千葉県船橋市を拠点として房総半島をロードバイクで走り始めて8年目に入りました。輪行ではないため片道50〜70キロ程度の行程が中心ですから、走る場所は下総台地と呼ばれる千葉県の上半分がほとんどです。この台地の東側には平坦な九十九里平野が広がり、間に崖線が伸びています。この崖をはさんで面白い地形が形作られているため、自転車で走ると変化に富んだルートを楽しめます。
最近の目的地はこの崖線の周辺ばかりになってしまいました。
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房総半島は地形により四エリアに分けられる |
必然的にたどり着いた谷津道探検サイクリング
大きな川に作られたサイクリングロードだけでは決してたどり着けない、房総半島の崖線周辺を楽しむようになりましたが、きっかけは混雑するサイクリングロードをできるだけ避けて走りたいという単純な動機からです。サイクリングロードのある住宅地近くの河川敷は、週末ともなると大勢の人で賑わっています。歩行者の間をすり抜けながら走るのは相当気を使いました。サイクリングロードから離れてみると、今度は千葉県に多い狭い車道に苦しめられることになります。大型車同士がすれ違うと、それだけで道幅いっぱいになってしまい、自転車ですらすり抜ける余裕はありません。
ロードバイクに乗り始めてからのルートの変遷についてはこちらにまとめてあります。
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車道とサイクリングロードを避けて谷津道を開拓 |
自然豊かで安全な谷津の道を探検しながら走るようになり、ルートのバリエーションが一気に増えましたが、走り易さだけを基準にルートを選んでいるとだんだん飽きてきます。
ルート途中で出会う自然の恵みや動植物、小さな酒蔵や変化のある地形など、走り以外の要素も含めて面白いルートの発掘を楽しむようになりました。
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走り易さ以外にもルートに求められる重要な要素はいっぱいある |
8年間の下総台地徘徊の結果、サイクリングロードから離れた道を走ってみたいと考えているロードバイク乗りの方々にお勧めできそうなルートが多数見つかりました。完全に自分の主観σ(^_^;)でその中から30を選び、ルートに関する情報をまとめてみました。
下総台地快適谷津道マップの活用方法
知らないルートを走ろうと思ったら地図でルートを確認したり、ネット上にあるツーリングレポートなどの記事を検索し、ルートの様子がわかる説明文や写真などを参考にすると思います。同様の情報が簡単に参照できるように、Googleマイマップをインデックス代りにしてまとめました。以下は使い方の簡単な説明です。
- 各地区の地図を移動・拡大して気になるルートをクリックします。
- 左に説明が現れますので、その中にあるルートの雰囲気紹介動画リンクをクリックすれば、YouTubeにアップしてある短い動画が再生されます。
- GPXファイル入手のリンクをクリックすれば、Googleドライブで該当のファイルがダウンロードできます。このGPSデータを使えば、スマホやサイコンで正確にルートをナビゲーション可能です。
スマホなどのモバイル端末で画面を通常の縦長で使用すると、Googleマイマップ説明文中のリンクが無効になるようです。お手数ですが、
画面を横にして操作するか、各
ルートの解説文下にあるボタンで必要な情報にアクセスしてください。
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Googleマイマップから必要な情報にアクセス |
Googleドライブに飛ぶと、GPXファイルのプレビュー画面になっていますので、右上のダウンロードボタンを押せばGPSデータが入手できます。ダウンロード時に勝手に
.xmlの拡張子が追加されてしまうようです。結果的に.gpx.xmlになっている場合は、お手数ですが.gpxに修正してからご利用ください。
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GoogleドライブでGPSデータをダウンロード |
各ルートの短い解説文下にも
Map
Video
GPS
ボタン(リンク)が配置してあります。それぞれのボタンを押せば、必要な情報に一発でアクセスできるようになっています。ルートの雰囲気を紹介する動画は現在順次作成中です。
Video
のように白くなっているものは準備中のため、しばらくお待ちください。
1. 手賀沼・印旛沼界隈
大規模な住宅地や商業地区があるため、一般の車道は大変混雑します。まだまだ道路の整備が追いつかず、大型車がやっとすれ違っているような道では自転車での走行に気を使います。うまく谷津道を乗り継げば、そんな地区でも安全で快適なサイクリングが楽しめます。
1-1. 勝田川(花見川支流)沿いの谷津道
花見川サイクリングロードから東の四街道や佐倉方面へ行く際に役立つルートです。国道16号を過ぎれば、安全で快適に走れます。ほとんど他のサイクリストに会うこともないレアなルートのようです。
1-2. 大津川沿いの谷津道
手賀沼へのアクセスルートとして重宝する谷津道です。車も通りますので、幹線道路の抜け道として使われる週末は注意が必要ですが、他の車道に比べればはるかに走りやすいルートです。
1-3. 手繰(たぐり)川沿いの谷津道
印旛沼から南下する時に役に立ちます。四街道から先は鹿島川沿いを走ることになりますが、そこまでは鹿島川沿いよりもはるかに走りやすいルートです。有志による谷津の保護もされており、サシバが営巣する自然あふれる場所で、多くのサイクリストに出会います。
1-4. 桑納(かんのう)川沿いの谷津道
船橋市街地から花見川や八千代道の駅に行くのに便利なルートです。ほとんどの車道は横断のみのため安全で快適です。利用者も多く、週末は大勢のサイクリストとすれ違います。
1-5. 長作ミニ谷津
交通量の多い県道や大規模住宅地に隣接した場所に残された、一周2キロにも満たない小さな谷津道です。周回ルートになっていて、カメラマウントや新しい装備のテストにもってこいの場所です。季節の花々も楽しめ、秋にはアケビも見つかります。
1-6. 神崎川(新川支流)沿いの谷津道
新川の支流で手賀沼方面に伸びています。途中で方向を大きく変えて千葉ニュータウンへ向かいますので、他のルートとの接続に使うと利用価値が高そうです。
1-7. 染井入落沿いの谷津道
走り屋が多い手賀沼農免農道から、車の多い県道を使わずに手賀沼サイクリングロードに隣接するしょうなん道の駅を目指せます。広い農道は気持ちの良い走りが楽しめます。
1-8. 将監(しょうげん)川沿いの谷津道
利根川サイクリングロードが飽きて来たら、利根川から締め切られて湖のようになっている将監川沿いを走ってみましょう。狭くて往来の激しい車道が多い地域ですが、ここは比較的安全で快適に走れます。
1-9. 亀成川沿いの谷津道
競走馬を育成している小林牧場の南から手賀沼付近まで続く亀成川沿いを走るルートです。この小林牧場は桜並木が有名で、春先は車が停められないほど花見客が集まります。そんな時には自転車で行きましょう。
1-10. 師戸(もろと)川沿いの谷津道
印旛沼にかかる舟戸大橋から北の千葉ニュータウンまで続く静かな谷津道です。サイクリングロードを使わずに印旛沼にアクセスできます。印旛沼周辺が混雑する週末でもガラガラの道です。
2. 成田界隈
道路の数が少なくなり、物流を担う主要な国道・県道に大型車が集中する地域です。これらの幹線道路を避けて走るためにも谷津道は役立ちます。同じ谷津地形の中の道でも平坦な場所の多い手賀沼や印旛沼周辺と異なり、アップダウンのある地形が楽しめます。
2-1. 木戸川沿いの谷津道
交通量の多い県道62号(芝山はにわ道)と並走しているため、山武市から成田空港へのルートとして最適です。離着陸する飛行機を眺めながら、気持ちの良い谷津道サイクリングが楽しめます。
2-2. 根木名(ねこな)川沿いの谷津道
木戸川ルートからさらに北上して、成田山新勝寺の参道を目指せるルートです。成田の市街地は道路が混雑して危険ですが、このルートを使えば快適に成田市中心部までアクセスできます。
2-3. 高谷川沿いの谷津道
成田空港周辺を走る際に、大きく東側を回り込めるルートです。車道の一部になっている場所もありますが、交通量は少なく舗装もきれいで、のんびりとサイクリングできます。
2-4. 荒海川沿いの谷津道
利根川付近から成田空港を目指す際に利用できるルートです。空港の真北にたどり着きますので、風向きにより着陸または離陸する飛行機を間近に見ながら走れます。高台の雑木林ではアケビの実も見つけられます。
2-5. 江川沿いの谷津道
東関東自動車道路の富里IC近くから印旛沼まで走れる谷津の道です。途中JRや複数の国道を横断しますが、ほとんど車の来ない安全なルートです。印旛沼近くでは歌舞伎の演目で有名な佐倉義民伝の歴史スポットも楽しめます。
2-6. 作田川沿いの谷津道
八街の中央を南北に走る国道409号から成東方面に抜けられる林間道と谷津道の組み合わせルートです。弥富川ルートと組み合わせれば、佐倉から九十九里平野まで繋がる長距離ルートとして活用できます。
2-7. 境川沿いの谷津道
成東駅から八街市市内までを車の多い道を避けて走れるルートです。高台の八街付近は川が少なく、快適な谷津道も多くはありませんので、市内にアクセスできる貴重な谷津道になります。
2-8. 弥富(やとみ)川沿いの谷津道
DIC川村記念美術館付近で鹿島川と合流する弥富川沿いの快適なルートです。佐倉市から八街市の国道409号まで車の多い道を避けて走れます。作田川沿いのルートと組み合わせて九十九里浜へのルートとして利用できます。
2-9. 高崎川沿いの谷津道
距離は長くなりますが、成田山や成田空港まで国道51号や296号を使わずにアクセスできる快適な谷津道です。途中には美味しい蕎麦屋や酒蔵、アウトレットモールなどもあり、走り以外も楽しめます。
2-10. 勝田川(高崎川支流)沿いの谷津道
高崎川沿いを走っていて佐倉駅に近付くと、JRに沿った裏道を抜け道代わりに使っている車が多くなり危険です。そのため佐倉駅近くをバイパスする目的で開拓したルートですが、なかなか快適な谷津道です。
3. 市原・東金界隈
下総台地最高地点の長柄ダム界隈や九十九里平野が見渡せる東金崖線上部の昭和の森など、日帰りサイクリングの目的地として最適な場所が数多く存在します。周辺にはダム湖やため池が点在し、崖線周辺を登り降りしながらこれらの水辺を楽しむサイクリングも一興です。川沿いの谷津道ばかりでなく、高台にある林間ルートも楽しめる地域です。
3-1. 支川村田川沿いの谷津道
東京湾から昭和の森まで行ける村田川の支流沿いの道です。のどかで快適な谷津道を進んで行くと、最後の急な登りの後に静かな長柄ダムが待っています。そこを拠点にして、東の九十九里平野や、北の昭和の森、南の高滝湖などにアクセスできるルートです。
3-2. 神崎川(村田川支流)沿いの谷津道
支川村田川同様、村田川から長柄ダムまでつながる谷津の道です。村田川から離れてしばらくは住宅地を走りますが、その後は茂原街道までワイルドなルートが楽しめます。
3-3. 鹿島川沿いの谷津道で昭和の森
昭和の森と佐倉市を結ぶ鹿島川沿いのルートです。広くて走り易く、さらに長い距離が楽しめます。千葉市の推奨する「若葉ルート」の一部にもなっていて、初心者でも安心して走れます。
3-4. 鹿島川沿いの谷津道で東金
印旛沼から南に向かって源流の昭和の森付近まで続く鹿島川ですが、御成街道付近で東側の支流沿いに進むと、八街から東金まで行くことができます。このルートを使えば、狭くて大型車の多い国道126号を使わずに東金まで行けます。
3-5. 小名木川から鹿島川
印旛沼から南に向かうルートを探していると最初に目につくのが鹿島川沿いですが、東関道までは意外に走りにくい道が続いています。すぐ横を流れる手繰川沿いの方がはるかに走りやすく、安全に四街道付近まで南下できます。そこから鹿島川を目指す際に便利なのが、鹿島川支流の小名木川です。途中、酒蔵などもあり短いながら個性豊かなルートです。
3-6. 村田川上流部沿いの谷津道
東京湾から昭和の森南部へ続く村田川ですが、上流部には川沿いの遊歩道はなくなってしまいます。多くのサイクリストはそこから車道を走っているようですが、少し山側に入り込めば、村田川に付かず離れず車の来ない道を走ることができます。
3-7. 坂月川沿いの谷津道
千葉市中心部を走らずに、千葉県総合スポーツセンターから国道126号の大草交差点に出ることができます。都賀の街中から国道51号のアンダーパスを抜けて、坂月川沿いを走ります。途中、国の特別史跡となった加曽利貝塚もあり、短いながら楽しめるルートです。河原では毎年のように雄のキジを目にします。
3-8. 国道126号北側の林間道
坂月川ルートで国道126号付近まで来たら、そこから先は国道の南か北を選ぶことができます。北側の林間ルートは夏場に木陰がありがたい貴重なルートです。あっという間に鹿島川ルートに合流します。
3-9. 昭和の森から小中池
地図ではすぐ隣に位置する昭和の森と小中池ですが、東金崖線の上と下にあり相当な標高差があります。まっすぐに行ける道は公園内の階段しかなく、自転車では走れません。北にある大網街道を車とともに一気に駆け下りるか、南側のルートで遠回りするしかありません。大回りになりますが、自然豊かな林間ルートを見つけました。
3-10. 都川沿いの谷津道
支流である支川都川沿いは多くのサイクリストが走っていますが、本流である都川沿いはガラガラです。千葉市街地からのアクセスが悪いためだと思われますが、坂月川ルートと組み合わせれば、泉自然公園やそのさきの昭和の森までの快適ルートの一部として利用価値大です。
※情報は2018年1月20日以前のものです。