小型軽量で設置の自由度が高いパナソニックのウェアラブルカメラA1Hはサイクリングやバイクで活躍中です。GoPro用に買い集めた豊富なマウントベースを活用し、REC-MOUNTSの変換アダプターを介して取り付けています。GoPro用のマウントベースは自転車やバイクの各所にしっかりと固定できますが、変換アダプターを介して取り付けられたA1Hは細かい振動の影響を十分に排除できない場合が有ります。
REC-MOUNTSのアダプターで固定(A1H本体の片側を引っ掛けるだけ) |
このことはREC-MOUNTS製のアダプターに限らず、パナソニック純正のマウント類でも同様のことが言えます。いくら軽量とはいえ重心から離れた本体末端部分で固定されていますから、特に上下方向に細かい振動が加わると画像にブレが出ます。ホースバンドなどでこのアダプターを締め込めば、画像のブレを小さくすることは可能ですが、力加減に気をつけないとA1Hのプラスチック部分が割れてしまいます。水平の調整もいちいちホースバンドを緩めなければならず、操作性も犠牲になります。
画像のブレを抑えるためホースバンドで締め付け |
もう少しスマートな方法はないか考えてみました。A1H本体の重心部(中央部)でマウントベースに固定できるようにすればいいはずです。それ以外は、ワンタッチで付け外しができ、水平の調整も簡単に回せるようにしてやれれば完璧です。早速、各部の寸法をノギスで測り、AutodeskのFusion 360でモデリングしてみました。
Autodesk Fusion 360でデザイン中の画面 |
今まではAutodesk社の123Dを利用していましたが、先日Fusion 360の入門セミナーに参加してその機能の素晴らしさに魅了され、乗り換えることにしました。Fusion 360でデザインしたものを3Dプリントするのは今回が初めてです。できあがったSTLファイルをDMM.makeに送って3Dプリントしてもらいました。
DMM.makeから送られてきた造形物 |
A1Hの着脱の際にしなりが必要なため、3Dプリントで使用した素材はナイロンです。PLAなどの硬い素材だと割れてしまう可能性があります。このナイロン素材、しなりがある割に結構丈夫で気に入っています。使える素材がPLAやABSなどに限定されるパーソナルユースの3Dプリンターの購入になかなか踏み切れないのは、ナイロンのような素材が使えないことによるのかも知れません。
0.5mmの段差もちゃんと実現できています |
宅配便が到着後、早速カメラ本体をはめてみると、純正オプションのようにパチンと音をたてて設計通りに収まりました。この瞬間がたまらなく気持ちいいです。
A1H中央部(重心付近)で固定 |
今回はあまりきつめにしませんでしたが、激しい振動のある場所での使用を想定した場合、もう少しきつくてもいいかも知れません。また、実際に使用する際にはマウントベースに合わせて色は黒を選んだほうが良さそうです。しばらく評価テストを行ってから、改良版を再度作成してみようと思います。
この試作品一つを作成するのに三千円弱の費用がかかりました。プラスチック製品のプロトタイプ作成費用としては超格安なんだと思いますが、大量生産品ではなく個人で使う予定のパーツ代としてはちょっと高いですね。
REC-MOUNTSの汎用フラッシュライト用アダプターもA1Hのマウントに使えそう
3Dプリントサービスで試作品が完成後、Amazonでこんなものを見つけました。棒状のLEDライトなどが固定できるREC-MOUNTS製のマウントです。パナソニックのHX-A1Hは形状が短いフラッシュライトそのものです。サイクリングの際にLEDライトをマウントするのにも使えそうなので、早速注文してみました。
REC-MOUNTSの汎用フラッシュライト用変換アダプター |
マウントベースへの取り付け部分は金属製で、見るからに丈夫そうです。重い電池を入れたLEDライトが固定できますので、軽量なA1Hは何の問題もなくガッチリと固定できました。
好きな位置にしっかり固定可能 |
これで税込2,700円でしたので、3Dプリントサービスで作った自作品とほぼ同額です。A1Hの取り付けはしっかりできていますが、気になる点としては以下の二点があります。
- マウントベースのネジ穴からA1Hの重心までの距離が長くなる
- 金属部品があり重量が増す
振動の影響をできるだけ避けるためには、モーメント(重量と長さの積)を小さくしたいのでちょっと心配です。実際の設置環境で比較テストをしてみようと思います。本音を言えば、自分で作ったマウントに健闘してもらいたいのですが、さてどうなるか?
非常に軽量なナイロン素材の自作マウント |
(2015年9月11日追記)
マイク部風よけ効果もあるA1Hマウント改良版も作ってみました
ウィンドジャマーの効果テストをしていて、マウントにちょっとした工夫をしてやれば風切り音が低減されることに気づきました。脱落防止のロック機構も含めて設計を見直し、3Dプリントで改良版を製作してみました。3D CADは設計変更も簡単ですね。
(2015年11月12日追記)
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