スピード狂の自作マニア

　ガーミンのGPSサイコンとして有名なEdgeシリーズ。高価ですが、豊富な機能と自転車に特化した操作性がサイクリストからの支持を得ている機器です。中でも振動の多い自転車への取り付け方法は秀逸です。簡単に取り付け、取り外しができるにもかかわらず、走行中の激しい振動では脱落することのない、ユニークな機構となっています。

良くできたEdge用マウント、今まで脱落事故の経験はない

ここに登山で使用しているeTrexシリーズがマウントできれば便利です。持っているのは新旧のeTrexです。一つがeTrex 30J、もう一つがだいぶ前に購入したeTrex SUMMIT HC。残念なことに同じeTrexシリーズでありながら、マウント方法が全く異なります。二種類のアダプターを用意することにしました。

二種のeTrexマウントをEdge方式に変換

eTrex（10/20/30）用変換アダプター

　ガーミン純正のマウントや市販品のユーザーの声を反映させ、できるだけサイズが小さくなるように設計しました。eTrexの取り付け部は微妙な曲面になっていて、ガタつきが出ないように設計するのが難しい形状です。全体の長さを短くすることで、曲面の影響も少なく、さらに造形費用も抑えられます。

Autodesk Fusion 360で設計

本体背面の下から上に向かってアダプターをスライドさせて固定します。出来上がったばかりの状態では3Dプリント時のバリが残っていますので、少しきつめですが、使用しているうちにスムーズになります。動かなくなるまでスライドさせると、爪が溝にはまりロックされます。最初は出ないかもしれませんが、何度か使っているうちにパチンと音を立てて止まるようになると思います。

eTrex 30Jにアダプターを取り付ける

爪の部分を大きく作ってありますので、少し上部に出たままですが、その状態でOKです。外す時は爪の部分を少し持ち上げながら、全体を下方にスライドします。

爪が本体に引っかかりロックされた状態

しなりのあるナイロン素材の特性を活かし、きつめのサイズに設計してあります。はめる時に多少の力が要りますが、この密着感がガタつきを抑える重要なポイントです。今のところ、乗車中の振動でアダプターが本体から外れるようなことは起こっていません。これでeTrexがEdge用マウントに装着可能となりました。Edgeマウントへの装着時も最初は少し硬いかもしれませんが、しばらく使っていれば馴染んできます。

Edgeマウントに取り付けたeTrex 30J、実にスマートに取り付け可能

注意しなければならないのは、このEdgeマウント機構は左右に飛び出した厚さ1.7mmの小さなプラスチックの突起だけで全体を支えているということです。決して過大な力を加えてはいけません。Edge本体でもこの部分の破損が多いようで、補修用の裏蓋などがサードパティーからたくさん発売されています。

　Edgeシリーズに比べて、eTrexは単三電池二本を内蔵するため重量があります。振動での脱落に関しては、ロードバイクで舗装路を走っている最中に落下したことはありませんが、オフロードで連続した振動を受けたり、大きな段差で通常以上の力が加わった場合に耐えられるかどうかまでは未確認です。そのような心配がある場合は、ためらわずストラップなどの落下防止措置をとりましょう。