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2016年10月1日土曜日

スーパーで見つけた「チョコビ」を食べて思い出す荒船山


 中学の頃に友人と雲取山に登ったのをきっかっけに、山登りが趣味になりました。高校の山岳部時代は、暇さえあれば山に行っていたように記憶しています。大学を卒業し、社会人になるといつの間にか登山の頻度は減ってしまいましたが、それでも思い出したように山に行きたくなる時があり、年に数回は登っています。


クレヨンしんちゃんに出てくるお菓子が売られてる


 先日、スーパーで買い物をしていたらクレヨンしんちゃんが描かれた「チョコビ」というお菓子を見つけました。漫画の中に出てくる架空のお菓子だと思っていましたので、本当に発売されていることに驚きました。

しんちゃんの大好物「チョコビ」、本当に売ってる

子供に見せたくないテレビ番組などと、いろいろ批判を受けながらも今も続いている長寿アニメ。子供と一緒に見て笑っていたのを思い出します。クレヨンしんちゃんで必ず思い起こすのが、作者である臼井儀人氏の登山中の転落事故です。


誰でも登れる荒船山だが艫岩の展望台はかなり怖い


 当時51歳の臼井氏が単独で荒船山に登りに行ったのは2009年9月でした。標高1423メートルで、登山口のある内山峠から2時間もあれば山頂にたどり着ける初心者向きの山です。この山の最大の魅力は、山頂の手前にある艫岩(ともいわ)と呼ばれる断崖絶壁です。150メートル以上の垂直の壁の上に展望台があり、そこから眺める信州の山々の眺望は迫力満点。

荒船山北側にある艫岩の断崖絶壁

展望台と呼ばれてはいますが、艫岩最上部の崖の縁に場所を示した柱が立っているだけです。柵などの転落防止施設は何もありません。

荒船山艫岩にある展望台からの眺め

崖の縁に近づいて下を見ると、艫岩の下を走る国道254号が山腹を曲がりくねって通っているのが見えます。150メートル以上の標高差のある斜面に、自分が立っている艫岩の影がくっきりと写り、急峻な崖の上部にいることがはっきりとわかります。真下を覗き込むには勇気が必要な場所です。

艫岩から見える国道254号、高度感で足がすくむ

臼井氏は艫岩展望台直下の斜面で遺体で発見されました。持っていたデジカメからは展望台から崖下を覗き込むようにして撮った画像が残っていたそうです。展望台から崖の下を撮影している最中に転落したものと推測されています。臼井氏より2年先に同じ場所に立って崖下を覗き込んだ経験がありましたので、臼井氏の転落事故のニュースを聞いた時は驚いたと同時に、あの場所での事故が不思議なこととは思えませんでした。


つい最近も起こってしまった艫岩からの転落事故


 つい先日、8歳の男の子を連れた母親が荒船山に登山に行き、艫岩の崖下から母親の遺体が見つかるという痛ましい事故がありました。一緒に登っていたはずの男の子は見つかっていないそうです。単なる事故なのかどうかも未だ不明ですが、せめて男の子が無事に見つかってくれることを祈るばかりです。

麓にある艫岩の解説看板

 転落防止柵の設置については賛否が分かれているようで、現在も展望台はそのままです。せめて展望台に立つ登山者全員が、この場所で転落事故が度々起こっている事実を知って欲しいと、スーパーで見つけた「チョコビ」を食べながら感じてしまいました。


2015年2月23日月曜日

雪山を楽しむために雪崩講習会は必須(MAMUUTデジタルビーコンの性能に驚愕)


 スノーシューを始めたのをきっかけに、以前から興味のあった雪崩講習会に参加してきました。石井スポーツ登山学校日本雪崩ネットワーク共催の二日間コースです。実技は群馬県の谷川岳天神尾根にて行われました。

一日目は平坦な湯檜曽公園で練習

二日目にロープウェイを使い天神尾根で実技

斜面の積雪調査のため穴を掘ります

 半日の座学だけのものや、ビーコンを使った探索訓練中心の一日コースが多い中で、二日間のコースは稀だと思います。雪崩現象や雪崩地形、安全行動原則、グループマネジメントなど雪崩発生のメカニズムや雪崩リスクの高い状況を理解するとともに、そのリスクをできるだけ少なくするためのマネジメント方法が学べます。いわゆる雪山三種の神器(ビーコン、プローブ、スコップ)の使い方を覚えてレスキューを迅速に行うこと以前に、雪崩に遭わないようにするにはどうするかという部分にも重点が置かれていて、雪山初心者にも大変ありがたい講習内容でした。

MAMMUTのデジタルビーコン

Black Diamondのプローブ

bcaのスコップ(ザックに入ります)

 この三種の神器を揃えるだけで相当な出費です。特にビーコンは最新のモデルだと5万円以上もします。さらに実技の中で、雪質の調査や雪洞作りの際にスノーソーがあるとないとでは大違いだということも体験し、必要な装備はますます増えます。

昔買ったスノーソー

正直今までは、たまにしか雪山に入らないのにここまで費用をかけて本当に効果があるのか半信半疑でした。しかし今回の講習を受講して考えが一変。一メートル以上の深さにある埋没物をビーコンを使って探索するとほぼ真上まで誘導され、なおかつ埋まっている深さが表示されるという精度の高さに驚愕しました。もしビーコンが使えない状況であったら、残留物や地形などのわずかな情報を頼りにプローブを突き刺しながら広い範囲を探らなければならず、発見までの時間は比べようもないくらい長くなります。
 雪崩事故発生の際に生存可能時間内(15分以内と言われている)に自分を見つけてもらうためにビーコンは必須です。さらに、他の人を救うために居合わせた人がこれらの道具を持参していることが生存救出の前提条件になるということが理解できました。雪崩発生の可能性がある雪山に入る人全員がビーコン、プローブ、スコップ等の装備を持ち、十分使い方を理解しているという状況が早く実現することを願いながら帰宅しました。


2015年2月18日水曜日

予想外の撤退 新雪後の玉原ブナ平スノーシュー


 週末にかなりの積雪があったらしい群馬の玉原(たんばら)にスノーシューに行ってきました。今回はピークハントでもないし、楽勝のスノーシューハイクになるかと思いましたが、ルートを間違えたり新雪のラッセルで苦戦したりで時間切れ、予想外の撤退となりました。

玉原は初めてです(かなりの積雪に驚き)

 除雪してある道路沿いの雪の壁は3メートルくらいあります。関東地方とは思えない光景ですが、よくよく考えてみれば豪雪で有名な谷川岳のすぐ近くですから驚くことではないのかもしれません。週末の大雪の後は誰も歩いていないようで、トレースが全くないばかりか新雪がふかふかで、スノーシューが膝近くまで潜ってしまいます。ちょっとした登りになると立って歩けないほどです。

平坦部でこのくらい、斜面だともっと潜ります

 GPSと地図も持っていたのに確認を怠って道を間違えたり、ルート取りが悪く小規模なアップダウンを繰り返したりして計画の半分以下しか移動できていません。冬季無人のセンターハウスに到着した時はクタクタになっていました。

全く除雪されていない無人のセンターハウス

 ここからブナ平に向けて尾根を登り、玉原湿原に降りてくる予定でしたが、尾根の途中で撤退することになりました。今回の反省点としては当たり前のことばかりですが以下の三点です。
  • 夏に来たことのない場所では、もっと地形とルートを頭に叩き込んでおく
  • 数日前の積雪情報があれば、コースタイムの再考が必要
  • 行動開始時間はもっと早く(今回は10時から歩き始めた)
スノーシュー初心者ですので、まだまだ緊張することばかりですが、雪原でオコジョを見つけた時はうれしくなりました。遠くからじっとこちらを窺っているようでした。

この足跡ウサギ? オコジョ?

ブナ林の中を歩いているといろいろな動物の足跡があります。まだまだ足跡からその主を言い当てることができませんが、今回のように本物を見ることができたのはラッキーでした。

 前回の湯の丸山の時はGoProを頭部に装着して撮影しましたが、今回は胸部に取り付けてみました。視線と共にカメラも動いてしまう頭部と違い、胸部の方が安定しているようです。



 GPSの軌跡ログを地図上に表示しました。これを見るとほとんど”山登り”になっていません。ブナ平への尾根の取り付き部分で撤退です。なんとも情けない限りですが、安全第一です。

国土地理院地図にGPS軌跡ログを描画

もう少し雪の締まる三月に改めてリベンジしたいと思います。


2015年2月4日水曜日

湯の丸山スノーシュー(GoPro撮影練習も兼ねて)


 夏に一度登ったことのある湯の丸山にスノーシューをしに行ってきました。スキー場のある地蔵峠は気温零下4度。風もあるので山頂はかなり寒そうです。雪山の景色を記録したいと思い、GoPro Hero3+をヘッドバンドで頭部に設置していざ出発。往路はズルして、スキーリフトを使ってしまいました。

なだらかな山頂を持つ湯の丸山

先月裏磐梯でデビューしたばかりのスノーシュー初心者ですので、無理せず安全なコースを進みます。途中、山頂を見上げると雲がかかり強い風が吹き付けていましたが、到着する頃には青空が覗き始めていました。

富士山がはっきり見えました

吹き溜まり以外はよく締まった雪面で、スノーシューも安定しています。ぐんぐん高度を稼ぎ一時間ほどで山頂にたどり着きました。澄んだ冬の空気のおかげで周りの眺望が抜群です。富士山も美しい姿を見せてくれました。風が強く、休んでいるとあっという間に体が冷えてくるので、そそくさと下山を開始します。喘ぎながら登った雪山も、下りは楽しいの一言です。半ば滑りながら快調に下っていきます。

 調子に乗って下っていたら、突然左足が腰まですっぽりと雪に入ってしまいました。空洞を踏み抜いたようです。左足を抜こうとしてもがくと、体を支えている部分の雪まで沈み込んで、全身が雪の下に落ちそうになります。スノーシューを履いたまま足を抜こうとしても、引っかかってしまい抜けません。あまりもがいていると、雪の下の空洞に全身が落ちてしまい、一人で出られなくなりそうです。あせりました。平日で、途中出会った登山者もたった一人きりでしたので、誰かが来るのを待つわけにもいきません。

これしきの穴ですが命取りになります

深呼吸し、対策を考えました。穴の中のスノーシューを手を伸ばして外すことは不可能なため、体がこれ以上落ちないよう上半身を雪面に押し付けた上で、ストックを使って足がはまっている穴を広げることにしました。雪の上で格闘すること十数分、なんとか雪上に立てたときは汗だくでした。こんな些細なことでもまかり間違えば遭難につながるんだと思うと、雪山の怖さを感じました。

頭部のGoProで撮影

 GoProで雪山登山の映像を撮ってみました。GoPro標準のバッテリーを使用していましたが、山頂まであとわずかというところでバッテリーが切れていたようです。頭部に取り付けていたので気付きませんでした。仮に気付いたところで、強風と寒さの中で手袋を外してバッテリーを交換することは不可能だったと思います。今回は残念ながら山頂に到着した時の動画は撮れませんでした。雪山のような低温下ではバッテリーの能力は著しく低下します。大容量バッテリーパックの購入が必要なようです。

 また、カメラをどこに据え付けるかというのも大きな問題です。今回はヘッドバンドで頭部に取り付けましたが、人の頭というのは結構グラグラするため、画像も不安定でした。目に近く余計なものも映らないため、見たままの構図で撮れますが、ぶれないようにする必要があります。次回は胸部に取り付けて試してみようと思いながら、帰宅後のビデオ編集を楽しみました。




2015年1月17日土曜日

裏磐梯で生まれて初めてのスノーシューハイク体験(不動滝とイエローフォール)


 裏磐梯で生まれて初めてのスノーシューを経験してきました。何年も前に購入していましたが、なかなか挑戦する機会に恵まれず、長い間部屋の飾りと化していたMSRのスノーシュー。やっと本来の出番です。前日に車で裏磐梯に入り、スキーリゾートホテルに宿泊しました。

MSR Lightning Ascent 2009年モデル


先ずはツアーに参加して基礎を教えてもらう


 本で読んで得た知識しかないため、一日目は地元のスノーシューツアーに参加して基礎を教えてもらうことにしました。お世話になったのは「もくもく自然塾」の渡邊さん。この日は他の参加者がなく、個人授業状態でした。スノーシューの履き方から歩き方まで、面白いお話とともに丁寧に教えていただけました。本を読んだだけではなかなかわからない事も、実際に目の前で教えてもらうとすぐに理解できます。ありがとうございました。

 午前中は平坦な五色沼周辺を、渡邊さんと会話しながら歩き回りました。森の中を走り回る動物の足跡や春を待つ木々の芽などについて教えてもらいながら、生まれて初めてのスノーシューに慣れることができました。

五色沼の一つ、弁天沼から見える磐梯山

 午後は少し距離のある不動滝を訪問。林道から山道に入り斜面を登って行きますが、一面の雪ですので歩きやすい場所を自分で見つけながら進みます。急な登りではスノーシューのヒールリフターを起こせば足首が楽になることや、新雪の下り斜面は歩くよりも滑ってしまった方が速いことなど、それぞれ実際の場所で教えてもらえました。五色沼周辺に比べるとかなり登り下りがあります。不動滝は流量があるためか、この時期でも凍り付いていませんでした。滝の上部から雪の斜面をお尻で滑ってみてと言われた時は焦りましたが、やってみると意外に簡単。楽しい滑り台経験でした(^ ^)

たどり着いた不動滝


翌日はドキドキしながら単独行


 二日目は裏磐梯スキー場のリフトを利用して、噴火跡にある銅沼(あかぬま)と冬だけ見られるイエローフォールを訪れました。前夜に20センチほど雪が積もったので、いい感じのスノーフィールドになっています。スキーでは何度も訪れている場所ですが、最上部のリフトから先は行ったことがありません。多少の不安はありましたが、往路は別のパーティーが先行していたため、なんとか無事にたどり着けました。

銅沼から見た櫛ヶ峰

火山性の鉱物を含んだ水が山肌から染み出し、それが凍り付いてできた場所です。黄色く見えることからイエローフォールと名付けられ、冬の一時期しか見られません。この日は運よく見ることが出来ました。先行していたご夫婦の記念撮影をお手伝いしたら、ここから先は別ルートを進みました。

火山から染み出した水が凍り付いてできるイエローフォール


バージンスノーのルートを進むのは緊張する


 帰路は来た道とは違うルートです。前夜の雪でトレースが全くないバージンスノーが広がる斜面は迫力があります。3キロにも満たないショートコースですが、全く道がないためドキドキします。

進行方向はバージンスノー、振り返っても自分の足跡だけのルートはドキドキする

事前にルートをハンディGPSにセットしてきましたので、ナビの指示通りに進めばいいのですが、絶えずGPSを見ながら進むわけには行きません。ルートの起伏などを頭に入れて、少し進んではGPSを確認します。こんな歩き方ではなかなかペースが上がりません。

ルートを事前設定しておいたGARMIN eTrex-30J

さらに、ミスコースをしたと気付くのはかなりルートを外れてからでしたので、事前設定のルートに戻るのが大変でした。実際の山ではGPSのルート通りに進むのではなく、現地の地形を判断しながら自分の頭でルートを選ぶべきだと痛感しました。

地理院地図にGPSログを表示

ただし、GPSによって現在位置と進行方向がわかるのは本当に便利です。画面の小さなGPSだけでは全体の位置感は掴みずらいのですが、紙の地図と一緒に使えば読図が迅速に出来ます。夏山とは違い、その時々の判断でルートを選ぶ必要があるバージンスノーの冬山登山。経験がものをいう世界だと感じながら、無事戻ることができました。



NHKの「おいで東北」に渡邊さんが出演してる


 一年前に初めてのスノーシューに訪れた裏磐梯で大変お世話になった渡邊亮さんが、NHKの「おいで東北」福島編に出ているのをテレビで見てビックリしました。とっても楽しそうに裏磐梯の冬を紹介しています。ガイドツアーの最中にいろいろ楽しいお話を聞かせていただいたことを思い出しました。福島の冬は楽しいぞ!という渡邊さんの思いが伝わってきます。また訪ねてみたくなりました。

(2016年1月27日追記)