2016年7月13日水曜日

快適動画編集 「こころ旅」のような位置表示をするためのマーカーをMotion5で自作


 自転車やバイクでのツーリング風景を動画撮影しています。編集の際に、現在位置を示すため地図上にマーカー(イラスト)を合成して使っていますが、今ひとつ面白くありません。Motion5で作成した点滅エフェクトを使って自転車やバイクのイラストを点滅させてみましたが、これも今ひとつです。NHK BSで放送している火野正平の「こころ旅」で使われているような位置表示がやりたくて、Motion5に改めて取り組んでみました。「こころ旅」では火野正平のイラストが地図上を走っているかのように揺れながら移動します。類似の表示が簡単にできるよう、編集で使用しているFinal Cut Pro X (FCPX)のジェネレータ・テンプレートを作成しました。どんなイメージかは下の動画をご覧ください。



1. 先ずイラストを準備


 可愛いイラストを手書きできればいいのですが、それほどの絵心は持ち合わせていません。使用しているイラスト作成ソフトAutodesk Graphicに付属してきたアイコンから自転車とバイクを選びました。それほど大きく表示することはありませんので、縦横256ピクセルのpngファイルとして自転車とバイクの画像データを用意しました。利用時にMotion5のフィルターで簡単に色が変えられるよう、イラスト自体は白一色にしてあります。

イラストは既存のアイコンデータを流用

FCPXで編集時に好きなイラストを用意し、そこに動きをつけるだけのエフェクトとしてMotion5で作成する方法もありますが、今回は自転車とバイクのイラストも含めてFCPXから簡単に利用できるジェネレータとして作成します。


2. Motion5でFinal Cutジェネレータを作成


 Motion5を購入当初は、その豊富な機能と独特な設計思想について行けず、手も足も出ない状況でした。その後ボケ防止も兼ねてマニュアルを読み漁り、既存のエフェクトやジェネレータを解析してきたおかげで、少しずつですが実際に利用できるものが作れるようになりました。今ではFCPXを活用する上でMotion5は素晴らしいコンパニオンアプリだと感じています。

2-1. 作成開始


 Motion5初期画面でFinal Cutジェネレータを選び、画像フォーマットと継続時間を指定します。Full HD、30fpsで3秒の長さとしました。

Motion5初期画面

2-2. イラストの読み込み


 先ほど作成したイラストを読み込ませます。自転車とバイクのイラストを切り替えて使用できるようにしますが、先ずはどちらか一つだけ使用します。例では自転車のイラストを読み込ませました。

イラストの読み込み

ファイルブラウザーでファイルを指定してから「読み込む」ボタンをクリックするか、キャンバスかレイヤーリストに直接ドラッグすればOKです。

2-3. 「ランダム化」と「リグル」ビヘイビアを適用


 対象物に上下左右の細かい動きをつけるために「ランダム化」ビヘイビアを、ゆっくりとした回転動作をつけるために「リグル」ビヘイビアを適用します。これで自転車やバイクがでこぼこ道を進んでいるような動きになるはずです。

「ランダム化」と「リグル」ビヘイビアを適用

この時適用先としてイラストデータそのもの(図中のCyclingレイヤー)でも動きをつけるという意味では同じなのですが、後で追加するイラストに切り替えても同じ動きになるよう「グループ」レイヤーに対して適用します。

2-4. 好きな色に変えられるよう「カラー化」フィルタを適用


 実際に使用する時は背景に合わせてイラストの色も変化させたくなります。白一色で作成したイラストの色を変えるには「カラー化」フィルタが利用できます。ここでも「グループ」に対して適用します。

「カラー化」フィルタを適用

変な色になったかもしれません。使用時に最もよく使うであろう色に変えておきましょう。

カラー化の初期値を変更

2-5. ビヘイビアの適用対象パラメータを指定


 「ランダム化」と「リグル」が作用するパラメーターを指定します。先ずイラストの位置(XとY)を「ランダム化」で細かく動かすようにセットします。

「ランダム化」適用対象をイラストのXとYに

続いて「リグル」の適用対象をイラストの回転(Z軸)にします。これで自転車のイラストは荒れた路面を走っているように動きます。

「リグル」の適用対象をイラストの回転(Z)に

これで二つのビヘイビアがイラストに対して動きを与えるようになりました。ここで再生ボタンを押すと、実際の動きが確認できます。

再生して動きを確認

想定しているものとだいぶ動きが違うのではないかと思います。まず上下左右の動きが大きすぎるし早すぎます。でこぼこ道を走るように車体が微妙に回転するはずですが、角度が大きすぎますし前輪が持ち上がる方向にしか動いていません。これでは山道を登っているように見えてしまいます。

 ここでビヘイビアの各パラメータを調整して、望みの動きに近づけます。「適用モード」が「加算」になっていますので、「加算と減算」に変更します。これで基準値を中心にして上下に変化するようになります。続いて「ノイズ量」をゼロにします。これで細かすぎる動きを抑えます。実際に再生しながら「量」と「周波数」の値を変えてみてください。動きが変わりますので、好みの値にします。「ランダム化」と同様に「リグル」の微調整も行います。

ビヘイビアのパラメータを微調整

2-6. イラストを追加して切り替えられるようにする


 一種類のイラストしか使用しない場合は、ここは飛ばしてください。バイクと自転車のイラストをリストから選択できるようにします。最初に自転車のイラストを読み込ませたのと同じ手順で、バイクのイラストを読み込ませます。読み込むにあたって同じ「グループ」に属するように指定します。

バイクのイラストを追加

この状態では自転車とバイクのイラストが重なって見えます。Motion5の特徴的な機能である「リグ」を使用し、必要のないイラストの方を不可視(透明)にしてやります。先ずバイクの不透明度をリグ機能を使ってポップアップに割り当てます。

リグ機能を使いバイクの不透明度を制御できるようにする

続いて自転車の不透明度を先ほど作ったポップアップの中の項目として追加します。最初は新規、二個目は追加となります。

自転車の不透明度をポップアップに追加

この状態で作成した「ポップアップ」のインスペクタ/ウィジェットを覗いてみると、「スナップショット1〜3」というリスト項目が出来上がっています。最低三つのリスト項目が自動的に作られるようです。ポップアップリストの項目名を修正し、それぞれのリスト選択時のパラメータを変更します。「名称変更」を押して「スナップショット1」を「自転車」にして、「Bike.不透明度」を0%にします。これで「自転車」を選んだ時にバイクのイラストは透明になって見えなくなります。

ポップアップされるリストの名前を変え、その時の不透明度をセット

同様に「スナップショット2」の名前をバイクに変更し、自転車イラストの不透明度を0%にします。「スナップショット3」も出来てしまっていますので、その右にある「ー」ボタンを押して削除しておきます。

 ポップアップで「自転車」と「バイク」を切り替えてみてください。キャンバスに表示されるイラストが切り替わるのが確認できるはずです。最後にこの「ポップアップ」をFCPXで操作できるように公開の手続きをとります。

ポップアップをFCPX側で操作できるよう公開

2-7. FCPXテンプレートとしてのループマーカーをセット


 ここまでで長さ3秒のFCPXジェネレータ・テンプレートはできています。FCPX側でクリップの長さを変えられてもMotion5で指定したタイミング(速度)が変わらないような指定が必要です。そのためにプロジェクトループ終了マーカーをプロジェクトの終わりにセットします。タイミングパネルに表示されているプロジェクトのアウト点を右クリックするとメニューが現れますので、「マーカーを追加」を選択します。

まず普通のマーカーをプロジェクトの終了点にセット

緑色のマーカーが出来上がりますので、それを再度右クリックして現れたメニューから「マーカーの編集」を選びます。「タイプ」の選択リストから「プロジェクトループ終了」を選んで、「OK」を押せば完了です。

普通のマーカーを「プロジェクトループ終了」に変更

2-8. 必要なパラメータを追加公開


 ここまでの作業でFCPXで使用できるテンプレートはできています。あとは細かな変更をFCPX側からも行えるようにパラメータを追加公開します。色を変えられるようにする「カラー化」フィルターの「白のリマップ」、「ランダム化」の量と周波数、「リグル」の量と周波数をそれぞれ公開しました。最終的に公開されているパラメータを確認するには、「プロジェクト」レイヤーを選択した状態でインスペクタ/プロジェクトを開きます。

公開パラメータの確認とラベル・初期値の変更が可能

ラベル部分をダブルクリックすれば編集することができます。後でFCPX側から使う際にわかりやすいものに変えておきましょう。例えば「ポップアップ」となっている自転車とバイクのイラスト切り替えは「種別」としました。「ランダム化」と「リグル」の「量」や「周波数」はそれぞれ「位置」と「回転」という接頭語を付けました。ここで指定された各パラメーターの値が、FCPX側で使用されるときの初期値となります。一番よく使う値を指定しておきましょう。

2-9. 保存(公開)して作業終了


 Motion5のメインメニューから「保存」を選ぶと次の画面が現れます。FCPXから使用する際に分かりやすいテンプレート名をつけ、必要に応じてカテゴリを指定して「公開」ボタンを押して作業完了です。

分かりやすいテンプレート名を指定して公開


3. FCPXでの使用は簡単


 テンプレートにしてしまえばFCPXでの利用はいたって簡単です。必要な場所に今回作成したジェネレータ・テンプレートをドラッグします。初期値は3秒間の長さですが、必要に応じて長さを変えてやります。イラストは自転車になっていますので、バイクの場合は種別を変え、必要ならば色に変えます。通常のFCPX操作で、サイズと位置を指定してやればOKです。

FCPXでテンプレートを使用するのはいたって簡単

時間の経過とともに移動させたい場合は、FCPXのキーフレーム指定で位置や向きを変えてやります。まるで走っているかのような動きが加わって、地図上の位置表示が可能になりました。もう少し絵心があればイラストを自作したいところですが、とりあえずはこれで我慢することにします。

 こちらのリンクから実際に作成されたテンプレートのファイルをダウンロードできます。Googleドライブ経由でZIPファイルをダウンロードできますので、内容の確認やそのままテンプレートを利用したい場合などにご活用ください。

 バイク・自転車位置マーカー



2016年7月10日日曜日

だから二輪旅 旨辛のボウボウラーメンを食べて気になる長柄横穴群を見学


 自然の中を長時間走るサイクリングでは、基本的に空腹を感じた時に食事ができるようにおにぎりなどを持参しています。汗だくになる夏場などは食堂に入るのもはばかられますので、ツーリング中に地元のお店に入ることはほとんどありません。
 最近自転車でよく行くのが長柄ダム。ここを中継拠点にして、さらに気の向く方向を目指しています。ここの直売所にある「ボウボウラーメンながら」がいつも賑わっていて、一度は食べてみたいと思っていたのですが、自転車の時は我慢していました。梅雨の晴れ間にバイクを動かしてやろうと、長柄ダム方面に走りに出かけたついでに「ボウボウラーメン」初体験です。

長柄ダム直売所にあるボウボウラーメン

初めてですので念入りにメニューを眺めてみると、唐辛子や山椒の激辛ラーメンが売りのお店のようです。辛口には自信がありますがとりあえず初心者ですので、基本料金で食べられるいち押しの赤「3辛」で注文しました。

唐辛子系と山椒系それぞれ6段階の辛さが選べるようです

出てきたのは真っ赤なラー油のスープに太打ちちぢれ麺が入った担々麺風ラーメンでした。スープを口に含んでみると、辛さよりも先ずこってりとした旨味が感じられます。その後じわじわと辛さが出てくるタイプです。しばらく食べ進むと、汗と鼻水が出てくるのは激辛物を楽しんでいる時の常で、汗まみれになりながら最後まで美味しく頂きました。

全体的に赤色が目立つボウボウラーメンの3辛

3辛でこれですから最高の激辛はどんな味なのか気になりますが、多分試すことはないでしょう。誰かが食べているのを見たいところです。


穴が気になる房総の里山、今度は横穴墓を見学


 房総丘陵をバイクや自転車で走っていると、山の斜面に穴が開けられている場所を度々目にします。砂岩層で掘りやすいためか、人の手で掘られた穴はいろいろなことに使われています。以前バイクで酒蔵に行く途中見つけた穴は幅二尺、高さ五尺の二五穴と呼ばれる江戸時代に作られた灌漑用水路でした。東金近辺の下総台地と九十九里平野の間には素掘りのトンネルや切り通しがたくさんあって、そのあたりの地質が一目でわかります。高い山のない千葉県ですが、人里に近い山々は古くから色々な使い方をされてきたようです。長柄ダムの近くには国指定の史跡長柄横穴群があり、バイクで初めて訪れてみました。


サイクリングでは走ることに夢中になっていて、あまり周辺の遺跡などには寄り道しませんが、バイクなら気楽に訪問できます。県道13号を走っていると出てくる案内板に従って谷津田の道を進むと、突然資料館が目に飛び込んできました。

谷津田の中に突然現れる長柄横穴群

広い駐車場にバイクを停めて周りを見渡せば、奇妙な穴が複数開けられた岩壁が見えます。

駐車場から横穴群が見渡せます

駐車場から見えない場所にも横穴群は点在していて、古墳時代後期(7〜8世紀)作られた横穴はここだけで36基もあるそうです。

横穴群はかなりの規模で広がっています

横穴を掘って墓とした横穴墓で、特にこの地域のものは遺体を安置する場所が奥の一段高いところに設けられている「高檀式」になっていて、全国でも珍しい形式だそうです。

人が立って入れる高さの穴が掘られています

入ると奥に一段高い空間が設けられています

一段高い空間に遺体を安置

横穴の中は広く、床や天井も平らに削られていて、しっかりとした技術があったことを示しています。ちょうど人が一人寝られるくらいの枠が複数作られていました。夫婦や家族単位で葬られたんでしょうね。

複数の遺体を安置した横穴墓

車では見落としてしまいそうなちょっと面白そうなものも、バイクや自転車だと容易に気づくことができます。房総地区を二輪車で走っていると度々目にする山肌の穴、やっぱり面白い。


2016年7月8日金曜日

マウントの鬼 GoProサクションカップマウント徹底活用(バイク編)


 強力なゴムの吸盤で平らな面に固定できるGoProサクションカップマウント。エンジンの振動がうまく吸収できている自動車では、どこにつけてもブレの少ない綺麗な動画が撮影できます。しかし、バイクでは取り付けられる平面部が少ない上に、エンジンの振動がダイレクトに車体各部に伝わることが多い為、活躍する場面は多くはありませんでした。GoPro純正のサクションカップマウント(AUCMT-302)は五千円近くもする高額なマウントです。購入したからには、もう少し出番が増やせないものか考えていました。

GoPro純正のサクションカップマウントは高価

 GoPro HERO3+を購入した当時、バイク動画を撮る為にサクションカップをテストしましたが、画像のブレが想定以上に大きく評価は今ひとつ。その後ほとんど利用せずに仕舞い込んでいました。最近になってより小型軽量のGoPro HERO4 SessionやPanasonic HX-A1Hを購入。使っていなかったサクションカップマウントを再度テストしてみました。

フロントカウル正面にサクションカップで取り付けたHERO3+、ブレブレで即ボツ

 直径85mmほどの大型吸盤ですので取り付けられる場所は限られます。さらに撮影の向きや映像の水平を考えれば、バイクに取り付けられる場所はごく一部になってしまいます。HERO3+での過去のテスト結果は一旦忘れ、小型軽量になったSessionを使用して改めて取り付け可能な場所をテストしました。試したのは以下の取り付け場所です。

GoProサクションカップ + Sessionでテストした場所


進行方向をバイクの写り込みなしに撮れる場所


 バイクの写り込みなしで、前方の景色だけを撮れるカメラの取り付け場所は多くはありません。フロントカウルやウィンドスクリーンがベストであることは見ただけでわかりますが、フレームに細いステーで固定されているだけの樹脂製カウルはエンジンの振動の影響を強く受けます。そこにビニール製の吸盤を介して固定されたマウントを使用するわけですから、振動の影響から逃れることは不可能です。問題は見ていて不快に感じる影響がどれだけ出るかという点です。荒れた路面を走っている時に画面が振動で激しく揺れるのは臨場感にもつながりますので、必ずしも悪いブレではありません。では信号待ちで停止している際に、アイドリング状態で画面が周期的に歪むのはどうでしょうか?小型カメラに利用されているCMOSイメージセンサーは、周期的な振動により映像にローリングシャッターと呼ばれる歪みが出やすくなっています。走ってもいないのに画面の各部がブルブルと震えているようなローリングシャッター歪みはとても不自然です。少なくともこの歪みが出ない取付方法を探ることにしました。

フロントカウル下(結果:及第点)


 ネイキッドバイクであればヘッドライトステー取付ボルトにカメラを取り付ければ良い結果が出そうですが、バイクを買い換えるわけにもいきません。CB-1300SBのフロントカウル周りで一番安定していそうなカウルの下にサクションカップを取り付けてみました。ここは平らで、サクションカップは簡単に取り付けられます。この部分の上側(裏側)にはユピテルのバイクナビMCN46siのレーダー受信ユニットが取り付けられています。

フロントカウル下は平面で吸盤がつけやすい

実際に撮れる画像はこちらです。状況によってはブレも残っていますが、不快というほどではありません。この場所とフロントフェンダー上部からの映像は、編集を前提にしてブレの少ない部分を使用すれば十分活用できそうです。

フロントカウル下からのカメラアングル


ヘッドライト(結果:ブレブレ)


 フロントカウルの中央部に別パーツとして設けられているヘッドライトの正面も、サクションカップが取り付けやすい形状をしています。夜間は光量が落ちてしまいますので、取り付けて走行はできませんが、日中であればテスト可能です。

ヘッドライトへも取り付けやすい

結果はエンジンと路面からの両方の振動でブレブレの映像でした。ここからの動画はちょっと使う気になれない状況です。

スクリーン(結果:ブレブレ)


 スピードを出すと風の影響でブルブルと振動しているのがわかるウィンドスクリーン。ここは厳しいだろうなと思いながらも、ライダーの目線に近い位置から進行方向が撮影できる数少ない場所です。スクリーンの少し下の位置にサクションカップでSessionを取り付けてみました。

進行方向全体を撮るには絶好の位置なんですが、映像のブレが目立つ

結果は事前の予想通りブレブレの画像となりました。エンジンの振動による共振や道路の段差からくるショックで画面が大きく揺れます。もう少しなんとかならないものか眺めていたら、曲面部に貼り付けられているサクションカップの横に大きな隙間ができていることに気づきました。机などの平面部に貼り付けた場合はほとんど隙間はできませんが、曲面ではどうしてもできていまします。

サクションカップのフレームと吸盤の間に隙間ができてしまう

手で動かしてみると、この隙間ができている方向にかなりグラグラすることがわかります。ここを埋めてやればブレが小さくできないかと考えて、硬質ゴム(水道栓のパッキン)を挟んでみました。

家にあった水道栓のゴムパッキン

左右にできている隙間にこのゴムを挟み込んでみました。手で動かすと先ほどよりしっかりとしています。期待しながら走行テストをしてみました。

硬質ゴムを隙間に入れてサクションカップを固定

結果はほとんど改善されませんでした。サクションカップ部分の揺れよりも、取り付けられているウィンドスクリーンそのものの揺れの影響が大きいものと思われます。

フロントフェンダー上(結果:及第点)


 フロントフォークに取り付けられたフェンダー上部もそこそこの幅があり、なんとか吸盤がつきました。フロントフォークそのものにカメラを固定すると良好な結果が得られることは経験済みです。ただし画像の一部にタイヤが写り込んでしまうのが悩みでした。フェンダー上部に取り付ければ景色だけを撮れそうです。

ギリギリでフロントフェンダー上部にサクションカップが取り付け可能

エンジンが載っているフレームから物理的に分離されているフロントフォークですので、フロントカウル下よりもエンジンの振動に対しては強いようです。心配していた路面からのショックも、思ったほど影響は出ていません。ここも編集を前提にすれば活用できる動画が撮れそうです。

ご注意
フロントカウル下やフェンダー上部に取り付けた場合、フロントフォークが大きく沈み込んだ際にカメラが挟まれる可能性があります。カメラの落下、破損やバイクの損傷につながる恐れがありますので注意が必要です。



バイク後部ではリアフェンダーくらい(結果:合格)


 バイクの後部でサクションカップが取り付けできそうな平面部があるのはリアカウル上部くらいでした。車種によってはリアフェンダーが候補になるかもしれません。エンジンんから離れているため、あまり周期的な振動の影響は出てきません。路面の振動がどれだけ影響を及ぼすか心配でしたが、それほど不快に感じるブレは出てきませんでした。

CB-1300はリアカウルに広大な平面部があり取り付けが簡単

バイクの写り込みなしで、後方の景色がバッチリ撮れます。無線機のアンテナが邪魔ですが、撮影時だけ取り外せば問題なしです。HERO3+の時よりも軽量になったSessionの方がブレも少ないようです。ここは使えます。

無線機のアンテナが邪魔ですが後方全体が安定して撮れる


ガソリンタンク上部(結果:合格)


 タンク位置が高く、胸に迫ってくるような場所にあるSSタイプのバイクでは、この位置にカメラをセットして撮影された動画をよく目にします。比較的アップライトな運転姿勢のCB-1300ではガソリンタンク上部よりもメーターやフロントカウルの位置が高く、撮影には適さないと思っていましたが、あえてテストしてみました。

サクションカップに延長アームを使ってやっと前方が写せる状態に

サクションカップ本体だけでは高さが足りず、付属している延長アームを入れました。それでももう少し高さがあった方が前方の景色は見やすくなりそうです。

もう少し高い位置にセットしたいガソリンタンク上部からのカメラアングル

固定されているサクションカップ基部から延長アームを入れてカメラを取り付けていますので、大きなブレが出るかと心配しましたが、予想に反してかなり安定した画像が撮れました。ガソリンタンクそのものがフレームからゴムで浮いている状態です。これがサクションカップから先への振動を吸収してくれているようです。もう少し高い位置にセットした方が景色が楽しめますが、バイク走行中のワンカットとしての利用なら十分実用になりそうです。


タコメーターにサクションカップを貼り付け(結果:合格)


 サクションカップの吸盤とメーターを見比べると同じくらいの大きさです。メーターに取り付けられるかなと思い、やってみたらバッチリ固定できました。スピードメーターに貼り付けると速度がわからなくなってしまいますが、タコメーターは見えなくてもなんとかなります。

メーターの大きさにぴったりのサクションカップ

メーター周りは手で触ってもグラグラするほどの場所です。当初は全く期待していませんでしたが、実際に映像を撮ってみるとここがなかなか優秀な結果を出しました。ガソリンタンク同様、メーター取り付け部が振動を吸収をしているようです。週刊バイクTVなどで放映されるものに引けを取らない安定した映像が撮れました。運転中に頻繁に視線を送るメーターですので、ライダーを撮影するには最適の場所でしょう。

メーター付近から後方を写せば運転者も含めてバッチリ撮れる

自撮りは好みではありませんが、バイクらしさを演出するためのカットとしては撮っておいても良い映像です。編集でほんの少しだけ使えば、バイクツーリングの雰囲気が増します。

タコメーターからの画像、安定した自撮りが可能

カメラを反対に向ければ、ウィンドスクリーン越しに前方が撮れます。CB-1300SBのスクリーンは比較的濃い色に着色されているため、撮った映像は編集時にカラー調整をした方が自然になります。

前を向ければスクリーン越しに進行方向の映像が撮れます

RAMマウントなどでハンドルバーに取り付けるのと違い、ハンドルを切ってもカメラの向きは変わりません。振動の排除も結構できていて、アイドリング時に共振するようなこともありませんでした。今後活躍しそうな場所です。

ウィンドスクリーンの色が付くため、編集時にカラー調整がおすすめ


平面部が少ないヘルメットにも固定できた(結果:合格)


 普段一番よく使うヘルメットには、横にGoProの接着式カーブマウントを貼り付けたままにしています。ここにPanasonic HX-A1HやSessionを取り付ければ、出っ張りも少なく目立たずに撮影が可能ですが、他のヘルメットを使う時に一時的にカメラをセットしたい場合があります。そんな時にサクションカップが利用できれば便利ですので、試してみました。全体が丸く、デザインや風の整流のため段差が設けられている場所もあり、取り付け可能な場所は限られています。写真のヘルメットの場合は、上(頭頂部)と後ろ(後頭部)に吸盤がつきました。サイドにつけたかったのですが、段差があってくっつきません。もう少し小型のサクションカップを使用すれば、取り付け可能な場所は広がりそうです。

ヘルメットの頭頂部に取り付けたサクションカップマウント

ライダーの体に取り付ける場合はエンジンの振動の影響は出てきませんが、安全確認のため左右に視線を動かすとヘルメットも大きく揺れてしまいます。好みにもよりますが、この場所から取られた映像はサブとして使用した方が見やすいのではないかと思います。

おなじみのヘルメットからのカメラアングル


各取り付け箇所からの実画像


 GoPro HERO4 Sessionをサクションカップでバイクのテスト箇所に取り付け、実際に撮影した画像はこちらです。映像のブレの状況やカメラアングルの比較が可能です。あわせて音声の録音状況がわかるようBGMは入れてません。


必要な時だけさっと取り付けられるサクションカップマウントは、他のマウントに比べて手軽に利用可能です。もう少し利用機会を増やし、臨場感あふれるバイク動画の撮影に役立てたいと思います。