秋雨前線が居座っている最中に17号と18号の二つの台風が発生。関東から東北にかけて記録的な豪雨に見舞われました。鬼怒川の堤防が決壊し、茨城県常総市では多くの家屋が流され、行方不明者が多数出ています。一刻も早く無事が確認されることを祈るばかりです。
サイクリングを始めたばかりの頃、利根川沿いのサイクリングロードをよく利用していました。次第に走行距離が伸びてくると、利根川の支流である小貝川や鬼怒川沿いのサイクリングロードも度々走るようになりました。今度の水害のニュースでは、知っている地名や見覚えのある風景が繰り返し報道され、見ているだけで胸が痛みます。
鬼怒川に架かる県道3号の玉台橋 |
利根川から菅生沼を経由し、鬼怒川を渡って小貝川沿いに利根川に戻るルートを楽しんでいました。関東平野のど真ん中のような場所で、大きなアップダウンがなく走りやすいルートです。いろいろなバリエーションルートも選択しやすく、体調に合わせて道を柔軟に変えることができる初心者向けの長距離ルートだと思います。
少し下流にある県道58号の滝下橋 |
鬼怒川も小貝川も大きく湾曲した流域を持ち、川沿いのサイクリングロードにしては飽きずに走ることができます。この二つの川が常総市を南北に貫いていますから、どちらの川が氾濫しても大きな水害が発生してしまう地域だと思います。気象庁の発表では経験したことのない記録的な豪雨ということでしたが、この地域は過去に何度も水害に見舞われたはずです。堤防上のサイクリングロードを走っていると、その証拠となる碑が建てられているのに気付きます。
小貝川の土手にある碑「決壊口の跡」とある |
最初に碑を見つけた時には気にも留めませんでしたが、今回のような大災害のあとでは足を止めて周りの地形にまで目を配るようになりました。
利根川の土手で見つけた「決壊口の碑」 |
大雨で堤防が決壊し大きな被害を受けながらも、地域の人々の努力で復興を果たしたのちに建立された碑だと思います。こうして碑が建てられた時の知見は後世のために役立てられていると思いますが、もっと昔からの経験は役立てられているのだろうかと心配になりました。
鬼怒川氾濫の二日後に下流域を訪ねてみました
久しぶりに一日晴れの予報が出た土曜日に鬼怒川方面に自転車で行ってみました。途中の利根川沿いにも大雨の痕跡があちこちに残っています。河川敷のグラウンドは完全に水没していました。サッカーのゴールでしょうか、半分が泥水の中に浸かっています。堤防の半分くらいまで白い泥の跡がついていますので、そこまで水が上がってきたと分かります。
利根川河川敷のサッカー場、ゴールが半分水に浸かっています |
新大利根橋を渡り、守谷市から常磐自動車道の守谷サービスエリヤ横を経由して利根川沿いのサイクリングロードを鬼怒川の合流点まで行ってみました。車やバイクでは渋滞を考えると躊躇してしまう場所ですが、自転車なら気候と体力だけ考えれば大丈夫です。
鬼怒川が利根川に合流する場所 |
利根川の方はまだまだ余裕のある水位でしたが、鬼怒川はかなり高い位置に水が流れています。河川敷は全面が川の一部になっていました。二日前はどんなだっただろうと想像すると恐ろしくなりました。
河川敷まで流域が広がった鬼怒川下流 |
堤防が決壊した上流まで物見遊山で出かけるわけにはいきませんので、以前何度も通った県道58号の滝下橋まで行ってみました。ここは両岸が高台になっている場所ですが、濁った水が川幅いっぱいにごうごうと流れていました。上の平常時の写真と比べれば大幅に水嵩が増しているのがわかると思います。橋を通り過ぎる多くの車も、スピードを緩めて川の様子を伺いながら通過していました。
滝下橋から見た堤防決壊二日後の鬼怒川 |
水害を被った皆さんが一刻も早く日常を取り戻せるようお祈りしています。
(2015年9月12日追記)
0 件のコメント:
コメントを投稿