2016年3月29日火曜日

快適自転車生活 やっぱり恐ろしい裏返しグレーチングの罠


 いつも気を付けて走っているつもりでしたが、ついにやってしまいました。細いタイヤを履いているロードバイクにとって、裏返しに設置されたグレーチングはサイクリストを陥れるための罠に他なりません。たまたま初めての場所で自転車ナビに気を取られていたら罠にはまってしまいました。突然前輪が操舵できなくなりましたが、幸い転倒には至りませんでした。

裏返しに設置されたグレーチングにはタイヤがすっぽりハマる

一旦停車し、パンクしていないか入念にチェックして再スタート。やれやれ無事だったかと思いながら、ブレーキをかけたら前輪から変な音が出ます。ホイールのリムをよく見ると小さいながら縦に深い傷が付いていました。この傷にブレーキシューが当たって音を出していたようです。

グレーチングの溝にはまってできたリムの傷

相手が鉄製のグレーチングですのでアルミのリムは簡単に削られてしまいました。できた傷のせいで、ブレーキをかけるたびに大きな音とともにシューが削り取られてカスがいっぱい飛び散っています。悲惨な状況です。

見事に削られたアルミのリム

帰宅後にリム研磨用のゴムヤスリで手入れしてなんとかブレーキング時の音は出なくなりましたが、傷を見えなくすることはできませんでした。

 正しく設置されていてもスリップやパンクの原因になるグレーチングですが、裏返しになっているものは手に負えません。道路の縁石付近に設置されているものは近づかなければいいのですが、道路を横断するように設置されているグレーチングには細心の注意が必要です。

かなりの確率で裏返しグレーチングを目にします

裏返しになっている事に気づけばそこを避けるなり、バニーホップで飛び越すなりできますが、いつも見極められるとは限りません。そこでグレーチング部を通過する時にはできるだけ斜めに通るようにしています。そうすれば裏返しになっていたとしても溝にはまることは避けられます。

グレーチングを斜めに通過すればハマらない

すぐ横を車が走っているような車道ではグレーチングを斜めに通過することも難しくなりますので、事前に十分確認して走るしかありません。特に道幅が狭く、路側帯もほとんどないような道路に裏返しグレーチンがあったら最悪です。走行中に前輪を取られて転倒したら、すぐ横の車に接触しかねません。恐ろしいことです。

交通量の多い狭い道で突然裏返しグレーチング発見

こんな時には車に邪魔者扱いされても路側帯を避けて走った方が良さそうです。上の写真の場所はJRの踏切手前の車道で、踏切通過待ちの車の横を走らざるをえない道路です。ここに一枚だけ裏返しになったグレーチングがあることを知っていますので事なきを得ていますが、知らずにハマったら怖いですね。メインバー(厚みのある方の板)が進行方向を向いているため自転車のタイヤがハマってしまいます。道路の進行方向に交差する向きにメインバーが来るグレーチングを使用してくれれば、たとえ誤って裏返しに設置されても走行中にタイヤがはまることはありません。この辺りのルールを業界で徹底してもらいたいものです。


2016年3月27日日曜日

谷津道探検サイクリング 長柄ダムにつながる村田川支流を初走行


 初めてのサイクリングルートを決めるときには基本的に次のようなルールで選んでいます。初めての場所ではなかなかこの通りにはいかないこともありますが、何度か走るうちに修正を重ね、最終的にはほぼルールに従ったルートに仕上がります。
  • 里山や田園地帯など自然豊かな場所をできるだけ多く走る
  • 国道や車の多い県道は横断のみにする
  • 可能な限り舗装路を選ぶ
  • 週末や休日は歩行者の多いサイクリングロードを避ける
先日バイクで房総丘陵にある長柄ダムを訪問する途中、大仏通りを走っていたら坂を下ったところで気持ちの良さそうな谷津道が交差しているのを発見しました。位置的には昭和の森へのルートとしてよく使う村田川の南にあります。いつか自転車で走ってみようと記憶していた場所を実際に走ってきました。

 村田川は昭和の森の南を源流として東京湾に向かって流れている二級河川です。昭和の森への行き来に快適な川沿いのサイクリングロードを利用していますが、その支流にまで入った事はありませんでした。川沿いにある大きなホームセンター(スーパービバホーム)付近で支流が合流しています。この支流に沿って南下してみました。

村田川北岸にホームセンターの看板が見えたら支流沿いに進路を変える

ホームセンターのところから支流沿いに進もうとすると砂利道となってしまいますので、少し回り道して舗装路を選んだ方がいいようです。途中支流にかかる橋の銘板で川の名称が「支川村田川」であることがわかりました。

橋に書かれている川の名前「支川村田川」

川の両側に田んぼが広がり、その外側が高台の樹林帯になっています。典型的な谷津地形で、そこを通る農道は立派な舗装がされている割には車はほとんど走ってきません。自転車で快適な走りを楽しめる場所です。

支川村田川沿いの谷津道、実に快適です

里山の谷津道を走っていると都会では見られないものをいろいろ目にします。驚いたのは大型の野生動物用の罠があちらこちらに仕掛けられていたことです。テレビで見たことのある熊の罠と同じ物です。まさかここで熊に出くわす?と思っていたらどうもイノシシのようです。

大型の有害鳥獣捕獲用の罠、たくさん見かけました

田んぼの脇の小川にはオランダガラシ(クレソン)が自生していて、持ち帰りたいほど茂っていました。水の中をよく見ると何やらひも状のものがたくさんあります。近づいてみるとカエルの卵でした。詳しくないので種類までは分かりませんが、結構大きな卵です。全部オタマジャクシになったら、さぞかし賑やかなことでしょう。

カエルの卵が小川にいっぱい、ちょっとキモい

地元の人たちが手入れをしているカタクリの保護地もありました。「風呂の前里山」というのぼりが出ています。カタクリの開花時期にはちょっと早いので場所だけ確認して先を急ぎましたが、また訪れてみたい場所です。(訂正:まさに今がカタクリの開花時期です。数日後に再び訪れてみたらたくさんのカタクリが可愛い花を咲かせていました。)

綺麗に整備された里山もありました

わずか6キロほどの谷津道ですが、初めての場所ということもありかなり楽しめる場所でした。最後は長柄ダムまでの急登になりますが、それも短い距離ですのでなんとかなります。

支川村田川沿いの谷津道をGoogle Earthで表示したもの

到着した長柄ダムは市津湖とも呼ばれ、よく整備された人造湖です。遊歩道が整備され、桜が植樹されていてこれからの季節に多くの人が訪れます。

長柄ダムを見渡せる高台

 途中のアクセスルートも含めて今回のサイクリングルート全体(往路)は下の地図の通りです。よく紹介されている長柄ダムまでのルートは車の幹線道路になっている茂原街道や整備されたゴルフ場へのアクセス道路が多いのですが、車一台がやっと通れるような谷津道はあまり見かけません。車に気を使わず、周りの景色を楽しみながら走れる谷津道は最高です。多少の遠回りなど全く気になりません。

(クリックすると動かせる地図が表示されます)

 房総台地の上部にあるこの湖には流れ込む川はありません。若干の沢は流れ込んでいますが、これだけ大きな湖の水量を保っているのはどうしてなのか不思議でした。実はここの水は100キロ近くも北を流れる利根川から引かれているんです。利根川より100メートルも高い標高にポンプで水を押し上げて、水が不足している房総半島東部に農業・工業・生活用水を供給しているんですね。長柄ダムの遊歩道を自転車を押しながら歩いていると、足元から滔々と水が流れ出ている場所がありました。これがはるばる利根川から流れてきた水だと思うと、国家の役割としての治水・利水事業の重要性がなんとなく理解できました。

利根川からの水を吐き出している長柄ダムの注水口

利根川から引かれた水はこの長柄ダムに一旦貯水された後、再度ポンプで大多喜の生活用水として送られます。谷津道の最後にダムの直下で見かけた長柄揚水機場で一気に94メートルも水を押し上げています。水のために人が行う事業というのはすごいですね。

長柄ダムの下にある長柄揚水機場、ここから大多喜まで水を送る


Google Earth Proと実写映像でルート紹介動画を作成


 Google Earth Proで作成できるツアー動画にGoProの実写映像を加えて、今回のルートの雰囲気を伝える動画を作成しました。どんな場所を走っているのかお伝えできれば幸いです。


Google Earth Proのツアー動画作成方法については別の記事にまとめてあります。よろしければ参考にしてください。


2016年3月24日木曜日

快適バイク生活 新品タイヤの皮むきも兼ねていつもの長柄ダム周辺をプチツーリング


 先日バイクの前後タイヤを交換してから天候が今ひとつで、ちゃんと皮むきができていなかったため、いつも行っている長柄ダム(市津湖)周辺をプチツーリングしてきました。この長柄ダム、千葉のバイク乗りや自転車乗りには馴染みの「うぐいすライン」近くにあり、高速を使わないで房総方面に向かう時の通過ポイントになっています。適度なアップダウンのあるワインディングが楽しめ、観光スポットもたくさんあるため結構人気です。

アップダウンのある房総丘陵にはトンネルも多い

 タイヤの皮むきが目的ですので、できるだけカーブの多い道を滑らないように気をつけながらバイクを寝かし気味にして走ってきました。150キロほどでいい感じに一皮むけたと思います。

一皮剥いた後の後輪タイヤ

交換したての後輪タイヤ

 広い駐車場のある長柄ダムはバイクの調子を見たり、GoProのマウントを調整したりするのに便利で度々訪問しています。勝浦や鴨川などの観光地へもここからだと裏道を使って渋滞を避けられるため、役に立つ中継ポイントです。

Google Earthで見た長柄ダム(市津湖)、青いラインがよく使う道

何度か来ているうちに不思議なことに気づきました。ダム湖は房総丘陵のかなり高い場所にあります。周りに高い山はありませんし、流れ込んでいる川も見当たりません。いったいここの水はどこから来ているのか、悩んでいると案内板に説明が出ていました。

長柄ダムの案内板

なんとここの水は遠く離れた利根川の水を引いてきているんですね。利根川よりはるかに高い位置にあるこのダムへは3箇所の揚水ポンプで水を押し上げているそうです。房総丘陵の東側は河川の水量が乏しく、農業・工業・生活用水の不足を補うために作られました。大多喜までの全区間が完成したのは平成9年だそうです。割と新しいんですね。房総導水路事業所のホームページに詳しい説明がありました。

独立行政法人水資源機構のホームページより引用

ダム湖周辺はよく整備されていて、たくさんの桜が植えられています。毎年4月上旬には長柄ダムさくら祭りが開催され、大勢の人で賑わっているようです。今年は4月3日(日)なので行ってみようと思います。

長柄ダム湖畔の桜(写真は前年のもの)

 ダム湖の近くにある「うぐいすライン」を自転車やバイクで走っていると、手打ち蕎麦の看板を掲げた美味しそうな蕎麦屋があり気になっていました。お昼時には駐車場が車でいっぱいになっていることもあり、人気のお店のようです。タイヤの皮むきを終えてから立ち寄ってみました。

気になっていた蕎麦屋「宇左エ門」

店に入るとそば打ち作業が見られるようになっていて、挽き臼などが並べられています。期待の持てる店構えです。天せいろを注文しました。しっかりと水で締められた細い手打ち蕎麦とホクホクの車エビの天ぷら、美味しかったです。

天せいろを注文

最後にねっとりとした蕎麦湯をいただき、満足の昼食となりました。おすすめの蕎麦屋です。


2016年3月19日土曜日

谷津道探検サイクリング 国道126号に付かず離れず九十九里浜へ


 安全で快適な谷津道を探検しながら房総半島を走り回っています。比較的小さな川の両側に広がる谷津田に作られた農道を走るわけですが、車がほとんど走っていない割りにしっかりと舗装されていて、ロードバイクで走るには快適そのもの。複数の谷津道を乗り継いで行けばかなり遠くまで走ることができますが、どうしても先に進めない場所がありました。

 房総半島は中央部が下総台地や房総丘陵の高台になっていますので、千葉市の方から走って行く時は緩やかな登りが続きます。東京湾や印旛沼に流れ込む川沿いを上流に向かって走れば自然に房総の中央部にたどり着く地形です。鹿島川や都川、村田川流域の谷津道を利用して昭和の森までの快適ルートは複数開拓済みでした。問題はそこからさらに東方面、九十九里浜までのルートです。土気や東金あたりを南北に走る落差50〜60メートルの崖(牛久ー東金崖線)があり、ここが分水嶺になっているため川沿いの道が選べません。国道や大きな県道以外の快適そうな道も見当たらず、今まで足が遠のいていました。

牛久ー東金崖線の東西で地形が全く異なる房総半島

自転車を始めたばかりの頃に国道126号を使って東金経由で九十九里浜まで走ったことがあります。大型車両がひっきりなしに通る片側一車線の国道は、走っていて楽しくもなんともなく命の危険さえ感じました。その後国道126号の側を走る谷津道や高台の道を組み合わせて東金崖線の上部に出るルートを複数開拓。何度か走っているうちに崖を下る道にもチャレンジしてみました。

国道126号北側の高台中心のルート(クリックすると動かせる地図を表示)

東金の崖下にある雄蛇ヶ池まで国道126号の北側の高台を中心に走るルートです。そこから先は広大な九十九里平野を好きな道で進めばあっという間に太平洋にたどり着きます。

下は国道126号の南側の谷津道を乗り継いで季美の森まで行き、そこから一気に崖を下って雄蛇ヶ池にたどり着くルートです。複数のルートがあると、その日の気分で選べてさらに楽しめます。

国道126号南側の谷津道中心のルート(クリックすると動かせる地図を表示)

どちらのルートでも都川支流の坂月川沿いの谷津道を利用して国道126号まで走ります。千葉市中央部からであれば都川経由でも快適に同じ場所までたどり着くことが可能です。とにかく国道の走行は避けて、横断のみにしています。

国道126号を見下ろせる大草付近の高台、お気に入りの休憩ポイント

この先で国道126号を横断しますが、いつも大型トラックが走っています。やっぱり走りたくない道です。

国道126号大草付近の交差点

国道126号北側の高台にある道は林の中で、日差しのきつい夏には良さそうなルートです。水はけが悪く、いつもぬかるんでいる場所もありますが気をつけて走れば大丈夫。滅多に車とすれ違うことはありません。

国道126号北側の樹林帯の中の道

東金の崖を下ると国道126号の近くに雄蛇ヶ池があります。目的地としてもさらに先へ進む時の休憩場所としても気持ちの良い場所です。

雄蛇ヶ池、休憩するのに良い場所です

一休みしたら雄蛇ヶ池からさらに東の九十九里浜を目指します。東金の崖を下り終わると地形が一気に変わり、進行方向は広大な平地に道路が真っ直ぐに伸びています。振り向くと長い崖が続いていて、牛久ー東金崖線であることが一目でわかります。

九十九里平野から見た牛久ー東金崖線

ここから海まではずっと平坦で単調な道が続きます。谷津道はもうありませんので、手頃な車道を走ることになります。少し退屈ですが、スピードが出ますのであっという間に太平洋に到着です。

九十九里浜に到着、やっぱり海は気持ちいい〜


Google Earth Proのツアー動画と実写映像でルート解説


 まるでドローンから空撮しているかのようなHD画質のツアー動画が作成できるGoogle Earth Proを愛用してます。GPSログがあれば簡単に作れる上に、その品質の高さには舌を巻きます。小さな画面で見ていたらまるで実写映像と間違えそうなほど。これが無料だなんてすごい。

Google Earth Proで作成された画像、まるで実写映像

これにGoPro HERO4 Sessionで撮影した実写映像を加えてルート紹介の動画にしました。片道約3時間の高台中心のルート全体を6分間にまとめてあります。ルートの詳細は先に貼り付けてある地図で確認できますので、ここではルートの雰囲気が伝わるように編集しました。どんな場所を走っているのかが伝われば幸いです。


Google Earth Proのツアー動画作成方法については別の記事にまとめてあります。よろしければ参考にしてください。


2016年3月18日金曜日

快適バイク生活 シーズン前に前後タイヤをまとめて交換


 少しずつ暖かくなりいよいよ本格的なバイクシーズンが到来しそうです。購入して二年半のCB1300SBは、前後共二本目のタイヤで2万8千キロの走行距離になりました。前輪はまだ7割くらい山が残っていますが、後輪にスリップサインが出てきましたのでタイヤを交換することにしました。コーナーを攻めない(攻めるテクがない)ため中央部ばかり減って平らになっています。できるだけロングライフのツーリングタイプが合っていそうです。

スリップサインの出た後輪タイヤ

前回は新車時と同じメーカー指定のタイヤを注文し、前後別々のタイミングで交換を行いましたが、ディーラーで取り寄せしてもらうとほとんど定価。後輪一本の交換で4万円近くかかってしまいました。

 前輪は交換してから半年ほどしか経っておらず、まだまだ使えそうです。後輪のみの交換にするか、前後共まとめて交換してしまうか悩みました。

半年使用した前輪タイヤ、まだまだ使えそうです

 とりあえず店頭でタイヤ価格を見ながら決めることにして、2りんかん市原店を訪問しました。最新モデルのタイヤは多くて10%引き程度で、中にはほとんど値引きのないものもあり、前後まとめて交換したら7万円以上かかりそう。一つ前の型落ちモデルでは前後セットにして定価の半値くらいで売られています。

2りんかん市原店、型落ち前後セットタイヤは格安

前後タイヤのメーカーやモデルがバラバラでも気にしないという意見がある一方、前後ペアでこそ性能が発揮できるという意見も散見されやっぱり悩ましい。半額程度の型落ちモデルであれば前後一緒に交換してしまっても3万円程度で済みます。結局、ダンロップのツーリング用タイヤROADSMART 2で前後同時に交換することにしました。最新モデルは3ですが、ほぼ半値で入手できる型落ちモデルを選びました。

DUNLOP ROADSMART 2、皮むき前の後輪

ゴム製品であるタイヤは製造から年月が経っていると性能が落ちている可能性があると聞き、製造年月を調べてみました。タイヤのサイドに刻印されている四桁の数字を探します。後輪には「3915」、前輪には「3415」の刻印が見つかりました。それぞれ2015年39週(9月下旬)と2015年34週(8月下旬)の製造年月であることがわかります。

後輪には「3915」の刻印、2015年39週(9月下旬)の製造

前輪には「3415」の刻印、2015年34週(8月下旬)の製造

旧モデルとはいえ半年程度前に製造されたタイヤですので、経年劣化の心配はなさそうです。比較的のんびりと長距離を走っていますので、このツーリングタイプのタイヤでしばらくは楽しめると思います。


ついでにブレーキパッドも交換


 ピット作業中に後ろのブレーキパッドがほとんど残っていないとの指摘があり、タイヤと一緒にパッドの交換もしてもらいました。取り外したブレーキパッドを見せてもらったら、確かに土台の金属が現れそうなくらいすり減っています。危ない危ない。

ピット作業中

6ヶ月毎にディーラーで点検してもらっている安心感から、タイヤの空気圧以外ほとんど気にかけていません。チェーンの清掃もほとんどディーラー任せだし、ブレーキパッドの残量など気にしたこともありませんでした。これでは立派なバイク乗りにはなれませんね。反省です。

新品のブレーキパッドに交換した後輪ブレーキ

ピットの人にブレーキパッドの点検の仕方まで教えていただいて2りんかん市原店を後にしました。さてタイヤの皮むきに一っ走りしてくるか。


2016年3月14日月曜日

快適動画編集 Google Earth Proのツアー動画を活用して実写映像に彩りを添えよう


 GoProを使ってサイクリングやバイクの動画を撮っていますが、実際に感じた感動をなかなかうまく伝えることができずに悩んでいます。もちろん五感で感じる全ての情報を伝えることは至難の技ですから仕方がないのかもしれませんが、それでも出来る限りそこで感じた雰囲気を残したいものです。
 複数台のカメラを使い、いろいろなアングルから同時撮影した映像をマルチカム編集するのもそれなりに効果があります。しかし、結局は移動している自分から見える映像が中心になってしまいます。離れた位置にいるドローンから自分を撮影しているようなショットがあればなーとずっと思っていたら、最近になってGoogle Earthのプロ版が無料になったと知りました(実際は2015年初めから無料公開されていたようです)。このプロ版、HD画質の動画を生成できるとのことで、早速テストしてみることにしました。


1. Google Earth Proをインストール


 年間399ドル必要だったツールが無料になったわけですから試さない手はありません。Google Earth Proダウンロードサイトからファイルを入手します。ライセンスコードは「GEPFREE」ですので、インストール後の認証画面でメールアドレスとこのコードを一度入力すれば使いたい放題です。太っ腹のGoogleに感謝。


2. GPS軌跡データを用意


 GPSログ(軌跡データ)は専用機やスマホなどいろいろな機器で収集できます。またファイル形式を変換したり、必要な部分を抜き出したりするソフトもたくさんの種類があり、やり方は千差万別です。今回は以下の手順で必要なGPSログを準備しました。
  1. GARMIN Edge800Jで記録
  2. ガーミンコネクトにデータをアップロード
  3. 必要なデータをガーミンコネクトからGPX形式でパソコンにエキスポート
これ以外にもEdge800Jに記録されている.fitファイルをパソコンにコピーし、GPSBabelのようなツールで直接GPXファイルに変換しても同じ結果になりました。

 このままGoogle Earth Proに読み込ませて動画ファイルを作成できますが、GPSのログって大抵は行動している間記録しっぱなしかと思います。ここから動画を生成するととんでもなく時間がかかり、出来上がった動画ファイルは巨大なものになります。ログの中のどの部分を動画にするか吟味してGPXファイルをカットした方がいいと思います。GPXファイルの内容確認や編集にGPX Editorという有料ソフトを使用しています。

GPX Editorの画面

これはMac専用の有料ソフトですが、他に無料で使えるソフトがいろいろあるようです。目的は長すぎるGPSログの不要部分をカットするだけですので、いざとなればテキストエディターでもできないことはありません。本当はGoogle Earthの中で必要な部分を指定してからツアー動画の作成が行えればいいのですが、そのやり方がわかりませんでした。


3. Google Earth ProでGPXファイルを開く


 Google Earth Proは見た目も操作方法も通常のGoogle Earthと全く同じです。起動後、GPXファイルをドラッグ&ドロップするかメインメニューから「ファイル」>「開く」で対象ファイルを読み込みます。すると、GPSデータインポートのオプションが表示されますので、そのままOKを押します。

GPSデータインポートのオプション指定画面、そのままOK

すると、GPSの軌跡が地図上に表示されますので、これでいいか確認します。初期状態では道路や境界線、建物の箱モデルなどが表示され、動画素材としては不自然ですので、左サイドバーの下半分にあるレイヤー指定で「道路」、「境界」、「箱モデル」のチェックボックスを外します。他にも気に入らない表示は消しておきましょう。

不自然な表示レイヤーのチェックボックスを外す

 ここでちょっとよくわからない部分が発生です。元々同じGPSログからGPX形式とKML形式のファイルを作り、それぞれGoogle Earth Proに読み込ませてみるとツアーの表示のされ方が異なります。深追いするほどの知識がありませんのでGPX形式で作業を進めましたが、他の理由でもここでの解説とは異なってくる可能性があります。ご承知おきください。


4. トラックを指定してツアーを再生


 それではいよいよツアーを再生してみます。サイドバー上の「場所」を見ると先ほど読み込んだGPSログがあります。保存していないため「保留」の下にあるはずです。左にある小さな三角形で開いていくと、「Tracks」の下に目的のトラックがあります。ここを左クリックして選択します。内容を説明するバルーンが現れるかもしれませんが不要ですので閉じておきます。

トラックを指定してツアーを再生

この状態でサイドバーの真ん中あたりを見ると四角が線で繋がれたような「ツアーを再生」ボタンが現れますので押してください。表示画面左下にツアーのメディアプレイヤーが現れ、ドローンからの空撮映像のようなツアーが始まります。

ツアー再生中の画面、表示画面左下にツアーのメディアプレイヤーが現れます

 移動する先端のアイコンや一緒に動く文字、軌跡として残る線の色などを変更するにはサイドバーにある目的のトラックを右クリックします。メニューが現れますので、一番下の「情報を取得」を選んでください。名前や線の色・幅・透明度などが変更できます。

ツアーで表示されるアイコンや軌跡についての変更が可能

「名前」の右端にあるアイコンをクリックすると表示されるアイコンも変更できます。自転車やオートバイのアイコンも用意されていますが、どれもデザインは今ひとつですね。

アイコンも変更可能

 ツアーは一度最後まで見ておくことで必要な画像データがキャッシュされ、その後の動きがスムーズになりますのでのんびり見学しましょう。さて、どうでしょうか。最終作品のイメージに合っているかどうか考えます。長々と見せられても飽きてしまいますので、時間を短縮(再生速度を早く)して見せることも重要です。速度を調整したい場合はメインメニューの「Google Earth Pro」>「Preferences」を選びます。(Windowsの場合は「ツール」>「オプション」) 設定画面が現れますので、ここで「ツアー」を選びます。

ツアーの設定画面

今回は「トラックからのツアーの作成時」にあたりますので、「速度:(リアルタイムの倍速)」を調整します。今回は10倍にしました。ここの指定を覚えておいてください。最後にGoProの実写映像と合成する際に、同じ速度にするために必要な値です。

 この設定画面にもあるようにツアーには次の三種類があります。試したのはGPSログから抽出された「トラック」からのツアー作成ですが、他に「フォルダ」からと「ライン」からがあります。訪れたい場所をピンポイントでフォルダー内に格納して実行する「フォルダ」、時間(速度)の情報を含まない線(パス)で指定された通りにツアーを再生する「ライン」、そしてGPSから得られた位置と時刻情報を基にしてツアーを行う「トラック」です。実写動画と同期して合成する場合は時間情報が必須になりますので、「トラック」によるツアーが適していますが、作品のオープニングなどで訪問した場所を順に紹介する場合などは「フォルダ」も面白そうです。カメラの角度や高度を任意に変えられるのは「ライン」の場合だけのようです「トラック」でもできたらもっと面白くなるのですが、残念。いろいろいじくってみたら「トラック」としてのツアーでも、この「ライン」の「カメラの傾斜角度」と「カメラの高度」は有効なようです。数値を変えてみたら空撮映像が変わりました。目的によってカメラの高度や角度を変えられるのはすごいですね。

 ツアーの内容がこれで問題なければ、ツアーのメディアプレイヤー右端にある保存マークを押します。新規ツアーの保存画面が現れますので、名前をつけてOKを押します。

新規ツアーとして保存

これでツアー動画を作成する準備が整いました。最後に左下にあるツアーのメディアプレイヤーを必ず閉じておいてください。これを忘れると次のステップに進めません。


5. 保存されたツアーから動画ファイルを作成


 動画を作る前に一点重要なことがあります。ツアーそのものは与えたGPSログの最初から最後までですが、動画メーカーを開始する時点で位置していた場所からツアー最初のポイントまでびよ〜んと飛ぶところも動画に記録されます。これを使うと、地球全体を眺める位置から一気に地上の一点に近づき、それからツアーが始まるというような面白い映像が作れます。一度ツアーを再生し終わった状態にしておけば、ゴールから一気に空中をジャンプしてスタートポイントに戻るという動きが最初に付け加わります。

 左サイドバーの「場所」にできた先ほどのツアーを左クリックで選択します。次にメインメニューの「ツール」>「動画メーカー」を選択します。ここでグレーアウトされて選べない場合は、前ステップ最後のメディアプレイヤーの消し忘れですので改めて消してください。「動画メーカー」を起動すると動画ファイルのオプション画面が表示されます。ここで解像度やファイル名などを指定します。

作成される動画ファイルを指定する

「動画を作成」を押すと次に圧縮の設定画面になります。最終的にどのように使用する動画素材かによって適した値を選んでください。HD動画として画面全体に表示するのであれば解像度はHDで、圧縮も高品質なものが必要です。P in Pで小さく表示させるだけなら、もっと低い解像度で高圧縮なものでも大丈夫でしょう。

作成される動画ファイルの圧縮方法を指定

画面一杯の映像としてFinal Cut Pro X (FCPX)で仕上げを行うため、今回は編集に適した「Apple ProRes 422」で圧縮しました。


6. 出来上がったツアー動画を素材にして編集


 GoProの実写映像や音楽、タイトルを加えて作品に仕上げます。ここは使い慣れたFCPXで行いました。Google Earth Proで作ったツアー動画は実際の速度の10倍になっていますので、GoProの実写映像も10倍速にしてタイミングを合わせます。

使い慣れたFCPXで仕上げの編集

あまり神経質にならなくても、道路を曲がるシーンや一時停止したシーンなどで実写映像とタイミングを合わせたら簡単に編集できました。完成した動画はこちらです。



7. さらに速度やケイデンスなどの付加情報を合成?


 ここまでくるとさらに欲が湧いてきます。VIRB Editを使ってサイクリング動画やバイク動画にスピードメーターなどを合成表示したことがあります。Google Earth Proのツアー動画に標高や傾斜などの情報を加えたらもっと臨場感が増すかもしれません。やり方を考えてみました。
  1. Google Earth Proでツアー動画を生成
  2. これにVIRB Editでスピードメーターなどを合成
  3. 最後にFCPXで仕上げ編集
ここで問題にぶつかりました。VIRB EditでGPSデータから情報を合成するには元になる動画は実際の速度でなければなりません。つまりGoogle Earth Proでツアー動画を生成する際は等速で行う必要があるため、恐ろしいほどの時間と巨大な動画ファイルが必要になります。最後にFCPXで必要な速度に変換するのですが、ちょっと実用的ではなさそうです。うまい方法がないかさらに検討中です。



アイディア次第で実写映像だけではできない作品も


 Google Earth Proのツアー動画にGPSデータを合成しようとすると等倍速の巨大な中間ファイルが必要になりますが、GoProの実写映像の方に合成するのは普通のことです。そのやり方で面白いものができないか考えてみました。いろいろな情報が画面に合成されますので、近未来の自転車用ナビゲーションシステムというシナリオです。Macの音声合成が安っぽいカーナビのようで、作っていて笑ってしまいました。


(2016年3月19日追記)



GPS軌跡からのツアー動画作成以外にも役立つ機能満載


 GPS軌跡からツアー動画を作成する以外にも、使える機能がたくさんあることを発見しました。動画編集の際に役にたつ素材をGoogle Earth Proで作成するようになりました。新たに見つけた機能と利用方法を別の投稿にまとめましたので、興味のある方はご一読ください。

(2016年7月19日追記)



最新版にアップしたらProRes圧縮が使えなくなった


 使用しているMacBook ProのOSを最新のHigh Sierraにアップデートしたのを機に、Google Earth Proも最新版(7.3.0.3832)に更新しました。安定性は向上しているようですが、動画メーカーでツアー動画を作成するときに困ったことが発生。今まで使用してきたProRes圧縮が使えなくなっていました。ファイル形式もm4vwebmなどの最新のものがサポートになっていますが、Macで中心的なmovがありません。使用しているFCPXではm4vwebmが読み込めず、動画ファイル形式として使えるのはmp4だけです。無料とはいえ「プロ」と銘打っているのですから、もう少し自由度を上げて欲しいものです。

動画書き出し時に使える圧縮形式がかなり変わってしまったGoogle Earth Pro最新版

Windows 10のノートパソコンに入っているGoogle Earth Proも同様に最新版にしてみたところ、こちらはGPXファイルが正しく読み込めなくなっていました。読んではいるようなのですが、その後何も起こりません。どうやらバグのようです。仕方がないので、こちらは少し古い7.1.8.3036にしたところ、ちゃんと読んで表示されました。Googleも収益に直結しない部分はあまり力が入っていないのでは?と感じてしまった出来事でした。

(2018年1月11日追記)