2017年10月18日水曜日

ゴムバンド固定式のEdge標準マウントをタイラップ固定式に


 サイクリング時にメインで使っているEdge 800Jの内蔵バッテリーが、だいぶくたびれてきたことから始めた「全GPS・全自転車Edgeマウント化プロジェクト」が静かに進行中です(^ ^) ロードバイク・MTB・折り畳み自転車の三台にEdge用のマウントを装着し、持っている三台のGPS(Edge 800J/eTrex 30J/eTrex SUMMIT HC)のどれでも取り付けできるようにする一大?プロジェクトです。二台のeTrexの固定部を、Edge方式に変換するアダプターも自作しました。これで、自転車の方は着脱が容易で落下事故が一度もないEdge方式マウントだけを設置すれば事足ります。自転車で使用するには、このEdge方式は大変優れた構造だと思います。


Edgeに付属してくるマウントはちょっと心細い


 ガーミンのEdgeを買うとハンドルステムマウントが付属してきます。数万円もするサイクルコンピューターですが、付属のマウントはちょっとチープで、別のものを購入して使っている人も多いようです。ゴムバンドで固定する方式ですので、力を入れるとグラグラします。使用中に落下事故などの経験はありませんが、見た目や安心感は今一つです。

Edgeに付属してくるハンドル・ステム用マウント

一番利用頻度の高いロードバイクには、REC-MOUNTSのマウントをハンドルバーに装着しています。上にEdgeを、下にGoProやライト類が取り付けられる金属製のマウントです。かなり高価でしたが、重いものを取り付けても全くぐらつかず、非常に安心して利用できます。ハンドルバーよりも前方にGPSサイコンがセットされますので、視認性が向上するという利点もあります。

金属製のEdgeマウントは安心して利用できる

全てをEdge方式のマウントに統一するというプロジェクトですので、息子のお下がりのMTBにも、余っていたサードパーティ製のEdgeマウントを取り付けました。ハンドルバーから前方に突き出した形状はREC-MOUNTSのものと同じですが、樹脂製です。重いものはマウントできませんが、eTrexシリーズ程度であれば大丈夫でしょう。

MTBに取り付けた樹脂製Edgeマウント

もう一台は折り畳み自転車です。以前はこれで1日60キロ以上の距離を走り回っていました。ロードバイクを手に入れてからは、もっぱら近所の酒屋巡り専用自転車になっていますσ(^_^;) 自作した自転車用トートバッグが、ちょうどシートポストにぴったり固定できるため、これで旨い日本酒を探して走り回っています。もちろん遠距離の房総の酒蔵巡りはオートバイで行っていますが、近所の場合は渋滞が関係ない自転車の方が早くたどり着きます。

日本酒買い出し専用になってしまったσ(^_^;)折り畳み自転車

珍しい地酒を置いている酒屋を探しながら、裏道をウロウロするためにGPSは必須です。eTrex SUMMIT HC用のマウントを付けていましたが、三台のGPSのどれでも利用できるようにするため、Edge用マウントに交換します。


ゴムバンドではなくタイラップで固定したい


 Edge用のハンドルステムマウントにはサイズの異なるゴムバンドが何本か付いてきます。その中からちょうど良い長さのものを選んで固定しますが、強くひねったりするとマウントがぐらつきます。ゴムバンドの耐候性も気になるところです。ケイデンスセンサーなどの固定方法と同じように、タイラップで固定できれば安心感が増すはずです。

ゴムバンドでステムに固定したEdge付属マウント、ちょっと頼りない

色々なサードパーティ製Edgeマウントが発売されていますが、どれも結構な値段です。折り畳み自転車ではハンドルバーの真上でも特に問題ありませんので、高価なサードパーティ製Edgeマウントを購入せず、余っているEdge付属のハンドルステムマウントが有効利用できないか考えて見ました。

 この程度の大きさであれば、3Dプリントサービスでアタッチメントを自作しても安価にできます。ゴムバンド固定式のEdge付属ハンドルステムマウントをタイラップ固定式に変換できるアタッチメントを設計してみました。

Autodesk Fusion 360で設計中のタイラップ固定式アタッチメント

シンプルな構造の方が使いやすいので、Edge付属のハンドルステムマウントの上からかぶせるだけにしました。ゴムバンドを留めるための出っ張りを、リングで押さえるだけの構造です。

小型でシンプルな構造にできたタイラップ式アタッチメント

Edge付属マウントにはめてみるとぴったりです。ゴムバンドで留めたままでも、ゴムバンドなしでも、そのまま上からアタッチメントをはめ込めば、タイラップで固定することができます。

Edge付属マウントの上からかぶせてタイラップで固定


三台の自転車全てにEdgeマウントが取り付け完了


 折り畳み自転車のハンドル中央に、このアタッチメントを利用してEdgeマウントをタイラップで固定しました。強くひねってもゴムバンドのようにぐらつくことはありません。

Edgeハンドルステムマウントをタイラップで折り畳み自転車に固定

単三電池二本を使用するため、Edgeよりも重量のあるeTrexですが、マウントがタイラップでガッチリとハンドルに固定できているので、安定して取り付けできました。

タイラップで固定したEdgeハンドルステムマウントにeTrex SUMMIT HCがしっかりセットできた

これで自分用の三台の自転車どれにでも、三台のガーミンGPSの好きなものを取り付けることができるようになりました(^ ^)/ メインで使っているEdge 800Jのバッテリー持続時間が心細くなっているので、長距離を走る場合にはeTrex 30Jを、地図の見易いeTrex SUMMIT HCは近所の酒屋巡りにと、便利に使い分けができそうです。

三種のGPSを自由に選んで、三台の自転車で利用可能になった

アウトドア専用のeTrex SUMMIT HCにはケイデンスや心拍センサー接続機能がありませんし、サイクリングも考慮されているeTrex 30Jでも温度センサーは内蔵されていません。夏場には気温を計測しながら走行することも多いため、その場合はEdge 800Jを使用する予定です。TPOに合わせたGPSデバイスが簡単に利用可能になりました。ますます便利になった自転車用GPS利用環境で、さらに快適な自転車生活が送れそうです(^ ^)


DMM.makeクリエイターズマーケットから入手可能です


 こちらで紹介している自作アタッチメントは3DプリントサービスのDMM.makeクリエイターズマーケット「GARMIN Edge付属のハンドルステムマウントをタイラップ固定式にするアタッチメント」から入手可能です。白以外の色も選べますので、黒にすれば目立たなくなります(追加費用がかかるのが玉に瑕ですが....)。Edge付属のハンドルステムマウントが余っている方は是非一度ご検討ください。



2017年10月17日火曜日

3Dプリントサービスの料金をできるだけ節約する方法


 市販品では満足できない自分仕様のものを、CADソフトを使って自分で設計し、3Dプリンターで造形するようになってからだいぶ経ちます。実質無料で使える高機能なAutodesk Fusion 360を知ってからは、かなり複雑なものも作れるようになりました。材料の選択肢が広く、精度の高い造形物が作れるため、外部の3Dプリントサービスを利用しています。使用できる材料が限定される個人用の3Dプリンターは持っていません。安価な割に十分な強度と適度な靭性があり、耐熱性・耐候性に優れたナイロン素材が最もお気に入りですが、個人用の3Dプリンターでこの素材が扱えるものはほとんどありません。3DプリントサービスのDMM.makeでナイロン素材を使って作品作りをしています。


アクションカメラ用のマウントや電子工作用ケースを作成


 3Dプリンターで何かを作る場合、使用する材料や大きさによってはとんでもない費用になってしまいます。さらに、形状によっては精度や強度が出ない場合もあり、なんでもかんでも3Dプリンターで、という訳にはいきません。今まで作成してきたものは、ほとんどが手のひらに乗るくらいの小さなものばかりです。それよりも大きなものは、板金加工をしたり、パイプやアングルをカットして使ったり、削り出し加工したものを利用した方が向いているようです。

色々3Dプリントしてきたが、大きさは手のひらに乗るくらいのものばかり

主に、GoProなどのアクションカメラ用の特殊仕様マウントや、電子工作で使用するケース類を設計・製作してきました。届いたものがサイズが合わずに利用できなかったという経験は今まで一度もありませんd( ̄  ̄) ただし、実際に使ってみて「これはいい」と思えるものばかりではありません。設計変更して作り直したものありますし、そのまま死蔵されている作品もありますσ(^_^;)


おすすめできるものはクリエイターズマーケットに出品


 市販品にはないものを作っていますので、自分でしばらく使ってみて、これは他の人にもおすすめできると感じたものは積極的にDMM.makeのクリエイターズマーケットに出品するようにしています。売られていないものですから、それほど一般的なニーズがあるわけではないでしょうが、自分以外にたった一人でも欲しいと思ってくれる人がいれば、それでOKです。コストのかかる金型を準備するわけでもありませんし、流通のための固定費がかかるわけでもありません。求められた時に一つだけ作って届けることのできる仕組みですので、躊躇せずに出品しています。

DMM.makeのクリエイターズマーケットに出品した創作物

当ブログにて自作品の使用レポートなども紹介しているためか、おかげさまでポツリポツリとご利用いただいています。自分のニーズで設計したものが、他の方のお役に立てるのは嬉しい限りです。


市販品に負けない費用にするのは設計者の責任


 一個単位でしか作られない3Dプリント造形物ですが、試作・評価が目的ではなく実用するためのものですから、同等の機能を持つ市販品に負けない価格を実現する必要があります。3Dプリントを利用し始めた頃は、大量生産品に敵うわけがないと思っていましたが、実際に作り始めてみるとそうでもありません。市販品はある程度の汎用性を持たせて、広いユーザーニーズに対応しようとしていますが、3Dプリントでは仕様を限定することで、造形にかかる費用を抑えることが可能です。別の仕様のものが必要になったら、改めて設計を修正すれば済むことです。経験を重ねるうちに、3Dプリントサービスの費用を抑えるコツが見えてきました。素人が公開している作品を購入する立場に立てば、実績もないのに類似の市販品よりも高価なものは買う気になれないと思います。できるだけ安価にするのは設計者の責任だと肝に命じて設計しています。

・部品の配置を工夫して全体のサイズを抑える


 利用している3Dプリント方式は、粉末状のナイロン素材をレーザーで焼き固めて造形するものです。この方式で出来上がったものは表面がざらついていて、精度はそれほど高くはありませんが、適度な強度と靭性のある造形物になります。しなりが必要なはめ込み構造や、板バネのような形状も実現できますし、タッピングビスによる固定も可能です。耐熱性と耐候性がありますので屋外でも使えます。何より3Dプリントサービスの中では一番安価な素材です。さらに、プリント時にサポート材が不要ですので、かなり自由に造形物を配置することができます。

 二台目のアクションカメラとしてPanasonic HX-A1Hを選びましたが、メーカー純正のものやサードパーティ製の市販マウントアダプターはカメラの末端で固定する形状で、オートバイにマウントするともろに振動の影響を受けてしまいました。カメラ中央部で固定できるマウントを設計・製作してみたところ、振動に対して大幅に強くなりました。さらに、落下防止とレンズ面保護のために追加したキャップ部が、マイクの風除け効果もあり、とても目立つウィンドジャマーも不要になりました。

Panasonic HX-A1H用のマウントアダプター、二つの部分からなる

二つのパーツかならなるこのマウントアダプターを設計し、3Dプリントサービスに造形依頼する際は、パーツ同士がくっつかないように適度に間を開けて、下図の左のような状態でデータを送りました。

パーツの配置を変えただけで費用が大幅に削減できた

この状態の料金が当たり前だと思っていましたが、その後サポート材が不要な3Dプリント方式の場合、かなり複雑に重ねても大丈夫だと知り、キャップ部の上下を入れ替え、ホルダー内の空白部に出っ張りを潜り込ませてみました。3Dプリントサービスの仕様では、0.5mm以上の間隔があれば、くっつかずに造形できます。この変更で造形時の外形容積が約35%減少し、料金は何と43%も減りました(^ ^) 造形物が置かれていない空白の部分に、別のパーツを上手く入れて、全体の容積を減らすことが費用削減になります。設計時にはそこまでの考慮はできませんが、複数パーツで構成されるものの設計が完了したら、発注前にパズルのようにそれぞれのパーツを動かして、外形サイズが一番小さくなるようにしています。ただし、X/Y/Z軸それぞれで印刷時の誤差が微妙に異なる可能性がありますので、はめ込み部分などのように同一誤差を前提としている部分は、軸が変わらないように配置を考慮する必要があると思います。

・小さなものは複数を組み合わせて発注


 作成した3Dデータ(STL形式)を送れば、あとは一週間ほどで丁寧に梱包された作品が宅配便で届けられます。一番安価な材料を使い、手のひらに乗る小さなものを発注していますので、料金はいつも800円から3,000円くらいです。この料金には梱包や配送料も含まれていますので、決して高いとは思いません。この料金で一台数千万円もするナイロン粉末焼結式3Dプリンターが使えるのですから。

どんなに小さなものを注文してもこの程度の大きさの箱で送られてくる

小さなものも丁寧に梱包され、ある程度の大きさの箱に入れられてきます。決まったサイズの箱を使った方が手間が少ないのでしょうね。箱を開けるといつもスカスカです。

造形物が小さいので箱の中はスカスカ

宅配便ですから少なくとも数百円の運賃がかかるはずです。一番小さなものを注文した時には送料を含めて税込600円ちょっとでしたから、小さなものは個別に注文するのではなく、ある程度まとめて一度に発注した方が固定費部分が削減できるはずです。

小さなものはまとめた方が固定費部分を節約できる

複数個あっても困らない、Edgeマウントをタイラップ固定式にするアダプターを発注するにあたり、試しに一個と二個のケースで見積もってみました。二個に増やしても料金は約1.36倍にしかなりませんので、やはりまとめた方がお得なようです。さらに造形の際の向きが関係ないか試してみましたが、これは料金とは関係ないようでした。

 一つの注文の中に複数の作品を入れることについては「注文をお断りすることがあります」と注意書きがありましたが、データを見ただけでは別のものを無理に組み合わせたものかどうかわからないと思います。節度は必要ですが、あまり小さなものを別々に発注して、宅配業者をいたずらに多忙にさせては申し訳ありませんので、ある程度まとめるようにしています。


最新の作品は「eTrexマウントアダプター」


 サイクリングで使用しているEdge 800Jのバッテリーが、そろそろ寿命のようで、8時間程度で電池切れの警告が出るようになっていました。別のGPSとして、登山用にeTrexを二台(30JとSUMMIT HC)持っているのですが、マウント部分の形状がEdgeとは全く異なります。取り付けるためには別のマウントを用意しなければなりませんが、走る時間に合わせて使い分けたいと思っています。そうするとハンドルバーにも複数のマウントを取り付けたままにしておかねばならず、スマートではありません。複数台の自転車でこの三台のGPSを自由に使おうと思ったら、三種のマウントを自転車の台数分購入しなければなりませんので、それもあり得ません。

タイプの異なる三台のGPSマウント部を全てEdge方式に統一

現在メインのロードバイクに取り付け済みのEdgeタイプマウントに統一してしまいます。二台のeTrexには変換用のマウントアダプターを作成して、Edgeと同じ形状にしてしまえば自転車側のマウントは一種類で済みます。

eTrex 30Jに取り付けた自作変換アダプター

eTrex SUMMIT HCに取り付けた自作変換アダプター

市販品にも同じ機能を持ったものがありますが、きつ過ぎて一度はめたら外れないとか、ツメが折れたとか、走行中GPSが落下した等々あまり評価が良くありません。さらに2千円前後の値段で売られています。3Dプリントサービスで自作したものはサイズを可能な限り小さくしましたので、市販品よりも安価に作ることができました。これで三台のGPSをどの自転車にも装着可能です(^ ^)/ 「eTrexをEdgeマウントに装着可能なアダプター二種を出品」ページで詳しく説明していますので、興味のある方はご検討ください。



2017年10月15日日曜日

谷津道探検サイクリング 自然の恵みを楽しみながら里山探検


 サイクリングロードを離れて、谷津の道を探検しながらサイクリングするようになってからだいぶ経ちます。だんだんと距離が伸び、自然豊かな里山にも入り込むようになりました。自宅のある船橋から谷津道を探しながら走っていると、自然と千葉県中央部に広がる下総台地を訪れることが多くなります。


走行中に見つかる自然の恵み


 春から秋にかけての里山には色々な自然の恵みが溢れています。畑や宅地のために里山も開発が進んでいますが、それでもポツリポツリと手付かずの樹林が残されています。その脇を自転車で走っていると、期せずして赤や黄、紫などの美味しそうに色づいた果実を発見することがあります。見つける度に自転車を止めて貪っているものですから、ちっとも前に進みません

いかにも自然の恵みが見つかりそうな谷津の道

クサイチゴやナワシロイチゴは足元で、低木のモミジイチゴは道路脇の斜面でよく見つかります。自転車の走行中でも気づきますので、簡単に楽しめます。アケビは木の高い場所に生っていることが多く、見つけるのが難しいのですが、何度も里山を走っていると、比較的採りやすい場所の実を見つけられます。公園や車道横に植樹されることの多いヤマモモなどは、里山よりも家の近所の方がよく見つかります。これらはサイクリング中に誰にでも見つけられる自然の恵みとも言えますね(^ ^)

比較的見つけやすい里山の恵み

今年もまたサイクリングをしながら自然の恵みを堪能しています。探検しながら谷津の新しいルートを開拓していますので、見つかる自然の恵みも種類が増えてきました。簡単に見つかる自然の恵みについてはすでに何度もご紹介していますので、今回はちょっと変わったものや採るのが難しいものをまとめた上級編?です。里山の自然の恵みといえば、キノコや山菜、サワガニなどもありますが、自転車で走りながら見つけられるものではありませんので、ここでは取り上げていません。


手の届く場所のアケビ(9〜10月)を見つける方法


 アケビは蔓性の植物で、木に絡みついて育ちます。高い木の上に生っている実は、高枝バサミのようなものがないとおいそれとは採れません。サイクリングに行くのに高枝バサミを持って走る人はいない(本当は持って走りたい)でしょうから、手の届く場所に生っているものを探さなければなりません。そのためには二年がかりで場所を絞り込みます。一年目は、アケビの季節がそろそろ終わりを告げる10月から11月頃に、路上に落ちているアケビの実を探します。

秋の終わりに路上に落ちているアケビを探す

路上に実が落ちているということは、その上にアケビが生っていたということですから、頭上を注意深く探してみます。手の届きそうな場所にアケビの実が残っていたり、蔓が絡みついていれば、その場所をチェックしておいて、翌年9月頃に再び訪れて熟したアケビを楽しみます。

 農道の片側が林になっているような場所も狙い目です。農道側にはみ出してくる藪が毎年刈り取られますので、奥にあったアケビの蔓が道路脇にむき出しになっていることがあります。こんな場所なら道具がなくても採り放題で楽しめます。ただしこのような場所は、次の年にはなくなっていることも多く、毎年同じ場所で必ず見つかる保証はありません。

藪の手入れでアケビの蔓がむき出しになっている場所もある


アケビにそっくりなムベの実を発見(9〜10月)


 実の形はどう見てもアケビなのに、葉っぱの形が違う蔓性の植物を見つけました。調べてみると郁子(ムベ)というそうです。熟してもアケビのように口は開きませんが、種の周りの果肉だけを食べるのはアケビと同じです。

葉の形がアケビと違うムベの実


小粒でピリリと辛いサンショウも見つけた(9月)


 調味料として有名な山椒も谷津道を走っている時に見つけました。完熟した実の皮をすり潰せば普段目にする調味料になりますが、生の実を佃煮にしたり葉の若い部分を薬味に使ったりできます。一粒食べてみましたが、正真正銘の山椒の味がしました(^ ^)

意外に身近な場所に自生している山椒


採る人が少ないので採り放題のヤマボウシ(8〜9月)


 ヤマモモ同様、街路樹や庭木として植樹されることが多いのが山法師(ヤマボウシ)の木です。この木も秋になると食べられる木の実をたくさんつけます。街中で実を採っている人を見かけたことがないくらい、誰も相手にしない実ですが、結構いけます。

びっしりと実をつけるヤマボウシ

派手なサイクリングジャージを着て、車道脇や公園のヤマボウシを採って食べていたらかなり目立ちます。できれば里山に自生している木を狙ったほうが恥ずかしくありませんσ(^_^;)


下総台地ではあまり見かけないクコの実(10月)


 地域によってはキイチゴと同じくらい馴染みの植物のようですが、下総台地のよく走るルートではあまり見かけないのがクコの実です。意識して探してみると、何箇所かで見つけることができました。生で食べるよりも、干したものが有名ですね。

探せば見つかるクコの実


初めて見つけたヤマブドウ(9〜10月)


 高い場所にある大きなアケビの実を見つけて、藪の中で四苦八苦している最中にヤマブドウを見つけました。葉の形がどう見てもぶどうの仲間とは異なる三角形だったため、実を口にするのがためらわれましたが、「ええい、ままよ!」とばかりに食べてみると正真正銘ブドウの味がします。帰宅後に調べてみるとサンカクヅルというヤマブドウの仲間だとわかりました。

サンカクヅルというヤマブドウの仲間を発見

藪の中にかなり広範囲に広がっていたので、結構な量を収穫できそうですが、自転車では持ち帰れません。たくさん採ってヤマブドウ酒を作りたいと思っています。


春先にはクレソンもいい(3月)


 谷津を流れる水の綺麗な小川にクレソンが自生していました。そのまま食べても美味しいものではありませんが、ビニール袋に入れて持ち帰ればサラダや付け合わせに大助かりです。

小川にびっしりと自生しているクレソン


木ノ実が終わる頃に楽しめるムカゴ(10〜11月)


 10月も後半になってくると、木ノ実はほとんどが終わってしまいます。本格的に寒くなる前に、最後にムカゴが楽しめます。山芋の肉芽ですので、そのまま生で食べてみると、しっかりと山芋の味がします。至る所で見つかりますので、たっぷり採ってムカゴご飯や、茹でて塩をまぶして酒の肴にします。帰宅後の酒の肴まで採れるのですから、まさに一石二鳥の谷津道探検サイクリングです。

どんな場所でも見つかるムカゴ


その場では食べられないが藤の実もいける(9月)


 生では食べられません(有毒です)が、しっかりと煎れば美味しく食べられるのが藤(フジ)の実です。これも至る所で見つかりますので、探す手間はかかりません。豆類は多かれ少なかれ生は有毒で、お腹を壊します。必ず熱を加えてから食べましょう。採る人はほとんどいないようで、走っていると必ず目に入ります。日当たりの良い場所で4〜5月に綺麗な紫色の花を咲かせますので、その場所を覚えておけばいくらでも採れますが、食べ過ぎは良くないようです。

そこら中で見つかる藤の実


グミに似ているけどこれは何?(5月)


 まだ木ノ実が少ない5月頃に、赤い色が目立っている木を見つけました。実の形はグミにそっくりですが、葉の形が知っているものと異なります。調べて見ましたがわかりませんでしたので、今年は口に入れるのを見送りました。何でもかんでも口に入れてしまうのも怖いので、もう少し調べてから挑戦します。

グミに似た木ノ実、食べられる?


こんなサイクリング中の自然の恵みもあり?


 谷津の中の農道を走らせてもらうので、農家の脇でこんなものを見つけることもあります。これだって立派な自然の恵みですよね。ありがたいのですが、とてもロードバイクで持ち帰れる大きさではありません。もう少し小さいものもお願いしま〜す。

農家の脇で見つけた冬瓜、美味しそうだが大き過ぎて持ち帰れない(T . T)


下総台地サイクリングで見つけた自然の恵みマップ大公開


 下総台地の里山で発見し、実際に食べてみた自然の恵みを採った場所をGoogleマップで大公開します。地図を拡大表示すれば正確な場所がわかりますので、興味のある方は是非探してみてください。ただし、食べるのは自己責任でお願いします。今の所、食中毒になったりお腹を壊したりという経験はありませんが、図示されたポイント近辺で見つかる全てのものが安全だとは限りませんのでご注意をσ(^_^;)


 自宅から自転車で2〜3時間の場所に、こんなにも色々な自然の恵みがあることを知って、ますますサイクリングが楽しくなりました。車道や整備されたサイクリングロードを使わないので、距離は伸びますが、自然の中を快適に走り回れます。未舗装路には向かないロードバイクですが、谷津の中の農道を選んで走ればダートにはほとんど行き当たりません。さらに、農繁期以外は誰もいない道を独り占めにして走れます。やっぱり谷津道探検サイクリングは超快適です(^ ^)/



手賀沼の近くでサルナシを見つけた!


 やっと太陽が顔をのぞかせ、十日ぶりに自転車に乗れました。午後から手賀沼付近の農道を探検していたら、サルナシを見つけました。小さなキウイフルーツのような木ノ実です。名前の通り猿の大好物らしいですが、クマなども大量に食べるそうです。さすがに手賀沼付近にクマはいないでしょうが、猿に先を越されないように次の晴れの日にもう一度行ってたっぷり食べてこようと思います(^ ^) 秋は自然の恵みがいっぱいで超嬉しいです。

初めて見つけたサルナシの実

(2017年10月18日追記)



2017年10月12日木曜日

快適自転車生活 ロービームも格安中華ライトにしたら明るさ抜群


 日没が早くなり、遠出した帰りに夜間走行になることが増えてきました。配光特性の優れたメーカー製の自転車用ライトをロービームとして使い、格安なのに爆光の中華ライトをハイビームとしてオン・オフさせながら真っ暗な道を走るようになりました。ロービームとして使っているDOSUN A1が古いモデルで、200ルーメンの光量しかありません。ハイビーム用の格安中華ライトが1200ルーメンもあるため、ハイとローの明るさに差があり過ぎます。ハイからローに切り替えた瞬間、一気に視界が狭くなってしまいます。

ロービームとハイビームの明るさに差があり過ぎる現在のシステム


明るいロービームが欲しいので中華ライトの配光を調整


 歩行者や対向車を眩惑しない配光特性を持ちながら、もう少し明るいライトを探して見ましたが手頃なものが見つかりません。ハイビームとして使用している中華ライトを追加購入し、リフレクターやレンズ面に色々と手を加えて配光特性を調整してみましたが、なかなかこれだという状態にすることができません。価格が安いので、Amazonで面白そうな高輝度ライトを見つけるたびにポチってしまう悪い癖がついてしまいましたσ(^_^;) いつの間にか三連LEDタイプの中華ライトも購入していましたので、LEDが一個のものと三個のものにアルミの庇(ひさし)を取り付けて配光を調整し、室内で壁に当ててパターンを確認してみました。

タイプの異なるLEDライトに庇をつけて配光パターンをチェック

円形のLED一個のタイプには、ビールのアルミ缶を切って、ホースバンドで固定しました。明るい中心部を取り囲むように上方の光がカットされています。もう一方の三連LEDライトは、上部が平らな形状を活かして、カットしたアルミ板をダブルクリップで固定しています。庇部を下向きに折り曲げて、上方への光の漏れを調整します。LED一個の方が中心部が明るく、全体的な光量が大きく見えていますが、三連LEDは中心部と周辺の明るさの差が少なくなっています。

 この状態のLEDライトを屋外に持ち出し、実際の夜間走行時にテストしてみました。ロービームとしてのテストですので、上方への光がスパッとカットされているかどうか、照射された路面やその周辺が見やすいかどうかを確認します。

庇をつけてロービーム化した中華ライトの実走行時の見え方

どちらの中華ライトも200ルーメンのDOSUN A1に比べればはるかに明るく路面を照射しますが、LED一個の方は中心部の明るさが目立ち過ぎて、その周辺が見えにくくなっていました。独立したリフレクターを持つ三つのLEDが光を照射するタイプの方が、明るさにムラがなく、路面とその周辺ははるかに見やすいという結果となりました。

 ロービームとして重要なのは一定の高さより上方に光が漏れないように配光し、歩行者や対向車が眩しくない程度に光軸を下げることです。ロービームに調整した三連LEDライトに向かって遠方から近付いてみましたが、直接目に入る光はなく、ロービームとして十分実用になると感じました。

ライトを正面に見て近づいても眩しくない


ロービーム化した中華ライトは満足できる性能を発揮


 この三連LEDをロービームにしたシステムで、真っ暗な農道から住宅地、国道沿いまで二時間ほど走行してきました。本当かどうかわかりませんが、最高輝度が1800ルーメンもあるため、1200ルーメンのハイビームとのバランスを考慮して、Hi/Mid/Lowの光量選択からMidを選んで使っています。それでも、今まで使用していたDOSUN A1の200ルーメンより2〜3倍は明るそうです。DOSUN A1の時には路面に暗い部分ができていましたが、このライトでは均一に路面を照らしてくれるため、死角が減ります。

ロービームとハイビームの明暗差が少なくなり、走りやすくなった

国道を走る車に当たった光を見れば、心配していた光軸もなんとか想定していたパターンに収まっていることがわかります。車道の横断時や車・歩行者とのすれ違い時に、瞬時にハイビームを消灯し、ロービームに切り替えることができるため、思いっきり明るいハイビームでも安心して走行できます。

このロービームパターンなら対向車に迷惑をかけずに済みそう

さらに想定していなかったメリットもありました。ライト上部に取り付けたアルミ板の庇が光の一部を下方に反射しているようで、自転車の前輪周辺が明るくなりました。走行時や停止時に足元が明るく見えるのは大変安心感があります。

自転車の前輪周辺が明るくなるというおまけも付いてきた


システムとしての完成までにはまだまだ工夫が必要


 格安で明るい中華ライトを二つ使用して、自転車ライトとしての高い性能を実現できました。街灯もなく、月明かりも無いような漆黒の闇の中を走ることも可能な性能を持っています。日の短いこれからの季節でも、安心して遠出が楽しめます。ただし、まだまだ改良すべき部分は残っています。

・バッテリーの持続時間は?


 バッテリーは格安中華ライトにおまけでついてきたLi-ion充電池です。8000mAhの容量と書いてありましたが、中華製の充電池の容量はほとんどの場合???です。Hiの状態で点灯させているハイビームとMidのロービームに一つのバッテリーから電力供給しています。実測で2A程度の電流が流れていましたので、容量8000mAhが本当だとすると、四時間程度連続で使用できる計算になります。実際には何度か使ってみて、バッテリーの性能を確認しなければなりませんが、二時間程度と思っておいた方が間違いはなさそうです。

出来上がったハイ・ロービームシステム全体

・セッティングに時間がかかる


 上の写真にある中華ライト二つと手元スイッチをハンドルバーにセットし、コードを分配ボックスに接続します。分配ボックスとバッテリーを接続すれば配線は完了ですが、バッテリーと分配ボックスをしまっておく場所が必要です。バッテリーもライトもそれなりに重たいので、明るいうちはツールボックスに入れてボトルケージにセットして走っています。当初、ウェストバッグに入れていましたが、時間が経つと重みで腰が痛くなってしまいました。夏場はダブルボトルで水を切らさないようにしていますが、冬場なら水ボトルは一本で大丈夫です。余ったケージにバッテリーとライト一式を詰め込んだツールボックスを載せます。ライトのセッティング時に水ボトルを後方のケージに移し、ツールボックスを前方に持ってきてから電源コードを接続します。

バッテリーや分配ボックスはツールケースに入れてボトルケージへ

日が暮れてからこれらのセッティング作業をしますので、5分以上かかってしまいます。もっと短時間でセットできるように工夫が必要です。

・振動でライトの角度が変わってしまう


 ハイビームはともかく、ロービームは取り付け角度が非常に重要です。現在は三連LEDライトに付属してきたゴムバンドでハンドルに固定していますが、振動が続くとずれてきます。ロービームの光軸が勝手に変わってしまっては意味がありませんので、この取り付け方法は見直しが必要です。


実際の夜間走行時の映像はこちら


 明るくなったロービームを使って実際に夜の谷津道を走った時の動画はこちらです。GoProの感度が人の目に近いのか、走行中に目にした状態がかなり忠実に再現されていますので、参考になると思います。




2017年10月11日水曜日

マウントの鬼 電池交換可能なeTrexをEdgeマウントに取り付けたい


 登山用に最初に購入したハンディGPSはガーミンのeTrex SUMMIT HC(英語版)です。GPSからの電波を使用して現在の位置を地図上に表示し、気圧式高度計によりある程度正確な標高もわかりますので、登山中のルート確認が素早く正確に行えるようになりました。帰宅後に歩行ルートを確認をしたり、行動時間の確認をしたりすることも簡単に行えます。あまりの便利さに、登山にはなくてはならない装備の一つとなっていました。もちろん電池切れなどのトラブルに備えて紙の地図も必ず持参しますが、ほとんどの場合ハンディGPSだけで事足ります。その後、ロードバイクに乗り始め、サイコンの代わりに登山用のGPSをハンドルバーに取り付けて走っていたところ、二年ほどで瞬断頻発というトラブルに見舞われてしまいました。仕方がないので、自転車用にガーミンのEdge800Jを、登山用にeTrex30Jを購入して現在に至っています。

サイクリング用と登山用に買い揃えたガーミンのGPS

その後、壊れたと思ったSUMMIT HCを分解してみたら、不良箇所が判明し修理できました。現在、使えるガーミンのGPSデバイスが三つも揃っています。


Edge800Jのバッテリーがそろそろ寿命


 サイクリングで使用しているEdge800Jも購入してからそろそろ6年になります。内蔵バッテリーで連続15時間稼働できる仕様になっていますが、だいぶ劣化が進んできたようで、8時間前後でローバッテリーの警告が出るようになりました。日没後の走行が増えるこれからの季節は、バックライトを点灯しますので、さらに稼働時間が短くなります。ユーザーが内蔵バッテリーを交換できるような設計になっていませんので、自己責任で分解して交換するしかありません。一方、登山用のハンディGPSは単三電池を二本使用します。SUMMIT HCが連続14時間、eTrex30Jが連続25時間も稼働可能になっていますし、電池を交換すればずっと使い続けられます。ネットで調べてみると、長時間走り続けるブルベの参加者には、電池交換可能なeTrexユーザーが多いことがわかりました。

電池交換可能なGPSを自転車に取り付けたい

せっかく持っている複数のGPSですので、TPOに合わせて別のものを使ったり、家にある別の自転車に簡単に付け替えて活用したくなりました。


同じガーミンの製品なのにマウントがバラバラ


 複数の自転車に三台のGPSの中から好きなものを取り付けられるようにしたいのですが、問題はマウントがバラバラなことです。用途の異なるGPSの場合、最適なマウント方法が異なるのは仕方のないことですが、同じアウトドア用のSUMMIT HCとeTrex 30Jでも異なります。

同じガーミン製品でもマウント方法が全く異なる

マウントの固定方法もネジ止め、タイラップ、ゴムバンドなどバラバラです。タイラップやネジ止め式では気軽にマウントを脱着できません。

形状ばかりではなく固定方法もバラバラのマウント

どれでも取り付け可能にするためには、自転車側に複数のマウントを設けなければなりませんが、それでなくてもゴチャゴチャしがちなハンドル周りです。さらに複数の自転車で同じことをしようと思ったら、マウントの購入費用だけでもバカになりません。この方法はあり得ませんね。

EdgeとeTrexの両方が取り付けられるようにするには、二つのマウントが必要

ロードバイクに取り付けているEdge800Jのマウントは、ワンタッチで取り付け可能な上に、一度も落下事故のない実績を持っています。特殊な形状をしていますが、上手い設計だと思います。

ワンタッチで取り付けられるガーミンEdge用のマウントは良くできている


Edge用マウントに統一してしまえ


 一番良く乗るロードバイクに取り付け済みのEdge用マウントを標準にして、形状の異なる登山用GPSにはアダプターを用意することにしました。GoProなどのカメラマウントを3Dプリンターで自作したり、市販品で満足できないバイクナビのマウントを自作して実際に利用しています。「マウントの鬼」を自称していますので、今回も自分仕様のマウントアダプターをデザインしてみました。使用したCADソフトはいつものAutodesk Fusion360です。

Autodesk Fusion360で設計したSUMMIT HC用のマウントアダプター

eTrex SUMMIT HCは裏蓋に固定用パーツをネジ止めする仕組みです。ネジがインチ仕様の特殊なもののようで、新たに用意できなかったため、ガーミン純正の固定用パーツから外して流用しました。

固定用パーツのネジを外して流用

DMM.makeで3Dプリントしてもらったものをはめてみるとぴったりです。この瞬間がたまらなく快感です。見事、SUMMIT HCの取り付け部がEdge800Jと同じになりました。

3Dプリントされたアダプターを取り付けたeTrex SUMMIT HC

同様にeTrex30J用のアダプターも設計・製作しました。GPS本体の背面が湾曲しており、さらにネジなどを使用しないため、設計はかなり複雑です。同機能の市販品も見つけましたが、あまり評価がよろしくありません。きつくて一度はめたら外せないとか、落下したとか、爪が折れた等々、購入するのがためらわれます。今回は試作品で、実際に装着してみて設計を修正するつもりで作業を進めました。

Autodesk Fusion360で設計したeTrex30J用のマウントアダプター

出来上がったアダプターを装着してみたのが下の写真です。市販品では本体下方の凹部に爪を引っ掛けて固定するようになっていますが、本体裏が微妙な曲面になっているため、ぴったりと密着せず、取り付け後もガタガタします。振動の多い自転車に取り付ける場合、ガタガタが残っていると、振動でGPSが故障しやすくなることは経験済みです。GPS本体とアダプターが密着するように設計してあります。裏蓋の曲面の影響をできるだけ受けないように、アダプターの長さを極力短くしました。

3Dプリントされたアダプターを取り付けたeTrex30J

固定のために設けられた裏蓋のレールは上半分ほどにしかつけられていませんので、アダプターの長さがこの程度でも十分な強度があるはずです。


Edge用マウントにはめてみたらピッタリ


 これで持っている三台のGPSは全て同じEdgeマウント方式になりました。いよいよロードバイクに設置済みのEdgeマウントにはめてみます。出来上がったばかりのアダプターには、まだ3Dプリント時のバリが残っていますので、多少きつめですが、しっかりと固定できました。取り付け、取り外しもひねるだけのワンタッチで行えます。意図した通りの動きを見て、嬉しさのあまり声をあげてしまいました。

三つのGPSが同じEdge用マウントにしっかりと取り付けできた

単三電池二本を使用するeTrexシリーズはEdgeに比べると重量があります。1.5倍くらいになりますので、振動による脱落には注意が必要です。ガタつかないように密着していた方が安心なのですが、あまりきついと付け外しに苦労してしまいます。今回試作品のつもりでしたが、実用可能な適度な密着感となりました。

ほどよい密着感となったeTrex30J用マウントアダプター

たまに乗るMTBのハンドルバーにも、余っていたEdge用のマウントを取り付けました。アームがプラスチック製のため振動が心配ですが、太いタイヤとショックアブソーバーが付いていますので、ロードバイクよりはマシかもしれません。

余っていたEdge用マウントをMTBにも取り付け

ここに三台のGPSから好きなものを取り付けることができます。他にも折り畳み自転車がありますので、それにもEdge用のマウントを取り付けておこうと思います。三台の自転車に三台のGPSを、好きな組み合わせで利用できるようになりました。やったね(^ ^)/

アダプターを介してMTBに取り付けられたeTrex30J


 アダプターはできるだけ寸法が小さくなるようにデザインしましたので、大きさで料金が変わる3Dプリントサービスの費用も抑えることができました。金型を用意して大量生産される市販品よりも安く作れました(^ ^) アダプターの耐久性や、耐振動性能などは、これから実走行を繰り返して評価してみたいと思いますが、あまり評判の良くない市販の変換アダプターを購入せずに、自分仕様で作成したものが実際に利用できるのは嬉しいことです。しばらく使用してみて満足できるものに仕上がっていたら、他の自作マウント同様DMM.makeのクリエイターズマケーットに出品予定です。市販品を超えない価格が目標ですので期待してお待ちください。



eTrex用Edgeマウントアダプター二種を出品しました


 こちらで紹介している二つのアダプターをDMM.makeのクリエイターズマーケットに出品しました。実際に使用して気づいた点を改良してあります。使用方法や注意点も含めて最新バージョンを解説している「eTrexをEdgeマウントに装着可能なアダプター二種を出品」ページをご一読いただいた上で、ご発注ください。

(2017年10月17日追記)



取り付けと実走行テストの様子を動画にまとめました


 写真と文章だけではわかりにくい部分も動画にすると理解しやすくなると思います。設計から取り付けテスト、屋外での実走行テストの様子をショートビデオにしましたのでご参考まで。



(2017年10月24日追記)