2016年1月14日木曜日

快適自転車生活 命を守るブレーキだからたまにはシューとリムもお手入れ


 前回ブレーキシューをDURA-ACE/ULTEGRA/105用(R55C3)に交換してからだいぶ日が経っています。105キャリパーとの組み合わせでブレーキの効きに不満はありません。最近ブレーキ使用時にシャー、シャーというノイズが特に前輪で目立つようになったため、リムをよくよく見てみるとかなり深い溝が何本もできていました。

リムに深い溝が何本もできています

指の爪を溝に交差するように滑らせてみるとカクカクと高低差を感じます。ブレーキシューに異物が入り、リムが削られた証拠です。ブレーキシューを取り外してチェックしてみました。シューの取り外しはカートリッジ(土台)を外すのではなく、シューを固定している小さなネジを緩めて引き抜けば簡単です。取り付け後にも調整しなくて済みます。

ブレーキシューのチェックは固定ネジを緩め引き抜けば簡単

光を当ててシューの表面をよく見ると、1ミリにも満たない金属片が黒いゴムの表面に何個もめり込んでいました。金属片のほとんどはアルミのリムが削れてシューに食い込んだものです。このアルミ片がリムを削っているんですね。精密ドライバーや千枚通しの先で、シューにめり込んだ金属片をほじくり出します。見えている部分は小さくてもほじくってみると奥からかなり大きな塊が出てくることもあります。結構手強い作業です。

シューから金属片を取り除いた後(作業前の写真を撮り忘れました)

老眼のため手元が怪しく、奥にめり込んだ金属片を引きずり出すためかなり広く・深く掘ってしまいました。シューの表面が月のクレーターのようになってしまいましたが、ブレーキの効きにはあまり影響はないみたいです。

 老眼鏡をかけて目視でのチェックには限界があるため、複合機のスキャナーにブレーキシューを乗せて1200dpiでスキャンしてみました。

スキャンしたブレーキシューの表面

下の方にまだ小さな金属片らしいものが残っているようです。必死になって取り除きました。前後合わせて四つのブレーキシュー全てをチェックし終え、次はリム側の整備です。

 リムが削れて深い溝が何本もできると、ブレーキシューとの接触面積が小さくなり効きが悪くなります。リムはできるだけ平面なのが理想です。できてしまった溝をなくすには削るしかありません。MAVICのリム研磨用ゴムを使用してリムの表面を研磨します。

巨大な砂消しゴムのようなMAVICのリム研磨用ゴム

ブレーキが当たる部分以外を削らないよう注意して作業する必要があります。少し力を入れて消しゴムを使うような感じで円周方向に研磨していきます。溝を完全になくそうとするとかなりの厚みを削ることになり、結果としてリムの寿命を縮めてしまいます。指の爪で溝を引っ掻いてみて、溝の深さが小さくなったと感じる程度でやめておきましょう。何事もほどほどが肝心です。

研磨後のリム、溝はまだ残っていますがだいぶ浅くなっています

 整備後に走りに出てみるとブレーキ操作時に音が出なくなりました。実にスムーズに減速してくれます。やっぱりちゃんと整備すると気持ちがいいですね。

 貧脚ライダーの私でも長い下り坂などでは時速60キロ以上で走ることもあります。その速度でも安全・確実に停止できる性能が求められるとても大切なパーツです。雨や水たまりでリムが濡れていたり泥汚れがついたまま走っているとあっという間にブレーキシューとリムがひどい状態になります。走行時の異音に気をつけて、制動力が弱まる前に適切な整備を心がけたいブレーキシューとリムです。


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