2016年8月27日土曜日

快適動画編集 コマ落とし風動画が一発で作れるストロボエフェクトをMotion5で作成


 動きを強調したり速く見せるための技法としてタイムラプス撮影やコマ落とし撮影が使われますが、普通に撮った動画をコマ落とし風に見せたいときがあります。単純に再生速度を変化させても、スムーズな動きのまま速度が変わるだけで、コマ落とし風には見えません。今までは動画から静止画を複数枚生成して、それを並べて作っていました。カクカクとした狙い通りのコマ落とし風動画になるのですが、かなりの手間がかかり気軽に使えるテクニックではありません。Motion5で簡単に実現できないか調べてみたら、「ストロボ」というフィルタを使えばできそうだとわかりました。作成したコマ落とし風動画のイメージはこれです。



1. 「ストロボ」エフェクトテンプレートを作成


 Motion5が持つビヘイビアの中に「ストロボ」というものがあり、説明に『一定時間フレームを静止してムービーまたはクローンレイヤーをストロボ表示します』とあります。これだと喜び勇んでテンプレートを作ろうとしたのですが、テンプレートで重要な「エフェクトソース」に適用できません。諦めかけていたところ、フィルタの中にも「ストロボ」があることを発見。こちらの説明には『設定された継続時間の間、フレームを保持しながらイメージをストロボ表示します』とあります。狙った効果が出せるものなのかどうかわかりませんが、簡単な内容ですのでとりあえず作ってみました。

1-1. Motion5でFinal Cut エフェクトの作成を開始


 Motion5の初期画面で「Final Cut エフェクト」を選び、使用する動画フォーマットと継続時間を適当に指定します。継続時間はFCPXでの利用時にクリップの長さに置き換わるため適当で構いません。

Motion5初期画面

1-2. 「エフェクトソース」に「ストロボ」フィルターを適用


 画面中央のレイヤーリストには「グループ」の下に「エフェクトソース」レイヤーが一つできています。ここに「ストロボ」フィルタを適用します。

「ストロボ」フィルタを適用

1-3. テンプレートとして公開するパラメータを指定


 FCPX側で利用するときに調整する必要のある「ストロボ」エフェクトのパラメータを公開します。エフェクトの有効・無効を指定するチェックボックス、毎秒何回フレームを静止させるかを指定する「フレームレート」、元の動画の上に表示される静止フレームの不透明度を表す「ミックス」の三つです。各パラメータの右にマウスを持っていくと小さな三角形が出ますので、そこをクリックします。するとメニューが現れますので、その中から公開を選べば終了です。

公開するパラメータを指定

1-4. 公開パラメータの確認と初期値の設定


 最後にパラメータが正しく公開されているかどうか確認し、FCPX側でテンプレートが適用された時の初期値を設定します。遅い動きでもストロボ効果がはっきり確認できるよう、ストロボレートは最小の1.0を初期値にしました。

公開パラメータの確認と初期値のセット

適当な名前をつけて「保存」してやれば完成です。FCPXからその名前で利用可能になります。


2. FCPXでの利用は簡単


 動画から静止画を書き出し、それをFCPXのタイムラインに順番に並べて作るコマ落とし風動画は大変な手間がかかります。エフェクトテンプレートとして作成された「ストロボ」は対象のクリップにドラッグ&ドロップし、パラメータを調整するだけでコマ落とし風になりました。

簡単にコマ落とし風動画が作れる

毎秒一枚の静止フレームが最も遅いレートのようです。それよりもゆっくりとした動きをコマ落としにするには、元々のクリップの再生速度を上げておいてから「ストロボ」を適用すれば効果が感じられます。


作成したテンプレートはGoogleドライブで公開しています


 限られた画面コピーと文章のみでは不明な部分もあるかと思います。また、Motion5を持っていなくてもFCPXテンプレートだけ利用したい場合があるかもしれません。今回の分も含めて、Motion5で自作したテンプレートを公開しましたのでご利用ください。



編集時のフレームレートは30fpsが良い


 今回作成したストロボエフェクトのストロボレートは最小1.0(回/秒)からで、小数点以下1桁まで指定できるようになっています。GoProなどで撮影した動画素材は29.97fpsですので、指定したストロボレートのほとんどで割り切れない状態となります。動きの早い動画素材の場合、割り切れずに余ったフレームがコマ落とし動画に悪影響を与えているようです。フレームが瞬間戻ったような映像になり、とても不自然でした。

 編集時のフレームレートを30fpsとしてテストしてみたところ、この不具合は出ませんでした。もちろんストロボレートの値は30が割り切れるものを指定しています。動きの早いものを対象とする場合は、30fpsで編集した方が良さそうです。ただし、この場合も静止している間隔は均等ではなく、1〜2フレームずれる現象が発生しています。厳密に等間隔のストップモーションが必要な場合は、今まで通り静止画を生成して並べる方法が必要なようです。

(2016年8月28日追記)


0 件のコメント:

コメントを投稿