2014年12月9日火曜日

恐るべしLinuxワールド(Raspberry Piで簡単ハイレゾ音楽サーバー)


 先日秋月電子で購入したRaspberry Piをいじくりまわしています。Linuxについてはズブの素人ですが、標準のRaspbianを導入してディスクの共有をしてみたり、開発環境を試してみたり、五千円(ケース別)とは思えない楽しいオモチャです。

リビングのTVの後ろに置きました(ごちゃごちゃです)

USB端子が四つもあるため、キーボードやUSBメモリを繋いでも空きがあります。ふとUSB-DACを繋いで音を出してみたくなりました。OnkyoのDAC-1000を接続し、VLCでドライブしてみたところ立派な音が出ます。メーカーであるOnkyoのサイトを見てもLinux用のドライバーなどどこにも見当たりませんでしたが、別途ドライバーをインストールしなくてもちゃんと音が出ています。

FMエアチェック中心のコンポ

Volumioでネットワークオーディオ環境構築


 記録メディアはカセットテープからDATへ、そして今ではSDメモリーカードに変わりましたが、FMのエアチェックはもう何十年とやっています。AccuphaseのT-1100(DDS方式FMステレオチューナー)はデジタル出力を持っていますので、そこからTASCAMのSDメモリレコーダーに直接記録しています。アンテナはCATVのFM再送信サービスなのでマルチパスの非常に少ない良質の電波が供給できていると思います。問題は聞くときのDACの品質です。色々試して、今はDAC-1000に落ち着きました。このDACはなかなか良いスペックを持っていて、USB接続の場合は32bit/192KHzまで対応します。今流行りのハイレゾ対応です。ただこの能力を活かすためにはPC接続で音楽再生をしなければなりません。オーディオセットが置いてあるリビングにPCをセットするのも気が引けていたため、今までは16bit/48KHzまでしか利用していませんでした。テレビの裏に隠したRaspberry PiでこのDACをドライブし、リモートからコントロールできればリビングにごちゃごちゃと物を置かなくて済みます。マルチメディアプレイヤーであるVLCでやってみましたが、ユーザーインターフェースの使い勝手が今一つなのと、48KHz以外のサンプリング周波数も全て48KHzにリサンプリングされてしまい目的を果たすことができませんでした。

 ネットで調べてみるとVolumioというソフトがRasspberry Pi上で快適な音楽再生環境を構築できるということで評価が高いようです。

非常にシンプルなコントロール画面

導入も至極簡単。PCやスマホのWebブラウザーからコントロール可能なため、リモコン付きコンポのように操作できます。さらに標準でAirPlayに対応していて、iPhone/iPad/Macから直接このVolumio経由で家のステレオに音を飛ばせます。ハイレゾのサンプル音源をダウンロードしてVolumioで再生してみたのが下の写真です。ちゃんとソースの192KHzのままでDACまで届いていました。

Volumioで見事に192KHz再生

たった五千円のハードウェアでやりたかったことが全てできてしまいました。音飛び等の品質についてはこれから時間をかけての検証になりますが、製品として出来上がったものを購入すれば多分何万円も出費することになったと思います。しかも、ハードもソフトもオープンソースという今後も大勢の人がサポートし、改良を続けていくだろうものです。Linux恐るべし!改めてコミュニティの偉大さに感銘しながらリスニングを楽しみました。



Volumioがいつの間にかバージョンアップされてる


 リビングのオーディオセットに繋いだVolumioでNASに録り貯めたFM放送を楽しんでいますが、別の部屋の小型スピーカーでも同じ音源を楽しみたいと思い、もう一台Volumioをセットアップすることにしました。今回は部屋から部屋に持ち運びできるよう、Wi-FiでNASにアクセスし、小型のUSB-DACから音を出すようにしました。Raspberry-Pi 2B本体以外に三千円ほどの出費です。

無線LANとDACをUSBで接続し、このまま各部屋のアンプに接続すればOK

Volumioをダウンロードしてみると、いつの間にかバージョンが2に上がっていました。前回同様にSDカードにイメージを書き込み、一旦有線LANを使って起動してから無線LANの設定をしてやれば、あっという間に完成です。Linuxの知識など全くなくても、多少ネットワーク設定ができれば誰でもセットアップが可能です。本当にありがたいですね。

 パソコンからVolumioにアクセスしてみると見栄えが大きく変わっていることに驚きます。背景にイメージが指定でき、再生中にアルバムの画像が表示されます。さらに、設定を変えると日本語が出るようになっていました。

見栄えが大きく変わっていたVolumioバージョン2

 今回使用したUSB-DACはハードウェアで音量制御できる仕様になっています。Volumioはハードウェアで音量制御ができないDACでも、ソフトウェアで同様の機能を提供してくれますが、その場合は音質の劣化は避けられません。今回のUSB-DACなら音質劣化無しでVolumioから音量制御が可能になります。ボリュームコントロールがVolumioでできていますから、プリアンプを省いて秋月電子で売っている二千円のデジタルオーディオアンプ(メインアンプ)に直接繋いで音を出してみましたが、音量も十分でした。これでますます自宅のネットオーディオ環境が充実しました。AirPlay機能を使えば、iPhoneのスピーカー代りに各部屋のVolumioを使って音楽を聞くこともできます。日々改善と機能アップが続けられるVolumioプロジェクトに感謝しながら、家中で音楽を楽しんでいます。

(2017年4月26日追記)


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