バイクにリターンして三年になろうとしています。高速道路を使用した長距離ツーリングが多いため、カウル付きの大型バイクに乗り換えてそろそろ二年です。走っている時は、有り余るパワーに身を預けて快適なライディングを楽しめますが、街中で一旦渋滞にはまれば300キロ近い車重や重たいクラッチレバーのため疲労がたまります。できる限り快適にバイクライフを楽しみたいと、経験と工夫を重ねています。
教習所で教わる基本形だけが正解じゃない
信号待ちなど停車時の基本姿勢は、左足着地、右足リアブレーキです。教習所でもこの基本をみっちり教え込まれました。バイクの右側を通る車から足を守るためという理由も聞かされましたが、リアブレーキを利かせて車体を安定させるというのが最大の理由でしょう。一見平らに見える場所にも若干の勾配はありますし、外から衝撃を受けた時にブレーキが利いているのといないのとでは安定性が大きく異なります。特に大型バイクの場合は、一度バランスを崩したらすぐに転倒につながります。停車中のブレーキ使用は必須です。
教習所で習う基本スタイル |
この基本スタイルから発進しようとすると結構な手順を順番に踏む必要があり、どんなに急いでも数秒かかります。先頭で信号待ちをしている時など、後ろの車がイラついているのを感じます。走り出してしまえばあっという間に置き去りにしちゃうんですけど、ブレーキから足を離せば動き出すオートマ車の運転手にしてみればこの数秒がイラっとくるんでしょうね。
- フロントブレーキをかける
- 左足から右足に踏み替える
- クラッチを切り、シフトをローに入れる
- 右足から左足に再度踏み替える
- リアブレーキをかけ、フロントブレーキを解除
- アクセルをふかし、クラッチをつなぐ
- リアブレーキを解除しながら発進
これだけの操作を行うのは時間もかかりますし、その間力も必要になります。特にクラッチを握っている時間が延びてしまいます。大型バイクの重たいクラッチ操作はできるだけ短時間に終わらせたいですし、できれば操作回数も減らしたいものです。
足の踏み替えに時間がかかる |
しばらくバイク生活を送っていると、なかなかこの基本スタイル通りにいかない場面にも出くわします。路面が傾斜していたり、大型車の轍ができているような場所では左足で支えきれない場合があり、右足で踏ん張っています。必要に迫られて右足(着地)発進をするようになりました。最初は発進時にふらついていましたが、後輪に駆動力が加わる(走り出す)までフロントブレーキで車体を押さえておけばふらつきなく発進できることがわかりました。
安定した停止や発進にリアブレーキは重要 |
基本型では発進時の車体安定をリアブレーキ操作で実現しますが、右足発進の場合はリアブレーキは使えません。その代わりにフロントブレーキを使用します。停車中はフロントブレーキはかけたままにしておきます。アクセルを開けて半クラッチにし、後輪に駆動力が加わったら、フロントブレーキをゆっくりリリースしていきます。つまり右手でブレーキとアクセルの両方の操作を同時に行うことになります。
フロントブレーキは指一本もしくは二本で操作します。発進時のブレーキコントロールには大きな力は不要ですのでこれで十分です。この状態でアクセルを操作し、通常の発進時のエンジン回転数にします。大型バイクの場合はトルクがありますので、アイドリングからほんの少し上がれば大丈夫です。中型・小型でも2〜3000回転までアクセルが開けられれば発進できるでしょう。指先でブレーキレバーを握ったまま、手のひらでアクセルを少し回します。親指の付け根をアクセルに押し付けるようにすると少しだけ回転が上がります。
指でブレーキ操作、手のひらでアクセル操作 |
これができるようになれば、後はクラッチとシフト操作です。左手・左足は空いていますので好きな時に操作できます。右手の操作に同期して左手・左足を動かせば、足の踏み替えがありませんから停車姿勢から瞬時に発進可能です。さらにクラッチを握る時間が最短化できますので、長距離の移動でも左手は疲れ知らずで楽しめます。
左右どちらの足でもスムーズな発進ができるといいですね |
停車時の安全と発進時の車体安定のためフロントブレーキは必ず使用するようにしています。慣れてくると、右足着地のまま坂道発進もできるようになります。左足の着地が悪い傾斜地での発進や、渋滞中の疲労軽減などなど、覚えておいて損のない技術だと思います。
クラッチ操作も見直してさらに疲れ知らずに
教習所で教わるシフトチェンジの基本形も、路上に出てずっと続けていると結構疲れます。シフトペダルの操作タイミングやクラッチ操作方法を見直し、クラッチ操作時間を最短化することにより、さらに疲れ知らずの快適バイク生活が可能になりました。
(2017年1月27日追記)
右足発進にかかる時間を計測してみました
右足発進をしている時の左手・左足が写っているGoProの映像を見つけましたので、動作にかかる時間を動画のタイムコードを利用して計測してみました。特に急いで操作しているわけではありませんが、2秒ほどで発進できています。これなら信号が変わってから発進動作を行っても、後ろの車にイライラされることは少なそうです。
(2017年2月22日追加)
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