2017年10月28日土曜日

快適自転車生活 8年間メンテしてないBB付近から異音が


 先日、5年間全く手入れをしないで使い続けてきた前後ハブのメンテナンスをして、走りが大幅に軽くなったことに気を良くしていました。慣性走行時の速度低下が少なく、今までと同じ距離を走っても疲労が減ったような気がしています。そんな中で、最近ペダリング中にボトムブラケット(BB)付近からバキバキという異音が出るようになりました。最初のうちは強くペダリングをした時だけでしたが、今では軽くペダルを回している時にも常時異音がしています。ロードバイクを購入してから8年、その間全く手入れをしていませんので、そろそろ寿命かもしれません。

購入後8年間全く手入れをしていないBB

最初はクランクアームの取り付けボルトの緩みなども疑い、増し締めして様子を見ましたが、改善されません。どのへんからどんな音が出ているのかを確かめるために、GoProをクランク付近に取り付けて、走りながら音を拾ってみました。シートチューブに固定したGoProのマイクがダイレクトに音を拾ってくれるため、走行中に耳で聞くよりもはっきりと異音が確認できました。ペダルを回した時だけ出るパキパキという音はやはりBB近辺から出ているようです。



BBは清掃&グリスアップよりも交換が正解(?)


 ネットでBBのメンテについて調べてみると、取り外したBBを清掃し、グリスをたっぷりと塗り込んで元に戻すというものと、新しいものに交換というものが見つかりました。現在装着されているBBはシマノのSM-FC5600という105グレードのものです。シマノのガイドにはBBの分解清掃についての記述はなく、交換することを前提としているようです。同じモデルのBBは在庫なしのため、後継品の値段をAmazonで調べてみると、二千円を切る価格になっていました。この値段であれば、チェーンなどと同様に、新品に交換してしまうのが正解だろうと考えて、必要な工具とともに注文しました。BBについてはDURA-ACEなどの高グレードコンポでも互換性のある構造のようで、かなり広い選択肢があります。選んだのは比較的安価なSM-BBR60です。それにBB用のレンチとクランクのキャップを回す特殊工具も一緒にオーダー。全部合わせても三千円もしませんでした(^ ^)

新しいBB(SM-BBR60)と持っていない工具を注文

 作業に先立って、必要な工具を取り揃えておきます。新たに購入したBB用のレンチとキャップ回しの他は、5mmのアーレンキー(6角レンチ)と細いマイナスドライバーだけです。新しいBBはサイズが一回り小さくなっていて、レンチのサイズを合わせるための樹脂製のアダプターが同梱されてきます。今後のために、これは無くさないよう注意します。

BB交換のために用意した工具一式

実は、5mmのアーレンキーは、もっと長い本格的なものが必要でした。さらに、規定のトルクを確認しながら締め付け作業できるようにトルクレンチも是非欲しい工具です。今後のためにも追加購入して、締め付けトルクを確認したいと思っています。


初めてのBB交換作業は簡単だった


 先日初めて経験したホイールハブの整備も、やってみたら結構簡単で、もっと早くやっておけばよかったと後悔しました。BBの交換作業も思っていたほど難易度は高くなく、スムーズに進みました。部品も安価なので、異音がしてきたらとりあえず替えてしまうというのもありかなと思います。

1. 左クランクアームを外す


 先ず外すのは左のクランクアームです。アーレンキーで二本のボルトを緩め、特殊工具でクランク軸のキャップを外し、外れ止めパーツを引き起こせばクランクアームが外れます。少し力を入れるとスポッと取れました。

左クランクアームの外し方

外したクランクアームには砂まみれの真っ黒なグリスがこびりついていましたので、丁寧に汚れを落としておきます。

8年間の汚れがこびりついたクランクアーム接合部

固定用のボルト(二本)やキャップ、外れ止めパーツは個別に清掃しておきます。シャフト軸とのかみ合わせ部分は砂などが残らないよう念入りに拭きました。

左クランクアーム固定用のパーツは個別に清掃しておく

2. 右クランクアームを引き抜く


 右側のクランクアームはBBに刺さっているだけですから、引き抜くことができます。事前の調査では、固くて抜けない場合はプラスチックハンマーなどで叩く必要があるとされていましたが、手で引っ張っただけで抜けました。

軽く引っ張ったらするりと抜けた右クランクアーム

抜いた後は、シャフトや結合部の汚れを落としておきます。普段の清掃では手の届かない、ギアリングの内側なども清掃しておけばスッキリします。

抜き取った右クランクアームとギアは綺麗にしておく

3. いよいよ古いBBの取り外し


 さて、これで古いBBを取り外すことができます。回す方向を確認してから、BB用のレンチをはめます。左側は正ネジ、右側は逆ネジになっています。TIGHTENと書かれた締め付け方向の反対側に回します。

締まる方向が矢印で示されているので、反対方向に回す

レンチの端を握って一気に力を入れますが、びくともしません。完全に固着しているようです。仕方がないので、レンチの端をハンマーで叩いて外しました。再利用する場合には絶対にやりたくない外し方です。

手で回してもピクリともしないBB、ハンマーで叩いてやっと外した

両側のBBを外した後は、BBハンガー内部やネジ切りされている部分を綺麗にしておきます。特にネジの部分に砂やゴミなどが噛み込まないよう念入りに作業しました。雨の日にはほとんど走らないため、思っていたほどひどい汚れではありませんでした。

BBを取り外したハンガー部分、意外に綺麗な状態

4. 新しいBBの取り付け


 これでやっと新しいBBを取り付けることができます。新旧のBBを並べてみると、新しいBBの外径が小さくなっていることがわかります。フリクションが半分になっているとのふれこみで売られていますので、期待が持てます。

新しいBB(右)は外径が小さくなっている

グリスがネジ部に初めから塗布されていましたので、そのままBBハンガーに取り付けできます。手で締め込んだ後、アダプターを取り付けたBBレンチで締め付けます。規定トルクが30〜50Nmと大きな値でしたので、思いっきり締め付けました。

アダプターを装着したBB用レンチ

この樹脂製アダプターのおかげで、BBに傷一つ付けずに締めることができました。このBB用レンチ、アダプターがなければ絶対にBBを傷つける構造です。シマノ純正にしてはちょっと情けない工具でした。新しいBBは外径が小さくなっていますので、BBハンガー部の方が大きく、余白が見えてしまいましたが、クランクが回転している時にはこの部分は目立ちませんので、これで良しとします。

無事取り付けられた新しいBB

5. 取り外した時と逆の順番でクランクアームを取り付け


 今度は右クランクアームから取り付けていきます。右クランク軸の根元部分にグリスを塗ってから、BBに差し込みます。

右クランクの軸の根元にグリスを塗布してはめ込む

左クランクをはめ、キャップを締めて、外れ止めパーツを所定の位置に押し込んでから、固定用ボルトを締め込んでいきます。片側を一度に締め込むのではなく、少しずつ交互に締め込んでいきます。使用したアーレンキーが短すぎたため、かなりの力が必要でした。それでも規定のトルクになっていないかもしれません。トルクレンチを購入して、再度締め直したいと思っています。

左クランクアームを取り付ける

これでBB交換作業は完了です。やってみると意外に簡単でした。長いアーレンキーやトルクレンチなどの工具があればもっとスムーズに作業できそうです。ついでにチェーンの清掃と注油も行い、準備万端です。早く具合を確かめにいきたくてウズウズしています。

真新しいBBに交換完了


まだまだあるロードバイク可動部のメンテナンス作業


 自転車でメンテナンスが必要な部分はたくさんありますが、軽い走りを楽しむためには高速で回転する駆動系が重要でしょう。この部分で今まで経験してきたのはチェーンの交換ホイールハブのメンテナンスくらいです。今回初めてBBの交換を経験しましたが、やってみるとそれほど難しくはありませんでした。ちゃんとした工具さえあれば、誰でもできるという印象です。

ロードバイクの可動部分のメンテナンスは重要

回り続ける部分ではありませんが、自転車をコントロールする制御系の可動部分もスムーズに走り続けるには重要な部分です。フロントやリアのディレイラーも清掃と調整だけはしていますが、一度も分解整備をしたことはありません。ブレーキやヘッドパーツもメンテしたことは一度もありません。まだまだ経験したことのないメンテナンス作業が残っていますが、焦らずにのんびりと自転車生活を楽しんでいきたいと思っています。



近所でBB交換の効果を確かめてきました


 雨続きで本格的に走りに行けませんが、BB交換の効果を確かめるために雨の合間に近所を走ってみました。結果はバッチリです。パキパキというBB付近からの異音も解消しました。GoProで撮影した動画を使って、BB交換前後の音を比較できるように編集してみました。クランク付近の異音で悩まれている方の参考になれば幸いです。


(2017年10月28日追記)



取り外したベアリングをチェックしてみました


 ペダルを回すとパキパキと異音が出っ放しだったBB内部のベアリング部を開けて内部の様子を見てみました。クランク軸が通るプラスチックのカバーをマイナスドライバーでこじ開けると、その下にシールが出てきます。これも同様にドライバーで剥がすと、リテイナーで固定されたベアリングボール部を観察することができます。工業用のベアリングが使われていて、多分一個数百円くらいのものではないでしょうか。内部にはグリースも残っていて、特におかしなところは見受けられません。異音の原因はベアリングを見ただけでは突き止められませんでした。

BBの中身は工業用のベアリング

ベアリングはBBケースに圧入されているため、これ以上の分解はできませんでした。日本の誇るコストパフォーマンスの高い工業用のベアリングでしょうから、BBは清掃・注油で使い続けるよりも交換してしまった方がはるかに安心で、高性能を享受できると思います。

(2017年11月10日追記)



2 件のコメント:

  1. 全く同じ現象(ガチャ音はましでした)
    で同じBBからの交換を先週やりました
    完璧です
    異音も無くなるし 坂での踏み込みが0.5ギア 楽になりました
    ありがとうございました

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  2. はじめまして。
    私も走行中に異音が出ていて何が原因かわからず色々調べてたところここにたどり着きました。
    同じように交換したところ異音がなくなり快適に走行出来るようになりました。
    大変に参考になり有難うございました!(^^)!

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