2018年2月4日日曜日

壊れたCDプレーヤーの代わりにアナログ時代のDVDレコーダーを利用


 最近CDプレーヤーで音楽を聴くことがめっきり減りました。ネットのストリーミングやiTunesに溜めてある音源を使用すれば、いちいちCDを探してプレーヤーにセットする必要もありません。CDの新譜を購入した時や、iTunesにも入れていない古い曲を聴きたくなった時にだけCDプレーヤーをオンにしています。ある夜、旨い日本酒を飲みながら古いジャズが聴きたくなり、久しぶりにCDプレーヤーの電源を入れてトレイをオープンしようとしたら出て来ません。ウィ〜ンというモーターの音がして、ほんの少しCDトレイは動くのですが、それ以上は開きません。日本酒の酔いも手伝って、少し動いたCDトレイを力任せに引っ張ったら「バキッ」という音がしてトレイが抜けてしまいましたσ(^_^;) 「あちゃ〜、やっちまった!」と悔やみましたが、そっとトレイを元に戻してもモーターの唸り音がするだけで、もはや全く動かなくなってしまいました(泣)。

トレイが全く開かなくなってしまったDENON DCD-1500AE


めったに使わないが無いと困るCDプレーヤー


 購入してからすでに十数年も経っていて、もともとトレイの調子が悪かったとはいえ、酔った勢いで完全に息の根を止めてしまいました。リビングのオーディオコンポですから家族も使います。さて困った... 修理に出すにしてもかなりのダメージで、高額になりそうです。今更買い換えるのも勿体無いし、何か代わりになるものはないかとリビングのAV機器を物色してみました。目に留まったのは二台のDVDレコーダーです。現在リビングの液晶テレビにつながっているのはブルーレイレコーダーで、それ以前に使っていた二台のDVDレコーダーは、電源も切られたままで完全にラックの飾りと化していました。

DVDレコーダーはCDの再生もできると気づいた

上は2003年に購入したPanasonic DMR-E90Hで、チューナーはアナログのものしか搭載していません。つまり今は全くの用無しです。下はその後に購入した日立DV-DH500Wで、ハイビジョンを受信してHDDに無劣化で録画できます。ただし、書き出しにはDVDしか使えませんので、ハイビジョン番組の保存ではどうしても劣化します。劣化なしでハイビジョンが書き出せるブルーレイレコーダーのREGZAを購入したため、この二台は現在全く出番のない機械です。最初は日立の方を壊れたCDプレーヤーの代わりにオーディオラックにセットし、音を聞いてみました。RCA接続での音も問題なく、さらにSPDIF(光)で普段使用しているDACに接続できますので、慣れた音色で楽しめます。音的にはなんの問題もありませんでしたが、後ろについているファンの音がかなり大きく、音楽を聴いているときに邪魔になります。それに対してPanasonicの方はファンの音はほとんど聞こえません。「よし、Panasonicで行こう」と決めて、トレイのイジェクトボタンを押すと..... なんとトレイが出てこないではないですか。「Panaよ、お前もか」との思いで一時は諦めかけました。


ダメ元でDVDレコーダーを開けてみた


 アナログのチューナーしか搭載しておらず、DVDレコーダーとしては既に用済みの機械ですから、ダメ元で修理に挑戦してみることにしました。蓋を開けてみると基板やドライブ類がぎっしりと詰まっています。15年も前の製品で、かなりな値段で売られていた機械ですから内部も豪華です。DVDドライブが中央に、その隣にHDDがしっかりと防振処理を施されてマウントされています。

しっかりとした作りのDMR-E90Hの内部

HDDはMaxtorの120GBのものが載っていました。当時120GBの容量のHDDは相当高価だったと思います。購入時の価格は忘れてしまいましたが、かなり奮発して買ったものだと想像できます。

現在でも利用価値のありそうな120GBのMaxtor製HDD

トレイの出てこないDVDドライブの内部をチェックします。先ず、プラスチックカバーを止めている4本のネジを緩めて、カバーを取り外します。

ネジ4本を外せばDVDドライブのプラスチックカバーが取れる

すると、金属製の蓋が現れます。これはネジ止めなどされておらず、二本の爪が引っかかっているだけですので、内側に押してやるとすぐに外すことができました。

金属製の蓋は爪二本を押してやると外せる

外すとDVDドライブの内部が見えるようになります。ディスクを回転させるスピンドルモーターやその横にあるレーザーピックアップがむき出しになります。この状態で電源を入れ、イジェクトボタンを押してみるとなんの問題もなくトレイが出てきます。ボタンを押すたびにトレイが出たり入ったりしてくれます。何が問題なのかわかりませんが、金属製の蓋を閉めると再びイジェクトできなくなってしまいます

金属製の蓋を外した状態では問題なくトレイの開閉ができる


スピンドルモーター部分が下がらない


 金属製の蓋を外した状態でイジェクトしてみると、最初にスピンドルモーターとピックアップ部分が下がり、その後トレイがスルスルと出てきます。つまり、挟み込んだディスクを解放してから、トレイを出すようになっているわけですね。ディスクを挟み込むのはドライブ下部にあるスピンドルモーターと、金属製の蓋にバネで取り付けられているディスク押さえです。この二つは磁力で引っ張り合うようにできていました。トレイに置かれたディスクを確実に押さえるために、上下から磁力で固定しているんですね。

上下からディスクを抑える機構

イジェクトの最初の動作で、スピンドルモーターが下がった時に、磁力に打ち勝って上のディスク押さえと下のスピンドルモーターが離れてから、トレイが動き出すようになっているようです。試しに、上についているディスク押さえをイジェクトボタンを押すのと同時にドライバーなどで持ち上げてやると正しくイジェクトしてくれました。つまり、イジェクト動作初期に磁力に打ち勝つだけの力が出ていないことになります。


モーターの力を伝えるゴムベルトの劣化が原因だった


 イジェクト動作をさせるためのモーターやその駆動系統を探してみました。トレイの移動中に電源コードを抜き、途中で止めてやると、モーターや駆動系が現れました。

トレイの移動中に電源コードを抜いて途中で止めると駆動系が現れた

モーターから細いゴムベルトで歯車に力が伝えられています。ゴムベルトは切れたりひび割れたりはしていないようでしたが、周りに埃や髪の毛が付着していました。

モーターからゴムベルトでその後のギヤを駆動している

埃や汚れによるゴムベルトの滑りを疑い、ベルトとプーリーを無水エタノールで綺麗にしてみましたが効果はありません。外したゴムベルトを見ると卵型になっています。弾力がなくなり、引っ張っても伸びてくれません。どうもゴムベルトの劣化のようです。

弾力を失い卵型になったままのゴムベルト

これはもう交換しかありません。Amazonで色々なサイズがまとめて入った補修用の角ゴムベルトが売られていましたので、早速入手しました。外したベルトのサイズは直径30mm程度ありましたが、伸びている可能性もありますのでそれより小さいものも含まれたセットにしました。こんなものでも千円前後します。結構ボロい商売ですね。

補修用の角ゴムベルトセットを購入

たくさんある中から、外したものより若干小さめのしっかりとしたものを選び、元の場所に取り付けてみました。DVDドライブの金属製とプラスチックの蓋を閉めた状態でも、今度は問題なくトレイの開閉ができました。無事治ったようです(^ ^)

ゴムベルト交換後はちゃんとドライブの蓋をした状態でもトレイの出し入れは完璧


メディアを出し入れする機器は全て同じ問題が起こる


 今回の原因と対策は、知っている人には当たり前のことのようです。CDプレーヤーだけでなく、トレイを使って記録メディアを出し入れする機器類、例えばDATデッキやレーザーディスク、MDデッキ等々全て同じようにイジェクトできなくなるトラブルが起こり、メーカーに修理に出したり買い換えたりしてきました。どれもこれも購入して数年から十数年経過後に症状が出ました。今から思えば、使用されているゴムベルトの劣化と歩調を合わせてイジェクト機構の動きがおかしくなっていたためと思われます。

壊してしまったCDプレーヤーの上に直したDVDレコーダーを乗せて使用中

ということは、酔っ払って壊してしまったCDプレーヤーのトレイも、内部のゴムベルトを交換するだけで新品同様に使い続けられたかもしれません。後悔先に立たずですね。リビングのオーディオラックには、自分で壊したCDプレーヤーの上に自分で直したDVDレコーダーを乗せてCDを聴いています。短気は損気ということを忘れないために....



せっかくのHDDを有効に活用できる方法はないものか


 最近のHDD内蔵レコーダーはCDのリッピング機能が付いているそうです。せっかく大容量のストレージを持っているのですから、ミュージックサーバーとしても活用したいと思うのは当然ですよね。DVDレコーダーが登場した当時は、デジタル録音・録画機器に対して音楽業界が警戒感をあらわにしていた時期で、リッピング機能などを付けようものなら袋叩きになっていた頃だと思います。今では、ネットから音楽データのダウンロードなど当たり前になって、CDの楽曲を別のメディアにデジタルデータとして保存することにも抵抗が少なくなったのでしょうね。CDプレーヤーとして使い始めたPanasonic DMR-E90Hにも120GBのHDDが内蔵されていますが、今の使い方では宝の持ち腐れです。誰かリッピングができるようにプログラムを書き換えてくれないかな〜なんて考えてしまいますが、組み込み機器なので難しそうですね。

(2018年2月5日追記)



0 件のコメント:

コメントを投稿