2017年9月17日日曜日

マウントの鬼 ホームセンターの部品で小型のJAWSクランプ作成


 オートバイや自転車にGoProを取り付ける際に、ボルトで固定する常設型のベースマウント以外に、必要な時に必要な場所に一時的に取り付けるベースマウントも頻繁に利用しています。その中でも一番出番の多いのがJAWSフレックスクランプにボールジョイントバックルを組み合わせたシステムです。強力なクランプ部でパイプや板状のものにしっかり固定でき、さらにボールジョイント部で360度どの方向にもカメラの向きを変えられ、多少の傾斜があっても水平の調整ができます。実に応用範囲の広いマウント方法なのですが、問題はその大きさと価格です。狭い場所には入りませんし、複数箇所にカメラを取り付けるためにもう一組み手に入れるには一万円近い追加費用が必要になります。もっと小型で安価に同等の機能が実現できないか考えてみました。


GoPro純正品と同等の機能を2,000円以下で実現


 用事もないのにホームセンターをぶらぶらしていると、色々なものに自作マニアの創造魂が刺激されます。今回は300円程で売っていたナイロン製の工作用ハンドクランプを使ってみました。小さいくせにバネは大変強力で、片手では開くのに苦労するほどです。これに以前設計したボールジョイント部を載せてみました。

2,000円以下でできたJAWSクランプ+ボールジョイントの小型システム

GoProの純正アクセサリーはとにかく高価ですが、しっかりとした作りで耐久性もあります。最初に購入したJAWSフレックスクランプの格安コピー品は半年と持たずに壊れてしまいましたが、300円のハンドクランプなら壊れても簡単に交換できます。ボールジョイントバックルには同等品が見当たりませんので、3Dプリントサービスで造形してもらいます。固定用のM5ナットが別途必要ですが、それも数円程度ですので、締めて2,000円もかからずに完成しました。


ハンドクランプにボールジョイント部をどう取り付ける?


 自転車やオートバイのハンドルに取り付けられるように、40mmまで口が開くサイズのハンドクランプを選択しました。近所のホームセンター「コーナン」で見つけたものですが、Amazonなどでも同じものが売られています。OEM製品のようです。

開口部40mmサイズのナイロン製ハンドクランプ

このクランプにどのようにボールジョイント部を載せるか悩みました。ドリルで穴を開けて、ねじ止め式にすれば確実に固定できると思いますが、クランプの強度が心配です。クランプの腕の部分に肉抜きされた溝が作られています。3Dプリントに使う素材が靭性のあるナイロンですので、ここに爪を引っ掛けて固定する方法を試してみました。緩みがあるとガタついて使い物になりませんので、念入りにハンドクランプ側のサイズを測り、Fusion360で固定部の形状を注意深く設計しました。

Autodesk Fusion360で設計中のボールジョイント

いつも利用している3DプリントサービスのDMM.makeにデータを送り、待つこと四日。完成した造形物をいよいよハメてみます。毎回、この瞬間がドキドキします。頭の中で空想しながらデザインしたものが実物になって目の前にあります。それが上手くハマるか、機能するか緊張の瞬間です。

しなりのある素材を活かして、はめ込み式にしたボールジョイント部

きつめになるように設計しましたので、力を入れて押し込むと、見事「パチン」という音とともにハンドクランプにボールジョイント部が結合しました。実に爽快な気分です。

ガタつきもなく見事に一体化したハンドクランプとボールジョイント


GoPro純正品と同等の使い勝手に大満足


 クランプ式ですので、力はいりますが取り付け取り外しはワンタッチです。必要な時に必要な場所に取り付け可能なマウントは大変便利です。かなり嵩張るために、今まではサイクリングやバイクツーリング時に持ち歩かない時も多かったのですが、小型化できたことにより、気軽に持ち歩けそうです。

クリップ部のサイズが大幅に小型化できて持ち運びしやすくなった

ボールジョイント部は純正品同様に360度カメラの向きを変えることができ、さらに純正品よりも大きな角度でどの方向にも傾けられます。GoProの標準的なマウントでは難しい動きです。マウント固定後にカメラの向きを自由に変えることができるため、撮影時に画角を調整することが簡単になりました。

カメラの向きを自由に変えられるボールジョイントは便利


振動の多い場所での利用には注意が必要


 GoPro純正のJAWSフレックスクランプは内側にゴムがつけられていて、金属パイプなどでも滑らないようになっています。工作用のハンドクランプはナイロン素材のままですので、薄いゴムなどを貼り付けた方が使い勝手が良さそうです。さらに、ボールジョイント部分の固定が爪をはめ込んでいるだけですので、強い衝撃で外れる可能性も考慮して、カメラに落下防止のための紐などをつけておいた方が安心です。

自転車のハンドルに取り付けてみた自作と純正のJAWSクランプ、カメラを好きな向きにできる

これで二組のクランプ式マウントが揃いましたので、マルチカム撮影での取り付け場所が増えそうです。工作用のハンドクランプは別のサイズも売っているため、固定場所に応じたクランプに替えることもできます。市販の汎用部品と3Dプリントで無限に広がるGoProマウントの世界です。あとは迫力のある映像を撮るだけですね(それが一番難しい....)



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