2017年2月19日日曜日

快適自転車生活 地酒や野菜も持ち帰れる自転車用トートバッグを試作


 風を切って軽快に走れるロードバイクで毎回100キロ前後の日帰りツーリングを楽しんでいる親父ロードライダーです。カメラやスマホなどのデジタル機器と食品類をウェストバッグに、スペアチューブや工具などのパンク対応用具を小型のサドルバッグに入れて持参し、荷物はできるだけ軽量になるように心がけています。ただ走るだけであればこれらの積載方法でなんら問題はないのですが、谷津道探検サイクリングと称して里山を走っていると、小さな酒蔵や農産物の直売所などを見つけることが多くなりました。

普段は最小限の荷物で谷津道を軽快にサイクリング


珍しい地酒や新鮮な野菜を持ち帰りたい


 郊外には道の駅がたくさんあり、たいてい農産物の直販所が併設されています。里山にある農家の軒先きには無人販売所が設けられていることも多く、どちらも新鮮で美味しそうな野菜が格安で売られていて、思わず買って帰りたくなります。谷津は湧き水が豊富な地形で、千葉県にはこの水を使った酒蔵が数多く存在します。オートバイで房総の酒蔵を訪問していますが、期せずしてサイクリング中に酒蔵を発見することもあります。旨そうな地酒を見つけた時は、四合瓶ならなんとかウェストバッグに押し込んで持ち帰ることも可能ですが、長時間だと腰が痛くなります。酒飲みの私は四合瓶ではすぐに飲み干してしまうため、できれば一升瓶を買って帰りたいものです。

 ナップザックを畳んで持っていけば、必要な時だけ取り出して野菜や地酒を背負って持ち帰ることができますが、少し重いものだと肩や背中が痛くなります。一升瓶が入れられる大型のサドルバッグも売られていますが、毎回使うわけではありません。普段はできるだけスマートに走り、必要な時だけ積載量を増やせれば最高です。そんなわけで、次のような目標を立てて、オリジナル自転車用バッグのアイディアを絞り出して見ました。

  • 一升瓶一本を持ち帰ることが可能
  • できるだけ背負わずに自転車に積載する
  • 使わない時にはジャージのポケットに収納可能なサイズ
  • 自作できるシンプルな構造

ロードバイクで一升瓶を持ち帰るとすると、どこに載せたらいいでしょうか。考えて見たのは次のような場所でした。背負うのは最後の手段として、サドル下は今使っているサドルバッグやテールランプが使えなくなるため却下。フロントフォークの横やハンドルの下にもスペースがあるのですが、重たいものをハンドル周りにつけるとコントロールが怪しくなりそうなので、ここも却下。残ったのがトップチューブの下です。

サイクリングで一升瓶が載せられそうな場所


ベルトとバックルだけの試作品はちょっと失敗


 使わない時にはできるだけ小さく、軽量になるような構造と素材で試作品を作って見ましたが、いざ使うシーンを考えると「ちょと....」というものになってしまいました。

20mm幅のアクリルベルトとバックルのみで構成された試作品第一号

酒瓶に巻きつけてバックルを固定、トップチューブにぶら下げ、振れ防止としてシートチューブにも固定すれば積載完了ですが....

四合瓶をトップチューブに取り付けた状態

最初に酒瓶を縛るのに熟練が必要で、トップチューブに取り付ける時にも片手で瓶を抑えながらバックルを固定するのが結構難しい。下手をすると瓶を落として割ってしまいそうです。何より酒瓶が丸見えの状態で走るのは気恥ずかしいし、酒瓶以外のものに応用が利かないということで、日の目を見ることもなくボツ( ; _ ; )。


トートバッグ構造の自作自転車用バッグ


 自転車を降りて買い物をしている時からの利用シーンを思い描きながら、改良版の構造を考えてみました。お店で買い物をしてから自転車に戻るまでの持ち運びにはトートバッグが便利です。そのトートバッグをトップチューブに簡単に取り付けられれば、瓶を落としてしまう心配も減ります。このアイディアを形にしたものがこれ。基本的な形のトートバッグに横方向のベルトとバックルを取り付けました。

自作自転車トートバッグ(表面)

裏面には、バッグを二つ折りした時に接する場所に面ファスナーを三組取り付け。この接着力でトップチューブに一升瓶をぶら下げた時に仮止めさせます。その後、横方向のバックルを固定してベルトを締め付ければ、走行中に衝撃を受けても落下することはなさそうです。

自作自転車トートバッグ(裏面)

さらに、バッグ底部にある手持ち紐末端のバックルに肩紐を取り付ければリュックサック型になり白菜のようなかさばるものを背負うこともできます。

肩紐を取り付ければリュック型に

折りたたんだ時はこの程度になります。手持ちの生地が420デニーロの防水加工を施した厚手のものだったため、多少かさばりますが、何とかジャージのポケットに入るサイズになりました。薄手の生地を使えばもっとコンパクトにできます。

自作自転車トートバッグを畳んだ状態


自作した自転車トートバッグを実際に使って見ると


 基本構造は普通のトートバッグですから入るものなら何でも持ち運べます。一升瓶なら二本入るサイズです。当たり前ですが、普段の買い物の時にも便利に使えます。

一升瓶なら二本入るサイズ

一升瓶を二本も買ってしまったら、自転車に載せるのは不可能ですので、リュックサックにします。手持ち紐の中央と底部のバックルに肩紐を取り付ければ背負うことができます。

肩紐を取り付けてリュックサックに

かなりの重さは覚悟しなければなりませんが、紐が20mm幅のベルトですのでナップザックのように肩に食い込むことはありません。意外に安定して一升瓶二本が背負えました。ただし、この状態で走り続けるには強靭な肉体と鉄の意志が必要ですσ(^_^;)

自作自転車トートバッグをリュックサックにして背負う

酒瓶を自転車に載せる場合は一本までです。瓶をトートバッグの片側に寄せ、使わない手提げ紐をバッグの内部に入れてしまいます。トートバッグの半分は余っていますので、そこを自転車のトップチューブに巻きつけて面ファスナーで仮止めします。手を離しても落下しませんので、両手で二箇所あるバックルを固定しベルトを締め付けます。

トップチューブに巻きつけて面ファスナーで仮止め

さらに、バッグ底部のバックルをシートチューブに固定すれば、瓶が振動で動くことを防げます。

トートバッグ底部のベルトをシートチューブに固定すれば振れ防止になり安心

四合瓶であれば完全にトートバッグに隠れますが、一升瓶は首の部分が多少出ます。ブレーキをかけた時に一升瓶が飛び出しそうですが、前方の固定ベルトがちょうど一升瓶の肩の部分を抑えていますので、その心配はありません。酒瓶以外にも大根やネギなどの細長い野菜もこの方法で積載できそうです。

一升瓶は先端が少しはみ出すが、瓶が飛び出す心配はない

このトートバッグを使っていて心配なのは、ブレーキワイヤーへの影響とペダリングしている脚への干渉です。トートバッグの生地がブレーキワイヤーに触れていますが、ベルトで締め付けられるのはトップチューブの上部のため、ブレーキングに影響はありませんでした。ワイヤーがトップチューブに押し付けられて傷ができるようなこともなさそうです。脚への干渉については、酒瓶がトップチューブよりも直径が大きいので、多少ペダリング時に考慮が必要になります。個人差がありますが、四合瓶の場合はほとんど気にならない幅でした。

四合瓶の幅ならペダリング時に邪魔になるほどではなかった

一升瓶を積載した時にペダリングに影響が出る恐れがありますが、どの程度の時間なら大丈夫か走ってみなければ判断できませんので、近いうちにテストしてみようと思います。


単純な構造だけにまだまだ応用と改良の余地がありそう


 重たいものはトップチューブにぶら下げることになりますが、軽量なものであればトップチューブ前方の上部に固定することも可能でした。ウェアを丸めて入れたり、輪行袋を持ち運んだりできます。この固定方法ならペダリングへの影響も少なそうです。

軽いものならトップチューブの上にも固定可能

構造が単純なだけにいろいろな利用方法が考えられます。サイクリングに限らない活用方法があるかもしれません。毎回ウェストバッグの片隅に忍ばせて、下の四つの使い方以外にもいろいろな局面でテストしてみるつもりです。

この四つの使い方以外にも応用が利きそうな単純な構造の自作トートバッグ

ロードバイクでのサイクリング中に一升瓶など絶対に買って帰らないという人もいると思います(それがフツー?)。そのような場合には、もう少し縦の長さを短くするとトップチューブの上下に取り付けた際にスマートになると思います。参考までに試作した自転車用トートバッグの寸法図を載せておきます(写真の試作品は手提げ紐の位置を間違えて、少し外側に縫い付けてしまいました^ ^)。ベルトを生地に縫い付ける際には、オスのバックルがついてる部分は長さ調整ができるように70mm程度は縫わずに遊ばせておきます

試作したマルチウェイ自転車トートバッグの図面(単位はmm)

20mm幅のアクリルベルトと同サイズのYKK汎用バックルを使用しましたが、軽いものしか載せない場合はもっと細い15mm幅のベルトとバックルに変え、面ファスナーを二組に減らせば、さらに安上がりでコンパクトなオリジナルトートバッグに仕上がると思います。改良のアイディアなどありましたら是非教えてください。



ミニサイクルでの一升瓶持ち帰りにも最適だった


 近所で渋〜い酒屋を見つけ、自転車で買い出しに行った時にこの自作トートバッグを使ってみました。もともとロードレーサーのトップチューブに固定する構造にしたのですが、持っている折りたたみ式ミニサイクル(ブリジストンTransit7)のシートポストにベストフィット。

ミニサイクルのシートポストに一升瓶がぴったりと積載可能

手提げ紐の部分をシートに絡ませて、バッグの下部にある振れ防止用のバックルでシートポストに固定すれば、自転車が揺れても瓶は動きません。う〜ん、素晴らしいバッグです。これで近所の酒屋巡りが増えそうです(^ ^)/

(2017年6月10日追記)



ついにロードバイクのサドル下にも取り付け可能に


 ミニサイクルのシートポストへの取り付け経験から、サドルで重量を支えると重いものも安定して積載できることがわかりました。トートバッグの手提げ紐ではなく独自の固定ベルトを用意し、位置を変えられように設計変更してみたところ、実にうまい具合にロードバイクのサドル下に一升瓶が固定できました

ロードバイクのサドル下にも一升瓶が積載できる改良型自転車トートバッグ

これで、持っている全ての自転車で一升瓶を持ち帰ることができるようになりました。やったね (^ ^)/

(2017年12月25日追記)



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