サイクリングロードを離れて、谷津の道を探検しながらサイクリングするようになってからだいぶ経ちます。だんだんと距離が伸び、自然豊かな里山にも入り込むようになりました。自宅のある船橋から谷津道を探しながら走っていると、自然と千葉県中央部に広がる下総台地を訪れることが多くなります。
走行中に見つかる自然の恵み
春から秋にかけての里山には色々な自然の恵みが溢れています。畑や宅地のために里山も開発が進んでいますが、それでもポツリポツリと手付かずの樹林が残されています。その脇を自転車で走っていると、期せずして赤や黄、紫などの美味しそうに色づいた果実を発見することがあります。見つける度に自転車を止めて貪っているものですから、ちっとも前に進みません。
いかにも自然の恵みが見つかりそうな谷津の道 |
クサイチゴやナワシロイチゴは足元で、低木のモミジイチゴは道路脇の斜面でよく見つかります。自転車の走行中でも気づきますので、簡単に楽しめます。アケビは木の高い場所に生っていることが多く、見つけるのが難しいのですが、何度も里山を走っていると、比較的採りやすい場所の実を見つけられます。公園や車道横に植樹されることの多いヤマモモなどは、里山よりも家の近所の方がよく見つかります。これらはサイクリング中に誰にでも見つけられる自然の恵みとも言えますね(^ ^)
比較的見つけやすい里山の恵み |
今年もまたサイクリングをしながら自然の恵みを堪能しています。探検しながら谷津の新しいルートを開拓していますので、見つかる自然の恵みも種類が増えてきました。簡単に見つかる自然の恵みについてはすでに何度もご紹介していますので、今回はちょっと変わったものや採るのが難しいものをまとめた上級編?です。里山の自然の恵みといえば、キノコや山菜、サワガニなどもありますが、自転車で走りながら見つけられるものではありませんので、ここでは取り上げていません。
手の届く場所のアケビ(9〜10月)を見つける方法
アケビは蔓性の植物で、木に絡みついて育ちます。高い木の上に生っている実は、高枝バサミのようなものがないとおいそれとは採れません。サイクリングに行くのに高枝バサミを持って走る人はいない(本当は持って走りたい)でしょうから、手の届く場所に生っているものを探さなければなりません。そのためには二年がかりで場所を絞り込みます。一年目は、アケビの季節がそろそろ終わりを告げる10月から11月頃に、路上に落ちているアケビの実を探します。
秋の終わりに路上に落ちているアケビを探す |
路上に実が落ちているということは、その上にアケビが生っていたということですから、頭上を注意深く探してみます。手の届きそうな場所にアケビの実が残っていたり、蔓が絡みついていれば、その場所をチェックしておいて、翌年9月頃に再び訪れて熟したアケビを楽しみます。
農道の片側が林になっているような場所も狙い目です。農道側にはみ出してくる藪が毎年刈り取られますので、奥にあったアケビの蔓が道路脇にむき出しになっていることがあります。こんな場所なら道具がなくても採り放題で楽しめます。ただしこのような場所は、次の年にはなくなっていることも多く、毎年同じ場所で必ず見つかる保証はありません。
藪の手入れでアケビの蔓がむき出しになっている場所もある |
アケビにそっくりなムベの実を発見(9〜10月)
実の形はどう見てもアケビなのに、葉っぱの形が違う蔓性の植物を見つけました。調べてみると郁子(ムベ)というそうです。熟してもアケビのように口は開きませんが、種の周りの果肉だけを食べるのはアケビと同じです。
葉の形がアケビと違うムベの実 |
小粒でピリリと辛いサンショウも見つけた(9月)
調味料として有名な山椒も谷津道を走っている時に見つけました。完熟した実の皮をすり潰せば普段目にする調味料になりますが、生の実を佃煮にしたり葉の若い部分を薬味に使ったりできます。一粒食べてみましたが、正真正銘の山椒の味がしました(^ ^)
意外に身近な場所に自生している山椒 |
採る人が少ないので採り放題のヤマボウシ(8〜9月)
ヤマモモ同様、街路樹や庭木として植樹されることが多いのが山法師(ヤマボウシ)の木です。この木も秋になると食べられる木の実をたくさんつけます。街中で実を採っている人を見かけたことがないくらい、誰も相手にしない実ですが、結構いけます。
びっしりと実をつけるヤマボウシ |
派手なサイクリングジャージを着て、車道脇や公園のヤマボウシを採って食べていたらかなり目立ちます。できれば里山に自生している木を狙ったほうが恥ずかしくありませんσ(^_^;)
下総台地ではあまり見かけないクコの実(10月)
地域によってはキイチゴと同じくらい馴染みの植物のようですが、下総台地のよく走るルートではあまり見かけないのがクコの実です。意識して探してみると、何箇所かで見つけることができました。生で食べるよりも、干したものが有名ですね。
探せば見つかるクコの実 |
初めて見つけたヤマブドウ(9〜10月)
高い場所にある大きなアケビの実を見つけて、藪の中で四苦八苦している最中にヤマブドウを見つけました。葉の形がどう見てもぶどうの仲間とは異なる三角形だったため、実を口にするのがためらわれましたが、「ええい、ままよ!」とばかりに食べてみると正真正銘ブドウの味がします。帰宅後に調べてみるとサンカクヅルというヤマブドウの仲間だとわかりました。
サンカクヅルというヤマブドウの仲間を発見 |
藪の中にかなり広範囲に広がっていたので、結構な量を収穫できそうですが、自転車では持ち帰れません。たくさん採ってヤマブドウ酒を作りたいと思っています。
春先にはクレソンもいい(3月)
谷津を流れる水の綺麗な小川にクレソンが自生していました。そのまま食べても美味しいものではありませんが、ビニール袋に入れて持ち帰ればサラダや付け合わせに大助かりです。
小川にびっしりと自生しているクレソン |
木ノ実が終わる頃に楽しめるムカゴ(10〜11月)
10月も後半になってくると、木ノ実はほとんどが終わってしまいます。本格的に寒くなる前に、最後にムカゴが楽しめます。山芋の肉芽ですので、そのまま生で食べてみると、しっかりと山芋の味がします。至る所で見つかりますので、たっぷり採ってムカゴご飯や、茹でて塩をまぶして酒の肴にします。帰宅後の酒の肴まで採れるのですから、まさに一石二鳥の谷津道探検サイクリングです。
どんな場所でも見つかるムカゴ |
その場では食べられないが藤の実もいける(9月)
生では食べられません(有毒です)が、しっかりと煎れば美味しく食べられるのが藤(フジ)の実です。これも至る所で見つかりますので、探す手間はかかりません。豆類は多かれ少なかれ生は有毒で、お腹を壊します。必ず熱を加えてから食べましょう。採る人はほとんどいないようで、走っていると必ず目に入ります。日当たりの良い場所で4〜5月に綺麗な紫色の花を咲かせますので、その場所を覚えておけばいくらでも採れますが、食べ過ぎは良くないようです。
そこら中で見つかる藤の実 |
グミに似ているけどこれは何?(5月)
まだ木ノ実が少ない5月頃に、赤い色が目立っている木を見つけました。実の形はグミにそっくりですが、葉の形が知っているものと異なります。調べて見ましたがわかりませんでしたので、今年は口に入れるのを見送りました。何でもかんでも口に入れてしまうのも怖いので、もう少し調べてから挑戦します。
グミに似た木ノ実、食べられる? |
こんなサイクリング中の自然の恵みもあり?
谷津の中の農道を走らせてもらうので、農家の脇でこんなものを見つけることもあります。これだって立派な自然の恵みですよね。ありがたいのですが、とてもロードバイクで持ち帰れる大きさではありません。もう少し小さいものもお願いしま〜す。
農家の脇で見つけた冬瓜、美味しそうだが大き過ぎて持ち帰れない(T . T) |
下総台地サイクリングで見つけた自然の恵みマップ大公開
下総台地の里山で発見し、実際に食べてみた自然の恵みを採った場所をGoogleマップで大公開します。地図を拡大表示すれば正確な場所がわかりますので、興味のある方は是非探してみてください。ただし、食べるのは自己責任でお願いします。今の所、食中毒になったりお腹を壊したりという経験はありませんが、図示されたポイント近辺で見つかる全てのものが安全だとは限りませんのでご注意をσ(^_^;)
自宅から自転車で2〜3時間の場所に、こんなにも色々な自然の恵みがあることを知って、ますますサイクリングが楽しくなりました。車道や整備されたサイクリングロードを使わないので、距離は伸びますが、自然の中を快適に走り回れます。未舗装路には向かないロードバイクですが、谷津の中の農道を選んで走ればダートにはほとんど行き当たりません。さらに、農繁期以外は誰もいない道を独り占めにして走れます。やっぱり谷津道探検サイクリングは超快適です(^ ^)/
手賀沼の近くでサルナシを見つけた!
やっと太陽が顔をのぞかせ、十日ぶりに自転車に乗れました。午後から手賀沼付近の農道を探検していたら、サルナシを見つけました。小さなキウイフルーツのような木ノ実です。名前の通り猿の大好物らしいですが、クマなども大量に食べるそうです。さすがに手賀沼付近にクマはいないでしょうが、猿に先を越されないように次の晴れの日にもう一度行ってたっぷり食べてこようと思います(^ ^) 秋は自然の恵みがいっぱいで超嬉しいです。
初めて見つけたサルナシの実 |
(2017年10月18日追記)
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