにぐらつくことはありません。

Edgeハンドルステムマウントをタイラップで折り畳み自転車に固定

単三電池二本を使用するため、Edgeよりも重量のあるeTrexですが、マウントがタイラップでガッチリとハンドルに固定できているので、安定して取り付けできました。

タイラップで固定したEdgeハンドルステムマウントにeTrex SUMMIT HCがしっかりセットできた

これで自分用の三台の自転車どれにでも、三台のガーミンGPSの好きなものを取り付けることができるようになりました(^ ^)/ メインで使っているEdge 800Jのバッテリー持続時間が心細くなっているので、長距離を走る場合にはeTrex 30Jを、地図の見易いeTrex SUMMIT HCは近所の酒屋巡りにと、便利に使い分けができそうです。

三種のGPSを自由に選んで、三台の自転車で利用可能になった

アウトドア専用のeTrex SUMMIT HCにはケイデンスや心拍センサー接続機能がありませんし、サイクリングも考慮されているeTrex 30Jでも温度センサーは内蔵されていません。夏場には気温を計測しながら走行することも多いため、その場合はEdge 800Jを使用する予定です。TPOに合わせたGPSデバイスが簡単に利用可能になりました。ますます便利になった自転車用GPS利用環境で、さらに快適な自転車生活が送れそうです(^ ^)


DMM.makeクリエイターズマーケットから入手可能です


 こちらで紹介している自作アタッチメントは3DプリントサービスのDMM.makeクリエイターズマーケット「GARMIN Edge付属のハンドルステムマウントをタイラップ固定式にするアタッチメント」から入手可能です。白以外の色も選べますので、黒にすれば目立たなくなります(追加費用がかかるのが玉に瑕ですが....)。Edge付属のハンドルステムマウントが余っている方は是非一度ご検討ください。



2017年10月11日水曜日

マウントの鬼 電池交換可能なeTrexをEdgeマウントに取り付けたい


 登山用に最初に購入したハンディGPSはガーミンのeTrex SUMMIT HC(英語版)です。GPSからの電波を使用して現在の位置を地図上に表示し、気圧式高度計によりある程度正確な標高もわかりますので、登山中のルート確認が素早く正確に行えるようになりました。帰宅後に歩行ルートを確認をしたり、行動時間の確認をしたりすることも簡単に行えます。あまりの便利さに、登山にはなくてはならない装備の一つとなっていました。もちろん電池切れなどのトラブルに備えて紙の地図も必ず持参しますが、ほとんどの場合ハンディGPSだけで事足ります。その後、ロードバイクに乗り始め、サイコンの代わりに登山用のGPSをハンドルバーに取り付けて走っていたところ、二年ほどで瞬断頻発というトラブルに見舞われてしまいました。仕方がないので、自転車用にガーミンのEdge800Jを、登山用にeTrex30Jを購入して現在に至っています。

サイクリング用と登山用に買い揃えたガーミンのGPS

その後、壊れたと思ったSUMMIT HCを分解してみたら、不良箇所が判明し修理できました。現在、使えるガーミンのGPSデバイスが三つも揃っています。


Edge800Jのバッテリーがそろそろ寿命


 サイクリングで使用しているEdge800Jも購入してからそろそろ6年になります。内蔵バッテリーで連続15時間稼働できる仕様になっていますが、だいぶ劣化が進んできたようで、8時間前後でローバッテリーの警告が出るようになりました。日没後の走行が増えるこれからの季節は、バックライトを点灯しますので、さらに稼働時間が短くなります。ユーザーが内蔵バッテリーを交換できるような設計になっていませんので、自己責任で分解して交換するしかありません。一方、登山用のハンディGPSは単三電池を二本使用します。SUMMIT HCが連続14時間、eTrex30Jが連続25時間も稼働可能になっていますし、電池を交換すればずっと使い続けられます。ネットで調べてみると、長時間走り続けるブルベの参加者には、電池交換可能なeTrexユーザーが多いことがわかりました。

電池交換可能なGPSを自転車に取り付けたい

せっかく持っている複数のGPSですので、TPOに合わせて別のものを使ったり、家にある別の自転車に簡単に付け替えて活用したくなりました。


同じガーミンの製品なのにマウントがバラバラ


 複数の自転車に三台のGPSの中から好きなものを取り付けられるようにしたいのですが、問題はマウントがバラバラなことです。用途の異なるGPSの場合、最適なマウント方法が異なるのは仕方のないことですが、同じアウトドア用のSUMMIT HCとeTrex 30Jでも異なります。

同じガーミン製品でもマウント方法が全く異なる

マウントの固定方法もネジ止め、タイラップ、ゴムバンドなどバラバラです。タイラップやネジ止め式では気軽にマウントを脱着できません。

形状ばかりではなく固定方法もバラバラのマウント

どれでも取り付け可能にするためには、自転車側に複数のマウントを設けなければなりませんが、それでなくてもゴチャゴチャしがちなハンドル周りです。さらに複数の自転車で同じことをしようと思ったら、マウントの購入費用だけでもバカになりません。この方法はあり得ませんね。

EdgeとeTrexの両方が取り付けられるようにするには、二つのマウントが必要

ロードバイクに取り付けているEdge800Jのマウントは、ワンタッチで取り付け可能な上に、一度も落下事故のない実績を持っています。特殊な形状をしていますが、上手い設計だと思います。

ワンタッチで取り付けられるガーミンEdge用のマウントは良くできている


Edge用マウントに統一してしまえ


 一番良く乗るロードバイクに取り付け済みのEdge用マウントを標準にして、形状の異なる登山用GPSにはアダプターを用意することにしました。GoProなどのカメラマウントを3Dプリンターで自作したり、市販品で満足できないバイクナビのマウントを自作して実際に利用しています。「マウントの鬼」を自称していますので、今回も自分仕様のマウントアダプターをデザインしてみました。使用したCADソフトはいつものAutodesk Fusion360です。

Autodesk Fusion360で設計したSUMMIT HC用のマウントアダプター

eTrex SUMMIT HCは裏蓋に固定用パーツをネジ止めする仕組みです。ネジがインチ仕様の特殊なもののようで、新たに用意できなかったため、ガーミン純正の固定用パーツから外して流用しました。

固定用パーツのネジを外して流用

DMM.makeで3Dプリントしてもらったものをはめてみるとぴったりです。この瞬間がたまらなく快感です。見事、SUMMIT HCの取り付け部がEdge800Jと同じになりました。

3Dプリントされたアダプターを取り付けたeTrex SUMMIT HC

同様にeTrex30J用のアダプターも設計・製作しました。GPS本体の背面が湾曲しており、さらにネジなどを使用しないため、設計はかなり複雑です。同機能の市販品も見つけましたが、あまり評価がよろしくありません。きつくて一度はめたら外せないとか、落下したとか、爪が折れた等々、購入するのがためらわれます。今回は試作品で、実際に装着してみて設計を修正するつもりで作業を進めました。

Autodesk Fusion360で設計したeTrex30J用のマウントアダプター

出来上がったアダプターを装着してみたのが下の写真です。市販品では本体下方の凹部に爪を引っ掛けて固定するようになっていますが、本体裏が微妙な曲面になっているため、ぴったりと密着せず、取り付け後もガタガタします。振動の多い自転車に取り付ける場合、ガタガタが残っていると、振動でGPSが故障しやすくなることは経験済みです。GPS本体とアダプターが密着するように設計してあります。裏蓋の曲面の影響をできるだけ受けないように、アダプターの長さを極力短くしました。

3Dプリントされたアダプターを取り付けたeTrex30J

固定のために設けられた裏蓋のレールは上半分ほどにしかつけられていませんので、アダプターの長さがこの程度でも十分な強度があるはずです。


Edge用マウントにはめてみたらピッタリ


 これで持っている三台のGPSは全て同じEdgeマウント方式になりました。いよいよロードバイクに設置済みのEdgeマウントにはめてみます。出来上がったばかりのアダプターには、まだ3Dプリント時のバリが残っていますので、多少きつめですが、しっかりと固定できました。取り付け、取り外しもひねるだけのワンタッチで行えます。意図した通りの動きを見て、嬉しさのあまり声をあげてしまいました。

三つのGPSが同じEdge用マウントにしっかりと取り付けできた

単三電池二本を使用するeTrexシリーズはEdgeに比べると重量があります。1.5倍くらいになりますので、振動による脱落には注意が必要です。ガタつかないように密着していた方が安心なのですが、あまりきついと付け外しに苦労してしまいます。今回試作品のつもりでしたが、実用可能な適度な密着感となりました。

ほどよい密着感となったeTrex30J用マウントアダプター

たまに乗るMTBのハンドルバーにも、余っていたEdge用のマウントを取り付けました。アームがプラスチック製のため振動が心配ですが、太いタイヤとショックアブソーバーが付いていますので、ロードバイクよりはマシかもしれません。

余っていたEdge用マウントをMTBにも取り付け

ここに三台のGPSから好きなものを取り付けることができます。他にも折り畳み自転車がありますので、それにもEdge用のマウントを取り付けておこうと思います。三台の自転車に三台のGPSを、好きな組み合わせで利用できるようになりました。やったね(^ ^)/

アダプターを介してMTBに取り付けられたeTrex30J


 アダプターはできるだけ寸法が小さくなるようにデザインしましたので、大きさで料金が変わる3Dプリントサービスの費用も抑えることができました。金型を用意して大量生産される市販品よりも安く作れました(^ ^) アダプターの耐久性や、耐振動性能などは、これから実走行を繰り返して評価してみたいと思いますが、あまり評判の良くない市販の変換アダプターを購入せずに、自分仕様で作成したものが実際に利用できるのは嬉しいことです。しばらく使用してみて満足できるものに仕上がっていたら、他の自作マウント同様DMM.makeのクリエイターズマケーットに出品予定です。市販品を超えない価格が目標ですので期待してお待ちください。



eTrex用Edgeマウントアダプター二種を出品しました


 こちらで紹介している二つのアダプターをDMM.makeのクリエイターズマーケットに出品しました。実際に使用して気づいた点を改良してあります。使用方法や注意点も含めて最新バージョンを解説している「eTrexをEdgeマウントに装着可能なアダプター二種を出品」ページをご一読いただいた上で、ご発注ください。

(2017年10月17日追記)



取り付けと実走行テストの様子を動画にまとめました


 写真と文章だけではわかりにくい部分も動画にすると理解しやすくなると思います。設計から取り付けテスト、屋外での実走行テストの様子をショートビデオにしましたのでご参考まで。



(2017年10月24日追記)



2017年9月22日金曜日

マウントの鬼 高価なGoProスポーツマンマウントを徹底活用


 GoProの純正マウントは高価なことで知られていますが、その中でも高額な部類に入るマウントの一つにスポーツマンマウント(ASGUM-001)があります。Amazonでも9,000円前後で売られていて、他のマウントのように格安のコピー品も見当たりません。値段が高過ぎて人気がないのか、必要性が低いのか、ネット上にもユーザーのレポートがあまりアップされていないようです。オートバイで安定したGoPro映像を撮るために各種マウント方法をテストしているときに、値段も考えずに購入してしまいましたが、その後あまり出番がありませんでした。


スポーツマンマウントのスポーツって何?


 GoProスポーツマンマウントは強力なクランプ部と交換可能なカメラ取り付けアームから成っています。さらに、黒いプラスチックで出来た複数のハウジング裏蓋が付属してきます。

GoProスポーツマンマウント構成部品(裏蓋は他に3枚付属)

取り付けアームはGoProが一台のもの(A)と二台を前後に取り付けられるもの(B)の二つが付属していますので、シーンに合わせて交換して使用します。中央に固定部を設けたGoProハウジングの裏蓋が付いてきます。下部にしか取り付け部がなかったGoProハウジングの後部にも取り付け場所ができますので、この裏蓋は他のマウント使用時にも大変重宝しています。音声がクリアに録れる穴あきタイプと大容量のBattery BacPac装着時のための厚みのあるタイプの組み合わせで、合計4枚の裏蓋が付いてきます。これだけ付ければ値段も上がりますね。

 クランプ部と取り付けアームで、カメラの方向が決まってしまう構造です。メーカーの説明によれば、クランプはライフル銃や釣り竿、アーチェリーなどの直径10〜23mmの棒状のものに装着可能とあります。ライフル銃やアーチェリーは持っていませんので、釣り竿で試してみました。

釣り竿にしっかりと固定できるGoProスポーツマンマウント

これで竿の先や釣り人の方にカメラを向けて、釣りの最中の映像が狙えます。実際に大物を釣り上げるシーンを、二台のカメラを使って獲物と釣り人の表情と一緒に撮影したら面白そうです。

家で釣り竿マウントをテスト中、ワンコが釣れそう!

 クランプ部が大変強力ですので、棒状でない場所にも固定可能です。ギター先端の板状の部分を挟んでみたら、しっかりと固定できました。傷がつかないように薄いゴムシートをクランプ部に貼って使用しています。

板状になっているギター先端にも固定可能

カメラの向き次第で、演奏者の手元や表情も狙える取付場所です。体を動かしても楽器や演奏者の一点を追いますので、ノリノリの演奏中でも安定した映像になります。ライブなどのワンカット収録に使えそうです。

ギターは弾けませんがこんなシーンが撮れたらカッコいい(?)

この他にもパイプ状のものにがっちり固定できるクランプの特性を活かせば、スキーのストックに取り付けて滑走中のシーンなども撮れそうです。


オートバイや自転車へのマウント目的で購入


 元々オートバイや自転車のパイプ部(ハンドルやミラーステーなど)に固定して、走行中の映像撮影に利用する目的で購入したものです。ハンドルなどへの取り付けは、もっと値段の安い専用のベースマウントが売られていますので、このマウントが一番活躍したのはオートバイのミラーステーやグラブバーなどのテーパー状になった部分への取り付けでした。

オートバイのミラーステーは単純なパイプ状ではなくテーパー状になっている

クランプ部の締め付け力が強いので、細いテーパー状のミラーステーにもしっかりと固定できます。カメラの水平を出すのが難しいのですが、延長アームを噛ませてやればなんとか調整ができました。ただし、ミラーが取り付けられているカウル自体が振動しているようで、撮れた映像はブレブレ(T . T)

 単独でのツーリングがほとんどのぼっちライダーのため、走行中の自分が映った映像はなかなか撮れません。バイク後方のグラブバーからカメラを前方に向ければ、バイクやライダーの一部と景色がいっぺんに撮影可能です。ぼっちライダー一推しの撮影方法になりました。

グラブバーに取り付けたカメラから前方を撮影

手で握りやすいように特殊な形状になっているグラブバーですので、よくあるパイプ用のベースマウントでは安定して固定できません。滑らないように薄いゴムを貼り付けたGoProスポーツマンマウントなら力ずくで固定可能でした。

特殊な形状のグラブバーにもしっかり取り付け可能

撮れた映像は狙った通り、ライダーとバイク、それに景色の三つが同時に写っています。ぼっちライダーでも自分が写った思い出映像が残せました。

グラブバーから前方を映したバイクツーリングシーン

 グラブバーから後方を狙えば、グループツーリングの際に仲間から喜ばれる映像が撮れると思います(ぼっちな私にはあまり関係ありませんが....)。撮影中にもしも、もしも白バイに追いかけられたら、相当迫力のある映像が撮れますねσ(^_^;) わざとやってはいけません。公務執行妨害で逮捕されてしまいます。

グラブバーから後方を狙えばグループツーリングでは喜ばれそう

 自転車ではシートポストに取り付けて後方を狙うのも簡単ですが、ドロップハンドルの末端に取り付けてカメラを後方に向けた撮影で活躍しました。

ハンドルバーの好きな位置に強力に固定可能

サイクリストのペダリングと自転車、後方に流れる景色の全てが一つのカメラで撮影可能です。臨場感のあるサイクリング映像が撮れる設置場所です。

景色とペダリングシーンが一度に撮影可能


水平を保ったままカメラを左右に向けるのが困難


 板状やテーパー状のものにも強力に取り付け可能なスポーツマンマウントですが、取り付けアームやカメラ固定部の向きが限定されるため、カメラの水平を保ったまま左右に向きを変えることが困難な構造です。撮影目的に合わせて、カメラの向きをもう少し外側や内側に向けたい時が度々ありますが、今までは諦めていました。自由に向きを変えられる延長アームなども売られていますが、オートバイや自転車の振動を拾ってしまい、映像がブレて使い物になりません。

もう少し紅葉の景色を広く撮影するためにカメラを左に向けたいが....

この課題が解決できず、高価なGoProスポーツマンマウントですが、出番があまり多くありませんでした。3Dプリンターで自作したマウントでも十分に実用になることを経験し、GoProスポーツマンマウントに自在ボールジョイント部を追加できるパーツを作ってみました。

Autodesk Fusion360で設計中のボールジョイント部を持つ取付アーム

DMM.makeの3Dプリントサービスでナイロン素材を使って造形してもらいました。出来上がったパーツにM5のナット3個をはめ込み、ノブに35mm長のM5ボルトを通せば、標準の取り付けアーム部を丸ごと置き換え可能になります。

標準の取り付けアーム部(右)を白い自作アームにそっくり置き換える

これで、クランプ部をしっかりと固定した後でもカメラの水平を保ったまま向きを左右に変えることができるようになりました。GoProの取り付け部をボール状に変換するパーツは二通り試作してみました(下の写真)。左はネジを使わずに取り付け部を球状にすることができます。マウントベースからカメラの重心までの距離が右に比べて短くなりますので、振動に対してより強くなりますが、ハウジングの取り付け部の形状が製品ごとに微妙に異なるため、ぴったりのものを用意するのが難しくなります。右は一般的なGoPro固定部と同じため、規格に合ったものなら格安のコピーカメラでも問題なく取り付け可能です。

GoProにボールを取り付ける部分は二種類試作

3Dプリントサービスとホームセンターで購入したネジの代金、合わせて2千円ちょっとの追加費用でGoProスポーツマンマウントの活用範囲が一気に広がりました。もともと高価なマウントですので、使われずに仕舞い込まれているのは勿体無いことです。この追加投資で、スポーツマンマウントの出番が今後増えれば十分元が取れると思います。

クランプを固定後にカメラの向きや傾きを自由に変えられるボールジョイント機能を追加


ボールジョイント構造の採用で自由度が格段に向上


 GoProはサイクリングやオートバイツーリング時のアクションカメラとしての使い方以外に、バイクや自転車に取り付ける自作ガジェット(小物)のテストにも活躍しています。自転車への固定には大変優れているGARMIN Edge用マウントに、アウトドアー用のGARMIN eTrexシリーズを装着できるようにするアダプターを自作しました。Edgeに比べて重量のあるeTrexがちゃんと固定できているかどうかを確認するために、走行しながら動画でハンドル上のeTrexを撮影します。

自作マウントアダプターのテストのために走行しながら撮影

強力なクランプ部でハンドルバーにしっかり固定してから、自由に向きを変えられるボールジョイント機構でGoProを被写体にしっかりと向けることができました。被写体のブレをチェックするための撮影ですから、カメラ自体がブレてしまっては意味をなしません。最初はGoPro JAWSフレックスクランプを使ってみましたが、自転車の振動でカメラがグラグラして使い物になりません。この改良型スポーツマンマウントは振動に対して格段に強いようです。

強力なクランプ部でハンドルにしっかり固定してからボールジョイント部で自由に向きを変えられる



DMM.makeクリエイターズマーケットから入手できます


 自分で使ってみて「これは使える」と判断した3Dプリント作品をクリエイターズマーケットに出品しています。せっかく高いお金を払って購入したGoProスポーツマンマウントなのに、出番が少ないという不満をお持ちの方はぜひご検討ください。活用範囲が大幅に広がりました。下記リンクにて利用方法や入手方法をご紹介しております。

活用範囲を格段に広げるGoProスポーツマンマウント交換アームを出品

(2017年10月1日追記)



現在のGoProマウント理想形を動画にしてみました


 自転車やオートバイで動画撮影するために試行錯誤してたどり着いたマウント方法を動画にまとめてみました。振動に強く着脱が容易で、狙った画角にするためにカメラの向きを柔軟に変えられるマウントを目指しました。同じ悩みを持つアクションカメラユーザーへの一つのヒントになれば幸いです。


(2017年12月6日追記)



2017年9月17日日曜日

マウントの鬼 ホームセンターの部品で小型のJAWSクランプ作成


 オートバイや自転車にGoProを取り付ける際に、ボルトで固定する常設型のベースマウント以外に、必要な時に必要な場所に一時的に取り付けるベースマウントも頻繁に利用しています。その中でも一番出番の多いのがJAWSフレックスクランプにボールジョイントバックルを組み合わせたシステムです。強力なクランプ部でパイプや板状のものにしっかり固定でき、さらにボールジョイント部で360度どの方向にもカメラの向きを変えられ、多少の傾斜があっても水平の調整ができます。実に応用範囲の広いマウント方法なのですが、問題はその大きさと価格です。狭い場所には入りませんし、複数箇所にカメラを取り付けるためにもう一組み手に入れるには一万円近い追加費用が必要になります。もっと小型で安価に同等の機能が実現できないか考えてみました。


GoPro純正品と同等の機能を2,000円以下で実現


 用事もないのにホームセンターをぶらぶらしていると、色々なものに自作マニアの創造魂が刺激されます。今回は300円程で売っていたナイロン製の工作用ハンドクランプを使ってみました。小さいくせにバネは大変強力で、片手では開くのに苦労するほどです。これに以前設計したボールジョイント部を載せてみました。

2,000円以下でできたJAWSクランプ+ボールジョイントの小型システム

GoProの純正アクセサリーはとにかく高価ですが、しっかりとした作りで耐久性もあります。最初に購入したJAWSフレックスクランプの格安コピー品は半年と持たずに壊れてしまいましたが、300円のハンドクランプなら壊れても簡単に交換できます。ボールジョイントバックルには同等品が見当たりませんので、3Dプリントサービスで造形してもらいます。固定用のM5ナットが別途必要ですが、それも数円程度ですので、締めて2,000円もかからずに完成しました。


ハンドクランプにボールジョイント部をどう取り付ける?


 自転車やオートバイのハンドルに取り付けられるように、40mmまで口が開くサイズのハンドクランプを選択しました。近所のホームセンター「コーナン」で見つけたものですが、Amazonなどでも同じものが売られています。OEM製品のようです。

開口部40mmサイズのナイロン製ハンドクランプ

このクランプにどのようにボールジョイント部を載せるか悩みました。ドリルで穴を開けて、ねじ止め式にすれば確実に固定できると思いますが、クランプの強度が心配です。クランプの腕の部分に肉抜きされた溝が作られています。3Dプリントに使う素材が靭性のあるナイロンですので、ここに爪を引っ掛けて固定する方法を試してみました。緩みがあるとガタついて使い物になりませんので、念入りにハンドクランプ側のサイズを測り、Fusion360で固定部の形状を注意深く設計しました。

Autodesk Fusion360で設計中のボールジョイント

いつも利用している3DプリントサービスのDMM.makeにデータを送り、待つこと四日。完成した造形物をいよいよハメてみます。毎回、この瞬間がドキドキします。頭の中で空想しながらデザインしたものが実物になって目の前にあります。それが上手くハマるか、機能するか緊張の瞬間です。

しなりのある素材を活かして、はめ込み式にしたボールジョイント部

きつめになるように設計しましたので、力を入れて押し込むと、見事「パチン」という音とともにハンドクランプにボールジョイント部が結合しました。実に爽快な気分です。

ガタつきもなく見事に一体化したハンドクランプとボールジョイント


GoPro純正品と同等の使い勝手に大満足


 クランプ式ですので、力はいりますが取り付け取り外しはワンタッチです。必要な時に必要な場所に取り付け可能なマウントは大変便利です。かなり嵩張るために、今まではサイクリングやバイクツーリング時に持ち歩かない時も多かったのですが、小型化できたことにより、気軽に持ち歩けそうです。

クリップ部のサイズが大幅に小型化できて持ち運びしやすくなった

ボールジョイント部は純正品同様に360度カメラの向きを変えることができ、さらに純正品よりも大きな角度でどの方向にも傾けられます。GoProの標準的なマウントでは難しい動きです。マウント固定後にカメラの向きを自由に変えることができるため、撮影時に画角を調整することが簡単になりました。

カメラの向きを自由に変えられるボールジョイントは便利


振動の多い場所での利用には注意が必要


 GoPro純正のJAWSフレックスクランプは内側にゴムがつけられていて、金属パイプなどでも滑らないようになっています。工作用のハンドクランプはナイロン素材のままですので、薄いゴムなどを貼り付けた方が使い勝手が良さそうです。さらに、ボールジョイント部分の固定が爪をはめ込んでいるだけですので、強い衝撃で外れる可能性も考慮して、カメラに落下防止のための紐などをつけておいた方が安心です。

自転車のハンドルに取り付けてみた自作と純正のJAWSクランプ、カメラを好きな向きにできる

これで二組のクランプ式マウントが揃いましたので、マルチカム撮影での取り付け場所が増えそうです。工作用のハンドクランプは別のサイズも売っているため、固定場所に応じたクランプに替えることもできます。市販の汎用部品と3Dプリントで無限に広がるGoProマウントの世界です。あとは迫力のある映像を撮るだけですね(それが一番難しい....)