2016年9月30日金曜日

谷津道探検サイクリング あま〜いアケビが気になってちっとも進まない秋の谷津道


 久しぶりに一日雨の心配がない予報が出ました。溜まった洗濯や布団干しも含めてやらなければならない事はたくさんあるのですが、とりあえずは三週間ぶりの本格サイクリングです。往復110キロほどの距離がある長柄ダム・雄蛇ヶ池方面を久しぶりに目指しました。慣れ親しんだ道ですが、台風の影響か所々倒木などで通行止になっています。普段から行き止まりや道迷いには慣れっこですので、過去の経験を生かしながら前進しました。

度重なる台風襲来でちょっと険しい道は軒並み通行止

 春先から夏場にかけては毎回のように出会っていましたが、最近はとんと出くわさない雄のキジを久しぶりに見つけました。車道のそばの農家の裏庭で鳴き声をあげていました。恋の季節にパートナーを見つけられなかったのでしょうか。この時期に雄のキジが鳴いているのを見たのは初めてのことです。(こんな時期に鳴いていると焼き鳥にされるぞ〜)

車が通る道の近くで長いことウロウロしていた雄のキジ

 長柄ダムから雄蛇ヶ池まで苦労して見つけた快適谷津道をぐるっと回り、帰路は国道126号北側にある高台の谷津道を走りました。自動車はほとんど走っておらず、季節毎の草花や自然の果実が楽しめるお気に入りの道です。

国道126号を使わずに九十九里を目指せるお気に入りの谷津道

八街市の単調な畑の中の道から、この谷津道に入ると急に荒れた農道と自然林が現れて、ちょっと心細くなりますが、少しの間だけです。食べられる実のなる木苺やコウゾなどの低木も生えていて、自然の味を楽しめる道ですが、秋を迎えたこの時期は栗やアケビが実っているはずです。谷津に入ってすぐ、高い木を見上げるとアケビが美味しそうに口を開けているのが見えますが、とても手が届きそうもありません。

高い木の上には美味しそうにアケビが熟して口を開けている

本格的にアケビ採りをするのであれば、サイクリングウェアでなく長袖長ズボンで森の中に入っていくのですが、今回は用意していません。諦めて自転車を走らせていると、谷津道のすぐ横にたくさん実をつけているアケビの蔓を見つけました。

小ぶりだがたくさん実っているアケビの蔓が谷津道のすぐ横に

低い位置で実をつけているアケビは多少小さめなようですが、いい感じに色づいています。中には口を開けて「食べ頃ですよ」と主張している実もありました。

ぱっくりと口を開けているアケビの実

つまんで口に頬張ってみると、上品な甘さが口いっぱいに広がります。これは旨い! 熟して口を開けているアケビがこんなにも甘いとは知りませんでした。昨年アケビの実を見つけて採ってみたのは九月上旬でしたが、まだ熟しておらず食べられませんでした。

種が多くて食べにくいが、とっても上品な甘みはクセになりそう

あまりの美味しさに、しばしサイクリング中ということを忘れてアケビの実を貪りました。小さな種が多いため、甘みを味わってからプププと種を飛ばし、次の実を探します。通りがかった人が見たらなんとも異様な光景だったろうと思いますが、滅多に人が来ないのも谷津道のいいところです。

 その後はアケビの蔓を見かける度に自転車を止め、熟したアケビ探しです。お店で販売されているような大きなものではありませんが、小さくてもしっかりとした甘みがあり癖になりそうです。走りながら路上に落ちているアケビの実や頭上の蔓を見つけると、すぐさま自転車を止めて辺りを探すものですから、ちっとも先に進みません。いつもの倍の時間をかけて国道126号北側の谷津道を走りました。まだ口は開いていませんが、熟していそうなアケビの実を三つほど持ち帰りました。しばらく常温に置いてから食べてみることにします。

小さめだがもう少しで口が開きそうなアケビを持ち帰り

 住宅地や国道などからほんの少し入ったところに残されている谷津道。Google Earthなどの航空(衛星)写真で見ると、本当にわずかに残された自然林ですが、アケビなどの自然の植物の宝庫です。このような谷津道を選んで走っていると、あたかも広大な自然の中を走っているかのような気分になれるのも谷津道探検サイクリングの良いところだと感じます。



さらに里山の奥に入ると巨大なアケビが


 サイクリングロードや国道から離れて、谷津の道を中心に走っていると、どんどんと里山の奥に入り込んでいきます。八鶴湖や東金ダムからさらに北上した時に偶然発見した丑ヶ池は本当に静かなところです。バス釣りの人が週末にパラパラと訪れるくらいで、他には滅多に人に出会いません。またアケビの季節がやってきたので、丑ヶ池の林の中を探してみたら、見つけてしまいました。大人のこぶしくらいの大きなアケビがたわわに生っています。高い場所で採るのに一苦労しましたが、ぱっくりと口を開けて美味しそうに熟したものがゲットできました。昨年農道沿いで見つけたものに比べると、その大きさに驚きです。

手のひらいっぱいの大きなアケビ、上品な甘さを堪能しました

アケビを探しながら、藪の中をさらにガサガサと探っていると、なんと山葡萄まで発見してしまいました。笹薮の陰に隠れていますが、相当の数の房が見つかりました。これはビニール袋や園芸ばさみなどを持参して、改めて収穫に来たいと思います。う〜ん、秋の谷津道探検サイクリングは味覚も満足させてくれる楽しみ方でした(^ ^)

初めて見つけた山葡萄の大きな房

(2017年10月1日追記)



2016年9月29日木曜日

だから二輪旅 房総中央部を走る国道410号で日本酪農発祥の地へ


 9月に入ってから雨続きで遠出ができていません。日光や赤城山などをツーリングするのに絶好の季節なのですが、関東周辺部は天候が安定せず度々雷雨に襲われています。仕方がないので、夕方から雨の予報が出ている中、房総の中央部を走る国道410号を走って酪農のさとを目指してみました。海沿いを走る道路の渋滞を避けて、房総を縦断することができる国道410号は以前からよく走っていましたが、その沿道に日本酪農発祥の地があることは知りませんでした。

南房総市にある酪農のさとが日本酪農発祥の地だそうです

 一番高い山でも400メートルほどの標高しかない千葉県ですので、本格的なワインディングを楽しむことはできませんが、それでも房総半島中央部の高台を走る国道410号沿いは気持ちの良いツーリングが可能です。海沿いの道のような渋滞もなく、信号も少ないため度々利用しています。

房総半島中央部を縦断する国道410号

湧き水や地酒が美味しい久留里から南は自然豊かな観光スポットも多く、長狭街道(県道34号)との交差点を過ぎたあたりからは、曲がりくねった山道で車線も狭くなり、それなりのワインディングが楽しめます。酪農のさとはこの山道を走っていると突然現れます。

長狭街道交差点を過ぎて山道を少し走ると酪農のさとが現れる


へ〜ここが日本酪農発祥の地なんだ


 平日ということもあり、広い駐車場には一台も車が停まっていません。国道410号沿いに、山道を走りに来たと思われるバイク乗りが休憩しているのが見えるだけです。奥には立派な酪農資料館が建っていて、さらに奥が山の斜面を利用した放牧地になっています。

酪農のさとの広い駐車場はガランとしていた

実に静かで長閑な風景です。酪農資料館は入場無料。じっくり見学しても30分ほどで一回りできる展示です。江戸幕府八代将軍徳川吉宗がインドから白牛三頭を輸入し、この地で飼育して乳製品を製造したのが酪農の始まりとのこと。その時代に作られていた乳製品が「白牛酪」と呼ばれていたそうです。そういえば家の近くにある有名な和菓子屋さんでも同じ名前の商品を売っていました。その後、飼育される牛がホルスタイン中心になったため、一時国内に白牛はいなくなってしまったのですが、酪農のさとのシンボルとするためにアメリカから輸入されたそうです。

牛舎には三頭の白牛

白と黒のまだら模様のホルスタインや、黒い和牛しか見たことがないので、真っ白い白牛には驚きました。近づいて見てみると、とっても可愛い顔をしています。

とっても可愛い顔をしている白牛

 酪農資料館の展示で驚いたのは、この地で誕生した小さな練乳会社がその後の明治乳業(現明治)や森永乳業につながっていることや、現在日本一の酪農県である北海道が大正から昭和にかけて千葉県産の雌牛を2,000頭以上も購入していたということです。なるほど、千葉県が日本酪農発祥の地というのも頷けます。


亀田酒造で純米原酒ひやおろしとクジラの大和煮を購入


 酪農のさとを見学した後は、長狭街道を鴨川方面に少し行ったところにある亀田酒造に立ち寄りました。ここの代表銘柄は「寿萬亀」です。夏の熟成が終わったばかりの純米原酒ひやおろしをゲットです。

長狭街道沿いに立派な店舗を構える亀田酒造でひやおろしを購入

房総には看板も出ていないような小さな酒蔵も多いのですが、ここは長狭街道沿いに立派な店舗を構えています。広い駐車場には電気自動車用の急速充電器も備え付けられていて、直接販売への意気込みが感じられます。この日も結構な人が地酒を買いに来ていました。
 店内は日本酒ばかりではなく、酒粕を使ったアイスクリームや饅頭、鴨川特産の海産物を使った肴も並んでいます。ひやおろしと一緒に楽しもうと、外房名物のクジラを使った大和煮を買って帰りました。

外房らしいクジラの缶詰

いろいろ物議を醸しているIWC(国際捕鯨委員会)の規制対象外になっているツチクジラの肉を使った大和煮です。貴重な海の恵みですので心して味わいたいと思います。


稲刈りの終わった大山千枚田


 寿萬亀のひやおろしを手に入れた後、今度は長狭街道を内房に向かって走り大山千枚田を訪ねてみました。稲刈り前の黄金色の棚田を期待していたのですが、すでに刈り取りは終わっていました。棚田の畦に列をなして咲く彼岸花が、秋の訪れを物語っています。

稲刈りの済んだ大山千枚田

10月21日からはLEDキャンドルによるライトアップが行われますので、またその時期に訪れてみようと思います。


帰りは雨に降られたけど気にしない


 午後3時を過ぎて帰りを急いでいると、ポツポツと雨が降ってきました。走行風が雨を弾き飛ばしてくれるようで、走っている最中はあまり濡れません。民家の周りに植えられた金木犀が満開のようで、バイクで走っていても強い香りを感じます。季節の花の香りも、突然の雨も生身の体で直接感じるプチバイク旅。快適とは言えませんが、バイクと一体になって走っているという感覚に包まれます。だから二輪旅、やめられません。



2016年9月26日月曜日

快適動画編集 デジカメの単なる風景写真もMotion5にかかればアッと驚く3D動画に変身


 昔から登山が趣味で、最近はスノーシューで雪山へも行っています。空気の澄んだ極寒の雪山では、素晴らしい風景写真が撮れますが、寒さのためにバッテリーの持ちが悪くなる上に、手がかじかんでくるため動画はあまり撮りません。そのため、帰宅後の動画編集時に使える素材はデジカメの写真がほとんどです。写真アルバムとしてデジカメ写真を眺めているだけなら不足はないのですが、山旅の動画を作ろうとした時には静止画が多くて表現力不足だと感じます。

スノーシューで登った真冬の湯の丸山

2月の厳冬期に湯の丸山に登るのは初めてで、GoProを頭部にセットして登り始めました。しかし、あまりの寒さに山頂到着前にバッテリー切れとなっていたようで、貴重な山頂の動画が撮れていません。結局山頂で記録できた映像はデジカメ写真のみでした。

気温は氷点下10度前後のため長時間の撮影は不可

山頂近くまでの動画は撮れていますが、山頂からの風景は静止画しかありません。こんな場合に動画作品を仕上げるとしたら、静止画を拡大・縮小しながら多少移動させる(Ken Burnsエフェクト)くらいしか編集のしようがありませんでした。


Motion5で2Dの風景写真を3D風に見せる


 Motion5を購入して勉強しながら使っていますが、2D素材を3D空間に配置してから仮想カメラを移動させることにより、擬似3D動画が作れることが分かりました。習作として最初に挑戦してみたのが幕張運転免許センターでの大型自動二輪検定コース3Dアニメーション解説です。3Dデータは全く使用していませんが、3D空間に配置した2Dデータと3D空間を自由に動き回れる仮想カメラからの映像で、それなりに3Dらしい映像が得られることを体験。

 同じ仕組みでデジカメ写真を動画風に見せることもできるのではないかと思いつき、試してみました。写真はあくまでも2D(二次元)の画像です。それを3D風に見せるのですから、できるだけ奥行き感のある写真を選びます。手前に大きな目立つものがあり、その奥に背景が広がっているような写真がベストです。

 まず手前にある物体をGIMPなどの写真加工ソフトで切り取ります。GIMPの電脳はさみを使えば、素人でも簡単に一枚の写真から手前の物体だけを切り取ることができました。

GIMPの電脳はさみで手前の物体を切り取り

 元々あった風景写真と切り取った手前の物体の写真が揃いました。この二枚の写真をMotion5の3D空間に配置します。3D指定したグループ内に風景写真をZ=0のX-Y平面上に配置。そこからZ軸上の離れた場所に切り取った物体の画像を配置します。この時の位置と大きさは後で調整します。

風景写真と手前の物体の画像をZ軸上に離して配置

3Dカメラを配置して初期位置を決めたら、カメラに動きを与えます。「ライブラリ」>「ビヘイビア」>「カメラ」を開き、そこから「ドリー」と「スウィープ」の二つのビヘイビアをカメラに適用します。「ドリー」はカメラを近づけたり遠ざけたりする動き。「スウィープ」はX/Y/Zいずれかの軸でカメラを回転する動きをつけます。

 ここで注意しなければならないのは、手前に置いた画像の形状です。縦長の場合は3Dカメラの動きも縦方向が適していますし、横長の場合は横方向の動きが合っています。なぜなら後ろにある風景画像にも同じものが写っていますので、それが前に配置した画像で隠れていないととっても不自然です。カメラを動かした時に、隠れているはずの後ろのものが出ないように調整する必要があります。上の山頂名を表すポールのような縦長の場合は、X軸で回転するチルト動作(上下動)をさせています。

岩の部分を別画像にして擬似3D化

大きな岩が手前にある写真では、Y軸に沿ってカメラを回転動作(左右の首振り動作)をするようにセットしました。元々が2D画像ですので、カメラにあまり大きな動きを加えるとかえって不自然になります。3D的な動きをしない背景写真とのバランスを考えて、小さめの効果を狙った方が自然に見えるようです。

 3Dカメラが捉えた映像を見ながら不自然さを感じないように微調整を行います。調整のポイントは以下の二点。
  1. 切り出して手前に配置した画像の位置と大きさ
  2. カメラの動き
手前の画像を多少大きめにして、後ろにある同じ部分がカメラが動いても見えないようにします。

手前に配置した画像の位置と大きさを調整

カメラに動きを与えるドリー(Z軸に沿った移動)とスウィープ(X/Y/Zいずれかの軸での回転)を指定して、平面の写真があたかもカメラを動かしながら撮影した動画のように見えるようにします。

カメラに動きを与えて3Dに見えるようにする

手前に置いた画像が縦長の場合は、スウィープの座標軸を「チルトX」にすることでカメラを上下方向に傾けた映像が撮れます。横長の画像が手前にある場合は、「周回Y」を指定すればカメラを左右に振った映像になります。この動きとドリーで写真に近づくカメラワークを加えることで、3D風に見せるわけです。


Motion5で風景写真を3D動画にしてみた試作品


 実際にやってみたのがこちらの動画になります。厳冬期の湯の丸山に、スノーシューで登った時の写真二枚から作った、なんちゃって3D映像です。前半に出てくるKen Brunsエフェクトに比べ、奥行きとカメラの動きを感じられるのではないでしょうか。


それにしても色々なことができるMotion5には驚きです。まだまだ使ったことのない機能がたくさん。秋雨前線が居座って天候がすぐれませんが、こんな時こそMotion5の勉強ですね。


2016年9月22日木曜日

房総酒蔵バイクツーリング むむ、旭鶴の秋あがりは本生原酒だった!


 9月に入り、バイクの初回車検も無事終了してからは千葉のひやおろし(秋あがり)探検を続けています。連続して上陸してくる台風のためばかりでなく、居座っている秋雨前線の影響でほぼ連日の雨。早朝やっと雨が上がった日に、佐倉市の旭鶴を久しぶりに訪ねました。9月1日から秋あがりの出荷を始めたとホームページに載っていて、早く行きたかったのですが、バイクの車検と連日の雨で延び延びになっていました。


サイクリングで見つけた裏道で渋滞知らず


 自宅から佐倉市郊外までは大した距離はありませんが、途中国道51号の渋滞にしばしば巻き込まれます。佐倉ICからも近く、東関東自動車道を使えばあっという間ですが、日本酒一本を買いに行くのに往復の高速料金1,200円は余りにももったいない。そんなわけで、高速道路も国道も使わず、サイクリングで見つけた裏道をバイクでのんびりと走りました。車では躊躇しそうな細い道も、バイクならなんとか走れます。

自転車で見つけたルートを使って旭鶴へ秋あがりの買い出し

今にも降り出しそうなどんよりとした空の下、一度も渋滞にはまらずに旭鶴までたどり着けました。普段楽しんでいる谷津道探検サイクリングがこんなところで役に立っています。

今にも降り出しそうな雲の下に旭鶴の蔵と煙突


蔵元でないと手に入れられない商品


 ここを訪問するのは今回が二度目です。昨年6月に訪れた際に購入した辛口純米酒が旨かったので、もう一度行ってみたいと思っていました。国道51号から少し奥に入った旧道?沿いにあるため、車もほとんど走っておらず静かです。バイクは店舗の前に停められます。

店舗前に数台分の駐車スペース

店舗内は旨そうな日本酒や焼酎、麹を使った調味料などが所狭しと並んでいます。ちょうど地元のおばちゃんが「熟成酒粕」を買いに来ていました。近所にこんな酒蔵があって羨ましい限りです。自宅近くではほとんどお目にかかれない商品が並んでいます。確実に手に入れるためには、やはり蔵元を訪問するしかなさそうです。

よだれの出そうな商品がずらり


本生の原酒だった旭鶴の秋あがり


 迷わず9月1日から発売されている秋あがりを一升購入しました。蔵のご主人が奥の冷蔵庫から商品を持ってきて、「生酒ですので要冷蔵です」とのこと。今まで手に入れた三本のひやおろしは全て常温保管可能でしたが、ここの秋あがりは少し違うようです。

旭鶴の秋あがり、なんと原酒生酒

一般のひやおろし(秋あがり)は搾った後、タンクで貯蔵する前に一回目の火入れを行い、瓶詰め前の二回目の火入れを省いて出荷されますが、これは一回目も省き冷温貯蔵された本生酒でした。しかも加水していない原酒です。なるほど、これは要冷蔵ですね。

熟成前後の火入れを行うかどうかで四つに分類

帰宅後、もちろん冷やで味わってみました。春先に散々楽しんだしぼりたて新酒の味わいも残っていますが、タンク内で熟成され荒々しさは取れています。原酒のため、他のひやおろしよりもまったりとした味わい。旨〜い! おでん鍋をつつきながら冷やして飲むのにぴったりな感じです。



房総酒蔵バイクツーリングのインデックスはこちら


千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。







2016年9月20日火曜日

房総酒蔵バイクツーリング番外編 旨い燗酒は湯煎に限る(?)


 台風がやってくるたびに少しずつ秋の気配が近づいてきます。冷やや常温で楽しんできた房総の地酒も、そろそろ燗が恋しいときも出てきました。9月9日のひやおろし解禁日を待って、バイクで買い求めてきた千葉のひやおろし(秋あがり)は三本になりました。

今秋最初に手に入れた千葉のひやおろし(秋あがり)

純米吟醸や純米酒を半年程蔵のタンクで寝かせた後、火入れせずに瓶詰めした酒ですので、冷やでも旨い酒ですが、その日の仕上げは燗酒がたまりません。バイクで房総の酒蔵巡りをするようになる前は、日本酒の燗はもっぱら電子レンジを使っていました。


お手軽だが温度管理の難しい電子レンジでの燗


 徳利に日本酒を満たして電子レンジでチンすれば、1〜2分で燗酒の出来上がりです。お手軽なため普通酒だろうが純米吟醸酒だろうが、日本酒の燗は全てこの方法でやっていました。電子レンジの特性上、徳利の細くなっている首の部分が、胴体の部分に比べて早く熱くなります。胴の部分がちょうど良い温度になるまで熱すると、首の部分は熱過ぎて持てなくなるばかりか、沸騰していることもあります。最初の一〜二杯は熱過ぎるのに、その後はぬるいなんてことも度々ありました。

お手軽だが、均一に温めることが難しい電子レンジ

これを避けるには、首の部分に電子レンジのマイクロ波が当たらないようにアルミホイルを巻きつければいいそうですが、やったことがありません。そもそもお手軽さが命の電子レンジなのに、いちいちアルミホイルを巻きつける気も起こりませんでした。

こうすれば電子レンジでも均一に温まる(らしい)


日本酒はいろいろな温度で楽しむ酒


 日本酒はその種類やその日の気候、果ては気分によって燗する温度を変えて飲むのが正しい飲み方です。香りも楽しめる吟醸酒を燗する場合は、香りが飛んでしまわないようにぬる燗が最適ですし、冬の寒い日に本醸造酒を楽しむならあつ燗が旨いと感じるでしょう。

日本酒を楽しむ適温

純米の秋あがりを燗するのであれば、ぬる燗から上燗(40〜45℃)がベストだと信じていますが、これを電子レンジで実現するのはかなり困難な作業になります。スイッチを入れてからこまめに温度をチェックするわけにもいきませんし、徳利から立ち上る湯気や香りを感じることもできません。今までは電子レンジのタイマー時間のみを頼りに日本酒を燗していました。


せっかく手に入れたひやおろしを一番美味しく燗したい


 バイクで自ら酒蔵を訪問し、蔵の人に話を聞きながら買い求めてきた房総の地酒です。飲み方も目一杯気を遣って楽しもうと考え、湯煎で燗をしてみました。ヤカンにお湯を沸かし、沸騰したら火を止めて酒を入れた徳利を浸けるだけです。湯の量は胴体の半分くらい浸かっていれば大丈夫。下から温まって行きますので、熱くなりやすい首の部分もじっくり温まります。熱湯に入れてから1〜2分で徳利から湯気が上がり始め、日本酒のいい香りが漂い始めます。首の部分を触って、少し暑いかなと感じるくらいで大丈夫。徳利を取り出して布巾で水気を拭きながら、胴体部分がしっかり温まっていることを確認します。

湯煎もやってみれば結構簡単

実際に何度かやってみると、ヤカンにお湯を沸かして火を止めてから2分程度で燗は出来上がりです。電子レンジと時間も手間もさほど変わりません。やかんのお湯はおかわりのためにそのままとっておけば、次は早く出来上がります。

 何より燗している最中に、立ち上る香りや湯気を直接確認できます。純米吟醸酒などでは香りが出始めたら、それでヤカンから徳利を取り出せばちょうど良いぬる燗の出来上がり。電子レンジではできないきめ細やかな燗付け作業が可能になります。

ただ温めればいいわけではない日本酒の燗

まるで温泉に浸かって気持ちよくなった日本酒をいただいているようで、飲んでいるこちらまでホッコリしてきます。電子レンジでチンも手軽ですが、それほど手間も変わらず、それでいて日本酒も喜んでくれている(ような)湯煎で楽しむ燗酒。日本人としての喜びを感じる瞬間です。

日本人として喜びを感じる場面



ハイテク?機器で熱燗の温度を測定


 湯煎で希望の温度に燗するのには多少の経験が必要でした。燗酒の飲み頃温度を知るために手持ちの温度計を試してみました。直接酒の中にセンサーを入れて正確に計測できる熱電対型電子温度計や、離れた場所から非接触で内部の温度を計れる赤外線放射型温度計を使って燗酒の温度を測定してみました。かなり正確に温度が測定できましたが、やはり手で触って一発で燗の具合がわかるようになりたいものです。

(2016年12月19日追記)


2016年9月19日月曜日

快適バイク生活 いろいろあった生まれて初めてのバイク車検


 今乗っているCB1300SBの初回車検がやってきました。数十年のブランクから舞い戻ったリターンライダーで、昔は車検のない小さなバイクしか乗ったことがありません。リターンしてから車検が必要なバイクは2台目なのですが、1台目は車検が切れる前に売ってしまったため、今回生まれて初めてバイクの車検を経験します。


二週間以上かかると言われたが一週間で完了


 近所にメーカー系のディーラー店舗があったため、購入もその後のメインテナンスもここでお世話になっています。購入時に3年間のメインテナンスサービスを契約していましたので、車検も自動的にこのディーラーへ。9月6日にディーラーへ持ち込んだ時には、この時期車検が多いため二週間以上かかりそうと言われ、驚きながらもバイクを預けてきました。秋のバイクシーズン突入の時期に、二週間以上もバイクに乗れないなんてショックですが仕方ありません。

かわいいわが子を入院させるような気持ちで車検を依頼

ちょうど秋雨前線が横たわって雨の日が続いていたため、バイクがなくても淋しくなかったのですが、預けて一週間目前の9月12日に車検が終わったと連絡がありました。事前の説明と違う早い出来上がりに驚きましたが、大雨が続いていたため受け取りに行けたのは三日後の9月15日です。


整備の様子を写真で説明してもらい納得


 さすがメーカー系列のディーラーです。店舗では、整備の様子をデジカメで撮影した写真を使いながら、懇切丁寧に説明してくれました。

フロントフォークを外され、作業台に乗っているマイバイク

預けっぱなしの車検では整備中の様子がわからないため、このやり方は安心感があります。普段見えない部分も写真で見せてもらえると、整備の重要性もよく理解できました。

外されたフォロントフォークと前輪

車検を通すだけであれば特に整備の必要がない部分も、3年間で約32,000キロの走行でそろそろ交換が必要なものもあります。ひび割れが生じているフロントフォークのダストブーツを交換してもらいました。

ひび割れが生じているフォーク・ブーツは交換

リヤのブレーキパッドは前後タイヤ交換の際に一緒に替えていましたので、今回はキャリパーの清掃とフルードの交換のみです。自分でも整備できるのでしょうが、道具と経験がないためバイク屋さんにお任せです。

ブレーキパッドとキャリパー

エンジンオイルとオイルフィルタの交換も依頼しました。オイルは半年に一回、フィルタは一年に一回交換するようにしています。エンジンの回転数をそれほど上げる必要がない大型バイクですので、この頻度で良しとしています。一度も見たことのないエアフィルタの内部も見られました。意外に綺麗です。

バッテリーもまだ大丈夫とのこと

3年経過したバッテリーが一番気がかりだったのですが、まだ大丈夫とのこと。この時は、しばらくしてから通販で購入し、自分で交換しようと考えていました。


取り付けたまま車検に出したナビと無線アンテナが無い


 支払いを済ませ、外に出してもらったバイクを整備担当者とチェックです。勧められた窒素ガスを充填していますので、エアバルブのキャップが誇らしげにホンダマークがついているものに変わっていました。効果のほどはわかりませんが、店舗に行けばいつでも窒素ガス補充は無料とのこと。

窒素ガス充填の証、ホンダマークのキャップ

平成30年9月期限の新しい車検シールが貼られていることを確認したその時、ナンバープレート横にあったはずの無線機のアンテナがないことに気づきました。さらにハンドル上部のナビがありません。クレードルだけが残っています。

新しい車検シール

整備中に邪魔だったので外したようです。車検サービスは都内の整備工場で集中して行っているとのことで、取り外された二つの品物について電話で整備工場へ問い合わせをしていました。しばらく待っていると、店舗内にあったとのこと。バイクを陸送する前に外して、店舗で保管していたそうです。ちょっと人騒がせな一件でした( ̄▽ ̄)


キーをオンにしたらバッテリーが上がってる!


 さて帰るかとバイクにまたがり、キーをオンにしてびっくり。バッテリーが上がっています。いつもなら元気に二連式メータが振り切れ、各種ランプが点灯するのですが、ABSのランプがかすかに光っているだけです。

いつもならキーをオンにするとこうなるはずが.....

先ほどの説明では、バッテリーはまだ大丈夫とのことでしたのでかなり焦りました。無線機やナビの電源は、バッテリー本体からキーに連動したリレーを介して、ノイズフィルタを経由して供給されるように自分で配線してあります。バイクのキーをオンにしなくても周辺機器のテストができるように、小さなスイッチでリレーのオン・オフが制御できるようになっています。通常は必ずメインキー連動側にしていますが、もしかしたらこのスイッチが整備中にテスト側になっていたのかもしれません。リレーのコイル電流はmA単位だと思いますが、何日も流れっぱなしではバッテリーも持ちませんね。

ノイズのない大電流が取れるように、こんなものを自作して入れてある

 とりあえず中古のバッテリーを借りて帰宅。一度完全に上げてしまい、劣化が心配される3年使用のバッテリーは新品に交換することにしました。思わぬ出費ですが、そろそろ交換時期と考えていましたので、この機会に一新します。

 車検の前には、自分で手を加えた部分は元に戻しておくのがベストなんでしょうが、それも面倒です。事前に言っておいてもらえれば大丈夫と店舗では言われましたが、先ほどのナビとアンテナの一件を考えると少し不安になります。


やっぱり費用がかかるディーラー車検


 車に比べて税金が安いバイクですが、それでも結構な費用がかかりました。知識と経験があればユーザー車検で出費を抑えられそうですが、そもそも普段から自分で整備が出来ていませんので、すっかりバイク屋さん頼りです。それなりの走行距離ですから、整備を省くわけにもいきません。

 車検とは直接関係のない定期的な整備まで含めて総額7万2千円ほどでした。バイク購入時のどさくさ紛れに3年分のメインテナンス料金を先払いしていましたので、今回の車検時の出費はバッテリーを除いて約4万円です。

今回の車検費用明細(点検整備費用は概算)

こんな大きなバイクに体力もテクもないオヤジが果たして3年も乗れるのかと当初は心配しましたが、大きなバワーと安定感は病みつきになります。長く付き合うためにも、自分で整備していける部分を少しずつでも増やしていきたいと考えています。一通りのバイクの整備ができるようになったら、次はユーザー車検に挑戦してみるのも面白そうです。