2016年5月6日金曜日

快適バイク生活 首都高の危険なJCTを少しでも安全に通過する方法


 自宅のある千葉からバイクで遠出する時は首都高速を頻繁に利用します。HMS埼玉のライディングスクール受講時には5号池袋線を、北関東や東北方面へは中央環状線を走りますが、どちらも首都高速特有のクセのあるJCT(ジャンクション)を通過しなければなりません。交通量も多く、複雑な車線構造のため事故が頻繁に起こっている場所です。首都高速道路株式会社のホームページによれば、平成26年度の全死亡事故14件のうちバイクは5件を占めています。通過車両の比率を考慮すれば全体の三分の一以上というバイクの死亡事故発生比率は異常に高いと言わざるをえません。バイク事故の発生場所を示す地図を見ると、カーブでの事故とともにJCTでの死亡事故が多いことがわかります。生身の体で高速走行しているバイクですので、事故発生時の生存率を云々するよりも事故に遭わないようにする必要があります。

二輪車事故多発地点(平成24年4月〜27年3月)首都高速道路(株)ホームページより引用

二輪事故多発地点には、よく通過する5号池袋線の熊野町JCTも含まれています。確かに走っていると怖い思いを何度もしましたし、タンクローリーの横転・炎上事故やバイク事故のニュースを度々目にする場所です。


首都高速の構造上の問題


 ここで問題です。名付けて首都高式足し算。

2 + 2 = ?

答えは2または3です。ほぼ全てのJCTで二車線同士の道が合流後に二車線または三車線になります。どう考えてもここで流れが滞り、渋滞が発生することは自明です。また強制的に車線変更させられるため事故が起こりやすくなります。

首都高5号線の熊野町JCT

川や一般道の上部の空間を利用して作られた首都高速道路は横幅に制限があるため、車線を多くしたりループ状のインターチェンジを設置したりする余裕がありません。熊野町JCTでも500メートルほどの三車線区間で5号池袋線と中央環状線が交差しています。それぞれの路線を直進したい車両も、路線をここで変える車両も全てが合流してからそれぞれの進路に分かれることになります。

 JCTの三車線区間は500メートルほどですので、制限時速60キロで走行していれば30秒ほどで通過します。この30秒の中で進路変更を終えればいいのですが、実際には速度超過の車両も多く、JCTに差し掛かるとほぼ全ての車両が一斉に進路変更を開始します。この瞬間の混沌状況は迫力があります。こんな状況で事故が起こらないはずがないと感じますが、実際に大きな事故が度々起こっています。この中でバイクが転倒すれば、死亡事故につながるのは間違いなさそうです。

 首都高速道路株式会社の方も東京SMOOTHというプロジェクトの中で事故の多い板橋・熊野町JCTと堀切・小菅JCTの4車線化工事を進めています。2017年度の完成予定だそうですので、その前に現状を記録しておこうとGoProをバイクに取り付けて両方のJCTを走ってきました。


一番混雑している時に撮影すればいいのですが、わざわざ渋滞の中を走るのも嫌なため空いている休日に走りました。JCTの雰囲気はわかるかと思います。


安全にJCTを通過するにはどうするか


 怖いJCTは通らなければいいのですが、そうもいかない時もあります。事前の準備とちょっとした注意で危険を軽減できればそれに越したことはありません。当たり前のことばかりですが簡単にまとめてみました。

JCTの車線構造を頭に入れておく


 平日日中の渋滞中や、流れが非常に早い夜間などは、手間取っているとJCT区間の500メートルが終わってしまう可能性があります。JCTに進入する前に行きたい方向に進むために最も適した車線が頭に入っていると、その後のJCTの通過がスムーズになります。首都高ドライバーズサイトのJCT・複雑なルート案内を見れば各JCTの車線情報が得られます。

板橋・熊野町JCT拡大図 首都高速道路(株)ホームページより引用

例えば5号池袋線下りをそのまま高島平方面に進みたい場合、熊野町JCT手前の急カーブにある進路変更禁止区間前に左側走行車線に入っておけば、その後進路変更を一度もしなくても希望の方向に進めることがわかります。実際にはその後中央環状線内回りから合流してくる車の列を避けるため、一番左の車線に移動していたほうがスムーズです。こんなことを事前に知っておけばより安全にJCTを通過できます。

できるだけ他車の死角に入らない


 大型車の真後ろや直前を走っているとバイクは他の車からほとんど見えません。熊野町JCTも堀切JCTも平日は大型トラックの割合が非常に高い場所です。完全にその状況を避けることは難しいのですが、できるだけ大型車とは距離をとったほうが無難です。

大型車は簡単にバイクを見えなくしてしまいます

さらに他車のバックミラーの死角にも気をつける必要があります。ドライバーが顔を向けて確認しようとしない限り、バックミラーでもルームミラーでも見えない斜め後ろが死角になります。併走する車との位置関係がこのままの状態で走っていると、ドライバーは斜め後ろのバイクの存在に気づきません。たとえ追い抜きできない状態であったとしても、バイクの位置を前後にずらしてドライバーに存在をアピールしておく必要があります。

斜め前方の車からは自分のバイクは死角になっている可能性がある

この相対位置だと相手が自分に気づいていないかもしれないと考えながら運転していれば、前方への突然の進路変更にも対応しやすくなります。

JCT進入直後ではなく後半で進路変更する


 初めて通るJCTでは様子がわからないために難しいと思いますが、何度か通過したことのある場所ではこの方法も有効です。ほとんどの車がJCT進入直後に進路を変えようとします。この進入直後の混沌とした時間を避け、他の車が落ち着いてくるJCT後半で進路を変えます。もちろん余りのんびりし過ぎて、JCT終了間際に無理やり進路変更するのはかえって危険ですが、慣れた場所では比較的安全な方法です。三十数秒のJCT通過時間が長いか短いかは、その時の心の落ち着き具合によるのではないかと思います。


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