朝晩は氷点下になるほどの寒い日が続いています。だいぶ前にパーツだけ買い集めて、そのままになっていた電熱ウェアの自作を、必要に迫られて再開することにしました。一昨年冬に購入したPOWERAGEのウィンタージャケットがなかなか良い保温性能を示していたため、なんとか電熱ウェアなしでも昨年の冬を越せましたが、今年の冬はやばそうです。
自作電熱ウェアで使用した材料はこちら
まずは一番大切な発熱素材。よく行く秋月電子八潮店をぶらついているときに見つけたシートヒーターです。少し硬めですが、縦25.5cm x 横10cmで体に装着するにはちょうど良い大きさです。消費電力が3Wと少し控えめながら、価格は一枚300円とお手頃。ジャケット用に4枚(背中に2枚、胸に2枚)使用することにしました。
秋月電子で見つけた一枚300円のシートヒーター(コネクターは変更済み) |
温度制御のためのコントローラーも同じく秋月電子で見つけたモーターのスピードコントローラーが使えそうです。7〜30Vの入力電源で5AまでのPWM制御が可能です。これで価格がなんと250円。自作品ではとてもこの価格には収まりません。
秋月電子で見つけたPWMハイパワーDCモータースピードコントローラ |
ヒーターをどのようにウェアに貼り付けるかで使い勝手が変わってきます。テストの意味合いもあるため、ウィンタージャケットに直接貼り付けるのではなく、かさばらないベストのような構造にすることを目指しました。見つけたのはこれ。100円ショップで売っていた反射ベストです。シートヒーターを貼り付けるために同じく100円でカーペット用の両面テープも購入しました。
100円の反射ベストとカーペット用の両面テープ |
配線用の電線はシートヒーターに付属していた長い電線を切って再利用。接続用のギボシ端子(オス・メス・カバー)と電源へ接続するためのDCジャックは買い置きしてあったものを使っていますが、新たに購入しても2〜3百円もあれば大丈夫です。
配線材料はシートヒータの電線の余りと手持ち部品で準備 |
PWMコントローラーの動作確認
身につけて使う発熱体の制御用ですから、ちゃんと動作確認をしてから使うことにします。12V電源とヒーターを接続した状態でPWM制御がちゃんと働くかオシロを使って確認です。
オシロと周波数カウンターでPWMの動きを確認 |
コントローラーのボリュームを「1」にセットした時の波形はこちら。142HzのPWM波形が出ています。デューティー比は30%程度ですので、一枚あたり定格3Wのヒーターを1W以下まで弱めることができます。
最弱の「1」にセットした時のPWM波形(Duty 30%程度) |
ボリュームを徐々に大きくして行くとONの時間が伸びていき、目盛り「5」の時の状態がこちら。デューティー比は80%程度です。さらにボリュームを回すとカチッと音がして100%(連続通電状態)になります。その状態でフルパワーの3Wです。
ボリュームを「5」にした時のPWM波形(Duty 80%程度) |
インナーベスト式の自作電熱ウェアを組み立て
格安なモーター用のPWMコントローラーでヒーターの発熱量を制御できることが確認できましたので、いよいよ組み立てです。100円の反射ベストの内側にシートヒーター4枚をカーペット用両面テープで貼り付けます。
カーペット用の両面テープで反射ベストにヒーターを貼り付け |
硬めのシートヒーターですので、ライディングポジションを取ったときに違和感の出ない位置にヒーターをセットします。さらに普段寒さを感じやすい場所も考慮すれば完璧です。4枚のヒーターを全て並列になるように接続してコントローラーの出力にギボシ端子で配線していけば、作業はあっという間に完了します。
3Wのシートヒータ4枚で12Wのパワーとなる自作電熱ウェア |
反射ベストの生地は網目状になっていますので、タイラップを使って電線やコントローラーをベストに仮止めしておきます。本格的なセットは実践テストが終わってからやり直します。
コード類がブラブラしないようにタイラップでベストに仮止め |
1650円で自作電熱ベスト完成
さあ完成です。一番時間がかかったのは配線コードやシートヒーターにギボシ端子を繋ぐ作業でした。ここは専用工具があれば確実で時間の節約にもなります。接続コードの準備さえ終われば後は超簡単。ヒーターの位置調整も何度でもできます。手持ち部品以外で購入したものは以下の材料で、締めて1,650円(税別)也。安い!
- シートヒーター(面状発熱体)12V 3W@秋月電子 ¥300 x 4
- PWMハイパワーDCモータースピードコントローラ@秋月電子 ¥250
- 反射ベスト@ダイソー ¥100
- カーペット用両面テープ@ダイソー ¥100
自作電熱ベストを身につけた上にウィンタージャケットを着る |
とりあえずコントローラーはベストの下からブラブラ状態ですが、丈夫そうなのでテスト期間中はこのままで行きます。気をつける必要があるのは、コントローラーの外側に電力制御用のFET(半導体部品)が裸のままで付いていることです。これが12V端子などに触れると故障しますので、テープなどで必ず絶縁しておく必要があります。3Wのシートヒーター4枚を並列に接続していますので、合計12Wになります。温度が低い時は若干消費電流が増えると秋月電子のホームページにも書いてありますが、それでも合計20Wは超えていないようです。この程度であればバイクから電力を頂戴しても大丈夫でしょう。
実際のバイク乗車でのテストに先立ち、室内で使用していますがポカポカです。最大パワーでは暑いくらい。バイクでのテストは後日、温度ロガーなども利用して数値で効果を確認したいと思います。バイク側には12Vアクセサリー端子をシート下に設置済みですので、後は寒い日にこの自作電熱ベストを着て出かけるだけです。楽しみだ〜(^ ^)
ご注意:
火傷やバイク電装系のトラブルなどの恐れがあり、全て自己責任で行っています。良い子は真似をしないでください。
火傷やバイク電装系のトラブルなどの恐れがあり、全て自己責任で行っています。良い子は真似をしないでください。
自作電熱ウェアの性能試験を実施しました
日没後の高速道路(自動車専用道)を周回しながら自作した電熱ウェアの性能試験をしてきました。最低気温が5℃を切る状況でしたので、しっかりとしたウィンタージャケットを着ていても寒さが身にしみる状況ですが、電熱ウェアのおかげで上半身だけはポカポカでした。
(2017年1月27日追記)
お世話様です。数年前から少しでも快適なバイクライフのためにと色々とヒートジャケットをと考えている時にこちらを拝見し力を頂いております。現在k国にいるので日本での部品調達は難しく中華製に頼っております。先日、USBで使用できるヒーターを入手して色々と試行錯誤中です。10cm四方のヒーターが5枚と3段階の切り替えsw付きで$15で入手できました。 虫ピンで仮止めして様子を確認し終わりました。usbの5V仕様ですがそこそこの暖かさにはなってくれるようです。つぎは仰せのようにジャケットの内側にポケットを装着予定です。
返信削除コメントありがとうございます。満足できるものを自作するのは難しいですが、それも含めてバイクの楽しみ方だと思って頑張ってます。いいものに仕上がったらぜひご紹介ください。
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