2015年4月13日月曜日

一般人が使える3D CADソフトもここまで進化している(Fusion360入門セミナーに参加しました)


 土曜日と日曜日の午後二回にわたってAutodesk Fusion360の入門セミナーに参加してきました。主催はクリエイター向けのポータルサイトを運営しているMakers Love(メイカーズラブ)です。今回参加のコースは「3DCAD入門セミナー」で、高機能なFusion360を使いながらも初心者でも取り組める内容になっていました。一年ほど前からAutodesk社の123Dという3D CADを使って、欲しいものをデザインし、DMM.makeの3Dプリントサービスで現物にしてもらっていました。

 過去の123Dを使った製作記事はこちら。


基本的に色々なサイズの円柱や立方体を組み合わせ、不要な部分を削れば作れる程度の物ばかりですので、123Dでも不足はありませんでした。分かりやすいインターフェースで、しかも無料とあって、3D CADの世界に初心者が入っていくにはうってつけのソフトだと思います。

 しかし、慣れてくるに従ってこんな機能が欲しいなと思うことが増えてきました。複数の部品を組み合わせて使うものを設計するときには、組み合わせがうまくいくかどうか頭の中で想像しながら進めていくしかありません。3Dプリンター以外で製作するものは寸法が記入された平面図が欲しいのですが、123Dでモデリングしたものを参考にして別ソフトで図面に落とすしかありませんでした。
 何かいいソフトはないかと探していたときにFusion360というソフトを見つけました。プロ仕様のソフトらしいですが、条件によってかなりの長期間無償で使用可能とのこと。早速インストールしてみましたが、サンプルファイルのオープンすらできません。Amazonで日本語の入門書を探してみましたが、見つかりません。しばらく放置していました。そんなときMakers Loveのサイトを眺めていたら、Fusion360の紹介記事とともに入門セミナーの案内を見つけ、早速申し込みました。

 セミナーは分かりやすいテキストに従って、実際の操作を行いながらテンポよく進んでいくため大変参考になりました。ついていけない部分があってもスタッフの方が後ろから素早くフォローしてくれるので、すぐにキャッチアップできます。講師・スタッフの皆様に感謝感謝です。今まで使っていた123Dとの違いも分かりやすく、乗り換えに不安は無くなりました。

Autodesk Fusion360でモデリング

 直方体や円柱などの基本型を並べて組み立てていく手法がメインの123Dに比べ、二次元スケッチをベースにして立体を作るのがこんなに便利だとは知りませんでした。しかも途中の作業が履歴として残っており、やり直しや寸法の変更が簡単に行えます。この機能だけでも123Dから乗り換える価値は十分ありそうです。

簡単に平面図になります(寸法線の記入は手動)

 セミナーでの実習はありませんでしたが、Makers Loveのサイトで紹介されていた製図機能も試してみました。3Dモデリングしたものを持ってきて投影すれば平面図になります。寸法線は自分で必要に応じて追加する必要がありますが、数値はモデリングしたものから持ってこられるので正確です。今まで欲しい欲しいと思っていた機能がまさにこれでした。

彫刻(Sculpt)モードも持っています

 Sculptモードも持っていて、一つのソフトの中でカチッとしたモデリングと自由な曲面をもつ彫刻物を混在してデザインできます。Sculptは初めてですが、自分の隠れた才能?が発見できそうです。画面を四分割して複数の方向から確認しながら作業を進められるなど、これがプロ仕様かと感心しました。使用しているMacBook ProでもSculptモードでグリグリと編集すると頻繁に処理待ちになります。やっぱりかなりのシステムパワーが必要なようです。

 こんな素晴らしいソフトを提供してくれるAutodesk社と入門者への普及を促進しているメイカーズラブの皆さんに感謝しながらセミナーの復習課題に取り組んでいます。



アクションカメラ(HX-A1H)のマウントをFusion360で自作


 だいぶ操作にも慣れてきたため、実用的なものを自分で設計してみました。バイクや自転車で動画を撮るために購入したPanasonic HX-A1Hですが、市販のマウントは細かな振動に弱いため、固定部を重心付近に移動して振動に強くしたオリジナルマウントをFusion360でデザイン。DMM.makeからプリントされてきたものは狙い通りの性能でした。市販品にないものを自分で設計し、実用品として利用できる時代になったのを実感しています。

(2016年1月22日追記)


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