先日秋葉原をぶらついていてまんまと摑まされた嘘っぱち中華4Kアクションカムのレビュー動画を作成中に、よく漫画で見る衝撃シーンの線(集中線)を使いたくなりました。調べて見ると、少し前のMotion5アップデートの際に「マンガ線」というジェネレータが追加されていることが判明。これを使えば簡単に実現できそうです。
漫画でよく見る「集中線」 |
ネットで「マンガ線」とか「集中線」のキーワードで検索すると、結構ニーズがあるのか有料のものも含めてかなりの件数がヒットします。大半はマンガやイラストで使用できる静止画像ですが、中にはアニメーションしてくれるものもありました。Final Cut Pro X(FCPX)で動画編集の際に使用する予定ですので、動きのある「マンガ線」ジェネレータテンプレートを目標に作製に取りかかりました。
Motion5で「マンガ線」テンプレートの作成は簡単だった
Motion5に追加された標準のジェネレータが使えますので、基本的な部分は何もしなくても揃っています。作業が必要だったのは、マンガ線に動きをつける機能と映像の上に重ねた時に不要な部分を透過させる機能の追加です。
Motion5での作業はわずか4ステップ |
先ず「マンガ線」ジェネレータを持ってきて、そこに「ルミナンスキーヤー」フィルタを適用して黒または白を透過色にしてやります。次に「反復」ビヘイビアを使って「マンガ線」ジェネレータのパラメータを周期的に変化させて動きをつけます。最後にFCPX側にパラメータを公開して完成です。
「反復」ビヘイビアのパラメータ指定がちょっと難しかった |
「マンガ線」ジェネレータに動きをつけるために変化させたのは「ランダムシード」というパラメータです。たくさんの線をランダムに描画する際に、乱数発生の種にする数値です。これを時間とともに変化させてやると、マンガ線が不規則に動いてくれました。数値の変化のさせ方は正弦波よりもノコギリ波の方が自然なようです。速度(周期)も好みに合わせてFCPX側で変えられるように公開パラメータとします。
たくさんある「マンガ線」のパラメータを変えると細かく表現が変わります。ここでは詳しい説明は省きますが、実際の使用時にパラメータを変えながら好みのポイントを探ることになります。
FCPX側での利用はいたって簡単
FCPX用のテンプレートにしてしまえば利用はいたって簡単です。タイムラインにジェネレータテンプレートをドラッグして、必要な長さにします。その後、公開されているパラメータを調整して好みの見え方、動きに変えてやります。
作業効率が一気に上がるFCPXテンプレート |
ここでは公開したパラメータを紹介します。実際に値を変えてみて、こんなこともできるんだと驚いた部分もありました。
- 線のスタイル放射状と直線状の切り替え
- 白黒反転白黒切り替え
- 中心*放射状の中心点
- 内径*線のない部分
- 外径*線が消え始める部分
- コントラスト
- 線の数
- 線の太さ
- 波状曲線を使用
- 波の数
- 波のオフセット曲がり始める部分
- マンガ線の動き動かすか固定か
- 動き速度
- ルミナンス透過透過を適用
- キー反転透過色変更
*のついている中心/内径/外径については線のスタイルが放射状の時に表示されます。直線状の場合はポイント1/2に切り替わります。説明を読むより実際にパラメータを動かしてみるのが一番ですので、このくらいにしておきます。
不穏な雰囲気を醸し出す波状の集中線も
波状/波の数/波のオフセットをいじると、なんと真っ直ぐだったマンガ線がグニャグニャと曲がるではありませんか。これは面白いです。出来上がる画面も何やら不穏な雰囲気を漂わせます。
波状のマンガ線は不穏な空気が表現できそう |
直線状にすると「スピード線」が出来上がり
線のスタイルを直線状にすると「スピード線」になりました。高速で移動していることを表現するマンガ線の一種です。画面中央に表示されている丸いオンスクリーンコントロール(OSC)ハンドルを使って、画面を見ながらマンガ線の位置を変えたり角度を変えたりできます。
一挙に「スピード線」も実現できた |
マンガ線の色を白に変えることも可能
通常マンガ線は黒色で描かれることが多いと思いますが、重ねる画像に暗い部分が多い時などには白色も使うかもしれません。白黒の反転ができるようにしました。その際に、透過色にする部分も変えるか、そのままにするかが選択できます。
マンガ線を白色にすることも可能 |
さて、これだけ汎用性を持たせれば、色々な動画の編集で使えそうです。
作成したテンプレートはGoogleドライブで公開しています
Motion5での細かな作業の説明は省きましたが、出来上がったFCPXテンプレートはGoogleドライブで公開中です。Motion5をお持ちの方は、直接内容を見ていただければ理解しやすいと思いますし、自由に改変してお使いください。Motion5をお持ちでない方も、ダウンロードしてFCPX用のテンプレートフォルダに解凍していただければ利用することができます。ご活用いただき、ぜひ改良のアイディアなどがありましたらお知らせください。
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