2017年2月27日月曜日

快適動画編集 FCPXのタイムコードをストップウォッチとして利用する方法


 動画編集の際にストップウォッチのように時間を計測して、それを合成表示したい時があります。ある動作の開始から終了までの時間を比較したり、一定の距離を移動するのにかかる時間を計測したりする場面にストップウォッチの機能があれば、よりわかりやすい作品作りに役立ちそうです。


時間計測に使えそうな「タイムコード」ジェネレータ


 動画編集に使用しているFinal Cut Pro X(FCPX)の標準機能でストップウォッチのように使えそうなのがジェネレータの「タイムコード」です。時間測定対象のクリップに「タイムコード」ジェネレータを接続して長さを揃えます。インスペクターにある公開パラメータの中のFormatを「HMS」にすれば、時:分:秒の形式で百分の一秒まで対象クリップの中の時間を計測・表示します。

時間を測定したいクリップに「タイムコード」ジェネレータを接続

もちろん動画にはフレームレートがあり、30fpsで編集していれば30分の1秒以下は計測できませんが、そこまで厳密に測定する場合は高速度撮影など別の方法が必要になります。

任意の場所の時間測定がなかなか難しい


 なんとなくこの「タイムコード」だけで要望が満たされそうな気がするのですが、いざ使ってみるとストップウォッチとしては問題だらけなことに気づきます。まず初めに、表示される時間がプロジェクト内でのクリップの位置に依存しています。測定対象のクリップがプロジェクトの先頭ではない場合、ストップウォッチの開始時間がゼロからではなくなってしまいます。

クリップの位置が変わると計測の開始時間も変わってしまう

クリップの置かれている位置に関わらず、対象クリップ先頭からの時間を表示させたい場合は公開パラメータのTimecode Baseを「プロジェクト」から「ソース」に変更します。

Timecode Baseを「ソース」に変更すると...

これで対象クリップの先頭からの時間表示になるのですが、なぜか先頭の「時」の部分が「01」となってしまいます。バグなのか仕様なのか不明ですが、これではストップウォッチとして表示するには不適当です。公開パラメータにOffsetがありましたのでマイナス1時間を入力してみましたが、セットできませんでした。

「タイムコード」のオフセットにマイナス値は指定できない

ほとんどの場合は秒や分単位くらいまでしか必要ありませんから、この先頭の「01:」をマスクで見えなくしてしまえばなんとか使用可能です。

スローモションや早送りでの時間計測ができない


 素早い動作の時間測定をするような場合、対象クリップの再生速度を変えてスローモーションにすることが多いと思います。接続されている「タイムコード」側も同様の速度変更ができれば問題ないのですが、サポートされていないようです。

測定対象クリップの再生速度を変化させても「タイムコード」側は変化しない

ここまでのやり方では対象クリップの速度変化に、時間を測定している「タイムコード」の速度を連動させることはできません。クリップの再生速度を変化させない場合のみストップウォッチとして使用できる方法です。


タイムコードだけの動画ファイルを別途用意


 スローモーションにした時にもクリップの正確な時間を計測・表示させるための方法を考えてみました。最初に思いついたのが、ゼロから必要な時間までタイムコードだけが入っている動画ファイルを先に作っておいて、編集時にクリップと一緒にして速度を変化させてしまうという原始的な方法です。

必要な長さのタイムコードだけが入った動画ファイルを作成しておく

編集時には測定対象クリップとこのタイムコードの入ったクリップを複合クリップにしておくと便利です。トリミングも速度変化も一つの複合クリップに対して行えば済みます。

測定対象クリップとタイムコードのみのクリップを複合クリップにしておくと便利

このやり方で何本か動画を編集しましたが、思った通りの機能が実現できています。先頭で信号待ちしているバイクを素早く発進させる方法として、右足着地のままの発進を試している際の動画で使用してみました。



「タイムコード」ジェネレータを直接複合クリップに変換


 別途タイムコードだけの動画ファイルを用意する方法で、必要な機能は満足できているのですが、長さの異なるものを毎回作成するのは面倒です。もっとスマートな方法がないか、さらに検討している時に、「タイムコード」ジェネレータと測定対象クリップをそのまま複合クリップにしてみました。

複合クリップ作成時には「タイムコード」の開始時間はいつもゼロ

複合クリップ作成時の「タイムコード」ジェネレータは必ずゼロの位置に置かれていますので、出来上がった複合クリップの時間はプロジェクトのどこに置かれてもゼロから始まるようになりました。時間部分に現れる意味不明のオフセット「01」も出ませんので、時:分:秒の全ての桁を使用したストップウォッチになります。さらに、複合クリップに対して速度変化操作を行うと、「タイムコード」の動きもそれに合わせて変化してくれました。スローモーションさせながら、その時の実時間を測定するという使い方ができます。まさに動画編集で使用するストップウォッチが出来上がりました。

「タイムコード」ジェネレータを含んだ複合クリップで自由なストップウォッチ機能が実現


 表示は百分の一秒単位になっていますが、ストップウォッチとして実際に測定可能な最小時間はフレームレートが30fpsの場合で約0.03秒になります。指定できるフレームレートは最高でも60fpsまでなので、百分の一秒単位で計測することは不可能ですが、まず問題になることはないでしょう。

 「タイムコード」ジェネレータのTimecode Baseを「ソース」にすると「01:」から始まることや、複合クリップに含めた時に必ず開始時刻が「00:00:00.00」なること、速度変化をさせた時に「タイムコード」のカウント速度も変化することなど、それがFCPXの正しい仕様なのかどうか明確ではありません。そのため、今後のリリースアップ時に動きが変わる恐れがありますが、今の所一番簡便な動画編集用ストップウォッチの実現方法となっています。


2017年2月25日土曜日

快適バイク生活 可倒式ステップに甘えていたらバネが折れた!


 30数年ぶりにリターンした親父ライダーです。昔乗っていたバイクのステップはほとんどが固定式だったような気がします。友人に借りたCB550で転倒した時に、固定式ステップが曲がったままになって困ったことを覚えています。今売られている中・大型バイクは可倒式のステップが標準になっているようで、リターン後に乗ったCB400もCB1300も可倒式ステップがついていました。

CB1300SBの可倒式ステップのバネが折れた


 購入してから三年ほど経ったCB1300SBに乗っていたら、右ステップに違和感を覚えました。停車してよく見ると、ステップが倒れたまま戻らなくなっています。

右側ステップが倒れたまま戻らない

手で戻して付け根を確かめると、バネが折れています。

ステップを戻すためのバネが折れている

折れたバネをよく見ると、斜めに刃物で切ったような見事な破断面が現れていました。

折れたステップのバネ

可倒式ステップを戻すためのバネですから、ステップを頻繁に倒したりしない限り折れるような部品ではないと思っていましたので、正直驚きました。バンクセンサーを路面に擦りながらコーナーを曲がるようなことも皆無ですので、攻めすぎて可倒式ステップのバネに負荷を与えているということはありません。はて、どうしてここのバネがという疑問が生じ、普段の運転動作を振り返って見ました。


ステップが倒れることに甘えていた


 前に乗っていたCB400では両足がペタッと地面に着いていましたので、取り回しや発進・停止にあまり不安はなかったのですが、CB1300では両足が踵までペッタリ着地というわけにはいきません。

CB1300乗車時の足つき状態

車重があるため、乗車したまま取り回しすることが多くなりました。この足つき状態でバイクを前後に動かそうとすると、どうしてもステップに脚が当たり倒してしまいます。足を動かす度にパタン・パタンと可倒式ステップが動いているのがわかります。

乗車したまま取り回しを行うとステップに脚が当たる

ステップが固定式だったらこうはいきません。脚がぶつからないように思いっきり外側へ広げないと乗車したまま取り回しなどできませんから、可倒式ステップに助けられています。でも、取り回しの際に可倒式ステップを動かす程度でバネが折れる?という疑問が残ったままです。


右足着地発進を頻繁にするようになってからバネが折れた


 なんで右側のステップのバネが折れたのか考えているうちに、最近右足着地のまま発進をすることが多くなったことに気づきました。CB1300の重たいクラッチの操作時間を減らせるばかりではなく、先頭で信号待ちしているような時にも短時間で発進できるため、かなりの割合で右足着地のままで発進動作を行うようになっていました。この時のステップへの干渉を意識して動作してみたところ、かなりの頻度でステップに脚が当たっていることが判明。様子を探るためGoProで発進時の右脚を撮影してみました。

右足着地のままで発進すると脚でステッップを倒している

バイクにリターンした当初は左足着地での発進しかしていません(それしかできなかった)。長い間の繰り返しで慣れているためか、左側の脚はステップに当たっていませんでした。左と右で発進時の動作にどんな違いがあるのか意識して動作してみると、左足発進の際には動く瞬間に踵を外側にひねっていることに気づきました。外側に踵をひねるとふくらはぎの部分が外側に移動し、ステップに当たらなくなっています。同じ動作を右足着地発進の際にも行なってみました。

動き始めに踵を外側に回転すると脚がステップに当たらない

左足では自然にできていたこの動作が、右足着地発進の際にはできていなかったようです。発進の度に可倒式ステップをパタン・パタンと倒していたら相当の回数になります。これで右側ステップのバネが先に折れたことに納得できました。

 いい歳をしてこんな大きなバイクに乗らなければいいのですが、走り出せば有り余るパワーと安定感に魅了されます。両手・両足を使い、体全体でバランスをとりながら走っていると、車の運転中には味わえない緊張と満足を感じます。ボケ防止には最高の乗り物だと信じ、バイク生活を長く楽しめるように安全運転を心がけています。


2017年2月19日日曜日

快適自転車生活 地酒や野菜も持ち帰れる自転車用トートバッグを試作


 風を切って軽快に走れるロードバイクで毎回100キロ前後の日帰りツーリングを楽しんでいる親父ロードライダーです。カメラやスマホなどのデジタル機器と食品類をウェストバッグに、スペアチューブや工具などのパンク対応用具を小型のサドルバッグに入れて持参し、荷物はできるだけ軽量になるように心がけています。ただ走るだけであればこれらの積載方法でなんら問題はないのですが、谷津道探検サイクリングと称して里山を走っていると、小さな酒蔵や農産物の直売所などを見つけることが多くなりました。

普段は最小限の荷物で谷津道を軽快にサイクリング


珍しい地酒や新鮮な野菜を持ち帰りたい


 郊外には道の駅がたくさんあり、たいてい農産物の直販所が併設されています。里山にある農家の軒先きには無人販売所が設けられていることも多く、どちらも新鮮で美味しそうな野菜が格安で売られていて、思わず買って帰りたくなります。谷津は湧き水が豊富な地形で、千葉県にはこの水を使った酒蔵が数多く存在します。オートバイで房総の酒蔵を訪問していますが、期せずしてサイクリング中に酒蔵を発見することもあります。旨そうな地酒を見つけた時は、四合瓶ならなんとかウェストバッグに押し込んで持ち帰ることも可能ですが、長時間だと腰が痛くなります。酒飲みの私は四合瓶ではすぐに飲み干してしまうため、できれば一升瓶を買って帰りたいものです。

 ナップザックを畳んで持っていけば、必要な時だけ取り出して野菜や地酒を背負って持ち帰ることができますが、少し重いものだと肩や背中が痛くなります。一升瓶が入れられる大型のサドルバッグも売られていますが、毎回使うわけではありません。普段はできるだけスマートに走り、必要な時だけ積載量を増やせれば最高です。そんなわけで、次のような目標を立てて、オリジナル自転車用バッグのアイディアを絞り出して見ました。

  • 一升瓶一本を持ち帰ることが可能
  • できるだけ背負わずに自転車に積載する
  • 使わない時にはジャージのポケットに収納可能なサイズ
  • 自作できるシンプルな構造

ロードバイクで一升瓶を持ち帰るとすると、どこに載せたらいいでしょうか。考えて見たのは次のような場所でした。背負うのは最後の手段として、サドル下は今使っているサドルバッグやテールランプが使えなくなるため却下。フロントフォークの横やハンドルの下にもスペースがあるのですが、重たいものをハンドル周りにつけるとコントロールが怪しくなりそうなので、ここも却下。残ったのがトップチューブの下です。

サイクリングで一升瓶が載せられそうな場所


ベルトとバックルだけの試作品はちょっと失敗


 使わない時にはできるだけ小さく、軽量になるような構造と素材で試作品を作って見ましたが、いざ使うシーンを考えると「ちょと....」というものになってしまいました。

20mm幅のアクリルベルトとバックルのみで構成された試作品第一号

酒瓶に巻きつけてバックルを固定、トップチューブにぶら下げ、振れ防止としてシートチューブにも固定すれば積載完了ですが....

四合瓶をトップチューブに取り付けた状態

最初に酒瓶を縛るのに熟練が必要で、トップチューブに取り付ける時にも片手で瓶を抑えながらバックルを固定するのが結構難しい。下手をすると瓶を落として割ってしまいそうです。何より酒瓶が丸見えの状態で走るのは気恥ずかしいし、酒瓶以外のものに応用が利かないということで、日の目を見ることもなくボツ( ; _ ; )。


トートバッグ構造の自作自転車用バッグ


 自転車を降りて買い物をしている時からの利用シーンを思い描きながら、改良版の構造を考えてみました。お店で買い物をしてから自転車に戻るまでの持ち運びにはトートバッグが便利です。そのトートバッグをトップチューブに簡単に取り付けられれば、瓶を落としてしまう心配も減ります。このアイディアを形にしたものがこれ。基本的な形のトートバッグに横方向のベルトとバックルを取り付けました。

自作自転車トートバッグ(表面)

裏面には、バッグを二つ折りした時に接する場所に面ファスナーを三組取り付け。この接着力でトップチューブに一升瓶をぶら下げた時に仮止めさせます。その後、横方向のバックルを固定してベルトを締め付ければ、走行中に衝撃を受けても落下することはなさそうです。

自作自転車トートバッグ(裏面)

さらに、バッグ底部にある手持ち紐末端のバックルに肩紐を取り付ければリュックサック型になり白菜のようなかさばるものを背負うこともできます。

肩紐を取り付ければリュック型に

折りたたんだ時はこの程度になります。手持ちの生地が420デニーロの防水加工を施した厚手のものだったため、多少かさばりますが、何とかジャージのポケットに入るサイズになりました。薄手の生地を使えばもっとコンパクトにできます。

自作自転車トートバッグを畳んだ状態


自作した自転車トートバッグを実際に使って見ると


 基本構造は普通のトートバッグですから入るものなら何でも持ち運べます。一升瓶なら二本入るサイズです。当たり前ですが、普段の買い物の時にも便利に使えます。

一升瓶なら二本入るサイズ

一升瓶を二本も買ってしまったら、自転車に載せるのは不可能ですので、リュックサックにします。手持ち紐の中央と底部のバックルに肩紐を取り付ければ背負うことができます。

肩紐を取り付けてリュックサックに

かなりの重さは覚悟しなければなりませんが、紐が20mm幅のベルトですのでナップザックのように肩に食い込むことはありません。意外に安定して一升瓶二本が背負えました。ただし、この状態で走り続けるには強靭な肉体と鉄の意志が必要ですσ(^_^;)

自作自転車トートバッグをリュックサックにして背負う

酒瓶を自転車に載せる場合は一本までです。瓶をトートバッグの片側に寄せ、使わない手提げ紐をバッグの内部に入れてしまいます。トートバッグの半分は余っていますので、そこを自転車のトップチューブに巻きつけて面ファスナーで仮止めします。手を離しても落下しませんので、両手で二箇所あるバックルを固定しベルトを締め付けます。

トップチューブに巻きつけて面ファスナーで仮止め

さらに、バッグ底部のバックルをシートチューブに固定すれば、瓶が振動で動くことを防げます。

トートバッグ底部のベルトをシートチューブに固定すれば振れ防止になり安心

四合瓶であれば完全にトートバッグに隠れますが、一升瓶は首の部分が多少出ます。ブレーキをかけた時に一升瓶が飛び出しそうですが、前方の固定ベルトがちょうど一升瓶の肩の部分を抑えていますので、その心配はありません。酒瓶以外にも大根やネギなどの細長い野菜もこの方法で積載できそうです。

一升瓶は先端が少しはみ出すが、瓶が飛び出す心配はない

このトートバッグを使っていて心配なのは、ブレーキワイヤーへの影響とペダリングしている脚への干渉です。トートバッグの生地がブレーキワイヤーに触れていますが、ベルトで締め付けられるのはトップチューブの上部のため、ブレーキングに影響はありませんでした。ワイヤーがトップチューブに押し付けられて傷ができるようなこともなさそうです。脚への干渉については、酒瓶がトップチューブよりも直径が大きいので、多少ペダリング時に考慮が必要になります。個人差がありますが、四合瓶の場合はほとんど気にならない幅でした。

四合瓶の幅ならペダリング時に邪魔になるほどではなかった

一升瓶を積載した時にペダリングに影響が出る恐れがありますが、どの程度の時間なら大丈夫か走ってみなければ判断できませんので、近いうちにテストしてみようと思います。


単純な構造だけにまだまだ応用と改良の余地がありそう


 重たいものはトップチューブにぶら下げることになりますが、軽量なものであればトップチューブ前方の上部に固定することも可能でした。ウェアを丸めて入れたり、輪行袋を持ち運んだりできます。この固定方法ならペダリングへの影響も少なそうです。

軽いものならトップチューブの上にも固定可能

構造が単純なだけにいろいろな利用方法が考えられます。サイクリングに限らない活用方法があるかもしれません。毎回ウェストバッグの片隅に忍ばせて、下の四つの使い方以外にもいろいろな局面でテストしてみるつもりです。

この四つの使い方以外にも応用が利きそうな単純な構造の自作トートバッグ

ロードバイクでのサイクリング中に一升瓶など絶対に買って帰らないという人もいると思います(それがフツー?)。そのような場合には、もう少し縦の長さを短くするとトップチューブの上下に取り付けた際にスマートになると思います。参考までに試作した自転車用トートバッグの寸法図を載せておきます(写真の試作品は手提げ紐の位置を間違えて、少し外側に縫い付けてしまいました^ ^)。ベルトを生地に縫い付ける際には、オスのバックルがついてる部分は長さ調整ができるように70mm程度は縫わずに遊ばせておきます

試作したマルチウェイ自転車トートバッグの図面(単位はmm)

20mm幅のアクリルベルトと同サイズのYKK汎用バックルを使用しましたが、軽いものしか載せない場合はもっと細い15mm幅のベルトとバックルに変え、面ファスナーを二組に減らせば、さらに安上がりでコンパクトなオリジナルトートバッグに仕上がると思います。改良のアイディアなどありましたら是非教えてください。



ミニサイクルでの一升瓶持ち帰りにも最適だった


 近所で渋〜い酒屋を見つけ、自転車で買い出しに行った時にこの自作トートバッグを使ってみました。もともとロードレーサーのトップチューブに固定する構造にしたのですが、持っている折りたたみ式ミニサイクル(ブリジストンTransit7)のシートポストにベストフィット。

ミニサイクルのシートポストに一升瓶がぴったりと積載可能

手提げ紐の部分をシートに絡ませて、バッグの下部にある振れ防止用のバックルでシートポストに固定すれば、自転車が揺れても瓶は動きません。う〜ん、素晴らしいバッグです。これで近所の酒屋巡りが増えそうです(^ ^)/

(2017年6月10日追記)



ついにロードバイクのサドル下にも取り付け可能に


 ミニサイクルのシートポストへの取り付け経験から、サドルで重量を支えると重いものも安定して積載できることがわかりました。トートバッグの手提げ紐ではなく独自の固定ベルトを用意し、位置を変えられように設計変更してみたところ、実にうまい具合にロードバイクのサドル下に一升瓶が固定できました

ロードバイクのサドル下にも一升瓶が積載できる改良型自転車トートバッグ

これで、持っている全ての自転車で一升瓶を持ち帰ることができるようになりました。やったね (^ ^)/

(2017年12月25日追記)



2017年2月13日月曜日

房総酒蔵バイクツーリング 「かくし」ありますの看板に誘われて吉野酒造へ


 車道を走っていて看板が目につく酒蔵は千葉県内にはそれほど多くはありません。勝浦にある吉野酒造はその少ない酒蔵の中の一つです。県道82号を走っていると瓦屋根の大きな酒蔵、赤い煉瓦積みの煙突、そして入り口にある「腰古井」の大きな看板ですぐにわかります。一年ほど前に吉野酒造で新酒を手に入れてからは、季節限定酒を手に入れるために何度も訪れている酒蔵です。勝浦や御宿の海沿いの観光地にも近く、養老の滝などを観光しながら山道の走りを楽しめる場所のため、バイクで度々走り回っている地域です。

県道82号を走っていると目に飛び込む「腰古井」の大きな看板

「かくし」ありますの看板が出てる


 蔵から道路を隔てた駐車場側に「かくしあります」と書かれた看板が出ていました。「かくし」って何?との疑問が沸き起こり、すかさず看板の前にバイクを停めました。

「かくし」の文字で顔を描いてる可愛い看板に誘われた

「隠し味」を出すための発酵調味料の一種かな、なんて勝手な想像をしながら蔵の中にある事務所兼売店を目指します。

わかりやすい場所で入りやすい勝浦の吉野酒造

秋のひやおろしの季節に通りかかった時にも、「ひやおろしだよ」と書かれた可愛い看板につられて立ち寄りました。この看板戦略、なかなか酒好きには効果を発揮しているのではないかと感心しています。

ひやおろしの季節に出ている看板、これを見たら絶対立ち寄ってしまう


ずらりと並ぶ季節限定酒に生唾が


 売店内には通年商品と季節限定商品が分けて並べられています。一番目立つ場所にずらりと並べられた季節限定商品の数々。大吟醸で仕込んだ梅酒や、純米大吟醸の初しぼりなど個性的な限定酒がずらり。生唾が出ます。

店の中央に季節限定酒がずらりと並ぶ

蔵のご主人と思しき方に「かくし」ありますの看板を見て来たと告げると、申し訳なさそうに『ちょうど今売り切れちゃった』とのご返事。そもそも「かくし」って何と尋ねると、「蔵人の隠し酒」のことだよと教えてくれました。蔵人が自分でこっそりと楽しめるように、広く流通させない少量のとっておきの酒、という感じでしょうか。例年4月頃まではあるそうですが、今年はもう売り切れてしまったとのこと。少ない流通量が希少価値を高めて人気が出て来たのかもしれません。誠に残念です。『来年よろしく!』と励まされてしまいました。

 仕方がないので他のお勧め商品をお聞きして、初しぼり純米大吟醸無濾過生原酒と「どろりん子」という活性酒を購入しました。大吟醸の初しぼりを買ったのは初めてです。『普通なら一万円以上する酒だが、今はサンキュー価格で3,900円だよ』というバナナの叩き売り口上のような説明を聞き、何となく得した気分に。

売り切れた「かくし」の代わりに購入した酒

さらに、発泡が強いため瓶の半分くらいしか入れていないという「どろりん子」というどぶろく風の活性酒も。帰宅後に「どろりん子」からやって見ましたが、栓を開けた途端にシュワーっと泡が吹き上がり、コップに注いだ後もプチプチと泡が弾けています。甘みのある米の味がして、やっぱり活性酒は旨いですな〜

「どろりん子」からやってます

発泡がきついからと四合瓶の半分くらいまでしか入っていません。500mlで千円ちょっとですから結構な高級酒です。味わって楽しまないと....



房総酒蔵バイクツーリングのインデックスはこちら


房総酒蔵マップ
千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。







2017年2月10日金曜日

macOS付属のグラフ計算機「Grapher」って結構すごい


 MacBook Proを使い始めてからそろそろ4年です。初めて買ったMacですので、MacのOS経験も同じく4年。色々便利なツールが標準ソフトとして付属してきます。欠かせない存在となった標準ソフトもあれば、ほとんど起動したことのないものもあります。後者の中で代表格なのがGrapherです。方程式を記述するとグラフが描けるソフトで、MacBook購入後に一、二回起動したことはありますが、今ひとつ使い方と利用価値が分からず、その後はお蔵入り状態でした。

その他フォルダーの中に入っているGrapher


イラストを描くため正確な放物線が必要に


 LEDライトのリフレクター(反射板)による配光特性を説明するイラストを描くために、放物線が必要になりました。イラストですからベジェ曲線で適当に描いても問題ないのですが、真面目な性格(^ ^)がそれを許さず、macOSに付属しているGrapherを勉強しながら使ってみることにしました。

イラストのリフレクター部を描くためにグラフ計算ソフトGrapherを勉強

何度か起動して簡単な関数のグラフ表示をさせたことはありますので、すぐにできるだろうと思って始めたのですが、結構はまってしまいました。その時の試行錯誤の経験をまとめてみました。


方程式の入力には慣れが必要


 アプリを起動すると先ず最初に2Dか3Dかの選択画面が現れます。ここでは2Dを選択。


するとGrapherの基本画面が表示されます。「y= 」と表示されていますので、その後ろに式を入れていけばいいことがわかります。ただし数式独特のフォーマットで入力する方法がわかりません。ヘルプの中のキーボードショートカットを見ると入力の方法がある程度わかります。右上にあるシグマ記号(式要素指定)を押せば、メニューから選択して式や特殊記号を入力できることもわかりました。
焦点が座標の原点になる放物線の方程式を入力します。入力時には英字モードなっていることを必ず確認してください。ひらがなになっていると何も表示されず焦ります。x^2-1/4の順序で入力していきます。指数を入力した後にカーソルキーを押さないとその後ろも全て指数部に入ってしまいます。方程式入力後、returnを押せば下のようなグラフが表示されるはずです。
イラストで使用したいのはグラフの一部分です。yが2以下の部分のみ表示するような条件を与えてやります。画面右上のシグマ記号を押し、式要素の「条件」を選びます。
すると条件式の数を聞いてきますので、ここでは一個を指定。すると下の画面のように、中カッコの後ろ側に二つの入力部分がついたスケルトンが表示されます。前が関数式、後ろが条件式を入力する場所です。
前の関数部分は先ほどの放物線関数式を、後ろの条件式にはy<=2と打ち込みます。これでグラフはライトの反射板のような形で表示されるはずです。

複数の定数を与えて複数のグラフを表示


 リフレクターとしてもう少し口の開き具合を調整したいと思ったら、方程式に係数を加えてやります。ここでは「a」という係数を加え、その値として0.6/0.8/1.0の三種類を指定してみました。
係数「a」の値を定数として指定するには中カッコの中にカンマで区切られた数値を並べていくだけです。三つ指定すると三つの曲線が現れますので、どのグラフ線が適当なのか比較検討することができます。方程式の左に小さな三角形が現れますので、それをクリックすれば三つの定数のグラフを別々に表示・非表示にできます。
必要なグラフを選んでファイルに書き出せば、イラストソフトなどで使用できますが、使いやすいように線の太さや色を変更しておきます。右上の「インスペクタ」を押すと、グラフの線や色、種類が変えられます。
メニューバーの「ファイル」>「書き出す」を選べば外部ファイルに書き出せます。指定できるフォーマットはTIFF/PDF/EPS/JPEGです。EPS形式を選べばグラフ線や座標軸、数値などが別要素として扱えるため、イラストソフトで必要な部分だけ取り出して利用することができます。


パラメータを変化させてアニメーションも作れる


 複数の定数で複数のグラフを一度に表示させるだけではなく、定数を連続的に変化させてアニメーション表示をすることも可能です。そのための準備として係数の値を決める式を追加しておきます。メインメニューから「方程式」>「新規方程式」を選ぶか、左下の「+」ボタンを押します。ここでは「a=0.6」と入れましたが、値は後ほど自由に変更できます。
続いてメインメニューから「方程式」>「アニメーションを作成」を選択。すると画面にアニメーションの制御パネルが現れます。
右端の設定ボタンを押して値の範囲やアニメーション速度などを指定しておきます。
スライダーをドラッグしてパラメーターを変化させたグラフを表示したり、再生ボタンを押して自動でグラフを変化させたりできます。フィルムのボタンを押せば動画ファイルが作成されます。
再生時間やフレームレート、サイズ、パラメータの最大・最小値を指定して「アニメーションを作成」を押せば動画ファイルが出来上がります。


3Dグラフは見栄えもいいが数学の知識が必要


 ついでに3Dグラフ機能も試してみました。LEDライトのリフレクター(反射板)形状を立体的に示す関数式を2Dの式から類推して指定してみたらバッチリです。
マウスでグリグリと拡大・縮小や回転ができるため、より形状を確認しやすくなります。せっかくですから動画ファイルも作成してみました。2Dの時と同じように時間やフレームレートを数値で指定し、最初と最後のグラフの向きを教えてやれば動画ファイルにしてくれます。
活用の仕方はわかりませんが、今後何かに役立つ動画素材が作れるかもしれません。複雑な幾何学模様を使った動画素材などが作れれば面白そうですが、如何せん数学の知識が足りません。もう少し若い頃にちゃんと勉強しておけばよかったと反省しきりです。



Grapherのマニュアルがない


 方程式をグラフ化するだけなので、やっていることは単純なのでしょうが、式や条件の指定には知識と慣れが必要です。ヘルプだけでは細かいことはわかりませんでした。参考になりそうなサイトを探してみたら、英語ですがMacRumors:Guidesを見つけました。リファレンスとして利用価値があると思います。

 色々な2D・3Dグラフがサンプルとして付属しています。不思議なグラフが現れますが、それを定義している方程式は意外にシンプルな記述になっていて驚きます。
これらのグラフの意味が理解できるようになりたいものですが、今更頭がついていきそうもありません。放物線を外部ファイルに書き出せただけで良しとしましょう。