秋雨前線が居座り、連続して発生する台風の影響も加わって各地に甚大な水害をもたらしました。やっとのこと天候が安定してきたと思ったら、もうすっかり秋の気配です。気付けばバイクツーリングに最適な時期が到来していました。房総の地酒が底をついていましたので、ツーリングも兼ねて新しい地酒を物色に出かけました。
目指したのは香取郡神崎(こうざき)町にある創業340年の寺田本家です。ここは以前「発酵の里こうざき酒蔵まつり」で訪れたことがあります。その時は試飲が目的だったため、電車での訪問でした。重たい一升瓶が持ち帰れなかったため、今回はバイクで一升瓶を持ち帰ろうとの魂胆です。
目指す酒蔵は神崎町にありますが、「なんじゃもんじゃの木」で有名な神崎神社のすぐ近くです。神社を参拝してから酒蔵に行くことにしました。利根川近くの小高い山の上にあります。参道を登っていくと、社のすぐ隣にある大きな樟の木が目に飛び込んできました。
神崎神社の境内、すぐ右にあるのが「なんじゃもんじゃの木」 |
国の天然記念物に指定されているそうです。元々の幹は明治時代に火災で焼けてしまい途中から切られていますが、その周りに伸びた新たな幹が大木になっています。
樟の巨木「なんじゃもんじゃの木」 |
掲げられた説明を読むと、水戸光圀公が参詣した際に呟いた言葉が名前の由来になったとのこと。面白いですね。
「なんじゃもんじゃ」の由来が書かれていました |
寺田本家は正面に店舗を構え、奥に煉瓦造りの煙突があるためすぐに見つけることができました。ここの代表銘柄は「五人娘」です。無農薬米だけを原料に、もともと蔵に棲みついている酵母や乳酸菌の力を借りて醸された生酛造りで、添加物は一切使用していないとのこと。ラベルにも「自然酒」と明記されています。お店の人の話しを聞いているだけで期待がむくむくと膨らんできます。9月に蔵出しされたばかりの純米酒「五人娘」を購入しました。涼しい時には燗にしても美味しいですよとの最後のお言葉に、思わずよだれが出てきそうでした。
寺田本家、入り口に立派な店舗があります |
広い敷地の真ん中にある大きな木の周りを蔵が取り囲んでいます。何故かたくさんの鶏が走り回っていました。蔵の奥が神崎神社のある小山です。なかなかいい場所に建っています。
敷地の中、奥の小山が神崎神社 |
購入した純米酒「五人娘」。蔵出し、瓶詰めされたばかりの酒です。先ず冷やで飲んでみました。他の純米酒に比べて酸味があります。「自然発酵のため酸味のある特徴的な味わい」と説明書きにありましたが、確かにそのとおりです。最近の作り込まれた日本酒と違い、なんとなく懐かしい味だと感じてしまうのは気のせいでしょうか。
自然酒と銘打った純米酒「五人娘」 |
どうして懐かしいと感じるんだろうかといろいろ考えてみたら、手作りのどぶろくを飲んだ時に感じる酸味を思い起こす味がしたからだと気付きました。小さかった頃、母親の実家でどぶろくの甕を見つけ、こっそり蓋を開けて嗅いだ匂いが忘れられません。誘惑にかられ、ちょっと舐めてみた時の酸味と甘味の記憶が蘇る五人娘でした。う〜ん、日本酒は素晴らしい!
勝手に「房総の地酒」を応援するTVコマーシャル風動画を作ってみました
房総酒蔵バイクツーリングのインデックスはこちら
千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。
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