地図を眺めていると陸上自衛隊下志津駐屯地から南東に向かって異様に真っ直ぐな道路があることに気づきます。御成街道という名前が付けられていて、何やらお殿様に関係しそうな雰囲気。バイクや自転車で何度か通りましたが、片側一車線の真っ直ぐな道は走っていて面白みに欠けます。しかし、東金方面へは国道126号を使うより距離が短く、渋滞も少ないようで裏道として時々利用するようになりました。
御成街道の道標(陸上自衛隊下志津駐屯地付近) |
最近になって東金付近を自転車で走り回るようになりました。先日、自転車で初めて東金ダムへ行った時には、細い生活道路に御成街道の看板が掲げてあるのを発見。こんなところまで続いているんだと驚きました。
東金の細い道に掲げられた御成街道の道標 |
東金市が発行している「歴史と自然をめぐるガイドブック」には次のような解説がありました。『慶長18年(1613)12月、佐倉城主・土井利勝は、徳川家康から東金辺鷹狩りの準備を命じられました。そこで、船橋と東金をほぼ直線で結ぶ新道を造ることになり、沿道97か村もの村民を総動員して突貫工事を実施。10日〜15日という短期間で完成させたといわれています。』
こんな歴史を知ると単調な街道を走るのも少しは楽しくなります。ちょうど千葉の地酒も底をついていたので、酒蔵訪問も兼ねてバイクで東金を目指しました。実際のGPS軌跡を見てみると、走り始めてから8キロほどは定規で線を引いたかのように本当に真っ直ぐです。途中一部が開発のために道が変わっている部分もありますが、船橋から37キロの直線道路をよく二週間足らずで作ったものです。
御成街道の終着点は東金ダムの南側にある八鶴湖の周辺だそうです。この辺は牛久・東金崖線がありアップダウンのきつい道路が走っていますが、バイクなら楽チン。数日前にも自転車で来ていた東金ダムでしばし休憩しました。人工のダム湖らしく、よく整備された遊歩道や広場が気持ちの良い場所です。
東金ダムで休憩 |
ここは東金崖線の上部にあり、流れ込む川はありません。遠く利根川から水をポンプで押し上げてここに貯めています。取水口なのか注水口なのかわかりませんが、湖面に定期的に大きな泡が噴き出していて面白い光景です。
湖面に大きな泡が定期的に噴き出しています |
東金ダムから次に向かったのは清酒「花いちもんめ」を造っている花の友です。国道126号から少し山側に入った場所にあり、なかなか見つけにくい酒蔵です。JR総武本線の成東と松尾の間にあり、大堤交差点で国道126号から北側の細い道に曲がればすぐにたどり着きます。
国道126号北側の高台の縁にある花の友 |
前回花の友を訪問したのは昨年の8月でした。熟成された冷やでも燗でもいける吟醸酒を購入しましたが、今回は生原酒の「しぼり酒」を手に入れることができました。そろそろしぼりたて生の出荷もピークを過ぎている頃でしたのでラッキーでした。蔵を直接訪問しないとなかなか入手できない生原酒です。
生原酒「しぼり酒」 |
前回もそうでしたがご夫婦でやられているようで、とても丁寧な応対をしていただき嬉しくなります。バイクでの一升瓶持ち帰りを心配して丁寧に梱包していただきました。
花の友の母屋 |
加水や熱処理をしていない生原酒ですので猪口に注ぐとトロッとしていますが、すっきりとした味わいです。いけます。アルコール度数が19%以上もありますので飲みすぎ注意の生原酒でした。
トロッとした生原酒はかぼちゃの煮物にぴったり |
御成街道の起点になっている船橋の東照宮
後日、御成街道の起点が船橋市内にある東照宮であることをテレビで知り、訪ねてみました。東照宮といえば日光ですが、同じ名前の神社が船橋にもありました。もちろん徳川家康を祀っていますが、こちらは御成街道を使って鷹狩りに出かける際の宿泊所となっていた船橋御殿の跡地に建てられた日本一小さい東照宮だそうです。
船橋にある東照宮、葵の御紋や見猿言わ猿聞か猿もちゃんと |
(2017年2月5日追記)
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