房総の酒蔵で作られる搾りたて新酒の出荷もそろそろ一巡しました。これからは一旦貯蔵されたものが主流になります。千葉県酒造組合の地酒ショップを覗いていたら君津市にある小泉酒造の純米吟醸「きみさらず」が目にとまり、購入して帰りました。
小泉酒造の純米吟醸「きみさらず」 |
冷やして飲んでみると、実にさっぱりとした吟醸酒です。どんな料理と一緒に飲んでも楽しめる味わいです。飲みながら裏のラベルを眺めていたら、「きみさらず」という名前の由来が書かれていました。
瓶の裏ラベルに「きみさらず」の由来が書かれていました |
ラベルには『南房総木更津の名のおこり。君不去伝説より名付けました。』とあります。木更津の名前の由来など考えたこともなかったのでネットで調べてみると、木更津市のホームページに君不去(きみさらず)伝説が紹介されていました。さらに市内の太田山公園にこの伝説を基に作られたきみさらずタワーという展望台があることもわかりました。早速その伝説のタワーを調査するために木更津に向けバイクを飛ばしました。
太田山公園には無料の駐車場があります |
太田山公園の入り口近くにある無料駐車場にバイクを停め、徒歩でタワーを目指します。後で気づきましたが、タワー直下にも別の駐車場があり、ほとんど歩かずに目的のタワーまで行くこともできます。
公園の頂上を見上げると何やら見えてきます |
平地の多い海沿いの木更津市では珍しい小高い山になっている太田山公園です。しばらく登ると公園の頂上に出ました。大きな「きみさらずタワー」が現れます。タワーのてっぺんに二つの像が立っています。これが君不去伝説の基になった日本武尊(やまとたけるのみこと)と弟橘媛(おとたちばなひめ)。二体の銅像が向かい合って立っていました。
太田山公園にある「きみさらずタワー」 |
船の形をした展望台まで階段で登ることができます。標高44メートルの太田山公園の頂上からさらに展望台は11.7メートルの高さがあり、周りは平地ばかりですので360度の景観が楽しめました。特に西の東京湾方面を望めばアクアラインから対岸の東京都心部まで一望できます。
きみさらずタワー展望台から東京湾方面を望む |
夜間は銅像がライトアップされ、東京湾岸のイルミネーションが楽しめる夜景スポットになっているそうです。確かに夜見たらきれいでしょうが、ちょっと怖いかもしれません。
タワーの下には弟橘媛(おとたちばなひめ)を祀った橘神社が建てられていました。君不去伝説にちなんでこの地も「恋の森」と呼ばれているそうです。そういえばこの近くにある中の島大橋も「恋人の聖地」でした。酒好きのバイクオヤジにはもう無縁ですが、木更津は「恋」が溢れる場所のようです。
弟橘媛(おとたちばなひめ)を祀った橘神社 |
橘神社の説明に君不去伝説が書かれていました。この「きみさらず」が木更津の語源になったという説があり、木更津市ではふるさと創生事業でこのきみさらずタワーを建てたそうです。
君不去伝説が書かれた橘神社の説明 |
房総の地酒を飲んで君不去伝説を知り、きみさらずタワーを訪ねるというのも趣があります。単なる暇人と呼ばれそうですが、いくつになっても探究心は尽きません。
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