昔からのラジオ好きです。たまに好きなTV番組を観る時以外は、ほとんどラジオを聴いています。就寝時には枕元の小型ラジオ、車の運転中にもカーラジオ、トイレにもラジオが置いてあります。少し前まではサイクリング中にもヘルメットに取り付けた携帯ラジオを聴いていましたが、さすがに道路交通法改正でイヤホンの使用がうるさくなったため止めました。そんなラジオ漬けの毎日ですが、最近は家の中も電子化が進み、色々な家電が電磁波ノイズを出しているようです。よく聞くAM波のNHK第一放送も場所によってはノイズ混じりで聴きづらいことが増えてきました。電波を使わず、電磁波ノイズの心配のないネットラジオの出番が増えてきた今日この頃です。
安価にネットワークオーディオが設置できるVolumio
ネットラジオが出てきたばかりの頃は、バックグラウンドでラジオを再生しながら、パソコン作業をしていました。しかし、小さなスピーカーのパソコンでは音が貧弱だったり、再起動が必要な時にラジオも止まってしまったりと、一台のパソコンでは使い勝手の悪いものでした。
5,000円前後の価格で手に入れられるRaspberryPiに音楽再生に特化したVolumioというフリーソフトを導入すると、ネットワーク音楽プレイヤーが簡単に作れることを知りました。これに好みのDACやアンプ、スピーカーを組み合わせてやれば、望む音質のシステムが出来上がります。Wi-Fiで家庭内ネットワークに繋げば、家中どこにでも置けます。リビングや仕事部屋などに複数のRaspberryPiをネットワークオーディオシステムとして設置しました。ラジオを聴くには、iPhoneやパソコンからNHK「らじるらじる」の音声をAirPlayでこのネットワークオーディオシステムに飛ばします。
iPhoneからラジオの音声をAirPlay経由でネットワークオーディオに飛ばして聴いていた |
ラジオ聴くのにVolumioの他にiPhoneって必要?
しばらくこのやり方でラジオを楽しんでいましたが、Volumioだけでもネットラジオを再生する機能がついています。登録されているラジオ局にNHKはありません(海外向けのRadio Japanはありました)が、調べてみると好みのウェブラジオ局を追加できるようです。VolumioだけでNHKのラジオが聞ければ、いちいちiPhoneを取り出してアプリを起動する必要もありません。
マイウェブ放送局の登録ができるVolumio |
登録するにはストリーム放送用のURLか、M3UあるいはPLSリモートファイルを指定しなければならないようです。仕組みについてはちんぷんかんぷんですが、とりあえずネットで調べたNHKのM3Uリモートファイル文字列を指定してみました。
意味もわからずNHKストリーム放送の情報をネットで調べてインプット |
登録したウェブラジオを再生すると、指定したURLが開けないというようなエラーが出て音が出ません。ネットで散々調べましたが、どれも少しづつですが内容が異なっているようで、どれが正しいのかわかりません。諦めかけた頃に、いつも使っているSafariブラウザーの開発モードを思い出しました。これを使えば「らじるらじる」がネットワークとやりとりしている文字列を調べられるはずです。
m3uの文字列を探すと、ありました。やはりネット上で調べたものと少しだけ違いがあります。時々変えられているのかもしれません。ここで調べた文字列をVolumioのマイウェブ放送局に登録してみると、ちゃんと音が出ました。NHK第二やFMも同様に調べて登録。これでiPhoneから音声を飛ばさなくても、VolumioだけでNHKの三局が聴けるようになりました。
下が今回調べたNHK三局のストリーム情報です。千葉県からアクセスしていますので、他の地域からは違う文字列になるかもしれません。ストリーム情報に「akamai」の文字が含まれています。知られざるネット上の巨人であるAkamaiのサービスを使っているんですね。(2017年12月19日追記:いきなりNHKが聞けなくなりました。URLがオープンできないというエラーになります。前回同様にSafariの開発モードで調べてみたら、またm3uファイルの文字列が変えられていました。NHKから提供されるプレイヤー以外では聞けないようにするために時々変えられているみたいですね。なんか意地悪されているみたいです....)
一番よく聴くNHK三局はこれでOKなのですが、平日深夜零時から放送される東京FMのジェットストリームも長年愛聴してきた番組です。できることなら東京FMも登録したいと思い、radikoで東京FMを再生した時のネット上のやり取りを調べてみましたが、m3uの文字列が見つかりません。radikoはどうもストリーミングの方法が異なるようです。ネットで調べてみてもVolumioそのものでradikoを聴いているという記事は見つかりませんでした。
ネットで検索を重ねているうちに、RaspberryPiに「ホームラジオ」というシェアウェアを導入すると日本のラジオ局がプリセットされていて、聴くだけでなく録音もできることがわかりました。プロダクトキーの購入に1,500円かかりますが、各局の情報も全てセットされていますのでお手軽です。電源投入後8時間までは無料で使用できますので、試してみました。
システムが書き込まれているSDカードの余り部分や別のUSBメモリを使って、ラジオ番組をタイマー録音できます。これは便利ですね。予約もブラウザーに表示される番組表から一発でできます。録音したファイルが保存されているフォルダーはNASとして他のパソコンと共有できますので、ラジオサーバーとしてどんどん録音させ、他の部屋からその番組を再生することができます。CPU負荷やネットワークのキャパシティに依存しますが、複数の放送局を同時に録音できるそうで、まさにラジオの世界も様変わりといった感じです。以前、NHK第二の英会話番組を毎日決まった時間にカセットテープに録音して、通勤電車の中で聴いていたのを思い出します。このラジオサーバーがあったら本当に楽だったろうと思います。(まあ、録音で楽すると聞かなくなっちゃうもんですけどね〜 ^ ^;)
ブラウザーの開発モードを使ってらじるらじるのストリーミングURLをチェック |
m3uの文字列を探すと、ありました。やはりネット上で調べたものと少しだけ違いがあります。時々変えられているのかもしれません。ここで調べた文字列をVolumioのマイウェブ放送局に登録してみると、ちゃんと音が出ました。NHK第二やFMも同様に調べて登録。これでiPhoneから音声を飛ばさなくても、VolumioだけでNHKの三局が聴けるようになりました。
実際に調査したストリーム情報を登録してNHK三局が聴けるようになった |
下が今回調べたNHK三局のストリーム情報です。千葉県からアクセスしていますので、他の地域からは違う文字列になるかもしれません。ストリーム情報に「akamai」の文字が含まれています。知られざるネット上の巨人であるAkamaiのサービスを使っているんですね。(2017年12月19日追記:いきなりNHKが聞けなくなりました。URLがオープンできないというエラーになります。前回同様にSafariの開発モードで調べてみたら、またm3uファイルの文字列が変えられていました。NHKから提供されるプレイヤー以外では聞けないようにするために時々変えられているみたいですね。なんか意地悪されているみたいです....)
NHK第一:
https://nhkradioakr1-i.akamaihd.net/hls/live/511633/1-r1/1-r1-01.m3u8
NHK第二:
https://nhkradioakr2-i.akamaihd.net/hls/live/511929/1-r2/1-r2-01.m3u8
NHK-FM:
https://nhkradioakfm-i.akamaihd.net/hls/live/512290/1-fm/1-fm-01.m3u8
https://nhkradioakr1-i.akamaihd.net/hls/live/511633/1-r1/1-r1-01.m3u8
NHK第二:
https://nhkradioakr2-i.akamaihd.net/hls/live/511929/1-r2/1-r2-01.m3u8
NHK-FM:
https://nhkradioakfm-i.akamaihd.net/hls/live/512290/1-fm/1-fm-01.m3u8
2017年12月19日時点の調査結果
一番よく聴くNHK三局はこれでOKなのですが、平日深夜零時から放送される東京FMのジェットストリームも長年愛聴してきた番組です。できることなら東京FMも登録したいと思い、radikoで東京FMを再生した時のネット上のやり取りを調べてみましたが、m3uの文字列が見つかりません。radikoはどうもストリーミングの方法が異なるようです。ネットで調べてみてもVolumioそのものでradikoを聴いているという記事は見つかりませんでした。
「ホームラジオ」というシェアウェアなら録音も可能
ネットで検索を重ねているうちに、RaspberryPiに「ホームラジオ」というシェアウェアを導入すると日本のラジオ局がプリセットされていて、聴くだけでなく録音もできることがわかりました。プロダクトキーの購入に1,500円かかりますが、各局の情報も全てセットされていますのでお手軽です。電源投入後8時間までは無料で使用できますので、試してみました。
「ホームラジオ」のライブ画面、多くの放送局が登録済み |
システムが書き込まれているSDカードの余り部分や別のUSBメモリを使って、ラジオ番組をタイマー録音できます。これは便利ですね。予約もブラウザーに表示される番組表から一発でできます。録音したファイルが保存されているフォルダーはNASとして他のパソコンと共有できますので、ラジオサーバーとしてどんどん録音させ、他の部屋からその番組を再生することができます。CPU負荷やネットワークのキャパシティに依存しますが、複数の放送局を同時に録音できるそうで、まさにラジオの世界も様変わりといった感じです。以前、NHK第二の英会話番組を毎日決まった時間にカセットテープに録音して、通勤電車の中で聴いていたのを思い出します。このラジオサーバーがあったら本当に楽だったろうと思います。(まあ、録音で楽すると聞かなくなっちゃうもんですけどね〜 ^ ^;)
H/WボリュームのあるDACならプリアンプも不要
リビングに設置したVolumioシステムはステレオセットのDACに接続してあります。大型のスピーカーをドライブするために、それなりの大きさと値段のプリメインアンプを使っています。音量調整はこのプリアンプ部で行います。対して、別の部屋に設置したVolumioシステムでは、2,000円で購入した秋月電子のキットをメインアンプにしています。これに同じく秋月で売っていた一個300円のスピーカーを繋いで音を出しています。
一個300円のスピーカーユニットを2,000円のアンプでドライブ |
こんなアンプとスピーカーでもAMラジオ放送を聴くには過不足のない音を出してくれます。音量調整が目的でこのアンプの前に同じく秋月電子のキットで作ったヘッドホンアンプを入れていました。ケース付きで6,000円しましたので、システムの中で一番高価なコンポーネントです(^ ^)
秋月のヘッドホンアンプキット、いい音出ます |
これにVolumioをインストールしたRaspberryPi 2BとUSB DACを繋いでいます。もちろんこのDACも秋月電子で1,700円で購入したものです。USB DACは裸のまま、購入時に入っていた静電気防止袋に入れてあります。全ての操作がリモートから行えるため、RaspberryPi本体も含めて、部屋の写真立ての後ろに隠してあります。ケースなどの見栄えを全く気にする必要はありません。一般のオーディオシステムと一番異なる部分かもしれませんね。
このDAC、調べてみるとハードウェアによるボリュームコントロールができるようです。Volumioの設定メニューにあるMixer TypeをHardwareにすると、音質の劣化なくVolumioからDAC出力の音量が調整できるようになります。
RaspberryPi 2BとUSB DACをこのままで使用中 |
このDAC、調べてみるとハードウェアによるボリュームコントロールができるようです。Volumioの設定メニューにあるMixer TypeをHardwareにすると、音質の劣化なくVolumioからDAC出力の音量が調整できるようになります。
Volumioの音量オプションでハードウェア・ミクサーを選択 |
この機能を使えば、音量調整のために入れている一番高価なヘッドホンアンプがなくてもボリュームコントロールができます。いちいちアンプのところまでいかなくても、パソコンやiPhoneからリモートコントロールできるのでとっても便利になります。
Volumioのプレイバック画面右側がボリュームコントロール |
先ほど試した「ホームラジオ」は簡単にラジオが聴けたり録音できますので、1,500円はリーズナブルな価格だと思いますが、音量の調整が素早くかつ細かくできませんでした。多分、普段の音量調整はアンプで行うという設計思想なんだろうと思います。
今のところVolumioだけでは東京FMを聴くことはできませんが、一番よく聴くNHK第一とNHK FMがVoumioだけで聴けるようになりました。アンプも含めて消費電力が大変小さく、電源を入れっ放しにしても電気代もそれほどかかりません。パソコン仕事をしながら一日中ノイズのないラジオを聴き放題なんてこともできるようになりました。しかも、音量調整も放送局の切り替えも手元のパソコンから行えます。ラジオの世界も様変わりしていますね。
欲が出て音楽専門局も追加
VolumioだけでNHKラジオ局が手軽に楽しめることがわかると、さらに欲が出てきました。高音質が期待できるデータレートの高いネットラジオ局の一つであるLINN Radioも追加してみました。
LINN-Radio:
http://radio.linnrecords.com/cast/tunein.php/linnradio/playlist.pls
LINN-Classical:
http://radio.linnrecords.com/cast/tunein.php/linnclassical/playlist.pls
LINN-Jazz:
http://radio.linnrecords.com/cast/tunein.php/linnjazz/playlist.pls
OTTAVA:
http://rakuten.streamguys1.com/ottava1_b?args=widget
http://radio.linnrecords.com/cast/tunein.php/linnradio/playlist.pls
LINN-Classical:
http://radio.linnrecords.com/cast/tunein.php/linnclassical/playlist.pls
LINN-Jazz:
http://radio.linnrecords.com/cast/tunein.php/linnjazz/playlist.pls
OTTAVA:
http://rakuten.streamguys1.com/ottava1_b?args=widget
日本のOTTAVAも加えてみましたが、よく見ると初めからVolumioに登録されていました。NHKが48Kbpsの帯域しかないのに比べて、LINNのストリーム放送は320Kbpsのデータレートがあるためかなり高音質です。AM放送用に使っているVolumioシステムではなく、リビングのステレオセットにつながっているVolumioで聴いてみたらBGMに最適な音が楽しめました。
(2017年6月21日追記)
音の途切れが発生するのはHLS方式のせい?
320Kbpsの帯域を使うLINN Radioではほとんど音飛びはありませんが、それよりずっと低速回線向けの48Kbpsしか使っていないNHK三局ではかなり頻繁に音飛びが発生することがわかりました。真っ先にVolumioのプレイバックオプションにあるバッファーサイズや先読みするデータの割合を増やしてみましたが、状況はあまり変わりません。
Volumioの受信バッファーサイズや先読みの割合を増やしてみたものの.... |
NHKの再生のされ方を注意深くみていると、10秒の長さのTSファイルを順番に読み込みながら再生を続けています。これがHTTP Live Streaming(HTTPライブ・ストリーミング、HLS)方式と呼ばれる配信のプロトコルでした。受信バッファーのサイズを大きくしたり、先読みの量を多くしても、一つ一つのファイルが小さく、次以降のファイルを先読みしない限り音飛びの防止には役立たないのではないかと思い始めました。技術的なことはわかりませんが、VolumioのHLS配信の取り扱い方法に改善が必要なのかもしれません。
NHKの「らじるらじる」ではバッファーサイズを大きくすると、最初に音が出てくるまでにかなりの時間を要しますが、Volumioではバッファーサイズを大きくしても音が出てくるまでの時間はほとんど変わらず、数秒以内には音が出てきます。Volumioでは複数個のTSファイルを先読みするようなバッファリングはしないのではないかと推測しています。瞬間の音飛びですので、会話の多いNHK第一ではあまり気になりませんが、FMで音楽を聴いている時にはがっかりします。対応が必要ですね。
(2017年6月26日追記)
結局ラジオサーバーで録音してVolumioで聴く方式に
Volumioで聴くNHKラジオは、音飛びとURLが時々変えられてしまうことから快適ではありません。結局、シェアウェアの「ホームラジオ」を使ってラジオサーバーを設置しました。好きな番組を自動録音して共有ホルダーに溜め込んで行きます。無線LAN経由でVolumioからそれを聞いて楽しんでいます。こうすると音飛びは全く出なくなります。聞き逃しも避けられ、ますます快適なラジオ環境が出来上がりました(^ ^)
(2017年12月19日追記)
Raspberryに自作のDACをつないで、Volumio でウエブラジオを1年程聴いています。ただ、NHKは入らず、登録されたラジオ局だけでした。その当時NHKを聴く方法を大分探したのですが分からず諦めていました。
返信削除たまたま、今日このサイトを見つけ、やってみたら、あっけない位に受信できるようになりました!!
ありがとうございました。
ただ、登録の局では、まったくそんなことは無く何時間でも鳴っているのですが、NHKだけは(第2は、試していません)3-5分で切れてしまいます。(再生の表示は出たままで。)他の局に移って戻ると、また受信できます。
何か、心当たりはありませんか?
よろしくお願いします。
川本
自己レスです。
返信削除Volumioのバージョンを更新したら、解決しました。
大満足です。(^^♪