2017年1月30日月曜日

快適バイク生活 いつの間にか消えていたライディング中の膝の痛み


 三十数年ぶりにリターンして四年ほど経ったオヤジライダーです。リターンした当初、ライディング中の膝の痛みに悩まされました。特に、寒い時期に長距離を走っていると、必ず右膝に我慢できないほどの痛みが出ます。当時は、頻繁に休憩して脚を伸ばすことくらいしか対策のしようがありませんでしたが、その後ウェアやライディングポジション、発進・停止時の運転操作などを徐々に見直していく中で、気付いたらほとんど膝の痛みが出なくなっていました。同じような悩みをお持ちのライダー諸氏の参考になればと思い、やって見た膝の痛み対策をまとめてみました。


膝の痛みは血行不良から、その根本原因は?


 冬場に感じることが多い膝の痛み。寒さによる血行不良が原因かと考えて、まず初めに色々な防寒グッズを試しました。ネオプレーンゴム製のニーウォーマーで局部的に防寒してみたり、オーバーズボンで脚全体の保温性を高めたりしてみましたが効果は無し。寒さは血行不良を促進こそすれ、その根本原因ではなさそうです。

1. 脚(膝)を動かさないことが一番の原因


 法事などで長時間正座していると、立ち上がれなくなるくらい脚が痺れ、膝が痛くなります。同じ姿勢をずっと続けることがバイク乗車中の膝の痛みの原因ではと考えました。長時間のバイク乗車で膝が痛くなった時に、休憩して脚を伸ばしてやると楽になることと合致します。

長時間膝を折り曲げたままだと血流が滞る

では、なぜ右足の膝ばかり痛むのか? リターンしてしばらくの間は、教習所で教えられた通り停車中も右足はブレーキペダルを踏み続けて、着地は左足しか使っていませんでした。シフト操作も含めて、脚を使う動作は左足に比べて右足の方がかなり少なくなっています。特に高速道路などを走行している時に顕著です。楽なクラッチ操作を目指して右足着地のままの発進を頻繁に行うようになってからは右足の出番が増えてきたとともに、右脚を伸ばす機会も増えました。

右足着地のまま発進を行うことも増えて、右脚の出番が増えた

2. プロテクターが膝の血流を妨げている


 車と違い、生身の体を晒して走っているバイクですので、プロテクターの重要性は理解しています。ウェアの外側に取り付けるプロテクターであれば影響は少なそうですが、ウェアに組み込まれたプロテクターは、長時間の乗車でウェアがずれてくると膝を圧迫してきます。特にオーバーパンツは、停止毎に脚を上げ下げしていると裾がずり上がり、それにつられてプロテクターが膝を圧迫します。下の写真左側の縦長のプロテクターなどは、運転中常時折り曲げられていますので、膝への圧迫がずっと続いている気がします。

よくあるタイプの膝プロテクター二種

このプロテクターによる膝への圧迫が血流を妨げていることは間違いないようです。余裕のあるパンツサイズやプロテクター形状に変えるとだいぶ楽になりました。

3. ペダルが自分の体格に合ったポジションになっていない


 試乗会などで自分のバイク以外に乗ると、ブレーキやシフトペダルのポジションが合わず、足首を無理に曲げて乗らなければならないことがあります。短時間ですからあまり問題は起こりませんが、長時間これを続けるとかなり脚に問題が出ます。足首が疲れたり、脚がつったります。シフトに比べて動かす頻度の少ないブレーキペダルは、特に自分に合っていないポジションだと脚への負担が大きいようです。ポジションが合わないからと、つま先を大きく外側へ向けたまま運転していると、非常時にブレーキ操作が遅れてしまう危険もあります。

ブレーキペダルのポジションは自分の体格に合わせないと疲れる

左足の方はシフト操作の度に足先をひねったり、足首を曲げたりするため、右足に比べてよく動いています。そのお陰か、今まで左脚の膝に痛みが出たことはありませんが、ブレーキに比べれば遥かに操作頻度の高いシフトペダルですので、是非ポジション調整はしておきたいものです。

よく操作するシフトペダル側は膝への影響は少なそう

自分のバイクを手に入れたら、真っ先にペダルのポジションを自分に合わせることが大切です。足首に力を入れていない自然な状態で、ペダルに足先が触れるか触れないかの位置に調整してやると、乗車中の脚への負担が格段に減りました。

4. 走行風が脚や膝を冷やしている


 リターンして最初に乗ったバイクはネイキッドのCB400SFでした。スリムなボティで、なおかつカウルがないため、走行風が脚に直接当たっていたようです。冬場のツーリング時には脚が寒くて我慢できませんでした。分厚いオーバーパンツを履いていましたが、その厚みがかえって膝の血行を阻害していたようです。長時間のツーリング時には膝の痛みは避けられませんでした。

 三年前にCB1300SBに乗り換えましたが、その頃から脚の冷えがほとんど気にならなくなりました。バイクを前方から見ると、ラジエーターやクランクケース、ハーフカウルで乗車中の脚は見えません。これらが走行風を弾き、直接脚に風が当たらないようです。

前から見ると脚が見えない大型バイクは脚に風が直接当たらない

冷たい走行風が直接脚に当たらないことにより、パンツの重ね着が減りました。その結果、膝を圧迫して血行不良を引き起こすようなことも減ったものと思います。

カウルやタンクのお陰で脚に風が当たらないため、冬場にジーンズでも結構大丈夫


さて、いつまで乗れることやら


 膝をできるだけ動かすようにしてやり、できるだけ膝を圧迫しないように心がけ、そして膝の冷えをできるだけ避けるようにしているうちに膝の痛みを感じることがほとんどなくなりました。それでも冬場に高速道路を長時間走り続けたりすると痛み出すことがありますが、そうなったら諦めてSAで休憩し、屈伸運動するようにしています。

重たいバイクの取り回しはいつまでたってもおっかなびっくり

 いい歳をして大型バイクにリターンしたものですから、取り回しも含めておっかなびっくりです。この先、バイクに慣れていったとしても体力は衰える一方でしょうから、いつまで大型バイクが楽しめるのかわかりません。日々体力を使わないバイクの乗り方を心がけて、ライダー寿命を伸ばそうと悪戦苦闘しています。


2017年1月28日土曜日

房総酒蔵バイクツーリング 二年ぶりの須藤本家でしぼりたて生を入手


 平成の名水百選に選ばれた久留里の名水を仕込み水としている須藤本家を約二年ぶりに訪ねました。前回は2014年のクリスマスの頃に、水仙を見に行った帰りに立ち寄ってみましたが、しぼりたて新酒はまだ出荷前で手に入れることができませんでした。年が明けた一月であれば間違いなく入手できると思い、バイクで房総中央部の久留里を目指しました。

国道410号(久留里街道)沿いにある須藤本家

国道410号(久留里街道)を南に向かって走っていくと、久留里市街に入る前に右手に「天乃原」の看板が出ています。

久留里街道沿いに蔵を構える須藤本家

瓦屋根の立派な母屋や酒蔵が街道沿いに建っていますので、すぐにわかります。まだ緑色が残っている杉玉がつるされていて、新酒が出てから日の浅いことを告げています。

いい雰囲気の須藤本家店舗入り口

敷地内には仕込み水に使用している久留里の名水が湧きだしていて、誰でも飲めるようになっていました。少し甘みを感じる柔らかい味がします。

仕込み水に使っている久留里の名水、寒さのため周りは凍っている

店舗の横に建っている蔵の方は誰でも自由に見学できるようになっていました。中に入ると自動的に照明が点灯するようになっていて、順路や解説が掲げられています。

蔵の中は自由に見学できるようになっている

年末のしぼりたて生酒の出荷が一段落した時期らしく、人の気配はありませんでしたが、次の仕込みのためにコメを蒸す大きな釜から蒸気が盛んに上がっていました。

大きな釜でコメを蒸していた

買い求めたのは「天乃原」本醸造原酒しぼりたて生酒。アルコール度数が19度以上もある原酒です。

「天乃原」本醸造原酒しぼりたて生酒

日本酒の出荷量は年々減少


 蔵のご主人と会話していると、日本酒が売れなくなったとぼやいていました。特に若者が酒を飲まなくなってしまったと。全く同感です。国税庁が毎年発行している「酒のしおり」にも衝撃的なグラフが載っています。平成8年のピーク時に比べ、13%以上も消費量が落ち込んでいます。

酒類販売(消費)数量の推移 出典:国税庁「酒のしおり」平成28年3月版

酒類全体の消費量が落ち込んでいる中で、日本酒(清酒)の比率は下がる一方です。確かにこれではたまらんですね。

各酒類の販売(消費)数量構成比率の推移 出典:国税庁「酒のしおり」平成28年3月版

房総の酒蔵をバイクで巡るようになって足掛け三年、私個人としては日本酒の消費量が格段に増えました。冷蔵庫に買い置きしているビールがなかなか減らないくらいです。夏場の風呂上がりでも、最近は冷えた吟醸酒を飲むことも多くなりました。地元の酒に興味津々のこんな暇人が増えてくれば、千葉の酒ももっと売れるようになるのでは、などと考えながら買ってきたしぼりたて生酒を冷で楽しみました。19度以上もあるためすぐに酔いが回りますが、やっぱり新酒は旨〜い!



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房総酒蔵マップ
千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。







2017年1月27日金曜日

快適バイク生活 自作電熱ウェアを実環境で性能試験しました


 先日やっと完成させた出費1,650円の自作電熱ウェアの性能試験を実施しました。バイク雑誌やブログなどに掲載される電熱ウェアの評価レポートは、使用者の主観的な感想が中心になっていることが多く、なかなか複数のレポートを比較検討できません。できるだけ数値を用いた客観的な評価を心がけました。複数の温度ロガーを用いて、ウィンタージャケット内外の温度差を計測し、その保温性能を推定するという方法です。同様の手法でバイク用グローブの保温性能ブーツの保温性能の測定も実施済みです。


まず通電後のシートヒーター表面温度を計測


 実際にバイクで走りながらのテストを行う前に、自宅で通電テストを行いました。走行中に火傷などしたら命に関わりますので、慎重に。電熱ベストの上にウィンタージャケットを着込んで、12Vを供給します。

自作の電熱ベストを着た上にウィンタージャケットを重ね着(かなり怪しい姿)

シートヒーター表面に熱電対型の温度計を接触させて、経過時間と温度を記録しました。応答特性の良い熱電対型温度計は素早くヒーター表面の温度を計測できます。

実際の使用環境でヒーター表面の温度を測定

体温で温められ、ヒーター表面温度が35℃の時に電源オン。10℃上昇して45℃になったのは6分30秒後でした。その後は温度の上昇速度は低下し、23分後に約50℃に達して平衡状態となりました。このテスト時の室温は約20℃です。電熱ヒーターとしての温度上昇速度や最高温度はかなり控えめな数値です。実際に屋外で使用するには少しパワーが足りないかなという心配が残りました。


京葉道路の無料区間を周回しながら性能評価


 この時期、バイクに乗っていて寒さがこたえるのは日没後の高速道路走行ではないでしょうか。本当は早朝が一番寒いのですが、私の場合そんなに朝早くバイクに乗ることはまずありません。今回も日の暮れた夕方6時から京葉道路の無料区間を周回しながら自作電熱ウェアの性能評価を行いました。

 ウィンタージャケットの外側についている胸ポケットに入れた温度ロガーで外気温を計測、自作電熱ベストの内側に着ているカッターシャツの胸ポケットに入れた温度ロガーで内部温度を測定しました。ヒーターが測定器に接触しないようにセットします。使用機器や測定方法については別記事「冬用ジャケットの保温性能を数値で計測できるか」を参照してください。測定結果をグラフ化したものがこれです。サービスエリア内で夕食をとっている時以外は外気温は終始9℃以下、夕方8時過ぎには5℃以下の冷え込みとなりました。

京葉道路を周回しながらジャケット内外の温度を計測

 お気に入りのPOWERAGEウィンタージャケットは高い保温性能を持つインナーが付属しています。電熱パワーを使わなくても、外気温が8度程度の時に内部温度は30度以上を保っています。しかし高速走行で連続して風を受けていると、ジャケット内部の温度だけでは表せない寒さを感じます。脚や腕からの冷えが、じわじわと寒さを感じさせます。ジャケット内部温度も少しずつですが下がり始め、辛くなって来た18時52分に自作電熱ベストのヒーターに通電を開始しました。

 通電開始からじわじわとジャケット内部の温度が上がり始め、外気温が今までで最低の5℃を記録した時に、ジャケット内部は最高の37℃となっていました。内外温度差は32℃です。以前、電熱パワー無しの状態で計測したジャケット内外温度差の最高は20℃でしたから、これは驚異的な温度差です。もちろんジャケット内部の全てがこの温度になっているわけではありません。計測する場所で大きく異なりますが、前回20度の内外温度差を計測したのと同じ場所での値です。一枚あたり3Wと控えめな定格値のヒーターですが、サイズが大きく体へ接する面積が広いため、4枚のヒーターからの熱が上半身全体に伝わります。さらに、エンジンがかかっている時のバッテリー電圧は13V以上あることがほとんどです。12Vで3W仕様のヒーターですが、実使用時にはもっと発熱しているはずです。外気温5℃での高速走行という厳しい状況にもかかわらず、上半身だけはポカポカでした。市販品に比べて低いスペックですが、出費1,650円で作成した自作電熱ウェア、十分使えます。


バイクからの給電方法には注意が必要


 日常的に電熱ウェアを安全・快適に使用するには、バイクからの給電方法にも注意と工夫が必要です。アマチュア無線機やナビの電源を取るためにシート下に配電ボックスを設置していますので、そこから電熱ウェアにも電力を供給しています。

シート下に配電ボックスを設置済み

大きな電流が取り出せるようにバイクのバッテリー端子から直接持ってきて、安全のためにヒューズを経由しています。無線機にノイズが回らないようにフィルターを入れ、メインキーと連動するようにリレーを入れてあります。バイクのキーがオフの時にも、テスト用に電源が取れるようにスイッチも設置しました。自動車のアクセサリーポジションと同じですね。ここまでやらなくても、バイクから電源を取る際には安全のためのフューズと確実な接続のためのコネクターは必須です。

バイクに設置してある配電ボックスの回路図

この配電ボックスから自作の電熱ベストまでは二本のコードで接続します。一本はシート下の配電ボックスからガソリンタンク上まで。もう一本がガソリンタンク上のコネクターからベストのコネクターまでの接続用です。二本に分けることにより、乗り降りするときの接続、切り離しを容易にしています。

バイクから電熱ベストまでの接続ケーブル、二本に分離

強力な磁石を貼り付け、傷がつかないように布テープを巻きつけたDCジャックをガソリンタンクにくっつけておけば乗り降りの際に簡単に脱着できます。

配電ボックスからタンクまでの配線(磁石でDCジャックを固定)

乗車の際にはカールコードを使用したもう一本のケーブルで、タンク上のDCジャックと電熱ウェアのプラグを接続します。カールコードは多少高価ですが、かなり伸び縮みしてくれるので安心して体を動かせます。

タンクから電熱ウェアまではカールコードで接続

転倒時に接続コードが邪魔にならないように、電熱ウェア故障時にエンジン停止などが起こらないように、細心の注意が必要です。


自作電熱ウェアの要改善点


 厳しい実環境での性能試験の結果、自作の電熱ウェアでも十分実用性のあることがわかりました。ただし、試作品として作成しましたので、改善すべき点はたくさんあります。

  1. 完全にオフにするスイッチが必要

    モーター用のスピードコントローラーを温度制御用に流用しましたので、消費電力を完全にゼロにすることができません。別途電源をオン・オフするスイッチを入れる必要があります。

  2. コントローラーをきちんと納める

    電熱ベスト下にブラブラさせているコントローラーをきちんと固定してやる必要があります。

  3. 両面テープが剥がれる

    発熱体を接着するようにできていないのか、カーペット用の両面テープが剥がれてきます。別のタイプの両面テープが必要なようです。次の改善項目とも関係してきますが、両面テープで貼り付けるのではなく、ベストに設けたポケットにヒーターを納めるような構造にすれば完璧です。

  4. ジャケットを脱いだ時にも違和感がないようにしたい

    メッシュ状の黄色い反射ベストの内側にシートヒーターと配線コードが透けて見える構造ですので、休憩中にジャケットを脱いだら実に怪しい風体となります。下手をすると自爆テロ犯に間違えられそうな格好です。見た目の改善が必要です。


 配電ボックスやコード類がすでに用意済みだったこともあり、1,650円の出費で出来上がった自作電熱ウェアは十分満足できる性能を発揮してくれました。市販品が1〜2万円以上の費用がかかることを考えれば満足な結果ですが、脚や腕の寒さにはまだ対応できていません。これ以上を求めるならば車に乗ればという声も聞こえてきそうですが、バイクで少しでも快適に走りたいという欲求を満たすため、今後もアイディアと努力を惜しみなく注いでいきたいと思います。


2017年1月24日火曜日

快適バイク生活 本格的な寒さを迎えてやっと完成した自作電熱ウェア


 朝晩は氷点下になるほどの寒い日が続いています。だいぶ前にパーツだけ買い集めて、そのままになっていた電熱ウェアの自作を、必要に迫られて再開することにしました。一昨年冬に購入したPOWERAGEのウィンタージャケットがなかなか良い保温性能を示していたため、なんとか電熱ウェアなしでも昨年の冬を越せましたが、今年の冬はやばそうです。


自作電熱ウェアで使用した材料はこちら


 まずは一番大切な発熱素材。よく行く秋月電子八潮店をぶらついているときに見つけたシートヒーターです。少し硬めですが、縦25.5cm x 横10cmで体に装着するにはちょうど良い大きさです。消費電力が3Wと少し控えめながら、価格は一枚300円とお手頃。ジャケット用に4枚(背中に2枚、胸に2枚)使用することにしました。

秋月電子で見つけた一枚300円のシートヒーター(コネクターは変更済み)

 温度制御のためのコントローラーも同じく秋月電子で見つけたモーターのスピードコントローラーが使えそうです。7〜30Vの入力電源で5AまでのPWM制御が可能です。これで価格がなんと250円。自作品ではとてもこの価格には収まりません。

秋月電子で見つけたPWMハイパワーDCモータースピードコントローラ

 ヒーターをどのようにウェアに貼り付けるかで使い勝手が変わってきます。テストの意味合いもあるため、ウィンタージャケットに直接貼り付けるのではなく、かさばらないベストのような構造にすることを目指しました。見つけたのはこれ。100円ショップで売っていた反射ベストです。シートヒーターを貼り付けるために同じく100円でカーペット用の両面テープも購入しました。

100円の反射ベストとカーペット用の両面テープ

 配線用の電線はシートヒーターに付属していた長い電線を切って再利用。接続用のギボシ端子(オス・メス・カバー)と電源へ接続するためのDCジャックは買い置きしてあったものを使っていますが、新たに購入しても2〜3百円もあれば大丈夫です。

配線材料はシートヒータの電線の余りと手持ち部品で準備


PWMコントローラーの動作確認


 身につけて使う発熱体の制御用ですから、ちゃんと動作確認をしてから使うことにします。12V電源とヒーターを接続した状態でPWM制御がちゃんと働くかオシロを使って確認です。

オシロと周波数カウンターでPWMの動きを確認

コントローラーのボリュームを「1」にセットした時の波形はこちら。142HzのPWM波形が出ています。デューティー比は30%程度ですので、一枚あたり定格3Wのヒーターを1W以下まで弱めることができます

最弱の「1」にセットした時のPWM波形(Duty 30%程度)

ボリュームを徐々に大きくして行くとONの時間が伸びていき、目盛り「5」の時の状態がこちら。デューティー比は80%程度です。さらにボリュームを回すとカチッと音がして100%(連続通電状態)になります。その状態でフルパワーの3Wです。

ボリュームを「5」にした時のPWM波形(Duty 80%程度)


インナーベスト式の自作電熱ウェアを組み立て


 格安なモーター用のPWMコントローラーでヒーターの発熱量を制御できることが確認できましたので、いよいよ組み立てです。100円の反射ベストの内側にシートヒーター4枚をカーペット用両面テープで貼り付けます。

カーペット用の両面テープで反射ベストにヒーターを貼り付け

硬めのシートヒーターですので、ライディングポジションを取ったときに違和感の出ない位置にヒーターをセットします。さらに普段寒さを感じやすい場所も考慮すれば完璧です。4枚のヒーターを全て並列になるように接続してコントローラーの出力にギボシ端子で配線していけば、作業はあっという間に完了します。

3Wのシートヒータ4枚で12Wのパワーとなる自作電熱ウェア

反射ベストの生地は網目状になっていますので、タイラップを使って電線やコントローラーをベストに仮止めしておきます。本格的なセットは実践テストが終わってからやり直します。

コード類がブラブラしないようにタイラップでベストに仮止め


1650円で自作電熱ベスト完成


 さあ完成です。一番時間がかかったのは配線コードやシートヒーターにギボシ端子を繋ぐ作業でした。ここは専用工具があれば確実で時間の節約にもなります。接続コードの準備さえ終われば後は超簡単。ヒーターの位置調整も何度でもできます。手持ち部品以外で購入したものは以下の材料で、締めて1,650円(税別)也。安い!
  • シートヒーター(面状発熱体)12V 3W@秋月電子 ¥300 x 4
  • PWMハイパワーDCモータースピードコントローラ@秋月電子 ¥250
  • 反射ベスト@ダイソー ¥100
  • カーペット用両面テープ@ダイソー ¥100

自作電熱ベストを身につけた上にウィンタージャケットを着る

とりあえずコントローラーはベストの下からブラブラ状態ですが、丈夫そうなのでテスト期間中はこのままで行きます。気をつける必要があるのは、コントローラーの外側に電力制御用のFET(半導体部品)が裸のままで付いていることです。これが12V端子などに触れると故障しますので、テープなどで必ず絶縁しておく必要があります。3Wのシートヒーター4枚を並列に接続していますので、合計12Wになります。温度が低い時は若干消費電流が増えると秋月電子のホームページにも書いてありますが、それでも合計20Wは超えていないようです。この程度であればバイクから電力を頂戴しても大丈夫でしょう。

 実際のバイク乗車でのテストに先立ち、室内で使用していますがポカポカです。最大パワーでは暑いくらい。バイクでのテストは後日、温度ロガーなども利用して数値で効果を確認したいと思います。バイク側には12Vアクセサリー端子をシート下に設置済みですので、後は寒い日にこの自作電熱ベストを着て出かけるだけです。楽しみだ〜(^ ^)

ご注意

火傷やバイク電装系のトラブルなどの恐れがあり、全て自己責任で行っています。良い子は真似をしないでください。



自作電熱ウェアの性能試験を実施しました


 日没後の高速道路(自動車専用道)を周回しながら自作した電熱ウェアの性能試験をしてきました。最低気温が5℃を切る状況でしたので、しっかりとしたウィンタージャケットを着ていても寒さが身にしみる状況ですが、電熱ウェアのおかげで上半身だけはポカポカでした。

(2017年1月27日追記)


2017年1月23日月曜日

快適動画編集 FCPXで単純なフェードイン・アウトをしたい


 編集ソフトはFinal Cut Pro X(FCPX)を使用していますが、まだまだ使いこなせていません。使用したことのない機能もたくさん残っています。編集中にビデオクリップやオーディオ、タイトルなどをフェード(徐々に出現させたり、消したり)させたい時が度々出てきますが、今までは標準で用意されている「クロスディゾルブ」トランジションを利用していました。


フェードとしては違和感のある「クロスディゾルブ」


 本来の使い方は、隣り合ったクリップの不透明度を徐々に変化させながら切り替えるものですが、独立したクリップに適用すればフェードイン・アウトが一発で実現できます。他に「フェード」という名称のエフェクトやトランジションが見当たらないので、この「クロスディゾルブ」をフェード機能として使ってきましたが、どうも違和感を感じる場面があります。

 例えば一つのタイトルをフェードイン・アウトさせるために「クロスディゾルブ」を適用します。「クロスディゾルブ」トランジションを対象のタイトルにドロップすれば完了ですが....

例えばタイトルにクロスディゾルブを適用すると

たまたまもう一つ別のタイトルと隣接していた場合どうなるでしょう? 二つのクリップ間のトランジション効果が本来の機能ですので、適用すると下のような状態になります。

隣接したタイトルがあると片側に「クロスディゾルブ」を適用しても両方に影響が出る

テキスト1だけをフェードイン・アウトさせたい場合でも、テキスト2への切り替わり時にもクロスディゾルブが適用されてしまいます。これが本来の機能なので仕方ありません。さらに別々だった二つのタイトルがグレーの線で囲まれてストリーラインに変換されています。タイトルクリップなのにビデオクリップよりも大きく表示されてしまい、なんとなく目障りです。この動きはタイトルだけではなくビデオやオーディオクリップでも同じです。隣り合ったクリップがある場合に、一つのクリップだけにフェード効果をつけたい時にはこの「クロスディゾルブ」では余計な手間がかかってしまいます。


ビデオアニメーションでもフェードさせられるが....


 標準で用意されているタイトルの中には初めからフェード効果付きのものもありますが、編集途中でフェード効果を追加する時には別の方法が必要です。クリップを右クリックしてビデオアニメーションを表示させれば、その中で不透明度の調整ができます(オーディオの場合はオーディオアニメーション)。

クリップを右クリックしてビデオアニメーションを選択

ハンドルをスライドさせてやればフェードイン・アウトの効果を与えることができますが、結構面倒です。

視覚的にフェード効果をセットできるが面倒臭い

決まった時間のフェード効果を複数のクリップに適用するには向かない方法です。やっぱりエフェクトやトランジションのように一発でクリップに適用できる方法が必要です。


Motion5で単純なフェードエフェクトを用意


 こんな時にはMotion5があれば、あっという間にエフェクトを自作できます。単純な機能ですので、用意されている「フェードイン/フェードアウト」ビヘイビアを利用するだけです。

Motion5で単純なフェードエフェクトを作成

最もよく利用するイン・アウト時間をセットして、パラメータを公開してやります。今回は15フレーム(0.5秒)にしました。このFCPエフェクトテンプレートを対象のタイトルやビデオクリップに適用すれば、適用先のクリップのみフェード効果が適用されます。勝手にストリーラインに変換されることもなく、表示も元のままの状態です。ただし、オーディオクリップには適用できません。


オーディオクリップのフェードはハンドルで直接


 オーディオクリップのフェード操作は、マウスポインターをクリップの端に持って行った時に表示されるフェードハンドルで簡単にできます。

オーディオの場合は聴きながらフェードハンドルで調整するのが一番

ビデオクリップなどと違い、音楽を聴きながらフェードの時間を調整することになると思いますので、この方法が一番使いやすい方法です。フェード時の形(増加・減衰のカーブ)を変えるには、フェードハンドルを右クリックします。通常は初期値のままで問題ないと思います。

フェード時の曲線を変えるにはハンドルを右クリック


 それにしても、どうしてFCPXには標準のフェードエフェクトが用意されていないんでしょう。単純なフェード機能は使う機会が多いと思うのですが、不思議です。もしかしたら標準のままでもうまいやり方があるのかもしれませんが、どうしても見つけられませんでした。以前、点滅エフェクトが欲しくなった時にも見つからず、結局Motion5で自作したことがあります。持っててよかったMotion5という感じですね。


作成したテンプレートはGoogleドライブで公開しています


 限られた画面コピーと文章のみでは不明な部分もあるかと思います。また、Motion5を持っていなくてもFCPXテンプレートだけ利用したい場合があるかもしれません。今回の分も含めて、Motion5で自作したテンプレートを公開しましたので、よろしければご利用ください。


2017年1月13日金曜日

房総酒蔵バイクツーリング 九十九里浜で守屋酒造のどぶろくをゲット


 年末から初春にかけて房総の酒蔵からも次々に新酒が出荷されます。その中でも出来たてのもろみをほとんど絞らずに、生きたままの酵母と共に瓶詰めされるどぶろくは日本酒好きにはたまらない酒です。2015年12月末に九十九里浜にある守屋酒造を訪れた際に、出来たてのどぶろくを見つけましたが、発泡の続いている活性酒は瓶を横にして積載できないため泣く泣く購入を諦めたことがあります。その時は横積み可能な純米吟醸生酒「舞桜」だけを買って帰りました。

九十九里浜の近くにある守屋酒造

好天につられて九十九里浜をバイクツーリングしている途中、一年ぶりに守屋酒造に立ち寄ってみました。海岸から少し内陸に入った場所で、道の駅などにも近くわかりやすい場所にあります。毎年酒蔵でコンサートを開いたり、直販にも力を入れていてる活気溢れる蔵元で、店舗を覗くだけでも楽しめます。

夏場は賑わうが、この時期は閑散としている九十九里地区


今回はどぶろくと純米吟醸生酒の二升を購入


 年末から新酒の出荷を始めているとのことで、昨年同様出来たての生酒やどぶろく、にごり酒が並んでいます。前回訪れてから、バッグの取り付け方を工夫して一升瓶を立てたまま持ち帰れるようにしていました。前回のリベンジで、どぶろくを真っ先にチョイス。今の積載方法であれば一升瓶を四本まで安全に持ち帰れますが、生酒をそんなに買って帰ったら冷蔵庫がいっぱいになってしまいます。もう一本は前回同様、「舞桜」純米吟醸生酒にしました。

「舞桜」純米どぶろくと純米吟醸生酒

酒蔵の前でバイクに一升瓶を二本も積もうとしていると、後から来た客にジロジロみられて気恥ずかしいのですが、そんなことは気にしていられません。無事に持ち帰れるよう最新の注意を払って二本の一升瓶をバッグに詰めました。

一升瓶は頭がはみ出すが、しっかりと積載可能


この時期の酒粕は新鮮で美味しい貴重品


 この寒い時期にバイクでやってきて、活性酒を含めて一升瓶を二本も買って帰る客は珍しいのか、蔵の人といろいろ話をしていたら酒粕をおまけしてくれました。

おまけでもらった吟醸酒粕

以前は、酒粕といえば甘酒ぐらいしか思いつかず、酒蔵でもらっても持て余していました。しかし、新酒の時期の酒粕は本当の出来たてです。スーパーで一年中売っているものとは全く違います。度々頂戴するものですから、色々工夫してみました。そのままオーブンで焼いてわさび醤油で食べても旨いし、ピザ生地の代りに使っても左党にはいける味です。今回はスーパーで安売りしていたセロリの酒粕漬けを作ってみました。

セロリの酒粕漬け

何日も漬け込む本格的なものもありますが、すぐに食べたいため浅漬け風に作りました。塩もみした後、みりんで溶いた酒粕に数時間漬け込むだけです。

もろみの米粒が残っていて、甘みのあるどぶろく

米と水を原料にして麹と酵母で醸したどぶろくを、そのしぼり粕で漬け込んだセロリを肴にしながらグイグイ飲る。なんかとっても自然な感じです(^ ^) きっと体にもいいに違いありません。飲み過ぎなければ.......



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