動画編集の際に、映像の一部を強調したい時があります。色々なものが写っている映像の一部分を、何らかの方法で目立たせるテクニックです。動画編集を始めたばかりの頃は、Final Cut Pro X(FCPX)に付属しているシェイプジェネレータを使って丸で囲んだり、矢印を表示したりしていました。少し慣れてくると、そのシェイプを点滅させて、目立たせるようにもしましたが、映像表現という意味では今一つです。Motion5を購入して、自分でジェネレータテンプレートを作成できるようになると、動く矢印で一点を示したり、動くマンガ線で中央部を強調できるようになり、FCPXで作成する動画作品の表現が豊かになったような気がします(あくまでも”気がする”レベルです....σ(^_^;)
Motion5で作成した強調用ジェネレータテンプレート |
サスペンス調の強調表示をしたい
マンガ線や動く矢印などはちょっと軽いイメージがします。もう少しサスペンス調か、ミステリアスな場面でも利用できる強調表示の手法が欲しくなりました。スパイ映画のオープニングなどでしばしば使われる、ライフルのスコープ(照準器)から見た映像です。何かを探して動いているスコープの映像が、ターゲットを見つけた瞬間にピタッと止まるイメージです。スコープの止まった場所が、その後のストーリーの中心になることは誰の目にも明らかな演出になります。
スコープが動き、ターゲットを捕らえた瞬間に止まる |
Motion5の「リグル」ビヘイビアで簡単にできそう
Motion5の持つ豊富なビヘイビアを利用すれば、色々な動きを持つテンプレートが作成できます。獲物を探して上下左右に動くスコープを実現するには「リグル」が使えそうです。動きはランダムに生成させますが、最後は必ず指定した位置で止まってもらわないと困ります。そのため、「リグル」ビヘイビアで生成したパスを「反転」ビヘイビアで前後逆にします。これで、ランダムに動いた後に止まる場所は必ず、指定した位置になります。
Motion5で「リグル」と「反転」を使い、動くライフルスコープを実現 |
スコープの画像はイラスト作成ソフト(AutodeskのGraphic)で描きました。マスクを利用して、スコープの内側と外側の明度を別々に変えられるようにします。
「リグル」のパラメーターはたくさんありますが、「量」を調整して画面からあまり飛び出さないようにして、「周波数」で速度(パスの長さ)を決め、「ノイズ量」で細かさを指定します。狙撃手が狙いをつけるような動きですから、あまり細かい動きにならないよう「ノイズ量」は少な目にします。
「リグル」ビヘイビアのパラメータは多いが、難しくはない |
それぞれのパラメーターを変えると、キャンバスに表示されている「リグル」のパス(赤線)が変化しますので、それを頼りに最適なものを指定します。パラメータのうち「周波数」と「ノイズ量」はFCPXに公開して、利用時に変更できるようにしました。
キャンバスに表示されるパスを見ながらパラメータを調整 |
パスは乱数で決められますので、気に入らなければ「ランダムシード」にあるボタンを押して再生成できます。このランダムシードも公開します。
FCPXからの利用は他のジェネレータ同様簡単
一度ジェネレータテンプレートにしてしまえば、FCPXからの利用は超簡単です。タイムライン上の必要な場所にドラッグして、必要な長さに調整し、公開されているパラメータを調整するだけです。
ジェネレータテンプレートをドラッグすれば即利用できる |
パラメータ調整で一番重要なのは、スコープが最後に停止する位置(ターゲット)を指定することです。同時にスコープのサイズも調整します。ジェネレータをドラッグした直後は、「ターゲット設定完了」にチェックがありません。これは「リグル」が無効になっている状態です。この時には、スコープは最終位置となる場所に表示されています。「スコープサイズ」及び「最終位置」を変更して、強調したい部分に合わせます。その後、「ターゲット設定完了」にチェックを入れると、「リグル」が有効になり、ランダムに決められたパスの開始点に移動します。
テンプレート使用時に一番大切なスコープの最終位置とサイズの指定 |
「リグル」ビヘイビアの「周波数」は公開パラメータでは「サーチ移動量」に、「ノイズ量」は「サーチ複雑さ」という名前にしてFCPX側に公開してありますので、動きに変化をつけたい場合はこれらのパラメータも調整します。最初と最後は15フレーム長のフェードイン・アウトをするようになっていますが、不要な場合はチェックボックスを外します。これだけで、狙いを定めて動き回るライフルスコープ映像が追加できます。あとは適当な効果音を付けてやれば完璧です。実際の動画で使用しているサンプルはこちらです。テンプレートにすると本当に便利ですね(^ ^)/
詳細は公開しているテンプレートの中をご覧ください
「快適動画編集」というカテゴリーのブログ記事で紹介している自作のFCPXテンプレートをグーグルドライブで公開しています。記事中では作り方の詳細までは説明していませんが、Motion5で中身を開けば、ご理解いただけると思います。Motion5をお持ちでないFCPXユーザーも、ファイルを解凍して所定の場所に置いていただければ、テンプレートの機能を利用できます。改善のアイディアなどがありましたら是非お知らせください。
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