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2017年5月29日月曜日

実践テスト サンキュッパの4Kアクションカムは果たして使い物になるか


 雪山やオートバイ、サイクリングを楽しんでいるときの感動シーンを残したくてGoProなどのアクションカメラを複数台活用しています。GoProの人気が出てくるとすぐに類似品が市場に出回り始めます。中でも中国のSJCAMなどは高いコストパフォーマンスで一定の評価を得ているようですが、それでも一万円前後で売られていますので、気軽に試せる価格ではありません。さらに安価なSJCAMのコピー品も度々見かけるようになっていました。


秋葉原で3,980円の4Kアクションカメラを発見


 用事もないのに時々秋葉原をぶらついては掘り出し物を探しています。いつものパーツ屋を覗いたら、4Kという文字が輝くアクションカメラのパッケージを発見。何と税別3,980円の価格で、4K・30FPSまで撮れるカメラが売られていました。今使っているGoPro HERO3+ Black Editionでも4Kは15FPSまでしかサポートしていませんので、それ以上の性能です。見た目はSJCAMにそっくりですが、メーカーの名前は書いてありません。一瞬「偽物?」との不安がよぎりましたが、試して見たいという興味が勝りました。

4Kの文字が光る3,980円のアクションカメラ

外箱から取り出すと、しっかりとした(でもありませんでした:2017年5月30日追記)ハウジングに収まったカメラが出てきました。ハウジングのデザインもSJCAMにそっくりです。

SJCAMにそっくりなカメラ本体とハウジング

カメラ本体をハウジングから取り出してみると、アルミ面に細かい傷が複数見えます。やっぱり中華品質だとの思いを抱きながら付属品を取り出します。

小さな傷がたくさんついているカメラ本体

落下防止用のワイヤーや固定のためのタイラップも含めた、豊富なアクセサリーが出てきました。基本的にGoPro用と互換ですから、仮にカメラ本体が使い物にならなくてもアクセサリーを購入したと思えば諦めもつきます。

すごい種類のアクセサリーが同梱されてる

GoProの場合は別売品になっているアクセサリーもあり、それだけでこのカメラ価格を超えてしまいそうです。

ロールバーマウントやカメラ三脚マウント、ネイキッドフレームなどGoProでは別売品のものも付属

背面には2インチのカラー液晶がついていて、設定や撮影中のモニター、撮影後の再生に利用できます。これもGoProの一部モデルではオプションです。

2インチのカラー液晶がついている

正面から見たサイズはGoProと同じで、若干奥行きがあります。特筆すべきはめちゃめちゃ軽いこと。バッテリー込みで58gと外箱に書いてありました。振動の多い場所で使うカメラですから軽い方がいいのですが、中身がスカスカなのではとの疑念が湧きます。

ほぼGoProと同サイズ、背面にカラー液晶がついていてもかなり軽い

バッテリーは900mAhのSJCAM用とそっくりなものがついていました。これで90分の録画ができると書いてあります。

SJCAM用にそっくりなバッテリー、これで90分の録画が可能(だそうです)

以上、同梱品を確認した限りでは3,980円の商品とは思えない内容です。あとは果たして動くかどうかですね(^ ^)


液晶パネルでの設定やモニターはやっぱり便利


 先ずは付属のACアダプターで充電を行ってから、いよいよ緊張の電源投入です。奇怪なビープ音とともに、背面の液晶が明るくなりました。言語の設定が可能で、日本語も表示できます。意味不明な表現が一部に見られたため、英語モードで使用することにしました。


動画の解像度指定画面では4K/1080p/720pの三種類が選択できますが、フレームレート (FPS)を指定する場所がありません。どうもFPSは固定?のようです。謎は残りますが、4Kにセットしてテストを進めました。


写真(静止画)の解像度指定もできるようになっています。外箱には16MピクセルのCMOSセンサー使用と書いてありますが、なぜか設定画面では20Mピクセルの指定も可能でした。よくわかりませんが、とりあえず16Mでテストです。


撮影時に映像がモニターできると、とっても楽です。今まではカメラのセット時にスマホとWi-Fi接続してから画角を調整していましたが、液晶モニターがついていれば本体のみで一発で画角を決められます。これは一度使ってしまったら手放せないですね。


決して画質のいい液晶ではありませんが、本体だけで簡単にカメラの設定を行えますし、映像がモニターできるのは便利です。バッテリーの残量や録画モードの確認も撮影中に行えるため、失敗も少なくなりそうです。


実際に撮影してみて感じる「本当に4K?」の疑問


 晴れた日を選んで、格安4Kカメラを自転車にマウントしてテストしてきました。比較のために、いつも使用しているGoPro HERO3+ Black Editionでも同時に録画します。

格安4KカメラとGoProを同時に使って比較

下が格安4Kカメラで撮影した映像です。ホワイトバランスはAUTO設定ですが、青かぶりしていて、編集時に色調整が必要です。空や道路の明るいところに色の縞(バンディング)が現れてしまっています。樹木の葉などの細かい部分がはっきりしません。とても4Kの解像度があるようには思えない映像です。

格安4Kカメラで撮った映像

HD(1080p)で撮影しているGoProの映像と比較しても解像度では劣ります。価格差を考えれば比較するのがかわいそうなほどですが、それでも4Kを謳っている割には見た目の解像度は720p程度しかありません。

HDモードのGoPro映像と比較しても低い解像度

本当に4Kなのかとの疑問が消えず、できあがったファイルの情報を読み取って見ました。4K設定で録画しているはずなのに、なんと出来上がったファイルは横1920、縦1088ピクセルのHD解像度ではありませんか!!! そもそも1088って一体どういうサイズなんでしょう。規格では1080のはずですが.... 8ピクセル分はサービスでしょうか?


音声はモノラルで、サンプリング周波数8KHzです。電話程度の音ですから、音については期待できませんが、もともとアクションカメラの音はよくないので、ここは諦めます。動画ファイルのサイズからビットレートを逆算してみると、GoProのHDモードと同じ約20Mbpsになっていました。これだけのデータを使いながら、あの程度の画質ですから、画像センサーや処理がいかに貧弱かがわかります。


写真(静止画)の解像度も怪しい


 動画がこれだと写真もかなり怪しくなります。16Mピクセル解像度の設定で撮影した写真がこれです。案の定、横1920 x 縦1088のHD解像度で写真ファイルも出来上がっていました。

16M設定で撮影した写真のサイズは2M

これは設定可能な写真解像度の中で最低の2Mピクセル時のサイズです。2Mを超えるどの設定で撮影しても、出来上がる写真はこのサイズで一定でした。外箱には「16Mega Pixels CMOS Sensor」と表記されていますが、どう考えても2Mega(HDサイズ)のセンサーしか使っていないように思えてなりません。この基幹部品をケチれば相当原価が抑えられますから、考えられないことではありません。

箱に記されているスペックは一体どこへ


この格安4Kカメラの使い道を考えなくちゃ


 税別3,980円の格安カメラですから画質が良くないのは諦めもつきますが、デカデカとパッケージに表記されている4K解像度が、実際は使えないというのはどう考えても納得できません。16MのCMOSセンサー搭載で、設定メニューには20M(笑)までの高解像度モードがあるのに、どれを指定しても最低の2Mでしか写真が撮れないというのも、単なる不具合とは思えません。明らかに人為的なものを感じます。クレームをつけたら「ソフトのバグで、現在パッチを作成中」とか言い訳されそうですが、連絡先もわかりません。

 では、これを返品しに買った店舗に持って行くかといえば、往復の交通費が千円以上かかりますので多分行きません。全く動かないのなら別として、なんらかの活用方法を考えることにしました。


USBケーブルでパソコンに繋ぐと、Mass Storage/PC Camera/REC_modeの三つから選べます。PC CameraモードにすればWebカメラなどの用途に使えます。VGA解像度程度の使用目的であれば、過不足はないと思います。REC_modeを選べば、USBから給電しながら録画が続けられますので、ドライブレコーダーなどの活用方法が考えられます。

 SJCAMの外箱に書かれているスペックを真似して、中身は安い模倣品というのが実情だと思いますが、わざわざ設定メニューを偽装?してまで売り上げを伸ばそうという根性がすごいですね。さすが何でもありの中華製品です。かかわっている人々のエネルギーを感じてしまいます。スペックを偽ることは今の日本ではあってはならない犯罪行為でしょうが、伸び盛りでイケイケの国では当たり前に行われているんでしょうね、きっと。いろいろ考えるきっかけとなった3,980円でした。

 走行中の実写映像を含めて格安4Kアクションカムの紹介ビデオを作りました。よろしければ参考にしてください。




よく見るとハウジングの作りもいい加減だった


 見た目はGoProやSJCAMの純正品にそっくりのハウジングですが、よくよく見るとかなりいい加減なことが分かりました。カメラのレンズをカバーする部分は、映像に歪みが出ないよう精度の高いアクリルやガラス板を別部品として取り付ける構造になっているのが普通です。この部分までハジング本体と一緒に成型してしまうと、どうしても歪みが残ってしまいます。格安4Kカメラのハウジングにもネジ止めされたレンズカバーが付いていますので、すっかりそうなっていると信じ込んでいましたが、よくよくレンズ部を見ると歪んでいるのが分かりました。

レンズ保護部が別パーツで取り付けられているようなハウジングだが....

裏側から覗くとレンズ部分も含めた一体成形になっています。ネジ止めされている表の黒いカバーは単なる飾りでした。無くてもハウジングとしての機能は全く変わりません。光学系の機器とは思えない、いい加減な作りになっています。厚さも薄く、本当にこれで水深30メートルまで耐えられるのか不安です。

裏から見るとレンズ部も一体成形されている


GoProにもないMotion Detection機能は面白い


 設定メニューをいじっていたら「Motion Detection」という項目を見つけました。読んで字のごとく、画像センサーで動きを検知した場合に自動的に撮影を開始する機能です。この機能、GoProにはありませんがSJCAMには以前から備わっていたようです。


里山に持ち出して野生動物の撮影にも活躍しそうな機能です。カメラの周りに餌をまいて、野鳥が集まってくるのを撮影して見るのも楽しそうです。暇さえあれば居眠りしている愛犬の前にカメラを置いてみました。

怪訝な顔の愛犬の前に動き検知をオンにしてカメラを置いてみた

動き始めを検知してから録画が始まるまでに若干の時間がかかるようで、起き上がった瞬間は撮れませんでした。カメラの向きや距離を工夫してやらないと狙ったシーンを撮るのは難しそうです。日付と時間を映像に入れることもできますので、防犯カメラ的に利用することもできそうです。

Motion Detection機能で自動撮影してみた

動きを検知し撮影を開始してから20秒経つと自動停止します。設定メニューを探してみましたが、撮影時間の指定はありませんでした。いろいろ制限はありますが、3,980円の格安アクションカムの使い道が少しずつ見えてきました。

(2017年5月30日追記)



SACのAC600と全く同じ外箱だった


 後日、家電量販店のアクションカメラコーナーを覗いていたら、見覚えのあるパッケージを見つけました。使われている写真などが微妙に異なりますが、書かれている文字やデザインは今回つかまされた「嘘っぱち4Kカメラ」と全く同じです。商品名はSAC社のAC600となっていて、9,800円で売られていました。ハウジングや付属オプション類も非常に似ています。秋葉原で手に入れたサンキュッパのなんちゃって4Kカメラは、どうもSAC社の製品をパクったようです。

(2017年7月21日追記)


2015年9月22日火曜日

実践テスト バイクでPanasonic HX-A1Hウィンドジャマーの効果は?


 バイク乗車中の風景を撮影するのに超小型のパナソニックHX-A1Hは大変重宝しています。GoProでは難しい場所でも、その形状から取り付けが容易なため出番が増えています。YouTubeのHD品質で動画編集する目的としては、厳しい条件でなければGoProと比べて画質的にも遜色はありません。唯一差が出ていると感じるのは音声です。モノラルなのは仕様ですので諦めていますが、バイクで走行中の風切り音が大き過ぎて他の音が収録できません。GoProとマルチカム撮影の場合はGoProの音声を利用すればいいのですが、単独で収録する場合は使い物になる音声が残せませんでした。
 A1Hのマイクは本体上部に三つの小さな穴が開けられたところにあります。ハウジング内部にマイク穴が隠れるGoProに比べれば、ハウジング無しのA1Hは風が直接マイク穴に当たってしまい不利な構造です。

A1Hのマイクは上部の三つの穴の下

どの程度効果があるのか半信半疑ながらも、パナソニック純正のウィンドジャマー(風防)をAmazonで2,472円で購入しました。開封してみると、実にシンプルな構造です。

メーカー純正のウィンドジャマー、単純な構造です

早速バイクのフロントフェンダー部にA1H本体を装着し、実際の使用状態でテストしてみました。

フロントフェンダーの固定ネジ部にREC-MOUNTSのベースを共締め

A1Hには風音低減モードがあります。機能的にはローカットフィルターだと思いますが、このモードの有効性も含めて次の三つのケースで評価を行いました。

  1. ウィンドジャマーなし、風音低減設定OFF
  2. ウィンドジャマーなし、風音低減設定ON
  3. ウィンドジャマーあり、風音低減設定OFF

何も対策していない状態では、時速30キロを超えると風切り音が出始め、40キロを超えるとボコボコという風音で他の音が掻き消されてしまいます。

ウィンドジャマーを装着した状態

風音低減設定をONにした状態では、確かに低音域はカットされています。しかし、中〜高音域のノイズが却って耳障りでうるさく感じます。バイク走行時には逆効果でした。
 ウィンドジャマーを装着してみると、まるでウソのように風切り音がしなくなりました。時速60キロを超えてもほんとんど気になりません。効果は絶大でした。風切り音が無くなったため、エンジンや路面からのロードノイズも収録されています。マスツーリング時の雰囲気を撮るのに使えそうです。

 風切り音防止の効果は絶大ですが、ウィンドジャマー装着時は本体の操作スイッチが隠れてしまいます。慣れればウィンドジャマーの上からボタンを押すことはできますが、違うボタンを押してしまいそうで、この点は要注意です。

ウィンドジャマー装着時は操作ボタンが隠れてしまう

 音を評価するテストですから、実際の音が入った動画を編集して比較できるようにまとめてみました。バイクの速度で風切り音が変わりますので、動画にGPSの速度データを合成表示してあります。A1Hの録音レベルがかなり低いため音圧を12db上げてありますが、それ以外は録画時のままです。





高速道路でもA1Hウィンドジャマーの効果を確かめてみました


 時速60キロ程度まで効果の確認ができていましたが、時速100キロ前後の高速域で風切り音がどうなるか未確認でした。本日、ヘルメット横のA1Hにウィンドジャマーをセットして高速道路を走ってみました。

ちょっと目立ちますがヘルメットに取り付けたウィンドジャマーとA1H

結果は、風切り音の音圧は大幅に下がりますが他の音が収録できるほどではありませんでした。ウィンドジャマーがない裸の状態だと、ボコボコという風の音でフルボリュームという感じです。ウィンドジャマーがセットされるとボコボコという大きなノイズは目立たなくなりますが、風の音はかなりのレベルで残っています。周りの車の音やバイクのエンジン音などが収録できる状況ではありませんでした。バイク走行中の音を収録したい場合は時速60キロ程度までの一般道が最適と思った方が良さそうです。

(2015年10月4日追記)



風が直接当たらないようにするだけで効果ありました


 振動対策として3Dプリンターで自作したマウントを使って、バイクのフロントフェンダー部へ取付けてテスト収録をしていました。自作マウントを90度回した状態でセットした時に、ボコボコという不快な風切り音がなくなっていることに気付きました。どうやら自作マウントの一部が偶然マイク部分の風除けになったようです。

白い自作マウントで偶然マイク部分が隠れています

GoProのマイク部分がハウジングの中に隠れているのと同じような効果が得られたと思われます。簡単な構造の風除けでも十分役に立つことがわかりました。そうすると初めから風除け効果のあるマウントを設計するのも面白いですね。

(2015年10月18日追記)


2015年8月8日土曜日

実践テスト Panasonic HX-A1Hのナイトモードを赤外線光でテスト


 その形状による装着性の良さから、GoProと共に色々なシーンの映像記録ウェアラブルカメラとしてなくてはならない存在になりつつあるパナソニックのHX-A1Hです。主にバイクや自転車での撮影に使用していますが、特長の一つであるナイトモードを試す機会がありませんでした。

 この猛暑の中、自転車で秋月電子八潮店までパーツを買いに出かけた際に赤外線LEDライト(モジュール)を見つけました。懐中電灯型の赤外線ライトは数千円程度しますので、テスト用にちょっと購入とはいきませんが、秋月のモジュールは700円でしたので迷わず購入。多分監視カメラ用のモジュールでしょう。36個のLED合計で約2Wです。

秋月電子のパーツには大変お世話になってます(700円の赤外線モジュール)

このモジュールは可視光領域を全く発生しませんので、点灯していても肉眼では何も見えません。ほんのりと暖かくなっているので電源が入っているのは分かります。波長が940nmでA1Hに適しているかどうか不明でしたが、とりあえずテストです。

 A1Hには購入時に取り付けられている通常撮影用のレンズカバーとは別に、ナイトモード(夜間撮影)用のレンズカバーが付属しています。

パナソニックも面白い製品作ってくれますね

このカバーを付け替えるだけで撮影モードの切り替えができるようになっています。本体側での設定を何もしなくてもいいのか不安でしたが、カバーを付け替えてみて理解できました。ナイトモード用のレンズカバーを付けると録画ボタンの周りがブルーに点灯します。装着されるレンズでモードを判定しているようです。通常撮影モードの時は消灯状態ですので、一目でモードが判別できますね。

分かり易く使い易い機能です

 先ず、通常撮影モードで部屋を真っ暗にしてみました。当然何の光源もありませんから何も映りません。ここで赤外線モジュールを点灯してみると、かすかに映っています。もちろん肉眼では何も見えませんが、カメラは赤外線をとらえているようです。

実用にはなりそうもありませんが、少し映ります

 次にレンズカバーを交換し、ナイトモードにしてみました。部屋の明かり(蛍光灯)がついている状態では、色の再現が出来ない状態の映像が記録されます。ここで蛍光灯を消すと当然真っ暗になりますが、赤外線モジュールを点灯した途端かなりくっきり対象物が浮かび上がります。人の目には何も見えていないのに、これだけはっきり記録されているのは不思議なものです。

人間の目には真っ暗にしか見えてませんが録画された画像にはくっきり

1メートルほどの距離から反射板もレンズもない赤外線LEDモジュールで照射しているだけでこれだけ映りますので、ちゃんとした赤外線ライトを使えば応用範囲は広がりそうです。さてこれで何を撮るか? 人の目には真っ暗闇に見える場所で撮影できるのですから変な使い道もありそうですが、法に触れないようにしなければなりません。テスト時の映像を短くまとめましたので参考にしていただければ幸いです。




2015年7月16日木曜日

実践比較レポート Panasonic HX-A1H vs GoPro HERO 3+ サイクリング編


 パナソニックの新型ウェアラブルカメラHX-A1Hを購入してからGoProとの比較テストや二台のカメラを利用したマルチカム動画の撮影練習をしてきました。先日はバイク動画編を投稿しましたが、今回は自転車(ロードバイク)でのテストレポートです。

 混雑する花見川サイクリングロードのバイパス路として使っている1キロ程の小さな谷津道を周回しながらテストしてみました。テスト項目としては、主に以下の三点です。他にもウェアラブルカメラとして特に重要なバッテリーの持続時間などがありますが、バイク動画編にてテスト済みですので今回は省きました。断続使用で約一時間録画できましたので、このサイズであれば及第点でしょう。

  • GoPro HERO 3+との画質・音質比較
  • 高圧タイヤを履いているロードバイクの振動の影響はどの程度か
  • 取り付け場所によってどんな画像が撮れるか

 先ずGoProとの画質・音質比較のためA1HとGoProをハンドルバーに前方に向けて、同方向の動画を撮りました。

ハンドルバーの上にA1H、下にGoProをセット

A1Hは購入時の設定が標準画角でワイドではありません。GoProの方が広角の画像になっています。この日は快晴のため日の当たっているところは白飛びが、影の部分は黒つぶれが発生していますが、A1Hの方がより強く出ているようです。録音はA1Hのレベルがかなり低く、編集時に6db程度レベルを上げましたが、それでもGoProに比べて音が小さくなっています。

どちらも前方向

 続いてGoProを前方に、A1Hを後方に向けて撮影してみました。シートポストに取り付ければ、自転車が全く写りこまずに後方全景が撮れます。これで走行中の前方と後方を同時に記録することができます。後はマルチカム編集の腕の見せ所ですね。

シートポストにスポーツマンマウントで固定

後方に流れてゆくシーンも面白いのですが、今までは一台しかなかったため前方か後方のどちらかしか残せませんでした。二台目のウェアラブルカメラを手に入れたことでマルチカムで記録できるようになりました。

シートポストから後方全景を同時録画

 さらに後方を撮影する際に、自転車の一部が映る位置にセットしてみました。ハンドルバーの末端に固定します。

スポーツマンマウントでハンドルバー末端にしっかり固定

自転車の後輪やサイクリストのペダリングシーンが撮れます。レースや登り坂、グループツーリングなどで活躍しそうな撮影位置です。

自転車であることを強調した動画が撮れます

 今回取り付けに使用した機材一式です。パナソニックからも三脚マウントを介した自転車取り付け部品が発売されていますが、GoProユーザーの常で既に豊富なマウント類を所持しています。REC-MOUNTSのA1H/A500用アダプターを使い、GoProスポーツマンマウントで自転車にセットしました。このGoProスポーツマンマウント、とても利用範囲が広く、しかもガッチリと固定できるためバイクや自転車で大活躍中です。

使用した取り付け機材

気をつけなければならないのは、A1Hが固定されているのは片側にある溝の部分のみだということです。これがアダプター側にある出っ張りにはまっているだけです。(△で表示されている部分) ワンタッチで付け外しでき、水平の調整もカチカチと回せば完了ですので使い勝手は最高なのですが、強い衝撃で外れてしまいそうです。またバイクや自転車の細かい振動でカメラ本体が揺れ、画像がブレます。人間の体にセットする場合はこのままで問題ありませんが、自転車等では対策が必要です。考えた末にホームセンターで見つけた手回し式のホースバンドで締め付けることにしました。傷防止のため内側に薄いゴムを貼ってあります。

ホースバンドで締め付け、しっかり固定

これで全てのGoPro用マウントが利用可能になりました。走行中外れることもなく、専用マウントでしっかり固定されたGoProとほぼ同等のブレ抑止効果が得られています。A1H側の取り付け部がプラスチックのキャップですので、締め付け過ぎには要注意。力を入れ過ぎると割れてしまいます。

 撮れた画像や音を比較するために短い動画にまとめました。画像は撮影したまま、音声はA1Hの音圧が低いため6dbほどアップしましたが、他は全く手を入れていません。この時期の快晴の日中ですので、強い日差しの中で明るいところと木陰の暗いところが交互に出てきて小型カメラには厳しいテストです。





自転車へのアクションカメラ取付け試行錯誤の記録


 自転車(ロードバイク)へのアクションカメラの取り付け場所や使用器具、それぞれの場所での考慮点をまとめました。参考にしてください。

(2016年1月21日追記)


2015年6月29日月曜日

実践比較レポート Panasonic HX-A1H vs GoPro HERO 3+ バイク動画編


 バイクツーリング中に突然息を呑むような風景に遭遇することがあります。バイクを止めてカメラを取り出してからその風景を写そうと思っても、なかなか思い通りになりません。ウェアラブルカメラをセットして、動画に収めてしまえば決定的な瞬間も残せると思い、GoProを一年ほど前に購入して試行錯誤を続けています

 振動が多いバイクで動画撮影を行う場合、カメラをどこに取り付けるかが大きな問題です。さらにバイクを写し込むか、風景だけを狙うかでも取り付け場所が制限されます。
  • 出来るだけバイクが写り込まず、風景主体で撮りたい
  • エンジンや路面からの振動の影響を避けたい
  • グラグラ揺れない安定した画像にしたい
これらの条件を満たすため、ハンドル周りやカウル、フロントフォークなどにGoProを取り付けて試してきました。しかし、GoPro特有のあの形のためどうしても取り付けられない場所も多く、もっと小型のウェラブルカメラを探していたところパナソニックから直径26mmの円筒形、総重量45gというHX-A1Hが発売になり、即購入。現在GoPro HERO 3+と比較テストを行っています。

 小型軽量という特長を活かして、サクションカップ(吸盤)でカウル下部に取り付けてみましたが、結果はブレブレ。バイクが全く写り込まないベストな位置なのですが、カウル自身が振動するため、いくら軽量なA1Hでもダメでした。

カウル下部(ヘッドライト下)にサクションカップで取り付け

エンジンの振動を拾わず、出来るだけ前方向を広く写せる場所ということでフロントフォークへの取り付けを検討しました。大きなホースバンドでフォーク下部に取り付ける方法は以前試しましたが、タイヤがかなり写り込んでしまいます。これはこれで迫力があるのですが、もう少しバイクの写り込みを避けたいものです。今回試してみたのはフェンダー取り付け部のネジにGoProマウントを共締めする方法です。

フェンダー取り付けネジを長いものに交換してマウントを共締め

ここにREC-MOUNTSのGoPro変換アダプターでA1Hを固定します。A1Hは片側を引っ掛けているだけなので、バイクの振動でグラグラしたり外れたりしそうです。そのためホースバンドでがっちりと固定しました。

A1HをGoPro変換アダプターで取り付け、ぐらつき防止のためホースバンドで締め付け

この状態で走行中の動画を撮影してみました。エンジンや路面からの振動の影響はかなり排除できています。比較のためGoProも同じ場所に取り付けましたが、A1Hより重量があり、アームを複数経由して取り付けが必要なため、振動の影響が相当出てしまいました。

GoProも同じ場所に取り付け、二本のアームで振動しやすくなります

このGoProの取り付け位置、実は危ない場所です。フロントフォークが沈み込んだ時、カメラとカウル下部がぶつかります。通常使用はできません。A1Hはぎりぎりセーフでした。

 走行中の画像・音声に全く手を加えず、そのまま編集しました。二つのカメラの画像を並べて比較できるようにしてあります。

動画の中で上下および左右に画像を並べて比較

 動画データの平均転送レートはGoProが約20Mb/s、A1Hが約15Mb/sだそうです。結構差がありますが、実際の動画はA1Hもかなり健闘しています。GoProより黒つぶれが目立ちますが、色の再現性は高いように感じました。
 音声はA1Hがモノラル、GoProがステレオ録音です。マイク部がハウジングの中に隠れているGoProの方が、走行時の風切音には強いようです。A1Hは少しスピードを上げると風切音でいっぱいになってしまいました

 気になるバッテリーの持ちですが、A1Hは断続録画で一時間程度使用できました(Wi-Fi未使用)。標準バッテリーで二時間程度の録画時間が目安のGoProに対して、これだけ小さなA1Hは健闘していると思います。最大の課題はA1Hのバッテリーが交換式ではないことです。内蔵バッテリーを使い終わったら、GoProは予備のバッテリーに交換して使い続けられますが、A1Hは数時間かけて充電しなければなりません。同じ太さの円筒状の拡張バッテリーをつければ倍の時間は使えるようですが、取り付けやすさは損なわれてしまいます。USBケーブルから給電しながら撮影できるようですが、その場合は防水機能はなくなります。

 バッテリーの持ち時間にも影響しますが、運転中に電源のオン・オフや録画開始・停止の操作ができると使い勝手が格段に向上します。GoProはオプションのWi-Fiリモコンで実現しています。リモコンをハンドルに付けておけば、ここぞというところで電源を入れ録画をスタートさせられます。A1Hもスマホを使って同様の操作ができますが、バイク運転中にスマホは操作できないでしょうね。さらに電源をスマホから切ることはできますが、入れることはできません。つまり完全なリモートコントロールは不可です。体から離れた場所にセットする時は、録画しっぱなしということになります。この辺も課題ですね。

 何れにしても、二台目のウェアラブルカメラとしては良い買い物をしたと思います。今後、サイクリングや登山などにも活用予定です。




追記(2015年7月19日)

 実践比較レポート(サイクリング編)も同様に作成してみました。A1HとGoProのマルチカム収録を試しています。参考にしてください。



追記(2016年1月21日)

 バイクへのアクションカメラの取り付け方法や使用器具、各取り付け場所での考慮点などをまとめました。参考にしてください。



HX-A1Hはホースバンドでの締め付け過ぎに注意


 振動の影響をできるだけ少なくするためにHX-A1H使用時にホースバンドで締め付けるようにしていましたが、ある時「パキッ」という嫌な音が聞こえてきました。よく見ると後部のキャップ部にヒビが入ってしまいました。本体中央部は金属製で丈夫そうですが、後部のキャップはプラスチック(ABS?)のためホースバンドでの締め付け時は要注意です。

見事に割れてしまったHX-A1Hの後部キャップ

Panasonicの付属品販売サイトを覗いてみたらSFC0318という品番で入手できるようですが、売値が税抜き4,000円もします。現在2万円を切る価格で新品が入手可能ですので、ちょっと悩ましい価格です。もう一つ付属していたケーブル穴が空いたキャップにゴムの栓をして使うことにしました。

(2016年5月24日追記)