関東地方も梅雨に入り、すっきりとしない空模様の日が続いています。日中に雨の予報が出ていない日を狙って夏吟醸が出荷された神崎町の鍋店をバイクで訪ねました。初春のしぼりたて生原酒の出荷が一段落した頃に、磨き抜かれた原料米を低温でじっくりと時間をかけて醸した吟醸酒が各蔵から続々と出荷されます。ほとんどの酒が季節に合わせて夏吟醸と名付けられていますが、火入れされていない無濾過生の「不動」夏吟醸が今回のお目当です。いつもチェックしている千葉県酒造組合のホームページで、鍋店から「不動」夏吟醸シリーズの出荷を知りました。純米吟醸と純米大吟醸の二種がそれぞれ1,200本と1,400本(どちらも一升瓶)の限定販売ですので、急ぎ蔵元がある神崎町に向かいました。
梅雨の合間に神崎町の鍋店(なべだな)を訪問 |
前回鍋店を訪れたのはひやおろしの出荷が始まってしばらく経った昨年秋です。その時は蔵にひやおろしの在庫がなく、あきらめて別の酒を購入して帰ってきました。今回は出荷されたばかりの夏吟醸だったのですが、聞いてみるとやはり在庫がないとのこと。季節限定の商品はほとんどが販売店に出荷されて蔵には置かないことが多いそうです。販売店にはまだまだ在庫があるはずとのことで、一番近いお店を聞いたら同じ道沿いのわずか50メートルほど離れた酒屋さんを紹介してくれました。
鍋店のすぐ近くにある平甚酒店 |
訪ねた酒屋にはお目当の夏吟醸が冷蔵庫に並んでいます。「不動」無濾過生夏吟醸の純米大吟醸と純米吟醸の二本を購入し、いつもの「ツーリングお土産トートバッグ」でバイクにしっかりと固定して帰りました。
「不動」夏吟醸無濾過生の純米吟醸(左)と純米大吟醸(右) |
鍋店には「仁勇」と「不動」の二つの主要銘柄があります。成田のお不動様から名付けられた「不動」は全て数量限定品で、不動特約店会加盟の全国100店舗のみでしか扱っていないそうです。確かに一般の酒屋ではなかなかお目にかかれません。実は成田山新勝寺のすぐ横に鍋店の直営店があります。新春の花見酒を買いに直営店を訪ねてみましたが、さすが人通りの多い成田山の店舗です。たくさんの新酒が店いっぱいに並んでいて、目移りしそうなほどでした。初めからこの直営店に行けばよさそうなものですが、成田山界隈の渋滞や駐車場などの心配もあり、蔵元で購入できればありがたいのですが不動は難しいようです。
小さな蔵元が多い千葉の酒蔵ですが、この鍋店はその中では大手です。もう一つの「仁勇」は近所のスーパーにも置いてありますが、「不動」は見たことがありません。各商品が千数百本しか販売されない「不動」はやっぱり貴重なんですね。
帰宅後に早速、純米吟醸の方から飲んでみました。生原酒ではありませんので、加水してアルコール度数を15度にしてあります。そのため春先にたくさん楽しんだ無濾過生原酒のトロッとした口当たりはなく、さっぱりとしてキリッとした口当たりです。少し拍子抜けしながらも、蒸し暑い真夏の夜に冷蔵庫できつめに冷やして飲んだら、風呂上りの汗もスーっと引いていきそうなそんな味がしました。
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