2017年12月21日木曜日

自転車で走りながらルートを組み立てる谷津道パズルは最高の脳トレ


 適度な負荷の有酸素運動が健康に良いのは疑う余地はありません。健康志向の高まりから、各地のジョギングコースやサイクリングロードは大変賑わっています。良い歳をしてロードバイクに乗り始めた我が身にとっても他人事ではありません。同じ運動をするのなら、少しでも健康面・精神面で役に立つ楽しみ方を心掛けるようになりました。

数時間も走り続けるサイクリングは典型的な有酸素運動

自分の体力に合ったペースで、数時間のサイクリングを楽しんできた日は、体も軽く夕食も美味しくいただけます。綺麗な景色を眺めながら汗を流せば、溜まったストレスも一気に発散できているようです。運動直後に牛乳をコップ一杯飲めば血液量が増加するとか、運動で骨を刺激すれば骨密度維持に役立つとか、一日中ペダルを回してふくらはぎを動かしているので第二の心臓が鍛えられるとかを信じて走っています。完全にテレビの健康番組に洗脳されているような ....σ(^_^;)


運動しながら頭を使うと脳機能が向上する?


 最近では運動機能面ばかりではなく、脳機能の維持が注目されています。「脳トレ」なる言葉とゲームソフトが流行したのは少し前ですが、今でもシニア層の関心事であることは間違いありません。体を動かしながら頭を働かせることが、脳のトレーニングとして機能の維持に有効だそうです。屋外で早歩きしながら暗算を行うことなどが、トレーニング例として紹介されています。では、サイクリングではどの程度頭を使っているのでしょう。

 車と違い、オートバイや自転車などの二輪車は走行中絶えずバランスを取る必要があります。さらに、転倒の危険が高いため、周りの状況に絶えず気を配り、安全に配慮しています。自転車で走っている間中、このことは頭の中で処理されているはずなのですが、意外に脳への負担は少ないかもしれません。慣れてくると、ほとんど意識せずに対応できるためです。

サイクリング中にどの程度頭を使っているか

走行中に、風向きや勾配の斜度、疲労度、現在時刻や日没時刻、気温などの情報を読み取り、ペース配分に反映させながら走りますので、それなりに頭を使っていますが、走行中ずっと考えているわけではありません。脳への負荷としては中くらいでしょうか。

 ロードバイクを始めた頃は、整備された大規模なサイクリングロードを中心に走っていましたが、現在では自然豊かな谷津の道を探検しながら走っています。車が少なく、色々な動植物と出会えるルートを開拓するのが楽しくて、毎回少しでも異なる道を選んで走っていますので、徐々にお気に入りの谷津道も増えてきました。

こんな快適な谷津道を探しながらサイクリング

千葉県の下総台地を中心に走り回っています。そこを流れる川の周辺に谷津地形が広がり、その中の農道が自転車で快適に走れることに気づきました。ある程度の規模がある谷津の道だけでも30箇所以上、細かいものまで含めればその何倍ものルートを走ってきました。お気に入りの谷津道30選をGoogle Earthで描いてみたのが下の図です(詳細は当記事最後にGoogleマップで紹介しています)。自宅のある船橋から、良く行く目的地に到着するまでに、これらの谷津道を複数組み合わせてバリエーションを楽しんでいます。

下総台地のお気に入り谷津道30選

出発してしばらくの間は、市街地の車道を走らざるを得ませんが、少しでも安全なルートを選び、その後は歩行者が少ない平日であればサイクリングロードを、人の多い週末は市街地の裏道を選んで郊外に向かいます。そこから先は、走行経験のある大小の谷津道をパズルのように組み合わせながら目的の場所を目指すことになります。その日の風向きや気温などでも、途中からルートを変えますので、それこそ無限の組み合わせになります。それぞれの谷津道の断片間を繋ぐルートも、危険のできるだけ少ない車道や裏道を毎回変えながら走るため、頭の中はフル回転しています(^ ^)。記憶を頼りに「ここで曲がればどこに出るんだっけ」などと自問自答しながらです。自分の走り方では、この谷津道パズルが一番頭を使っているように感じます。その証拠に、前日飲みすぎて頭の回転が悪い日には絶対に良いルートが生まれませんσ(^_^;)


寄り道・道草・道迷い どれも脳には良い刺激


 初めての場所を通る機会が増えると、思わず寄り道したくなるようなものを見つけることも増えてきます。休憩代わりにもなりますので、時間の許す限り寄り道優先で走っています。ある日、「奈良の大仏」と書かれた看板を見つけました。千葉県のど真ん中を走っているのに、「何で奈良の大仏?」との疑問が湧き、寄り道したところその地が平将門伝説の場所だと知りました。歴史の勉強にもなる寄り道サイクリングです。

千葉県の下総台地を走っていたら「奈良の大仏」の看板を発見

 自然の雑木林が多く残る谷津の道では、春先から晩秋まで食べられる木の実をたくさん見つけられます。年を追うごとに、見つけられる木の実の種類と量が増えてきました。商売でも始められそうな勢いです。イタドリからキイチゴ、ヤマボウシ、ヤマモモ、アケビ、山椒、ヤマブドウ、サルナシ、ムカゴなどなど、全部タダです。見つけた場所を記憶しておいて、翌年さらに大漁を狙うという楽しみ方をしています。谷津道パズルのルート選びの際に、季節毎の収穫場所も考慮しますのでさらに頭を使います。

サイクリング中に見つけた自然の恵み、全部タダ

 馴染みの谷津道を走っている際にも、道路が分岐している場所に出たら、時間が許す限り知らない方へ曲がるようにしています。そうすることにより、新たなルート開拓にもつながり、ますます谷津道パズルのパーツが増えることになります。

道路の分岐点では知らない方角に進む

時には知らない方角に進んで、走れないような道になってしまうこともあります。でも、車や大型バイクではなく10Kgにも満たない軽量自転車ですので、押し歩きしてさらに前進です。どうしても進めなくなったら引き返せばいいのですから。こんな荒れた道の先が、初めての面白いルートだったなんてことも結構あるため、探検サイクリングはやめられません。

走れないような荒れた道に出くわすことも多い

 気持ち良く下れそうな急坂に出くわしたら、ただ喜んで駆け下りてはいけません。帰路は必ず登りが待ち受けているからです。下りを楽しむ間も「帰りにこの勾配は登れるか?」と自問自答します。脚力も残り少なくなる帰路にこの坂は無理だと思ったら、頭の中で谷津道パズル再開です。遠回りでも勾配の緩い登りのルートを、記憶の中から探し出します。

喜んでばかりはいられない急な下り坂

 川が作った谷津地形にある道を走りますので、川沿いに進むことが多いのですが、最近はちょっと変わった新ルート開拓もしています。高速道路の側道を利用し、道路沿いに進んでみることです。東関東自動車道路を成田方面に、館山自動車道路を木更津方面に探検しながら走ってみました。途中で側道が途切れたり、アップダウンの連続だったりと一筋縄では行きませんが、地図と地形を読みながらのルート開拓は頭脳と体力フル回転です。

高速道路の側道を進んでみるのも面白い

 初めての場所を走る際に、絶えず現在位置がわかるGPSサイクルコンピューター(Edge800J)は大活躍してくれます。読図の基本は現在位置と方角の把握です。それがGPSで一挙にできてしまいますので、なくてはならない谷津道探検サイクリングのパートナーです。ただし、GPSのナビ機能は滅多に使いません。ナビしてくれるルートは車道がほとんどで、自転車がやっと通れるような谷津の道はほとんど出てこないためです。

GPSのナビは車道中心になってしまうため谷津道サイクリングには不適

Edgeシリーズではルート検索方法を「直行」にしてやれば、目的地の方向を絶えず示してくれるようになりますので、こちらの方が利用価値は高くなります。GPS機器を活用しながらも、記憶を頼りに頭の中で谷津道パズルを繰り返しながら汗を流しています。これってやっぱり運動中の脳トレに違いありません。


主観で選んだ下総台地快適谷津道30選


 国道や主要な県道は横断のみ、ロードバイクで快適に走れる谷津の中の農道か林間の舗装路という条件で、8年間下総台地を走り回って見つけたおすすめの谷津道です。アプローチの道も含めてGoogleマップにGPSデータをアップしましたので、拡大すれば詳細な道順が把握できます。あくまでも筆者の経験で選んでいますので、もっと良いルートはたくさんあると思います。皆さんで共有できたらいいですね(^ ^)

1. 手賀沼・印旛沼界隈


 沼の周辺は小さな川が多く、たくさんの谷津地形が広がっていますが、舗装されていない道も多く存在します。マウンテンバイクなどで走れば、もっと多くの場所を楽しめると思います。


2. 成田界隈


 成田空港周辺は交通量が多いため、できるだけ車道は使いたくないものです。こんな時に国道や県道と並走する谷津道は利用価値大です。飛行機を見ながら全力で走れば、気分はまるでトップガンのトムクルーズσ(^_^;) 広い九十九里浜を目指す際に、色々なルートが選べるのもこの地域の良いところです。


3. 市原・東金界隈


 東金から先は平坦な九十九里平野となり、谷津道は無くなります。牛久ー東金崖線に到るまでの丘陵地帯は変化のある楽しいルートです。国道126号(東金街道)の北側にある林間道か南側にある谷津道を使えば、車道を使わずに千葉市中心部から東金まで行けます。安全で快適です。ダム湖やため池が点在していて、それらを訪ねるサイクリングも面白いですよ〜




下総台地快適谷津道の紹介動画を鋭意製作中


 実際に走行した時のGPSログとGoPro動画や写真を使って、それぞれの谷津道の雰囲気を伝えるための動画制作に着手しました。30件もありますので、時間がかかると思いますが、出来上がったものからYouTubeで公開しています。どんなルートか知りたい場合は、ぜひ参考にしてください。(一部は過去に制作したツーリング動画をアップしてあります)

 アクセスはこちらから → 下総台地の快適谷津道紹介動画集

(2017年12月28日追記)



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