2017年2月8日水曜日

快適自転車生活 格安中華ライトに手を加えて配光を調整


 危険が多いため夜間は滅多に走りませんが、夏に日中の猛暑を避けたり、冬に遠出をして帰宅が遅くなった時などにはどうしても日没後のサイクリングになることがあります。ロードバイクに乗り始めてから色々なライトを使用してきましたが、明るさや見やすさ、バッテリー持続時間、そして何より価格などでなかなか満足できる製品に巡り合っていません。だいぶ前にAmazonで購入したまま使用する機会がなかった格安の小型中華ライトや普段使用しているいくつかのライトを使って、夜のサイクリングロードを走ってみました。最新型ライトの性能比較ではなく、どのようなライトだったら日没後のサイクリングロードを走れるかの目安を知るためのテストです。その時の様子を動画にまとめたものがこれです。



格安中華ライトは確かに明るいが....


 一年近く前に買ったライトですので、今は別のモデルになっているようですが、使用しているLEDバルブ(CREE XM-L U2)は最近のものと同じでした。メーカー公称値1200〜1300ルーメンの明るさを誇るLEDバルブですが、使用する電源の能力に大きく依存するため、実際にその明るさが出ているかどうかは不明です。しかし、街路灯のない夜のサイクリングロードで点灯した瞬間、その明るさに驚かされました。

1200ルーメンを謳う格安の小型中華ライト

夜間走行で最もよく利用しているDosun A1の200ルーメンと比べると歴然とした差が出ます。ただの懐中電灯と同じような配光特性で、遠方まで光が到達しているのがわかります。

普段使用している200ルーメンのDosun A1

対してDosun A1は自転車専用を謳っている、配光を考慮したライトです。手前側は横方向に広く、遠方は中心部を照らすようになっていて、対向車や歩行者が眩しくないように上方への光がカットされています。格安中華ライトがハイビームだとするとDosun A1はロービームのような照射範囲です。

 実際に、街路灯がない夜間のサイクリングロードを、これらのライトを使って走ってみて感じたのは次のようなものでした。
  • 知っている道ならば配光が考慮された200ルーメンのライトで十分走れるが、初めての道だとちょっと不安
  • ハイビーム状態の中華ライトは遠方まで確認できるため走行スピードが上げられるが、すれ違う自転車や歩行者はかなり眩しそう
車が走行中にヘッドランプのハイとローを切り替えるように、サイクリング中にこの二つのライトを切り替えて使用できれば理想的かもしれませんが、歩行者とすれ違うたびに二つのライトのスイッチをオン・オフする余裕はありません。

すれ違う歩行者が目をそむけるくらい眩しいライト、ごめんなさい


格安中華ライトの配光特性を調整する


 自転車専用を謳っているDosun A1は上方への光を抑え、横方向を広く照射するように特別な形状のリフレクターを使用しています。

Dosun A1のリフレクター、LEDは上面に下向きについている

この特殊なリフレクター形状のおかげで、対向車や歩行者への防眩を実現しています。数メートル離れた壁に直接ライトを当ててみると、その配光特性がはっきりわかります。明るい部分が横方向に広がり、上方への光が抑えられています。限られたLEDからの光を有効に利用できる配光です。

Dosun A1の配光特性

対して格安中華ライトの配光特性はシンプルです。懐中電灯と同じようなスポットライト形状で、中心部が特に明るく360度どの方向にも均等に光が出ています。

懐中電灯と同じ配光の格安中華ライト

使われているリフレクターが放物線形状(パラボラ型)ですから当然こうなります。明るい中心部を取り巻く周辺の光も同心円状に広がっていて、ライトを下向きにして中心部を下げたとしても、この同心円状の部分が対向車や歩行者の目に眩しさを与えてしまいます。

パラボラ型のリフレクターではこんな配光

リフレクターの形状を変えるわけにはいきませんので、ひさし型の反射板を装着して上方への光を抑えてみます。こんな感じになれば理想的です。

ひさし型の反射板で上方への光を下へ向ける

試作のために何か良い材料がないか探してみたら、缶ビールの空き缶が目に入りました。ハサミで簡単に切れます。ちょうど良いサイズのホースバンドもありました。

缶ビールの空き缶を切り、ホースバンドで固定

怪我をしないように注意しながら、格安中華ライトの上部にビール缶で作ったひさしを固定します。樹脂製のタイラップなどでも固定できますが、点灯中は結構発熱しますので溶けてしまうかもしれません。

ビール缶で作ったひさしをホースバンドで格安中華ライトに固定

ビール缶のいいところは裏が鏡状で、ちょうど良い反射材となることです。足元付近が明るくなり、より安心感が出ます。取り付けできたら壁に向けて配光を確認。上方への光がスパッと切れていますので、角度を調整すれば歩行者への防眩対策にもなると思います。

ひさしを取り付けた格安中華ライトの配光

格安中華ライトのスポットライトのような配光を横方向へ広げるための後付けレンズがAmazonで500円くらいで売られていますが、上方への光はカットしてくれないようです。格好悪いビール缶のひさしですが、夜は誰にも見えません。いたずらに明るくして走る必要はありませんが、初めて走る場所では危険防止のためにこの格安中華ライトにも活躍してもらおうと思っています。そんな時に対向車や歩行者への防眩対策として、このビール缶ひさしも一緒に持っていきたいと思います。


明るさだけじゃない格安中華ライトの使い勝手


 公称1200ルーメンの中華ライト。バッテリーが別途必要ですが、この明るさを持つ専業メーカー製品と比べると超格安です。メーカー品は専用バッテリーが付属していますが、予備用に追加購入したらかなりのお値段。それに比べると、中華ライトはUSB経由で接続する汎用モバイルバッテリーが使えます。最高で1.5〜2A程度の電流が流れますので、ある程度の容量のあるモバイルバッテリーが必要ですが、最近は値崩れが進んでいて、2〜3千円で5〜10Ah容量のものが手に入ります。これで3〜4時間以上の連続使用が可能ですので、格段に安い費用で高い性能を手に入れられます。

モバイルバッテリーをサドルバッグに入れて使用

スマホの充電用に持参するモバイルバッテリーと同じものですから、複数個備えておけば電池切れを心配することなく安心して走れます。滅多に活躍するものではないからこそ、できるだけ安価に揃えておける中華ライトはお財布に優しい自転車生活の友になるかも...



使用するバッテリーの電圧は8.4VまでOKだった


 格安中華ライトに使用されているLEDバルブ(CREE XM-L U2)ユニットのスペックを調べていたら8.4Vまでの入力電圧に対応していました。製品に付属してきたのが5VのUSB接続コードでしたので、一般的なUSB形式のモバイルバッテリーでなければいけないのかと思い込んでいました。しかし、8.4Vまでのバッテリーが使えるのであれば、18650サイズのLi-ion充電池二本を直列にしたものが使用可能なはずです。色々なモバイル機器にこの電圧のバッテリーが付属していますので、家の中にたくさんあります。

普及しているLi-ionバッテリーには7.4V仕様のものが多い(右は自作品)

試しにメーカー製電熱ベスト用に自作した18650サイズLi-ion充電池を二本使用したバッテリーを繋いでみたら、5VのUSBモバイルバッテリー接続時よりも明るく点灯しました。USBのモバイルバッテリー(モバイルブースター)の中身は18650が複数本入っていて、レギュレーターで電圧を5Vに調整しています。このレギュレーターの性能が悪いと、ライトを点灯した時に電圧の低下や電力の損失が生じてしまいますので、使わずに済むのであればそれに越したことはありません。今後はUSBモバイルバッテリーではなく、家にある7.4V仕様のLi-ionバッテリーで使おうと思います。

(2017年9月8日追記)


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