サイクリングロードを離れ、谷津道探検サイクリングと称して、房総の里山を走り回っています。自然の中の適当な勾配の道を快適に走るばかりでなく、季節毎の自然の恵みを見つけて味わうという楽しみ方も知りました。サイクリング中に見つけやすい秋の味覚といえばキイチゴですが、経験を重ねるうちにアケビも度々発見できるようになりました。見つけた場所を覚えておけば、翌年はさらに簡単に採ることができます。
サイクリング中でもよく探せばたくさん見つかるアケビ、里山の秋の恵み |
ちょうど良く熟したアケビを見つけるのは難しい
9月初旬から10月末頃までが房総でアケビを見つけられる時期のようです。サイクリング中に初めてアケビを見つけたのは数年前の9月初旬でした。まだ口の開いていない、熟す前の実でしたので、しばらくおいてから食べようと自宅に持ち帰りました。数日間室内に放置していましたが、熟してくる様子は見られません。腐るのではないかと心配になり冷蔵庫に入れてしまいました。その後何日経っても色が変わらず、柔らかくもならないため、包丁で切ってみたのが下の写真です。とても食べられるような状態ではありませんでした(T . T) どうも採るのが早過ぎたようです。
採るのが早すぎたアケビの実 |
10月に入ると、見つかるアケビの中には口を開けているものも混じり始めます。普通のアケビは色が紫がかってきて、熟してきたことがわかりますが、中には白アケビといって、熟しても紫にならないものもあるそうです。口が開いているものを見つける度に、自転車を停めてアケビ採りです。割れ目を広げて中身を頬張ると、上品な甘さが口の中に広がりました。
口を開くのは「そろそろ食べ頃ですよ」のサイン |
種の周りに付いている果肉だけを食べますので、たくさん入っている黒いタネはプププと吐き出します。これがタネを撒き散らしてもらうアケビの戦略ですね(^ ^) 甘みが強いものもあれば、少し苦味が混じっているものもあり、初めて食べたら不味いと感じる人もいると思います。何より、果肉の部分が芋虫のような姿をしているので、ちょっとキモいです。初めて口にするには勇気がいります。
まるで大きな芋虫みたいなアケビの果肉 |
口が開いてしばらく経った実には、虫が入り込んだりゴミが付着したものもありますので、食べる時にはよく確認してから口に入れる必要があります。
見つけたら持ち帰りたいアケビの実
その場で食べるのも美味しいですが、食べきれないほど見つかりますし、お土産にもしたいので持ち帰ることにします。その場合は、口が開く前のものが運びやすいので、熟して口が開く直前のものを探します。紫色に染まり裂け目となる筋が見えるようになった実が狙い目です。持ち帰ったら、アケビをポリエチレンの袋に入れて口をしっかりと閉じ、そのまま室内に放置します。数日経つと追熟が進んで紫色が濃くなります。割れ目がはっきりしてきて、自然に口を開けるものも出てきます。
ポリエチレンの袋の中で数日室内に放置すれば追熟する |
ここまで室内で追熟したアケビは、自然のままで口を開いていた実と全く同じ食感、味がしました。9月初旬に採ってきたものが食べられなかったのは、採るのが早過ぎたこと以外に、袋に入れていなかったことや、冷蔵庫に入れてしまったことが原因のようです。
もっと追熟させたら果肉がとろとろになってさらに旨い!
考えてみれば自然の果実ですから、室温で放置してもそう簡単に腐敗することはないはずです。思い切って、たっぷりと追熟させて見ました。十分に紫色になっていて、割れ目が現れ始めているものを持ち帰り、ポリエチレンの袋に入れて十日ほど室内に放置しました。触ってみると実が柔らかくなっています。手で実を割ってみると、中からとろとろになった果肉が現れました。
口を開ける直前のものを採取し、十分追熟させてみた |
「げげっ、熟し過ぎたか?」と心配になりましたが、一口食べてみて杞憂だとわかりました。果肉がさらに柔らかくなり、甘い汁が垂れてきます。これは旨い! これが本当に熟したアケビの味でした(^ ^) 屋外で見つけたアケビの実で、ここまで熟したものは食べたことがありません。この状態になるとほとんどが落ちてしまうか、虫や鳥の餌食になっているからです。
とろとろになるまで追熟させたアケビの実、こりゃ旨い! |
ここまで甘いアケビを食べたのは初めてです。これが本当の里山の恵みの味なんですね。山野でアケビを見つけて食べてみたけれど、ちっともうまくなかったという経験をお持ちの方は、ぜひ頃合いの実を持ち帰り、たっぷりと追熟させてから食べてみてください。きっと、アケビに対する評価が変わると思います。
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